じゃあ俺、死霊術《ネクロマンス》で世界の第三勢力になるわ。

万怒 羅豪羅

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8章 重なる魂

5-1 七つの魔境

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5-1 七つの魔境

「ああ。聞いたことないか?“おろち墜ちたる七つの魔境”の話を」

魔境……?ペトラは意味深なことを言うが、俺には何のことだかさっぱりわからない。するとウィルが、あっ!と声を出した。

「私、聞いたことあります!七つの竜の数え歌……」

「歌?」

俺は、ウィルがペトラに見えていないのも忘れ、思わず聞き返してしまった。

「ええ。わらべ歌なんですけど、内容が今言ったことと似ているんです」

「良ければ、歌ってみてくれないか」

は?今しゃべったのは、俺じゃないぞ。俺とウィルは、同時にその声の主のほうを向いた。そこには、俺たちをまっすぐ見返すペトラがいた。

「……え?今のは、俺に言ったんだよな?」

「いや、違う。シスターに言った」

「えっ!」

また二人同時に声を出す。し、シスターだって?ここにいるシスターは、すなわちウィルしかあり得ない……ウィルが、恐る恐る口を開く。

「あ、あの……私が、見えてるんですか?」

「ん?ああ。なぜかお前だけ紹介されないから不思議に思っていたんだが。桜下と会話していたということは、私にしか見えていない幻というわけでもないんだろう?」

「その、そう、なんですけど……」

び、びっくりだ。ウィルのことが見える人間が、俺以外にもいたなんて……まさか。

「あの、ペトラってもしかして、霊感強い?」

「いや?特にそう思ったためしはないが」

「そっか……」

ってことは、これもお国柄ってやつなんだろうか……ペトラの海を渡った故郷では、みんなゴーストが見える体質なのかもしれない。まさか、「ペトラって実は人間じゃない?」なんて……流石に失礼すぎて、そんな事聞けないし。もちろんペトラは、モンスターには見えない。

「シスター。私は、その数え歌とやらは知らないんだ。実に興味深い、ぜひ聞かせてもらえないだろうか」

ペトラが再度ウィルに頼む。ウィルは初めての状況にかなり混乱しているようだったが、やがてん゛ん゛っ、と喉の調子を整えた。

「わかりました。では、不肖ウィル。歌わせていただきます……」

ウィルはすぅと息を吸うと、目を閉じ、静かな声で歌い始めた……



空に光るは 星七つ
天に覆うは 竜七つ
竜が星を飲み込めば 夜空に残るは闇一つ

地に降り立つは 剣七つ
力を秘めた 人七つ
夜空に星を戻さんと 竜を討つべく旅に出ん

西と東で 竜二つ 南と北で 竜二つ
あわせて四つ 討ち果てん

最後に残った 竜三つ
一つは空で 翼を裂かれ
一つは森で あぎとを刺され
一つは海で 尾を斬られ
ついに全ては 倒されん

夜空に戻りし 星七つ
瞳を閉じて 見つめてごらん
瞼の裏に 見えてくる
光り輝く 星七つ



ウィルの歌声は、まるで子守唄のような、穏やかな音色だった。

「ふぅ……これが、七つの竜の数え歌です。七匹の竜が倒されるってところが、さっきの言葉と似てませんか?」

ウィルは息を整えると、目を開けてこちらに向いた。不思議な歌詞だったけど、どういう意味があるんだろう?

「この歌は、なんの歌なんだ?」

「さあ……子守唄か、数字を数える練習のための歌だと思ってましたけど。私は神殿で寝る前に、プリースティス様が歌ってくれたのを覚えてるんです。ほら、ちょうど最後は目を閉じるようになっているでしょう?」

