転生悪役令嬢は双子執事を護りたい～フィギュア原型師は推しの為なら異世界生活も苦じゃありません！～

実行の日②

私がそう告げた瞬間、あまりの驚きにぺたりとその場に膝をついてしまう母。

父はそんな母を支えながら、私を見上げて来た。

「サシャ……なの、か……？」

震える声で、私に向けてそう問いかけてくる父。

私は、そんな父に極めて厳かかつ冷静な声でこう返す。

「いいえ、私はあなた達の娘サシャではありません。正確には、サシャの肉体を借りてはいますが……今だけ中身は全く別の物。そう、私は女神の使い……天使なのです！」

自分で出来うる限り最大の慈愛に満ちた笑みを浮かべ、両手を広げながらもそう答えてみる私。

と、父は一瞬呆然とした後ーーなんとこう言い放ったのだ。

「……か……可愛い娘に天使が宿ったぞ！！！ママ！見てくれ、天使に天使が宿ってる！きっと、女神様の様に美しく優しいママが産んでくれた子供だから天使が宿ったんだね！」

すると、そのセリフを聞いた母までもが負けじとこう告げて来た。

「そんなことないわ！だって、パパがとってもカッコ良いから！美の神みたいに素敵なパパの子供だから天使様が宿ってくれたのよ！」

「ママ……！」

「パパ……！」

両者、互いのセリフに感激すると暫し熱く抱擁し合う。

私はそんな両親を見つめながら、

（ああ……そう言えば、この人達はこういう人達だったわ……）

と、ゲームでの2人についての情報を思い出していた。