【完結】Good Friends

朱村びすりん

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第四章:八年間の友情

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「スウェン」
「…………ん」
「起きた? もう着いたわよ」
 飛行中,どうやらスウェンはずっと眠っていたようだ。
 ふと窓の外を見てみると,感動のものは一切見当たらなかった。灰色の滑走路が目に映った。どこか知らない,エアポートに着陸していたのだ。
 肩をすくめて遠くの方を眺めていると,スウェンはあるものを目にした。眠気から一気に覚める。大きな大きな,金銀に輝く建物のせいで。
「あれは……城かっ?」
 かすれた声でスウェンは叫んだ。
「遅いわよ。ここ,エルフィン城のエアポートなんですって」
「どうしてこんな所に? ジャックは?」
 立ち上がってスウェンはぐるっと機内を見回したが,ジャックの姿はない。ブライアンも,あの乗務員もいなくなっていた。
「どこ行った,ジャックたちは」
「さっきどこかへ行ってしまったわ。ここで待ってろ,ですって。よく分からないけど,私たちは置いてけぼりよ」
「冗談じゃない。時間の無駄だ。本当に参るぜ,あいつには」
 スウェンは席に着いた。待っている間,非常に退屈であった。スウェンは無意識に貧乏揺すりをしてしまう。
 何分……,何十分経ったことだろう。
 まるで何事もなかったかのような面をして,ジャック一人が戻ってきた。
 手をグーにしてスウェンは立ち上がった。
「ジャック! ったく,どういうつもりだ。さっさとお前の町に行こうぜ」
「ああ……すまん。でもその前に,少しの間だけ外に出てくれ」
 言われるがままに,スウェンたちは半強制的に機内から追い出された。
 キャラン街のよりも遥かに広大なエアポート。何百隻もあろう,航空船。飛行機に飛行船,ヘリコプターや気球。
 どれも本や写真で見たことはある。しかし実物はやはり迫力があり,圧倒された。
 思わずスウェンは,見入ってしまった。
「ジャック。何だかここ……静かすぎない?」
「そ,そうか?」
 エイダにそう言われると,彼はどもった。いつものジャックと様子が違う気がする。
 殆ど会話もせずに歩き続け,広大な野原に着いた。狐色に近い黄,オレンジ色,桃色,という変わった色の雑草が生えていて,スウェンの母国にはない目新しい光景が広がっていた。
 キョロキョロしながら,スウェンはジャックの後を付いていく。一行はさらに長い道のりを歩む。

――そして,気が付けば,エルフィン城にだいぶ近づいていた。城の壁は太陽の光を反射して豪快に輝いている。一番天辺の塔には,王国と王家の旗が,堂々とそびえたっていた。
「素敵! エルフィン城をこんなに間近で見るのなんて初めて!」
 両手の平を組んでエイダは感嘆していた。すると小声でジャックは言うのだ。
「よかったなぁエイダ。でも,近距離で見られるだけで終らないぞ」
「え?」
「付いてこい」
 理由は分からないが,ジャックがどこへ行こうとしているのか,ここまで来るとさすがのスウェンも勘づいていた。

「……二人を,城まで案内するよ」

――スウェンの予想は,正に的中のようである。


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