331 / 860
9章 金色の朝
9-2
しおりを挟む
9-2
日がかなり傾いたころになって、俺は営舎へと戻ってきた。昼飯をとりに一度戻った後、再びライラたちのもとを訪れ、その後にフランとエラゼムを様子見して、今に至るってわけだ。
「ただいま、ウィル」
「ああ、おかえりなさい、桜下さん。お疲れ様です」
部屋に戻ると、ウィルが出迎えてくれた。傍らには、またしてもパンパンになった麻袋が、どでんと置かれている。中身は魔よけのポプリでいっぱいだ。一人でこれだけの量を仕上げるなんて……さすがだな。
「ウィルもお疲れ。はかどったみたいだな」
「ええ、まあ。話し相手がいなくて、少し寂しかったですけど」
「はは、そっか。悪いな」
幽霊であるウィルと話せるのは、俺たちくらいしかいない。下で働いている侍女たちは、彼女の姿すら見ることはできない。
「まあ、それはいいです。お昼の時も一度聞きましたけど、あれからはどうでした?」
「ああ。特に問題なし、順調だった……と、言いたいどころだけど」
「え?なにか、あったんですか?」
「トラブルはなかったんだ。ただやっぱり、まだ馴染み切れないらしくて。トラブルに“なりかけた”ことは、一度や二度じゃなかったんだよ」
俺が見ている範囲では、ライラは三回、他の魔術師と衝突しかけた。ヘイズが顔を利かせてくれていたので、無理な勧誘はこない。が、引き込むのが無理だと悟ると、魔術師たちは一転、ライラを敵視し始めたのだ。あのキセルの魔女もそうだったように、連中はたいていがプライド高く、負けず嫌いらしい。別ギルドの魔術師同士でもしょっちゅういがみ合っているようだが、その中でも別格の腕を持つライラには、意地悪をするヤツは多かった。
「出る杭は打ってもいい、ってことですか……」
あらましを聞いたウィルが、眉間にしわを寄せる。
「うーん、確かにいけ好かない連中ではあるんだけど……あっちが全部悪いかというと、そうも言いきれないんだよな」
「え、そうなんですか?」
そうなのだ。年下の子ども相手に意地悪するだけでも、たいがい大人げないとは思うのだが、さすがにそこまで露骨なことをしてくるやつはいない。ちょっと体をぶつけてみたり、わざとローブをはためかせて、くっついた砂埃を飛ばしてきたり。いじめと言うほどのこともない、ちょっとした嫌がらせ程度だ。イラっとはするけど、無視しようと思えばできない範囲ではないだろ?
けどライラは、大人に対して強い恨みと偏見を持っている。少しでも敵意を向けてくる人物に対して、あの子は容赦しないのだ。
「足元に落とし穴を作って落っことそうとしたし、頭上に雨雲を作って超局所的豪雨を降らそうとしたし、ひげを燃やして短くしようとした。どれも未遂で止められてよかったよ」
「それは……少し、やりすぎですね」
さすがに、ウィルも苦笑いを浮かべている。
「だよなぁ。あの子の過去を思えば、無理ない気もするんだけど……エラゼムたちも、そんな感じだった。やっぱり鎧と女の子じゃ、どうしても浮くみたいでさ。さすがにすぐ喧嘩とはならなかったけど、イライラしてんなぁってのはすぐに分かったよ」
「みなさん、苦労されてるんですね……」
そういう点では、一番お利巧なのは意外にもアルルカだった。あいつは仕事に精力的ではなかったけれど、そもそもあまり人と関わろうとしないので揉めづらいし、なにより血の誘引力がすごい。一番問題児っぽいのに……
「てわけだからさ、明日も俺は現場に行ったほうがいいかなって」
「そう、ですか。でも、確かに少し不安ですしね。わかりました」
「悪いな。また一人にしちゃうけど」
「あはは、さっきの、真に受けてます?冗談ですから、気にしないでください」
ウィルは、からからと笑った。他のみんなと違って、ウィルだけはほっといても安心だ。みんなのように、深い憎しみを背負って死んでいったということはないから。そういう意味でも、ウィルといると落ち着いた。
「ふぅ……」
