転生悪役令嬢は双子執事を護りたい～フィギュア原型師は推しの為なら異世界生活も苦じゃありません！～

サイフォの企み②

「もう1つの意味……？」

「ああ」

彼は私を見つめたまま、静かにこう言った。

「この世界は……いずれ、君の世界との繋がりはなくなる。つまり、創造主がいなくなる訳だ。ならば……創造主のシナリオによって命を失ってしまった者達も救われていいのではないかと思ってね」

そう告げながら、片目を瞑ってみせるサイフォ。

一方私は、彼が発した言葉の意味に気付き、はっとした。

（それってつまり……シナリオやイベントで命を失った人達や、失う予定の人達も救えってこと……？）

すると、サイフォも私が理解していることに気付いたのか、言葉を続けてくる。

「誤解しないでほしいのだが。私は、この世界を愛しているし、この世界を愛してくれた創造主達には感謝をしているんだよ？でも……いかんせん、この世界では人が死に過ぎた」

彼はそう告げると、悲しげに瞳を伏せた。

ーー確かに。

実は、このゲーム「愛と死の舞踏会」は、重厚で荘厳なシナリオである一方、戦いや革命で容赦無くメインキャラクター達も命を落としていく死にゲー……鬱ゲーとしても、有名だった。

敵として倒される双子を始め、革命で処刑される私の両親、私ことサシャに見せしめに殺害される聖女の家族や、冒険の中で魔物との戦いで命を落としていく聖女の仲間達など、それはもう沢山のキャラクターが死んでいくのである。

というか、選択肢によっては普通に聖女も死亡してしまうし、聖女の婚約者となる王子だって戦死してしまう程、シビアなゲームなのだ。