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第一部 Side 永宮 真紀
私の決意
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彼女は、女医の家を出発する際、私にこう言ってくれたのだ。
「大丈夫。貴女も今日から私の娘よ。安心して、絶対に守ってあげる。それにね?私、昔から娘も欲しいと思っていたの」
そう言って優しく微笑んでくれた剛志のお母さん。
私はあの笑顔にーーあの言葉に、どれだけ救われたことだろう。
でも、だからこそ私も、何か「恩返し」がしたいと思ったのだ。
(このまま優しさに甘えて養って貰っているだけじゃ、自分が情けなさすぎる。私も、この優しい人達を支えたい)
そう決心した私。
そこで、私は剛志のお母さんにこう申し出た。
「あの、私も働きます!」
私の発言に、とても驚いた様に目を丸くする剛志のお母さん。
だが、次いでーー彼女は慌てて頭を振った。
「貴女もまだ子供なんだから!学校に行っていいのよ!」
でも、今度は私が首を横にふる。
「今の私は、受験に落ちてる身ですから。それに……私も、役に立ちたいんです。支えられるばかりじゃなく、役に立ちたいんです」
私は剛志のお母さんの目をまっすぐに見つめると、真剣にそう訴えかける。
そう……実は私は、ここに引っ越してきた日の深夜、剛志のお母さんが真夜中に1人で複数の求人雑誌を読んでいるのを目撃してしまった。
この家族の中では、大人は剛志のお母さんしかいないため、剛志のお母さんは自ら沢山働いて私たちを養うことにしてくれたのだろう。
「大丈夫。貴女も今日から私の娘よ。安心して、絶対に守ってあげる。それにね?私、昔から娘も欲しいと思っていたの」
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でも、だからこそ私も、何か「恩返し」がしたいと思ったのだ。
(このまま優しさに甘えて養って貰っているだけじゃ、自分が情けなさすぎる。私も、この優しい人達を支えたい)
そう決心した私。
そこで、私は剛志のお母さんにこう申し出た。
「あの、私も働きます!」
私の発言に、とても驚いた様に目を丸くする剛志のお母さん。
だが、次いでーー彼女は慌てて頭を振った。
「貴女もまだ子供なんだから!学校に行っていいのよ!」
でも、今度は私が首を横にふる。
「今の私は、受験に落ちてる身ですから。それに……私も、役に立ちたいんです。支えられるばかりじゃなく、役に立ちたいんです」
私は剛志のお母さんの目をまっすぐに見つめると、真剣にそう訴えかける。
そう……実は私は、ここに引っ越してきた日の深夜、剛志のお母さんが真夜中に1人で複数の求人雑誌を読んでいるのを目撃してしまった。
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