首をコキコキ鳴らす俺を見て、ウィルが気づかわしげにこちらを見る。
「桜下さん、そんなにくたびれたんですか?」
「ちっとな。仲裁役ばっかりやってたから、気疲れしたよ」
「ああ、それは疲れそうですねぇ。あ、もしよかったら……」
ウィルが何かを言いかけたとき、部屋の扉が控えめにノックされた。俺が返事をすると、昨日と同じ侍女が、ぺこりと頭を下げて入ってきた。
「そろそろ日暮れですので、本日分を回収に来ました」
「あ、はい。これです」
「また、ずいぶんたくさん……あの、失礼ですけど。あなた、今日一日、ずっとここにいましたか?」
「はぇ!?い、いやだな。そうじゃなきゃ、こんなにできないじゃないすか……」
「……まぁ、そうなんですが。何度か部屋の前を通りましたが、異様に人の気配がなかったもので」
「は、はは。俺、影薄いってよく言われるんで……あ、下まで運ぶんでしょ?手伝いますよ」
俺は、なおもいぶかしむ侍女をごまかすように、パンパンの袋を抱えて、ほらほらと急かした。部屋を出るとき、ウィルが何か言いたげな顔をしていたのだが、俺はそれに気づくことはできなかった。
袋を倉庫に運び終えると、昨日とほとんど同じタイミングで、四人の仲間たちが帰ってきた。
「桜下ー、ただいま!」
いの一番に、ライラが俺の下へ走ってくる。
「おう、おかえり。あれから大丈夫だったか?」
「うん。夕方からはちょこっと眠かったけどね」
ライラは片目をつぶると、こしこし擦った。一日中魔法を使っても持ったんだ、上出来だろう。
「ところで……どうしてアルルカは、またボロボロなんだ?」
なぜだかアルルカは、今日も土埃まみれになっていた。おかしいな、今日は何もなかったはずじゃ……
「そいつの弊害を受けたのよ」
アルルカがぎろりとライラを睨むと、ライラは気まずそうに目線をそらした。
「どういうことだ?」
「あ、あはは。その、ちょこっとウトウトしかけた時があって。その時に、つい」
「ああ~……」
「冗談じゃないわよ。こうも連日尻を拭かされちゃ、たまったもんじゃないわ」
「お、お前だって、ボケーっと突っ立ってたじゃん!」
「なっ、あんですって!」
「あー、はいはい。ケンカしないの」
すーぐ小競り合いして。こいつら、意外と息が合うんじゃないか?いがみ合う二人の背中を押して、ひとまず部屋へ引き上げる。
「みなさん、おかえりなさ、ぃ……」
アルルカを見て、案の定ウィルが目を丸くする。
「みなさん、ずいぶん泥んこですね……」
む、確かに。アルルカが突出しているが、ライラも大概ほこりまみれだ。赤い髪が、土埃でうっすら白くなっている。エラゼムも鎧のあちこちにススをくっつけているし、フランも似たようなもんだな。彼女の場合、肌も髪も色素が薄いから、汚れが目立つ。
「これは……一度、風呂を借りたほうがいいな」
「えー」と、めんどくさそうな顔をするライラ。すると何かをひらめいたのか、ポンと手を打った。
「あっ。じゃあ、桜下もいっしょに入ろ!」
「は?」
ぽかんとする俺に、ライラは名案だとばかりにしきりにうなずいている。
「それで、桜下が洗ってくれるの。これならラクチンだ!ねぇー、いいでしょ。前もいっしょだったじゃん」
「いや、前はお前が後から入ってきたんじゃ」
すると、がしっ。俺の右手を、フランがむんずと掴んだ。な、なんだろう。すごく嫌な予感がする……
「その子がいいなら、わたしもいいよね」
「え?いや、いいなんて一言も」
というか、今日はむしろ余計に……さっきのことがあるから……
俺は藁にもすがる思いで、アルルカを見た。やつが一番汚れているから、きっと風呂にも入りたがるはずだ。そしてあいつが、俺と一緒に風呂に入りたがるわけが……
「へぇ~え、三助を買って出ようってわけね。あんたにしては、殊勝な心掛けじゃない」
「は、さんす?誰?ていうか、あれ?俺の声聞こえてる?」
後でアニに聞いたら、三助とは人名じゃなく、昔の垢すり屋のことだそうだ。なんでそんな言葉知っているんだ……
