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12章 負けられない闘い
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アナウンスの声が絶叫し、試合開始の大ドラがゴワァァァンとかき鳴らされた。それと同時に、観客たちは爆発したように歓声を上げる。応援や励ましもあったが、大半はやじか罵詈雑言だ。
「いけーーー!ぶっ殺しちまえーーーー!」
「有り金全部突っ込んだんだ!負けたら承知しねぇぞーー!」
ありがたいお言葉の数々に、アドリアはうんざりと肩を落とした。彼女もまた、この戦いには乗り気ではなかった。見世物として闘うなど、喜べるものか。が、もともと傭兵稼業をしていた彼女からすれば、望まぬ戦いなど日常茶飯事だ。今回もまた、その中の一つと割り切って、アドリアは目の前の対戦相手を見つめる。
アルルカは、とくに何をするでもなく、ぼけーっと突っ立っていた。周りから飛んでくるやじもどこ吹く風で、退屈そうに自分の尻をぼりぼり搔いている。アドリアは再三のため息をついた。礼儀作法にはそれほど詳しくはないが、同じ女としてあれはいかがなものか。
(しかたない。やることを粛々とこなそう)
相手がどんなであれ、今の自分は戦うしかない。アドリアは背中の矢筒から矢を引き抜いた。そして流れるような洗練された動作で、弓につがえ、弦を引き絞る。一切の無駄がない美しい所作に、観客たちは思わず見惚れた。
「フッ!」
パシュ!鋭く打ち出された矢は、まっすぐアルルカの左肩目掛けて飛んでいく。狙いを外したわけではなく、あえて致命傷にならない肩を狙った一撃だった。腕への攻撃が通れば、一気にアドリアが優勢になる、と見せかけることができる。最短かつ、最小限のダメージで試合を終わらせようという、計算ずくの一矢だった。
パシッ!
「何……!?」
観客がどよめいた。アルルカは右手で、飛んできた矢をキャッチしたのだ。矢羽根のあたりを捕まえたアルルカは、不敵に笑うと、ふーっと矢に息を吹きかける。すると矢はたちまち凍り付き、大きなつららに姿を変えた。アルルカは何度かぽんぽんとつららを投げ上げると、次の瞬間には腕を振りかぶって、思い切り投げつけた。
「ッ」
アドリアはたまらず前に転がった。すぐ横をつららがすっ飛んでいき、地面に当たってガシャリと砕ける。
(今の一撃……直撃していたら、かなり“きわどい”ぞ)
アドリアは正気か?という目で、アルルカを睨みつける。その視線を受けたアルルカは、マスク越しのにやけた顔を隠しもせずに言った。
「ねえ、あんた。アドリア、とか言ったっけ?つまんない小細工しないでいいから、全力でかかってきなさいよ。じゃないとあんた、死ぬわよ」
「なんだと?」
アドリアは自分の耳を疑った。
「あたしんとこのお馬鹿さんとか、そっちの坊やがいろいろ話し合ってたけどね。あたし、ぜーんぜん興味ないのよね」
「……おかしいな。私たちは、互いを尊重し合って戦うのではなかったか?」
アドリアは、暗に「約束を忘れたのか?」と問うていた。対してアルルカは、どこ吹く風だ。
「尊重?嫌よ。どうしてあたしが、んなくだらないこと守らなきゃならないのよ」
「……ならお前は、どうしてここにいるんだ?」
「ま、頼まれたからね。くすくす……あいつったら、あたしに頭下げてきたのよ?ほんっとにバカなんだから。ま、あたしもそこまで悪い気はしなかったし。あんたを殺さない程度にボコればいいんだから、簡単な話だわ」
「……ほう」
アドリアの顔から、困惑が消えた。代わりに、戦士としての誇りが沸き上がってくる。それを見てアルルカは、口元のにやけを深くした。
「あたしとしても、ここにいる連中にあたしの強さ、美しさを見せつけてやるのは、やぶさかじゃないの。けど、あんたがあまりにもザコだと、ほら。盛り上がらないじゃない?」
「なるほどな。それで、先ほどの問いに戻るというわけか」
「そーいうことよ」
二人の会話を、桜下とウィルはハラハラしながら聞いていた。