「なるほど……じゃあこの歌は、その七つの魔境をモチーフにした歌だったのかな」

俺がそういうと、ペトラもうなずいて同意した。

「そのようだな。この国では、そのような歌で伝わっているのか」

「で、でも待ってください!」

それをウィルが慌てた様子で遮る。

「私は、その七つの魔境?というものは聞いたこともありません……歌がそれをモチーフにしていたなんて、初めて知りました」

ありゃ?それはいったい、どういうことだ……?俺はほかの仲間たちの顔もうかがったが、みんな一様に“知らない”という顔をしていた。ペトラが首をかしげる。

「うん?お前たちは魔境をうたった歌を知っているのに、肝心の魔境を知らないのか?」

ペトラまで不思議そうな顔をするもんだから、俺たちはハテナ顔の一団になってしまった。

「……なあ、ペトラ。そもそも、その魔境ってのはなんなんだ?」

まず俺たちは、それを理解する必要がありそうだ。オロチ墜ちたる七つの魔境……だっけ?おろち……つまり、竜のことだよな。竜が墜ちた……つまり、倒された……?
ペトラはうなずくと、静かに語り始めた。

「七つの魔境は、この大陸に七か所存在する。はは、そのままだな。もちろん、いわゆる“魔境”はこの大陸だけでも七か所以上はあるだろうし、山脈を越えた魔王の国など、全体が魔境のようなものだが……ここでいう魔境とは、すべてにおいて、過去に竜との戦いがあり、かつ竜が屠られた場所のことを指している」

「竜が、屠られた……!」

ん、待てよ。こんな話を、前にも聞いたことがあるな。たしか、三の国に入る前にアニから聞いた……

「待ってくれ。もしかしてその魔境ってのは、竜が死んだせいで呪われた土地になった場所ってことか?」

「その通りだ。ふむ……桜下、君は竜の呪いについて知っているのだな」

「たまたま聞いたんだ……けどそんな場所が、七つもあっただなんてのは、知らなかった」

「そうか。では、その竜のことについては知っているだろうか?」

「え?」

竜について?そりゃあ、ドラゴンってことくらいしか、俺は知らないけど……

「その七匹の竜は、なぜ倒されることになったと思う?」

「なぜって……その竜が、悪い奴だったから、とか?」

「あっているとも言えるし、間違っているとも言える。人間たちにとっては、その竜は悪しき竜だっただろう。なぜなら人からすれば、それは魔王が人類に向けて放った、七つの矢だったのだから」

え?魔王?人類に向けてって……

「それって、前にあった戦争……三十三年戦争のことを言ってるのか?」

「そうだ。戦争の最終局面、魔王の大陸から七匹の竜が飛び立った。竜は大陸の各地に飛来し、そこで人間と激しく交戦したのだ」

「うへ……その戦争って、ドラゴンすら参戦していたのかよ?さすが魔王……竜もしもべにしてるってことか……」

「いや、事の真相は分からない。竜は誰かに隷属するような生き物じゃないから。私にはむしろ、竜を戦火から遠ざけたようにも見えた……」

「へ……?」

まるで自分の目で見てきたような口ぶりで話すペトラに、俺はぽかんと口を開けてしまった。まさかな?たしか二十年近く前だろ、戦争があったのって……ペトラはどう見てもそんな歳には思えない。俺の視線の意味に気付いたのか、ペトラは笑って付け加えた。

「もちろん、当時の話を聞いた上での推測にすぎないが。実際の所は、魔王本人に尋ねてみなければわからないだろう」

「あ、ああ。だよな……にしても、竜を逃がす、か。それって、ドラゴンでも勇者に敵わなかったってことだよな?」

「そうだな。竜の力を持ってすら、当時の勇者の力には及ばなかった。一匹、また一匹と竜は破れ、その決戦の地はいつしか、竜の呪い渦巻く魔境と化してしまったのだ」

「はー……」

ていうかよく勝てたな、人類。そん時の勇者って、やっぱり凄まじかったんだな。ファースト、サード、そしてセカンドか……最強の勇者三人が集まった戦争……

「すごい戦争だったんだな……」

「そうだな。しかし、私の故郷では割と有名な話なのだが、本当に知らなかったのか?」

「うん」

そりゃ、俺はこの世界出身じゃないからな。だが他のみんなもこの話は初耳だったようで、あっけにとられた顔をしていた。その時になって気づいたんだけど、なんと服の中で、アニすら小刻みに震えていた。これ、もしかして驚いているのか?アニすら知らないことだったなんて……

「でもさ、ペトラ。その魔境ってのは、相当危ないところだろ?そんなところに行くのか?」

「いや、行くといっても近くに立ち寄る程度だ。お前の言う通り、魔境の呪いは恐ろしい。私ひとりじゃとても太刀打ちはできないだろう」

「でもじゃあ、立ち寄るだけで何するんだ?」

「別に、何も。そこで流れた血を悼み、そこで失われた命を憂い、そこで起こった戦いに思いを馳せるだけ……旧友の墓参り、とでも言っておこうか。それに近い感じだ」

「はぁ、なるほど……」

戦争遺跡めぐり、みたいなもんだろうか?

