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pt.1 天からの追放
1 天の総帥
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それは、死者の世界。
全てが実現する世界、天国。
そこに、疑念など微塵もない。
久遠の幸せは、保障されていた筈だった。
ー天国政府ー
執事「総帥、今日の御夕飯はどうなさいましょうか」
総帥「うむ、では地界の「ワショク」とやらを準備しなさい」
執事「かしこまりました。しかし、総帥は最近地界の食べ物を好んでいますね」
総帥「そうだな、地界には非常に興味がある。私の新しい思想にも深く関わることだからな」
平民とは違い、天国政府の人々は天国の人間。彼らは地界で生きたことがなかった。
天国、即ち極楽浄土。常に身に寄り添う幸せ。
それが彼らにとっては当たり前だった。
天国はもともと、静かな場所だった。天国政府の人間だけが、天国人として穏やかに暮らしていたからだ。
しかし、地界に人間が登場したことにより、その平静は終わった。
天国は賑やかである。その現実をどこか受け止めきれない部分があった総帥。
戻りたかった。
総帥にとって、平民は上京した田舎者。所詮、場違いでしかなかったのだ。
そこで総帥は、地界を理解しようと試みることにした。
不可能だった。少なくとも、幸せに包まれてきた彼らにとって、それは考えることもできない世界だっただろう。
悲しみを知らなかった彼らは、それが分からなかった。分かろうとすることもできなかった。
平民が増えていき、天国は違う色に染まっていく。
しかしここは幸せでできている世界。不満を爆発させてしまえば、もうお終いだ。
執事「にしても、この世界はだいぶ変わりましたね」
総帥「打開策は1つ、平民を減らすことだ」
執事「でも、世界元首が不満をぶち撒けて平民を殺すなんてことはできません…」
総帥「なら話は簡単、平民同士で殺り合わせれば良い」
執事「なるほど、さすが総帥!」
総帥「そんなことを考えるだけなら幼稚園生でも容易いぞ」
執事「…」
総帥「だが、それだけでは面白くない」
執事「と言いますと?」
総帥「こちらを弄んでくれた分、いや、それ以上、平民を弄んでやろうではないか」
総帥「始めよう、“ライフゲーム”を」
全てが実現する世界、天国。
そこに、疑念など微塵もない。
久遠の幸せは、保障されていた筈だった。
ー天国政府ー
執事「総帥、今日の御夕飯はどうなさいましょうか」
総帥「うむ、では地界の「ワショク」とやらを準備しなさい」
執事「かしこまりました。しかし、総帥は最近地界の食べ物を好んでいますね」
総帥「そうだな、地界には非常に興味がある。私の新しい思想にも深く関わることだからな」
平民とは違い、天国政府の人々は天国の人間。彼らは地界で生きたことがなかった。
天国、即ち極楽浄土。常に身に寄り添う幸せ。
それが彼らにとっては当たり前だった。
天国はもともと、静かな場所だった。天国政府の人間だけが、天国人として穏やかに暮らしていたからだ。
しかし、地界に人間が登場したことにより、その平静は終わった。
天国は賑やかである。その現実をどこか受け止めきれない部分があった総帥。
戻りたかった。
総帥にとって、平民は上京した田舎者。所詮、場違いでしかなかったのだ。
そこで総帥は、地界を理解しようと試みることにした。
不可能だった。少なくとも、幸せに包まれてきた彼らにとって、それは考えることもできない世界だっただろう。
悲しみを知らなかった彼らは、それが分からなかった。分かろうとすることもできなかった。
平民が増えていき、天国は違う色に染まっていく。
しかしここは幸せでできている世界。不満を爆発させてしまえば、もうお終いだ。
執事「にしても、この世界はだいぶ変わりましたね」
総帥「打開策は1つ、平民を減らすことだ」
執事「でも、世界元首が不満をぶち撒けて平民を殺すなんてことはできません…」
総帥「なら話は簡単、平民同士で殺り合わせれば良い」
執事「なるほど、さすが総帥!」
総帥「そんなことを考えるだけなら幼稚園生でも容易いぞ」
執事「…」
総帥「だが、それだけでは面白くない」
執事「と言いますと?」
総帥「こちらを弄んでくれた分、いや、それ以上、平民を弄んでやろうではないか」
総帥「始めよう、“ライフゲーム”を」
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