アラフォーの悪役令嬢~婚約破棄って何ですか?~

七々瀬 咲蘭

文字の大きさ
20 / 150
第一部

第19話 お悩み送信?☆

しおりを挟む
やっぱり、私が出るの?」
『別にお前でも大丈夫だ。ゲンメ公主代理で適当に挨拶しといてくれ』
「はい?挨拶?」
『最近のお前なら何とかなる。任せた』

 蛇姫の言っていた夜会の件、ゲンメ領地に居るハゲ狸に電話のような通信システムを使って聞いてみた。
 すでに招待状は来てたようだ。しかも夜会などの催しでは大公は勿論、四公も慣例で簡単な挨拶をするらしい。

 
 ……無理だ。

 あのキラキラの大公宮で人離れした美貌の公子たちや渋い大公、お綺麗な女公と並んで挨拶?

 ムリムリムリ。

 そんなこと、あのハゲ狸。今まで恥ずかしげもなくよくやってたわね。

 
「お嬢様、夜会にお出になるのですか?」
 横で通信を聞いていたルーチェに尋ねられる。

「お出にはなりたくないんだけどね」
「仮病使います?」
「使いたいのはヤマヤマなんだけど、行った方が良いと思うの……」
 出たくない。
 出たくないんだけど、夜会に出ずにアルルに危険を伝える良い方法ってある?
 私がその場で呼び出しは嘘だって伝えたら、蛇姫の目論見は潰せるんじゃないかと思うの。

 匿名でたれ込み入れても、もともとアルルファンは一部過激で有名だからまともに取り合ってもらえなさそうだし。
 夜会前に、それこそカルゾ公邸に突入して「アルルが危ない!」と喚けばいいのかしら?
 そんなことをしても、猿姫襲撃!って絶対門前で止められるだけよね。
 ヴィンセント様のメールアドレスも分からないし……なんとか伝える方法ないかしら?

 ん?

 今日ってミスターユッカの配信日だったわよね。

 公開お悩み相談で公子たちやアルルが気づいてくれたら?

 やってみる価値はあるかも。
 多分だけど、ミスターユッカもただの一般人じゃなさそうだもの。
 何となく、感覚が浮き世離れしてるから多分身分のある人間じゃないかしら。

「ルーチェ、ネットカフェに行くわよ」
 私は例のダボダボフードを被って玄関に走った。

※※※
 
「さて、何て書き込んだら分かるかなぁ……」
 すっかり定番になったサラック茶を片手に、キーボードの前で固まる私。

『今日は、私の悩みを聞いて頂けませんでしょうか?』

 悩み、とはちょっと違うような気もするけど……ま、いっか。

『友人ではありませんが、会えば挨拶や会話をかわす程度のお付き合いをしている女性の方のことなんです。
 その方は、ある殿方にまるで爬虫類のように執着されていて、最近ご婚約されたその殿方の美しい婚約者に御自分の思いをぶつけようとされてますの』
 
 蛇だと丸わかりだもんね。爬虫類でも分かっちゃう?

『爬虫類のごとき女性は私に御自分の身勝手な危険極まりない思いを打ち明けてきたのですが、私には婚約者の方にそれをお伝えする手段がなくて困っています。
 もし、お話できたとしてもあまり面識のない相手から、突然警告されるなんてきっとお相手の方もビックリされることでしょう。どのように私が振る舞えばベストなのか、ということで悩んでいますの』

 ちょっと分かりにくいかな?これでアルルかヴィンセント様、周りの人が気づいてくれるといいけど。

 ……発行部数500万部の週刊誌だもん、偉いさんでも定期購入してるって聞いてるからそこに期待よ。こないだ、大公宮の控え室にも置いてあったから、いざとなったらミスターユッカのページを開いた状態のものを夜会の控え室でばらまいちゃえばいいかも。

 律子、ナイスアイディア!それやってみよう。

『人の恋情というものは、予想外の出来事や衝動的な事件を引き起こしがちです。それも一方的であればあるほど、傷は深くなるでしょう。 
 今回のことも私の杞憂かもしれませんが、誰しも傷つかないように、それが私の一番の願いです』

 ま、コラム的に最後はまとめちゃった。危険警告なんだけど、勘の良さそうな銀の公子あたりならピンときてくれるでしょう。

 こんな公の場で、爬虫類女に「生きたまま切り刻んで楽しみたい」と言われました、なんてストレートに書きこんだら、公序良俗に反するとかで削除されるかもだよね……。 

 よし、送信!
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

侯爵令嬢ソフィアの結婚

今野綾
恋愛
ソフィアは希少なグリーンアイを持つヴィンセントと結婚したが、これは金が欲しいソフィアの父の思惑と高い爵位が欲しいヴィンセントの思惑が一致したからに過ぎない そもそもヴィンセントには美しい恋人がいる 美男美女と名高いヴィンセントとその恋人は身分に大きな差があるために結婚することは叶わないのだ その事をソフィアも耳にしており、この結婚が形ばかりのものであることを知っていた 結婚して早々、ソフィアは実家から連れてきた侍女夫婦とあばら家に住むように言われて… 表紙はかなさんです✨ ありがとうございます😊 2024.07.05

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

幸せな政略結婚のススメ【本編完結】

ましろ
恋愛
「爵位と外見に群がってくる女になぞ興味は無い」 「え?だって初対面です。爵位と外見以外に貴方様を判断できるものなどございませんよ?」 家柄と顔が良過ぎて群がる女性に辟易していたユリシーズはとうとう父には勝てず、政略結婚させられることになった。 お相手は6歳年下のご令嬢。初対面でいっそのこと嫌われようと牽制したが? スペック高めの拗らせ男とマイペースな令嬢の政略結婚までの道程はいかに? ✻基本ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。 ・11/21ヒーローのタグを変更しました。

これって私の断罪じゃなくて公開プロポーズですか!?

桃瀬ももな
恋愛
「カタリーナ・フォン・シュバルツ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 卒業パーティーの最中、第一王子アルフォンスから非情な宣告を突きつけられた公爵令嬢カタリーナ。 生まれつきの鋭い目つきと、緊張すると顔が強張る不器用さゆえに「悪役令嬢」として孤立していた彼女は、ついに訪れた「お決まりの断罪劇」に絶望……するかと思いきや。 (……あれ? 殿下、いま小さく「よっしゃあ!」ってガッツポーズしませんでした!?)

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...