「私は、この世界の姿を見てみたいのだ。良きところも、悪きところも、すべてな」

ペトラは焚き火を見つめながら言った。世界の姿、か。難しいことを考えるんだな。俺も彼女と同じように、ゆらゆらと揺れるたき火の炎を眺めた。かつて大勢の人が、竜の炎に巻かれ、そして竜もまた戦火に沈んでいったのだろう……
この世界について、俺はまだほとんど知らない。この世界にインターネットはないから、遠く離れた場所のことを知ろうと思ったら、直接自分の足でおもむいてみるしかない。ペトラもきっと、そのために旅を続けているんだろうな……俺たちはしばらく、無言で炎を見つめていた。みんなもそれぞれ、思いにふけっているようだ。

「……ふわぁ~あ。あ、悪い。つい出ちゃったよ」

しまった、揺れる炎をじっと見ていたら、大あくびが口を突いて出てきてしまった。一気に眠気がこみ上げてくる。戦闘で緊張していた気が緩んできたみたいだ。さっき飲んだ茶のせいで胃袋もほんのり温かいし……ペトラも疲れたように首の骨を鳴らす。

「ふふ、謝ることはない。私も疲れた、今夜はよく走ったから。お前たちは戦闘の後だからなおさらだろう。先に眠るといい、夜哨は私がしよう」

「あいや、それは俺の仲間がやってくれるよ。ほら、こいつらは夜も眠らないから」

「ほう。それはありがたいな。では、お言葉に甘えさせてもらうとしよう」

ペトラは黒馬に積んだ荷物から毛布と水筒を取り出すと、なぜか水筒の中身を地面にぶちまけた。すると黒馬はその水たまりの上に移動し、ぴたりと静止する。ひづめでも冷やしているのか?

「この馬はアパオシャと言ってな。ひづめから水を吸い上げ、水を食料とする馬なんだ」

「水を?へぇ~……」

そりゃまた、ずいぶんエコロジーな……この馬といい、お茶っぱといい、ペトラはずいぶん変わったものを持っている。さすが、あちこち旅する冒険家は、お宝に巡り合う機会も多いのだろうか……ああ、しかし眠い。

「ふわ……じゃあみんな。悪いけど、後は任せるな」

俺はカバンからマントを取り出すと、それを体に羽織って草の上に寝っ転がった。ちぇ、結局今夜も野宿になってしまった。顔だけを動かすと、少し離れたところで、ライラも眠そうに目をこすっている。さっき飲んだお茶、あれは安眠作用もあるんじゃないかな……俺はぼんやりそんなことを考えていたが、すぐに深い眠りへと落ちてしまった。



その夜、俺は夢を見た。
真っ赤になった空を、七匹の竜が飛んでいく。大地が燃え上がって、その炎で空も赤く染まっているんだ。
地上では、炎の中で、人々が輪になって踊っていた。みな炎の渦に包まれて、炎の髪に、炎の服を着ている。それでも人々の表情は穏やかで、ともすれば楽しそうにすら見えた。
空では竜たちが、地上を覆う火から遠ざかろうと、必死に翼を動かしている。しかし紅蓮の炎は、その舌先を鞭のように伸ばすと、竜を一匹ずつ呑み込んでいく。翼を焼かれた竜は、戦闘機が撃墜されたような音を響かせながら、真っ逆さまに炎の中へ落ちていく……
俺の隣にはフランがいた。彼女は大地を覆う火を、深紅の瞳で見つめている。俺は彼女に手を伸ばしたかったが、なぜか俺の手は動こうとはしなかった。
反対側には、ウィルが浮かんでいた。ウィルは涙を流しながら、静かに歌を歌っている。これは、七つの竜の数え歌だ……

瞳を閉じて、見つめてごらん……
瞼の裏に 見えてくる……
光り輝く 星七つ……



つづく
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読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。

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