「あんのバカ……まさか、ここでやらかしてくるとはな」
「お、桜下さん、マズくないですか?それに今の会話、観客のみなさんに聞かれたら……」
「ああ。けど、たぶん大丈夫だ。こんだけ周りがうるさいし、最前列のここでかろうじて聞き取れるくらいなんだから」
「あ、そ、そうですね……でも、もう一つの方がマズいですよね……」
「ああ……くそ、頼むから変なことするんじゃねーぞ……」
桜下とウィルは、祈る思いでリングを見つめる事しかできなかった。
「もし、私たちが全力でぶつかったとして」
アドリアは、努めて冷静な声で訊ねた。だが裏腹に、胸の奥では闘争心がグツグツと煮え始めているのを感じてもいた。
「それを、そちらの主は了承してくれるのか?“仮に”、私がお前を打ちのめしたとして、終わった後に約束が違うと罵られても困るが」
「へ、へー……」
ぴくぴくっと、アルルカの頬が引きつる。
「まあ?“仮に”、そんなことが起きたとしても?別に問題ないんじゃない?あたしは、殺すなとしか言われてないもの。ま、そんなこと万が一にもあり得ないでしょうけど」
「そうか。それなら、安心だな……」
アドリアはそこで言葉を区切ると、ふっと息を吐き、うつむいて瞳を閉じた。アルルカが怪訝そうな顔をする。一拍、二拍置いてから、アドリアは瞳を開けた。
「ならば、本気で行かせてもらおう」
ビリビリビリッ!アドリアの失われたはずの片目。そこから凄まじい闘気が放たれている。闘気は赤いオーラとなり、眼帯の下から溢れ出ていた。その迫力に、アルルカは思わず、ほんの少しだが後ずさった。そしてすぐににぃっと笑う。
(あたしを後ずさりさせるだなんて。こいつ、思ったより楽しめそうね)
アドリアの空気が変わった事は、アルルカにも、そして観客にもはっきりと伝わった。あれだけ大騒ぎしていた客席に、水を打ったような静寂が広がっていく。
「……いくぞ!」
アドリアは叫ぶやいなや、凄まじい速さで矢を弓につがえた。その動きは先ほどよりもさらに早く、洗練されていた。が、いかに素早くとも、物理的な動作を完全に短縮することはできない。アドリアが矢を抜き、つがえる間に、アルルカはとっくに杖を構えていた。
「メギバレット!」
ダァーン!アルルカの杖から、氷の弾丸が発射された。音速の弾は、アドリアの肩を直撃する。氷はパーンとはじけ、アドリアの上半身は突き飛ばされたようにぐらりと揺れた。
「……チッ」
舌打ちしたのは、アルルカだった。攻撃が命中したはずなのに、彼女の顔は険しい。それもそのはず、彼女はアドリアの急所、みぞおち目掛けて弾を撃ったからだ。アドリアは巧妙に体をひねって、弾の当たりどころをずらしたのだった。
「ふーん、やるじゃない。急所を外したことだけは、褒めてあげるわ。でも、結局かわし切れないんじゃねぇ」
「ふふ、お褒めにあずかり光栄だ。だが、今のはかわせなかったわけではない」
「は?」
「あえて受けたんだ。今ので、お前のその攻撃の、早さ、威力、射程、すべて捉えた。次からは、もう貰わん」
今度はアドリアが不敵に笑う番だった。アルルカが頬を引きつらせる。
「……言ってくれるじゃない!ならその言葉、嘘にしてあげるわよ!」
アルルカが再び杖を構える。するとアドリアは、一瞬だけの小刻みなステップを、連続で繰り出し始めた。アルルカが狙いを定めるたびに、アドリアの体はふっと揺れ、赤いオーラだけを残して消える。だが、闇雲に動き回るわけではない。銃口が定まるその瞬間、まるで狙いすましたかのようにステップを踏むのだ。アルルカほどの腕前ともなれば、逃げまわる相手の動きを先読みし、偏差撃ちをするなど朝飯前だった。だが、アドリアは無駄な動きはしない。止まるときは止まり、動くときだけ動く。その規則正しい不規則性が、アルルカになかなか引き金を引かせない。
「くっ……そがぁ!」
業を煮やしたアルルカが弾を発射した。だが当然、アドリアにはかすりもしない。それどころか、待ってましたとばかりに体を翻すと、瞬時に矢を構え、発射した。パシュ!