「まあいいわ。トクベツに、あたしの肉体美を拝謁するコトを認めてあげる」
「いいのかよ!」
「ほら。往生際が悪いよ」
「まてって……!うお、力つよ……!」
「いいじゃん、べつに。桜下いっつも言ってるでしょ、男に二言はないって」
「一言目を言ってな……うおおぉぉぉぉぉ」
抵抗むなしく、というかフランの馬鹿力にかなうはずもなく、俺はずりずりと風呂場へ引きずっていかれた。断言してもいい。このあとの数十分間は、俺の十うん年の人生の中で、一番疲れる時間だった。
「……ご武運を、桜下殿」
エラゼムのつぶやきは、桜下の耳には届かなかった。彼が完全に見えなくなってから口にするあたり、エラゼムもまた、確信犯だった。
「さて、吾輩も表でススを落としてまいります」
「……」
「……ウィル嬢?どうなされた?」
「え?いえ、何でもありませんよ」
「左様ですか。では、行ってまいります」
「はい」
エラゼムは兜をかしげながらも、深くは気にせず、扉から外へと出て行った。
後にはぽつんと、ウィルだけが、誰もいない部屋に残された。
つづく
====================
読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
====================
Twitterでは、次話の投稿のお知らせや、
作中に登場するキャラ、モンスターなどのイラストを公開しています。
よければ見てみてください。
↓ ↓ ↓
https://twitter.com/ragoradonma
日がかなり傾いたころになって、俺は営舎へと戻ってきた。昼飯をとりに一度戻った後、再びライラたちのもとを訪れ、その後にフランとエラゼムを様子見して、今に至るってわけだ。
「ただいま、ウィル」
「ああ、おかえりなさい、桜下さん。お疲れ様です」
部屋に戻ると、ウィルが出迎えてくれた。傍らには、またしてもパンパンになった麻袋が、どでんと置かれている。中身は魔よけのポプリでいっぱいだ。一人でこれだけの量を仕上げるなんて……さすがだな。
「ウィルもお疲れ。はかどったみたいだな」
「ええ、まあ。話し相手がいなくて、少し寂しかったですけど」
「はは、そっか。悪いな」
幽霊であるウィルと話せるのは、俺たちくらいしかいない。下で働いている侍女たちは、彼女の姿すら見ることはできない。
「まあ、それはいいです。お昼の時も一度聞きましたけど、あれからはどうでした?」
「ああ。特に問題なし、順調だった……と、言いたいどころだけど」
「え?なにか、あったんですか?」
「トラブルはなかったんだ。ただやっぱり、まだ馴染み切れないらしくて。トラブルに“なりかけた”ことは、一度や二度じゃなかったんだよ」
俺が見ている範囲では、ライラは三回、他の魔術師と衝突しかけた。ヘイズが顔を利かせてくれていたので、無理な勧誘はこない。が、引き込むのが無理だと悟ると、魔術師たちは一転、ライラを敵視し始めたのだ。あのキセルの魔女もそうだったように、連中はたいていがプライド高く、負けず嫌いらしい。別ギルドの魔術師同士でもしょっちゅういがみ合っているようだが、その中でも別格の腕を持つライラには、意地悪をするヤツは多かった。
「出る杭は打ってもいい、ってことですか……」
あらましを聞いたウィルが、眉間にしわを寄せる。
「うーん、確かにいけ好かない連中ではあるんだけど……あっちが全部悪いかというと、そうも言いきれないんだよな」
「え、そうなんですか?」
そうなのだ。年下の子ども相手に意地悪するだけでも、たいがい大人げないとは思うのだが、さすがにそこまで露骨なことをしてくるやつはいない。ちょっと体をぶつけてみたり、わざとローブをはためかせて、くっついた砂埃を飛ばしてきたり。いじめと言うほどのこともない、ちょっとした嫌がらせ程度だ。イラっとはするけど、無視しようと思えばできない範囲ではないだろ?