「くうっ!」
アルルカは体をひねって、矢をかわそうとした。ところが矢は、まるで意志でも持っているかのように、途中でぐーんと軌道を曲げた。ちょうど身をひねったアルルカの脇腹に、矢じりが食い込む。トス!小気味いい音を立てて、アルルカのほっそりした胴に矢が生えた。観客がどっと沸いた。ワァァァア!
「ぃったぁ!やってくれるじゃない!」
アルルカが怒って、杖を振り回そうとする。だが間髪入れずに次の矢が飛んできたので、慌てて飛び上がることになった。矢が今度は上向きに軌道を曲げたので、アルルカはギョッとして翼を羽ばたかせ、十分な高度まで上昇した。
「ハァ、ハァ……人間技じゃないわね……」
アルルカは額の汗をぬぐった。さすがにこの高さまでは矢が届かないのか、アドリアは弓を下ろして様子を伺っている。
「ふん、いい気味だわ!そこで何もできずに、指くわえてなさい!」
アルルカは勝ち誇った声で叫ぶと、杖を思い切り振り回した。
「スノウウィロウ!」
パキパキパキ!回した杖の先端に氷が連なり、長い鞭が形成された。それを地上のアドリア目掛けて振り下ろす。鞭の先端が、アドリアの腕を捕えた。
「捕まえた!」
アルルカは勝ち誇った顔で、一本釣りのごとく鞭を振り上げた。アドリアの体が宙に浮く。いくら身体能力が優れていても、足場のない空中なら、ステップの踏みようもない。無様にあがくところを、悠々と打ち抜けば終わり……アルルカは勝利を確信した。
が。
アルルカの目に飛び込んできたのは、宙を舞いながら矢をつがえるアドリアの姿だった。アドリアは、鞭に捕まったのではない。鞭の先端を、掴んでいただけだったのだ。
「ッ!!!」
アルルカは野生の勘で、杖を構えて突撃した。今距離を離せば、危険なのは自分の方だと悟ったのだ。アドリアは空中でも冷静に弓を引き、突っ込んでくるアルルカに矢を食らわせる。シュパッ!
「くっ」
腕に一矢貰ったが、そのままアルルカは杖を振りかぶり、アドリア目掛けて打ち下ろした。対してアドリアは、それを弓で受け止める。ゴィン!
「ふん!万策尽きて、闇雲な突撃か!」
「舐めんな!あたしは肉弾戦もいけんのよ!」
「奇遇だな、こちらもだ!」
アドリアの足が蛇のようにくねって、アルルカの胴にがっしり巻き付いた。重心がぶれたアルルカはバランスを失い、二人が落下し始める。
「この!放せ!」
「断る!」
アルルカはアドリアを、アドリアはアルルカの顔面を殴りつける。お互い密着しているので、完全にノーガードだ。二人は空中でくるくると回転しながら、激しい取っ組み合いを演じた。やがて地面が近づいてくると、突然アドリアが足を解いた。面食らったアルルカの横っ面に、アドリアの裏拳がヒットする。
「ぶしッ」
視界がぐらりと揺れ、アルルカは一瞬だが、敵を見失った。その一瞬の間に、アドリアは体勢を入れ替え、アルルカの無防備なみぞおちを見据えた。そして地面に激突する瞬間、それと同時に拳を打ち込んだ。
「せいやぁ!」
「―――っ!!!」
バキバキバキッ。重力によって加速したアドリアの拳が、アルルカの腹に深く食い込んだ。アルルカの口から、ごはっと鮮血が散った。
観客席は、興奮のるつぼと化していた。アナウンスが大声で「これは決まったか!?」と叫んでいる。アドリアは、ふっと息を吐いた。
次の瞬間、アドリアは足首を掴まれ、ぶんと放り投げられていた。
「なっ……まだ動くか……!」
アドリアは素早く転がって起き上がると、土と血の混じった唾をペッと吐き捨てた。
あれだけの一撃を加えてもなお、アルルカはゆらりと立ち上がった。口元と鼻から、真っ赤な血がどくどくと流れている。決して小さなダメージではないはずだ。ならばとアドリアが矢を撃ち込もうと構えると、それよりも早く、アルルカの唇が動いた。
「スノーフレーク!」
サァー!銀色の冷気が、アドリアに向かって走る。体が凍り付く寸前、アドリアは横に飛び退いた。そしてすぐさま矢を放つ。
「ウォール・オブ・レインディア!」
ザザザー!今度は地面から氷が湧き出した。氷は分厚い壁となり、二人の間に立ちふさがる。矢は壁に阻まれて折れてしまった。
「くっ。時間稼ぎのつもりか!」
いくらアンデッドと言えど、さっきのダメージは無視できないはずだ。ならば、壁の向こうで回復を図る気か?そうはさせるかと、アドリアは懐をまさぐり、小さなビンを取り出した。それを矢の先端に取り付けると、弦を目いっぱい引き絞る。
「くらえ!“火矢”!」
ピューン!独特な風切り音を発しながら飛んだ矢は、氷の壁に当たると同時に、爆発した。バリーン!氷が砕かれ、大きな穴が開く。すかさずそこに追撃の矢を放った。
タンッ。
(軽い音……?防がれた?いや、違う!)
アドリアは、ばっと上を向いた。氷の壁の上に、翼を広げたアルルカがいた。壁は、防御が目的ではなかった。目隠しだったのだ。
(チッ!)
アドリアは心の中で舌打ちした。アルルカは、すでに攻撃態勢に入っている。
「ヘイルギンコ!」
アルルカの周りに、無数の氷の塊が生成された。氷のつぶては雹となり、アドリア目掛けて降り注ぐ。アドリアは一瞬焦ったが、すぐに落ち着きを取り戻した。このつぶては、さっきの弾丸に比べれば威力も速度も劣っている。単発の弾丸と違って連射がきくようだが、それだけだ。とくに妙技を披露せずとも、移動するだけで簡単に避けられる。アドリアはとんとんと軽やかなバックステップで、アルルカの攻撃をかわした。そして頃合いを見て、攻撃に転じようと……
ずるっ。
「なっ」
アドリアの視界が斜めに傾いた。急に地面の抵抗が減り、足元をすくわれたのだ。アドリアは片目だけを動かして、そして見た。自分の足下が、きらきら輝く氷で覆われていることに。
(この氷……さっきの!)
アルルカが放った冷気の魔法だ。あれで凍った地面に足を踏み込んでしまったのか!なんと不運な……
(……いや、違うな)
アドリアは、あきらめにも似た笑みを浮かべた。自分はここまで、誘導されたのだ。あの氷のつぶてによって。先ほど外した冷気の魔法すらも、このための仕込みだったのだ。
獲物が弱っているからと、焦り過ぎた。まだまだ未熟者だなと、アドリアは心の中で苦笑した。
そして、目を正面に向ける。そこには、もう目前に迫った氷の弾丸と、その先で勝ち誇った顔で笑う狙撃手の姿があった。
ダァーン!