けどライラは、大人に対して強い恨みと偏見を持っている。少しでも敵意を向けてくる人物に対して、あの子は容赦しないのだ。
「足元に落とし穴を作って落っことそうとしたし、頭上に雨雲を作って超局所的豪雨を降らそうとしたし、ひげを燃やして短くしようとした。どれも未遂で止められてよかったよ」
「それは……少し、やりすぎですね」
さすがに、ウィルも苦笑いを浮かべている。
「だよなぁ。あの子の過去を思えば、無理ない気もするんだけど……エラゼムたちも、そんな感じだった。やっぱり鎧と女の子じゃ、どうしても浮くみたいでさ。さすがにすぐ喧嘩とはならなかったけど、イライラしてんなぁってのはすぐに分かったよ」
「みなさん、苦労されてるんですね……」
そういう点では、一番お利巧なのは意外にもアルルカだった。あいつは仕事に精力的ではなかったけれど、そもそもあまり人と関わろうとしないので揉めづらいし、なにより血の誘引力がすごい。一番問題児っぽいのに……
「てわけだからさ、明日も俺は現場に行ったほうがいいかなって」
「そう、ですか。でも、確かに少し不安ですしね。わかりました」
「悪いな。また一人にしちゃうけど」
「あはは、さっきの、真に受けてます?冗談ですから、気にしないでください」
ウィルは、からからと笑った。他のみんなと違って、ウィルだけはほっといても安心だ。みんなのように、深い憎しみを背負って死んでいったということはないから。そういう意味でも、ウィルといると落ち着いた。
「ふぅ……」
首をコキコキ鳴らす俺を見て、ウィルが気づかわしげにこちらを見る。
「桜下さん、そんなにくたびれたんですか?」
「ちっとな。仲裁役ばっかりやってたから、気疲れしたよ」
「ああ、それは疲れそうですねぇ。あ、もしよかったら……」
ウィルが何かを言いかけたとき、部屋の扉が控えめにノックされた。俺が返事をすると、昨日と同じ侍女が、ぺこりと頭を下げて入ってきた。
「そろそろ日暮れですので、本日分を回収に来ました」
「あ、はい。これです」
「また、ずいぶんたくさん……あの、失礼ですけど。あなた、今日一日、ずっとここにいましたか?」
「はぇ!?い、いやだな。そうじゃなきゃ、こんなにできないじゃないすか……」
「……まぁ、そうなんですが。何度か部屋の前を通りましたが、異様に人の気配がなかったもので」
「は、はは。俺、影薄いってよく言われるんで……あ、下まで運ぶんでしょ?手伝いますよ」
俺は、なおもいぶかしむ侍女をごまかすように、パンパンの袋を抱えて、ほらほらと急かした。部屋を出るとき、ウィルが何か言いたげな顔をしていたのだが、俺はそれに気づくことはできなかった。
袋を倉庫に運び終えると、昨日とほとんど同じタイミングで、四人の仲間たちが帰ってきた。
「桜下ー、ただいま!」
いの一番に、ライラが俺の下へ走ってくる。
「おう、おかえり。あれから大丈夫だったか?」
「うん。夕方からはちょこっと眠かったけどね」
ライラは片目をつぶると、こしこし擦った。一日中魔法を使っても持ったんだ、上出来だろう。
「ところで……どうしてアルルカは、またボロボロなんだ?」
なぜだかアルルカは、今日も土埃まみれになっていた。おかしいな、今日は何もなかったはずじゃ……
「そいつの弊害を受けたのよ」
アルルカがぎろりとライラを睨むと、ライラは気まずそうに目線をそらした。
「どういうことだ?」
「あ、あはは。その、ちょこっとウトウトしかけた時があって。その時に、つい」
「ああ~……」
「冗談じゃないわよ。こうも連日尻を拭かされちゃ、たまったもんじゃないわ」