アドリアの眉間を弾丸が直撃し、アドリアは仰向けに吹っ飛ばされた。地面にどさっと倒れると、彼女はもう起き上がることはなかった。彼女は、悔しそうな、だがどこか満ち足りたような顔で、気絶していた。
「決まったァァァァァ!!!」
客席から絶叫にも近い歓声が上がる。叫び声に包まれながら、アルルカはくるくると杖を回すと、その先端にフッと息を吹きかけた。
「ふふん。ほらね、嘘にしてやったわよ」
つづく
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読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
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アナウンスの声が絶叫し、試合開始の大ドラがゴワァァァンとかき鳴らされた。それと同時に、観客たちは爆発したように歓声を上げる。応援や励ましもあったが、大半はやじか罵詈雑言だ。
「いけーーー!ぶっ殺しちまえーーーー!」
「有り金全部突っ込んだんだ!負けたら承知しねぇぞーー!」
ありがたいお言葉の数々に、アドリアはうんざりと肩を落とした。彼女もまた、この戦いには乗り気ではなかった。見世物として闘うなど、喜べるものか。が、もともと傭兵稼業をしていた彼女からすれば、望まぬ戦いなど日常茶飯事だ。今回もまた、その中の一つと割り切って、アドリアは目の前の対戦相手を見つめる。
アルルカは、とくに何をするでもなく、ぼけーっと突っ立っていた。周りから飛んでくるやじもどこ吹く風で、退屈そうに自分の尻をぼりぼり搔いている。アドリアは再三のため息をついた。礼儀作法にはそれほど詳しくはないが、同じ女としてあれはいかがなものか。
(しかたない。やることを粛々とこなそう)
相手がどんなであれ、今の自分は戦うしかない。アドリアは背中の矢筒から矢を引き抜いた。そして流れるような洗練された動作で、弓につがえ、弦を引き絞る。一切の無駄がない美しい所作に、観客たちは思わず見惚れた。
「フッ!」
パシュ!鋭く打ち出された矢は、まっすぐアルルカの左肩目掛けて飛んでいく。狙いを外したわけではなく、あえて致命傷にならない肩を狙った一撃だった。腕への攻撃が通れば、一気にアドリアが優勢になる、と見せかけることができる。最短かつ、最小限のダメージで試合を終わらせようという、計算ずくの一矢だった。
パシッ!
「何……!?」
観客がどよめいた。アルルカは右手で、飛んできた矢をキャッチしたのだ。矢羽根のあたりを捕まえたアルルカは、不敵に笑うと、ふーっと矢に息を吹きかける。すると矢はたちまち凍り付き、大きなつららに姿を変えた。アルルカは何度かぽんぽんとつららを投げ上げると、次の瞬間には腕を振りかぶって、思い切り投げつけた。
「ッ」
アドリアはたまらず前に転がった。すぐ横をつららがすっ飛んでいき、地面に当たってガシャリと砕ける。
(今の一撃……直撃していたら、かなり“きわどい”ぞ)
アドリアは正気か?という目で、アルルカを睨みつける。その視線を受けたアルルカは、マスク越しのにやけた顔を隠しもせずに言った。
「ねえ、あんた。アドリア、とか言ったっけ?つまんない小細工しないでいいから、全力でかかってきなさいよ。じゃないとあんた、死ぬわよ」
「なんだと?」
アドリアは自分の耳を疑った。
「あたしんとこのお馬鹿さんとか、そっちの坊やがいろいろ話し合ってたけどね。あたし、ぜーんぜん興味ないのよね」
「……おかしいな。私たちは、互いを尊重し合って戦うのではなかったか?」
アドリアは、暗に「約束を忘れたのか?」と問うていた。対してアルルカは、どこ吹く風だ。
「尊重?嫌よ。どうしてあたしが、んなくだらないこと守らなきゃならないのよ」
「……ならお前は、どうしてここにいるんだ?」
「ま、頼まれたからね。くすくす……あいつったら、あたしに頭下げてきたのよ?ほんっとにバカなんだから。ま、あたしもそこまで悪い気はしなかったし。あんたを殺さない程度にボコればいいんだから、簡単な話だわ」
「……ほう」
アドリアの顔から、困惑が消えた。代わりに、戦士としての誇りが沸き上がってくる。それを見てアルルカは、口元のにやけを深くした。
「あたしとしても、ここにいる連中にあたしの強さ、美しさを見せつけてやるのは、やぶさかじゃないの。けど、あんたがあまりにもザコだと、ほら。盛り上がらないじゃない?」
「なるほどな。それで、先ほどの問いに戻るというわけか」
「そーいうことよ」
二人の会話を、桜下とウィルはハラハラしながら聞いていた。
「あんのバカ……まさか、ここでやらかしてくるとはな」
「お、桜下さん、マズくないですか?それに今の会話、観客のみなさんに聞かれたら……」
「ああ。けど、たぶん大丈夫だ。こんだけ周りがうるさいし、最前列のここでかろうじて聞き取れるくらいなんだから」
「あ、そ、そうですね……でも、もう一つの方がマズいですよね……」
「ああ……くそ、頼むから変なことするんじゃねーぞ……」
桜下とウィルは、祈る思いでリングを見つめる事しかできなかった。
「もし、私たちが全力でぶつかったとして」
アドリアは、努めて冷静な声で訊ねた。だが裏腹に、胸の奥では闘争心がグツグツと煮え始めているのを感じてもいた。
「それを、そちらの主は了承してくれるのか?“仮に”、私がお前を打ちのめしたとして、終わった後に約束が違うと罵られても困るが」
「へ、へー……」
ぴくぴくっと、アルルカの頬が引きつる。
「まあ?“仮に”、そんなことが起きたとしても?別に問題ないんじゃない?あたしは、殺すなとしか言われてないもの。ま、そんなこと万が一にもあり得ないでしょうけど」
「そうか。それなら、安心だな……」
アドリアはそこで言葉を区切ると、ふっと息を吐き、うつむいて瞳を閉じた。アルルカが怪訝そうな顔をする。一拍、二拍置いてから、アドリアは瞳を開けた。
「ならば、本気で行かせてもらおう」
ビリビリビリッ!アドリアの失われたはずの片目。そこから凄まじい闘気が放たれている。闘気は赤いオーラとなり、眼帯の下から溢れ出ていた。その迫力に、アルルカは思わず、ほんの少しだが後ずさった。そしてすぐににぃっと笑う。
(あたしを後ずさりさせるだなんて。こいつ、思ったより楽しめそうね)
アドリアの空気が変わった事は、アルルカにも、そして観客にもはっきりと伝わった。あれだけ大騒ぎしていた客席に、水を打ったような静寂が広がっていく。
「……いくぞ!」
アドリアは叫ぶやいなや、凄まじい速さで矢を弓につがえた。その動きは先ほどよりもさらに早く、洗練されていた。が、いかに素早くとも、物理的な動作を完全に短縮することはできない。アドリアが矢を抜き、つがえる間に、アルルカはとっくに杖を構えていた。
「メギバレット!」
ダァーン!アルルカの杖から、氷の弾丸が発射された。音速の弾は、アドリアの肩を直撃する。氷はパーンとはじけ、アドリアの上半身は突き飛ばされたようにぐらりと揺れた。
「……チッ」
舌打ちしたのは、アルルカだった。攻撃が命中したはずなのに、彼女の顔は険しい。それもそのはず、彼女はアドリアの急所、みぞおち目掛けて弾を撃ったからだ。アドリアは巧妙に体をひねって、弾の当たりどころをずらしたのだった。
「ふーん、やるじゃない。急所を外したことだけは、褒めてあげるわ。でも、結局かわし切れないんじゃねぇ」
「ふふ、お褒めにあずかり光栄だ。だが、今のはかわせなかったわけではない」
「は?」
「あえて受けたんだ。今ので、お前のその攻撃の、早さ、威力、射程、すべて捉えた。次からは、もう貰わん」
今度はアドリアが不敵に笑う番だった。アルルカが頬を引きつらせる。
「……言ってくれるじゃない!ならその言葉、嘘にしてあげるわよ!」
アルルカが再び杖を構える。するとアドリアは、一瞬だけの小刻みなステップを、連続で繰り出し始めた。アルルカが狙いを定めるたびに、アドリアの体はふっと揺れ、赤いオーラだけを残して消える。だが、闇雲に動き回るわけではない。銃口が定まるその瞬間、まるで狙いすましたかのようにステップを踏むのだ。アルルカほどの腕前ともなれば、逃げまわる相手の動きを先読みし、偏差撃ちをするなど朝飯前だった。だが、アドリアは無駄な動きはしない。止まるときは止まり、動くときだけ動く。その規則正しい不規則性が、アルルカになかなか引き金を引かせない。
「くっ……そがぁ!」
業を煮やしたアルルカが弾を発射した。だが当然、アドリアにはかすりもしない。それどころか、待ってましたとばかりに体を翻すと、瞬時に矢を構え、発射した。パシュ!
「くうっ!」
アルルカは体をひねって、矢をかわそうとした。ところが矢は、まるで意志でも持っているかのように、途中でぐーんと軌道を曲げた。ちょうど身をひねったアルルカの脇腹に、矢じりが食い込む。トス!小気味いい音を立てて、アルルカのほっそりした胴に矢が生えた。観客がどっと沸いた。ワァァァア!
「ぃったぁ!やってくれるじゃない!」
アルルカが怒って、杖を振り回そうとする。だが間髪入れずに次の矢が飛んできたので、慌てて飛び上がることになった。矢が今度は上向きに軌道を曲げたので、アルルカはギョッとして翼を羽ばたかせ、十分な高度まで上昇した。
「ハァ、ハァ……人間技じゃないわね……」
アルルカは額の汗をぬぐった。さすがにこの高さまでは矢が届かないのか、アドリアは弓を下ろして様子を伺っている。
「ふん、いい気味だわ!そこで何もできずに、指くわえてなさい!」
アルルカは勝ち誇った声で叫ぶと、杖を思い切り振り回した。
「スノウウィロウ!」
パキパキパキ!回した杖の先端に氷が連なり、長い鞭が形成された。それを地上のアドリア目掛けて振り下ろす。鞭の先端が、アドリアの腕を捕えた。
「捕まえた!」
アルルカは勝ち誇った顔で、一本釣りのごとく鞭を振り上げた。アドリアの体が宙に浮く。いくら身体能力が優れていても、足場のない空中なら、ステップの踏みようもない。無様にあがくところを、悠々と打ち抜けば終わり……アルルカは勝利を確信した。
が。
アルルカの目に飛び込んできたのは、宙を舞いながら矢をつがえるアドリアの姿だった。アドリアは、鞭に捕まったのではない。鞭の先端を、掴んでいただけだったのだ。
「ッ!!!」
アルルカは野生の勘で、杖を構えて突撃した。今距離を離せば、危険なのは自分の方だと悟ったのだ。アドリアは空中でも冷静に弓を引き、突っ込んでくるアルルカに矢を食らわせる。シュパッ!
「くっ」
腕に一矢貰ったが、そのままアルルカは杖を振りかぶり、アドリア目掛けて打ち下ろした。対してアドリアは、それを弓で受け止める。ゴィン!
「ふん!万策尽きて、闇雲な突撃か!」
「舐めんな!あたしは肉弾戦もいけんのよ!」
「奇遇だな、こちらもだ!」
アドリアの足が蛇のようにくねって、アルルカの胴にがっしり巻き付いた。重心がぶれたアルルカはバランスを失い、二人が落下し始める。
「この!放せ!」
「断る!」
アルルカはアドリアを、アドリアはアルルカの顔面を殴りつける。お互い密着しているので、完全にノーガードだ。二人は空中でくるくると回転しながら、激しい取っ組み合いを演じた。やがて地面が近づいてくると、突然アドリアが足を解いた。面食らったアルルカの横っ面に、アドリアの裏拳がヒットする。
「ぶしッ」
視界がぐらりと揺れ、アルルカは一瞬だが、敵を見失った。その一瞬の間に、アドリアは体勢を入れ替え、アルルカの無防備なみぞおちを見据えた。そして地面に激突する瞬間、それと同時に拳を打ち込んだ。
「せいやぁ!」
「―――っ!!!」
バキバキバキッ。重力によって加速したアドリアの拳が、アルルカの腹に深く食い込んだ。アルルカの口から、ごはっと鮮血が散った。
観客席は、興奮のるつぼと化していた。アナウンスが大声で「これは決まったか!?」と叫んでいる。アドリアは、ふっと息を吐いた。
次の瞬間、アドリアは足首を掴まれ、ぶんと放り投げられていた。
「なっ……まだ動くか……!」
アドリアは素早く転がって起き上がると、土と血の混じった唾をペッと吐き捨てた。
あれだけの一撃を加えてもなお、アルルカはゆらりと立ち上がった。口元と鼻から、真っ赤な血がどくどくと流れている。決して小さなダメージではないはずだ。ならばとアドリアが矢を撃ち込もうと構えると、それよりも早く、アルルカの唇が動いた。
「スノーフレーク!」
サァー!銀色の冷気が、アドリアに向かって走る。体が凍り付く寸前、アドリアは横に飛び退いた。そしてすぐさま矢を放つ。
「ウォール・オブ・レインディア!」
ザザザー!今度は地面から氷が湧き出した。氷は分厚い壁となり、二人の間に立ちふさがる。矢は壁に阻まれて折れてしまった。
「くっ。時間稼ぎのつもりか!」
いくらアンデッドと言えど、さっきのダメージは無視できないはずだ。ならば、壁の向こうで回復を図る気か?そうはさせるかと、アドリアは懐をまさぐり、小さなビンを取り出した。それを矢の先端に取り付けると、弦を目いっぱい引き絞る。
「くらえ!“火矢”!」
ピューン!独特な風切り音を発しながら飛んだ矢は、氷の壁に当たると同時に、爆発した。バリーン!氷が砕かれ、大きな穴が開く。すかさずそこに追撃の矢を放った。
タンッ。
(軽い音……?防がれた?いや、違う!)
アドリアは、ばっと上を向いた。氷の壁の上に、翼を広げたアルルカがいた。壁は、防御が目的ではなかった。目隠しだったのだ。
(チッ!)
アドリアは心の中で舌打ちした。アルルカは、すでに攻撃態勢に入っている。
「ヘイルギンコ!」
アルルカの周りに、無数の氷の塊が生成された。氷のつぶては雹となり、アドリア目掛けて降り注ぐ。アドリアは一瞬焦ったが、すぐに落ち着きを取り戻した。このつぶては、さっきの弾丸に比べれば威力も速度も劣っている。単発の弾丸と違って連射がきくようだが、それだけだ。とくに妙技を披露せずとも、移動するだけで簡単に避けられる。アドリアはとんとんと軽やかなバックステップで、アルルカの攻撃をかわした。そして頃合いを見て、攻撃に転じようと……
ずるっ。
「なっ」
アドリアの視界が斜めに傾いた。急に地面の抵抗が減り、足元をすくわれたのだ。アドリアは片目だけを動かして、そして見た。自分の足下が、きらきら輝く氷で覆われていることに。
(この氷……さっきの!)
アルルカが放った冷気の魔法だ。あれで凍った地面に足を踏み込んでしまったのか!なんと不運な……
(……いや、違うな)
アドリアは、あきらめにも似た笑みを浮かべた。自分はここまで、誘導されたのだ。あの氷のつぶてによって。先ほど外した冷気の魔法すらも、このための仕込みだったのだ。
獲物が弱っているからと、焦り過ぎた。まだまだ未熟者だなと、アドリアは心の中で苦笑した。
そして、目を正面に向ける。そこには、もう目前に迫った氷の弾丸と、その先で勝ち誇った顔で笑う狙撃手の姿があった。
ダァーン!
アドリアの眉間を弾丸が直撃し、アドリアは仰向けに吹っ飛ばされた。地面にどさっと倒れると、彼女はもう起き上がることはなかった。彼女は、悔しそうな、だがどこか満ち足りたような顔で、気絶していた。
「決まったァァァァァ!!!」
客席から絶叫にも近い歓声が上がる。叫び声に包まれながら、アルルカはくるくると杖を回すと、その先端にフッと息を吹きかけた。
「ふふん。ほらね、嘘にしてやったわよ」
つづく
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