「お、お前だって、ボケーっと突っ立ってたじゃん!」
「なっ、あんですって!」
「あー、はいはい。ケンカしないの」
すーぐ小競り合いして。こいつら、意外と息が合うんじゃないか?いがみ合う二人の背中を押して、ひとまず部屋へ引き上げる。
「みなさん、おかえりなさ、ぃ……」
アルルカを見て、案の定ウィルが目を丸くする。
「みなさん、ずいぶん泥んこですね……」
む、確かに。アルルカが突出しているが、ライラも大概ほこりまみれだ。赤い髪が、土埃でうっすら白くなっている。エラゼムも鎧のあちこちにススをくっつけているし、フランも似たようなもんだな。彼女の場合、肌も髪も色素が薄いから、汚れが目立つ。
「これは……一度、風呂を借りたほうがいいな」
「えー」と、めんどくさそうな顔をするライラ。すると何かをひらめいたのか、ポンと手を打った。
「あっ。じゃあ、桜下もいっしょに入ろ!」
「は?」
ぽかんとする俺に、ライラは名案だとばかりにしきりにうなずいている。
「それで、桜下が洗ってくれるの。これならラクチンだ!ねぇー、いいでしょ。前もいっしょだったじゃん」
「いや、前はお前が後から入ってきたんじゃ」
すると、がしっ。俺の右手を、フランがむんずと掴んだ。な、なんだろう。すごく嫌な予感がする……
「その子がいいなら、わたしもいいよね」
「え?いや、いいなんて一言も」
というか、今日はむしろ余計に……さっきのことがあるから……
俺は藁にもすがる思いで、アルルカを見た。やつが一番汚れているから、きっと風呂にも入りたがるはずだ。そしてあいつが、俺と一緒に風呂に入りたがるわけが……
「へぇ~え、三助を買って出ようってわけね。あんたにしては、殊勝な心掛けじゃない」
「は、さんす?誰?ていうか、あれ?俺の声聞こえてる?」
後でアニに聞いたら、三助とは人名じゃなく、昔の垢すり屋のことだそうだ。なんでそんな言葉知っているんだ……
「まあいいわ。トクベツに、あたしの肉体美を拝謁するコトを認めてあげる」
「いいのかよ!」
「ほら。往生際が悪いよ」
「まてって……!うお、力つよ……!」
「いいじゃん、べつに。桜下いっつも言ってるでしょ、男に二言はないって」
「一言目を言ってな……うおおぉぉぉぉぉ」
抵抗むなしく、というかフランの馬鹿力にかなうはずもなく、俺はずりずりと風呂場へ引きずっていかれた。断言してもいい。このあとの数十分間は、俺の十うん年の人生の中で、一番疲れる時間だった。
「……ご武運を、桜下殿」
エラゼムのつぶやきは、桜下の耳には届かなかった。彼が完全に見えなくなってから口にするあたり、エラゼムもまた、確信犯だった。
「さて、吾輩も表でススを落としてまいります」
「……」
「……ウィル嬢?どうなされた?」
「え?いえ、何でもありませんよ」
「左様ですか。では、行ってまいります」
「はい」
エラゼムは兜をかしげながらも、深くは気にせず、扉から外へと出て行った。
後にはぽつんと、ウィルだけが、誰もいない部屋に残された。
つづく
====================
読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
====================
Twitterでは、次話の投稿のお知らせや、
作中に登場するキャラ、モンスターなどのイラストを公開しています。
よければ見てみてください。
↓ ↓ ↓
https://twitter.com/ragoradonma
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる