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不思議倶楽部_篠原夢見_A5
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何故だろう、遥先輩に殴られ血を流す公平を見た瞬間、怒り沸き上がり遥先輩を殺すことだけを考え、実行してしまった。遥先輩の手口は理解できた、只の脅しだと気がついていたはずなのに、、やっぱり私は最低の怪物なんだ、、
あれからかなりの時間が経過している、私の怪我は足を捻った事による捻挫で、歩くと痛みがある程度だった。公平は無事なのだろうか、心配だ。そして遥先輩、多分死んでしまうだろう私の病気には治療法なんて無いのだから。
遥先輩が死んだ後、どうするのかが問題。警察に自主して体をくまなく調べられ一生を送る、、立花家に迷惑を掛けたくない。あぁ自殺した方が良いかもしれない。
先輩が部屋に何度か入ってきて、縄をほどいたり食事を持ってきてくれた。でも私はどう言っていいか分からなかった。
駄目駄目、次は絶対に謝らないと!許してはもらえないだろうけど、もし先輩が怒って私が殺されてもそれは私が悪いのだから文句は言えない。
先輩が食事を持って部屋に入ってくる、何故か私を推し測る目付きだった。トレイを受け取ろうとするー?
カチャン。
「あっ有難うございます。」
先輩は私の手が触れる瞬間、手を引いた。先輩の顔を見ると驚いた顔をしていた、無意識に私に触れるのを避けたようだった。
「公平の目が覚めて、私の体質の事を話してくれたんですね。本当の事ですよ、私は謎の病気でキスした人を殺してしまうんです。ごめんなさい、私のせいで先輩は、、」
先輩が私を見る目が変わった、睨むように言う。
「仮にそうだとしても後悔はしてないわ。それにさっきのは食器のバランスが悪くて持ち直しただけよ。」
そう言って部屋を出て行った。さっきまでは〈キスしない?〉とか〈食べさせてあげるわ〉とか言っていたのに、、一緒にいるだけでは感染しませんよ遥先輩。
物凄く暇な時間だ、全く先輩が来なくなってしまった。公平は暇なのだろうか?意外に気にしてないかもしれない、暇なとき寝る癖があるから、少しだけ公平が羨ましくなった。
初め先輩が持ってきてくれたものの中に折り紙が入っていたので鶴を折る。素晴らしい出来だ、これから先輩が来ないため暇になると思うので、病気が治るよう千羽鶴でも折ろう。
紙を千切って折る、完成。この作業をひたすら続ける、公平の為じゃない、先輩、そう先輩、先輩のために、遥先輩の為に、遥先輩の千羽鶴を折る。考えてみると千切って折っているためか、紙がだいぶ余り二千羽は折れそうだ、仕方ないから公平の分も折ることにした。
250枚を折り終えたところで、廊下からコツンコツンと反響音が聞こえてくる遥先輩の足音だ、心なしか歩行速度が遅い。バタンとドアが閉まる音で公平の部屋に入ったことが伺えた。何か公平に用事でもあったのだろうか?
暫くすると再度ドアの音がする、こちらに向かって来る。足音が多いので公平も一緒かも知れないと予想、その予想は的中した。
「よう夢見。不景気な面してどうした?」
そこには頭と右手に包帯を巻いた痛々しい姿の公平がいた。見た目とは違い、元気そうなので安心した。遥先輩も部屋に入って来るが目は伏せていた、私の病気の事をどうやら信じたようだ。
「今ハルカ先輩はかなり悪い状態だ。さっき抗生物質を飲んだらしいが手足の感覚が無くなってきている、何か打開策があれば意見を出してほしい。先ずは俺から提案させてもらう。」
公平はどうやら先輩と治療法を探すつもりらしい、だけどそんなものがあればとっくに見つかっていそうだけど。公平は私と先輩を無視して続ける。
「俺は子供のときから夢見の奇病についてずっと考えていた。それでいまからそれをここで言ってみたいと思う。」
私自身あまり考えたくないことを公平がこんなに一生懸命考えてくれていたなんて知らなかった。もう少し前に言ってよ、、、グスン。
「俺が疑問に思っていたことがある。〈夢見の母親〉は奇病を持っていた、そしてその娘の夢見にも〈奇病〉が受け継がれた。ってことだ。」
つまり母子感染するという事だろうか。それがなんだろうか?奇病に対する解決策では無いように思える。
「さて突然だけども、夢見には兄貴がいたらしい。これは子供の時に俺が母さんに聞いた話だから信憑性は低いが、、気になる事を言っていた、、生まれて5~6ヶ月の乳児の時に死んでしまったと、、〈皮膚が非常に固くなる〉皮膚癌でな。」
初耳、自分が生まれる前だから知らなくて当然だけど。
「だから?奇病を持って産まれたなら当然死んじゃ、、あれ?」
公平は気が付いたかと神妙に頷く。
「石にならない耐性がなかった赤ちゃんだった場合に限るが母子感染なら腹の中で死ぬか、、病院で死ぬ。発病から2日~3日で死ぬんだ、そうなるわな。つまりだ、母子感染ではない可能性も有るわけだ。くくくっそうだろ明智くん。いや~はっ。」
パチパチパチ。
凄い凄いよ公平、頭が良い。滅茶苦茶カッコいい!!前髪を無駄に弄る姿も何だかキラキラしてるぅ~。遥先輩も同じように思ってくれると思って、見てみると若干引いていた。
「、、(ああキモいわ)。」
??良く聞き取れなかったけど、多分公平の考えに賛同はしてくれているようだ。そうだよね先輩。
「可能性だな。んで戻ると、何故夢見は〈石にならない〉のか?石にならない耐性を持っているのか?遺伝も体質も有るかもしれないが、、俺はこう思っている、、〈オッパイ〉だ!!」
シーン。
、、コウヘイガコワレタ、タタイテモトニモドソウカナ?
遥先輩は成る程と手を叩く。
「初乳ね!つまり、お兄さんには初乳を飲ませていなかった。」
「ビンゴです!本来なら飲ませる筈だったらしいのですが、母さんの話では母乳を出そうとしても出なかったそうです。調べてみると出ない女性も多少いるようで特に初産だと出るまでに時間が掛かったり、痛さで母乳をあげるのを止めてしまうこともあるそうです。」
初乳には様々な病気に対する抵抗力を高める抗体が含まれている。生まれたばかりの新生児は病気に対する抵抗力が弱いためにコレを飲んむのだ。
「5、6ヶ月といえば離乳食の時期です。母親が子供にそのまま同じスプーンをつかって食べさせる場合がある。当たり前だ、赤ちゃんは自分でスプーンを持てない、母親は面倒だから自分のスプーンを使って食事を与えるわけだ。するとどうなるか?」
唾液で感染して石になる。凄い、繋がった!私の場合は抗体があるから平気だった事にも繋がるけど、、遥先輩の目が光る。
「素晴らしいアイデア。つまり夢見の母乳を飲めば良いわけね公平君、ウフフフフ。さぁ色々試せばもしかしたら出るかも知れないし、別室へ行きましょうか?」
出ません!行きません!!
「いや、先輩、、落ち着いて下さい。それ以外にもあるかも知れません。母乳を飲んで発病しなくなるのなら、他の方法でも発病しないで済む方法が!」
私も遥先輩も少し考える。動物には色々な方法で自分の酵素や抗体を子供に与える方法がある。
「なるほど、体の皮膚には色々な細菌がいる、その中に奇病に効く細菌がいるかも知れないわね。殆んど胃液で殺菌されるでしょうけど、、」
「俺は動物とかの吐き戻しを勧めたい、つまり胃液だな口に近いしハイリスクハイリターンだ。口を漱(すす)いだり、うがいをすれば多少リスクは減ると思うが、、」
動物には他にも自分の糞などを子供に食べさせる行為を行う。それが提案されなくて良かったと、胸を撫で下ろす。
「何でも良いのなら夢見のお小水を所望したいのだけど、飲みやすそうだし。」
「お小水?なんスカ、それ??」
「夢見のお「知らなくて良い!!」
遥先輩の口を手で塞ぐ。あーもーこの先輩は実は公平なんかよりよっぽど変態なのではないだろうか。
「ハルカ先輩の病状が気になる、早めに治療を始めよう。」
だが遥先輩は立ち止まり、公平に視線を向ける。
「話は良くわかったわ、公平君はもう帰って良いわよ。私達とは関係無い部外者だから、、」
冷たく聞こえるが先輩の優しさだ、先輩が死んだときに公平は関係無かったという保険。公平は意味が分からないと怒りだす。
「ハルカ先輩、俺達は仲間ッスよ!それを帰れって意味が分からないです、まだ夢見との二人きりの生活を諦めてないんですか。」
遥先輩は溜め息を吐き、公平に言い聞かせる。
「公平君、、あなたは一体何?私達の関係は?只の夢見の同居人でしょ、感染もしていない。夢見の事は只の同居人として気にしているだけ、いえ逆に嫌悪しているかも知れないわね。だってこんなに可愛い女の子と一緒にいるのに、私に告白するぐらいだものね。」
私の胸に突き刺さる言葉だ、怒らせて帰らせるにも言い方がある。、、でもその通りだ。
「そ、、それは、、」
公平はうつ向いて口ごもる、色々な感情が揺れ動いているのかも知れない。
「私は彼女にキスをした、あなたも彼女が奇病だと知らなければ、恋をしてキスをしたんじゃないの?嫌悪しているんでしょ、さぁ帰りなさい別に非難なんてしないわ、あなたのような人間はたくさんいるから。」
公平は無言で歩いた、、出口ではなく、私の方に、、右肩を捕まれる。
「夢見、、すまない。」
〈すまない〉か、、女として見れないという意味だろうか、あまりそういう話は聞きたくない、、公平のツンっとしたキツイ口臭が鼻に掛かる、囚われた時間が長かったから歯を磨いていなかったのだろう、、私は磨いたばっかりだけど、、、違う。
目の前が真っ暗になる、、最悪だ。
ムチュウ。
唇に何かが触れる、とても柔らかい何かの感触。瞬時に理解する公平にキスされた!!!!
へっ、えっ、なに、なんで、まさか、どうして!
そうこうしているうちに何かが口の中に侵入してきた、舌だ。駄目だ感染しちゃう、離さないと、、でもココまでしてしまったら、今更ではないか?目を瞑り私は〈仕方なく〉受け入れることにした。
何だかポカポカして、フワフワして、頭がボーっとなる。少し苦しくなってきたので、公平の背中に手を回して、鼻で呼吸する(鼻息が荒いと思われると恥ずかしいのでゆっくりしないと、、すうすう)、よし、まだもう少し続けられる。
ーと口が離れてしまった。だけど公平は苦しかったみたい。
はぅっ、、
、、違うの、私はただ、、これで生涯最後かもしれない、、、違くて、、そう、、練習、練習、練習なの、キスの練習、公平のキスの練習を手伝っただけ!、、あれ違う?!ああそう!公平がここにいる理由をつくるためね。だから、キスがしたかったわけではなく、よってだから間違ってもキスがしたいが為に私はキスをし続けたのではなく、公平の行為を無駄にしないためにキスをしたのであって、でもこれは私の行動を肯定するものではなくてー
頭が物凄く混乱している間に、公平は遥先輩に向かって笑う。
「ハルカ先輩、これで俺も部外者じゃないッスよ。」
少し不機嫌になった遥先輩は無言で部屋の外へ出た。意外とこういうことになると予想していたのかもしれない、そして私の頭は先程のキスの余韻から覚めて意識がハッキリと覚醒すると同時に青ざめる。
ヤバイ泣きそう。
「公平のバカ!バカ!!死んだらどうするの!!あんな治療方法なんてデータの裏付けもない辻褄合わせの只の茶番じゃない!!もう少し頭を使ってよ!!」
ニヤリと笑って公平が言う。
「あんなこと言われて引き下がったら〈漢〉じゃないだろ。、、それに夢見は俺の、、、いや止めておこう、今言うことじゃないな治療に専念しよう。」
〈夢見は俺のー〉なに?凄く大切なこと言おうとしなかった?すごく聞きたいけど、、あっ逃げた。でも私は嬉しくなって公平の後を追う。
「こ~へ~!待って、とにかく口は漱いでね、まだ感染してないかもしれないから。早く早く!!」
「おい押すな、分かった。でもキスしてすぐに口漱げって、自分で言ってて傷つかないか?」
「なんで?」
だって大事なのは公平が病気にならない事だもん、当然じゃない。
公平のキョトンとした顔を無視して、公平の後ろに回ると両手で公平の背中を押して洗面所へ直行した。
神様お願いです、公平に移ってませんようにーと思いながら。
別荘のトイレ、私はコップに入れたまだ温かい〈ソレ〉を持ちながら、調理方法を考える。治療はリスクが高いものは最後にすることになり、比較的に安全な方法から試すことになった。遥先輩は私の髪の毛と爪、取れ立ての〈ソレ〉だ。公平は別荘の薬箱にあった抗生物質(効果は不明)からだった。
〈ソレ〉は少し臭いが独特なので、冷たい水で薄めて公平が買っていた別荘で読むための100%オレンジジュースを入れる。匂いはなくなった、恐る恐る飲むと味は物凄く薄いオレンジジュースだったので、砂糖を追加でいれる。私自身あまり飲みたくないものが出来上がった。早めに飲まないと雑菌が繁殖するので先輩の眠る二階の寝室へ向かう。
先輩は寝室のベッドの上にいた。歩くのは少し大変なようで、足先が若干石化している状況になっている。私の渡した〈ソレ〉を躊躇いもなく口にする。
「結構いけるわよ。味なんて要らないのに、原液でも大丈夫よ。」
何だか誉められているのか微妙です。そして先輩は私の方を見て、ごめんなさいと謝罪した。そして話を続ける。
「私は、、自分の愛は絶対だと思った。私こそが夢見を、貴方を一番愛していると、、だけど違うみたい。只の憧れだったのかもね、、だから貴方の事を知ったときに恐れたのよ、、今も夢見を愛している、だけど前よりも色褪せて見える、、この気持ちはあの時揺れた、絶対ではなかった!!」
後悔からか苦しそうに言って俯く、声を掛けようかと迷ったとき すり鉢を持った公平が扉から現れる。すり鉢で擂り潰しているのは爪と髪の毛、この二つは体に吸収されないので基本的には体外へ異物として排出される。そのままのものだと呑み込みづらいし、どこかを傷付けるという事で今回擂り潰すということになっていた。
「先輩、粉薬出来たッスよ。あと薬箱に入っていたオブラートです、イチゴ味らしいですよコリャ飲みやすそうだ。」
あまり粉々になっていない微妙な大きさのそれをオブラートに包んで、呑み込む遥先輩。公平はまだ半日体の自由が効くらしいので今のうちに買い出しをすると、別荘を出て山を降りた。
「人肉はどうしますか?そんな顔しなくても良いですよ、確かに抵抗はあります、、でも殺して食べる訳ではないですし、私が食べる訳じゃありませんから、、どんなに繕った所で私達も生き物を食べています、人なんて時には他の生き物の皮を剥いで絨毯にもしちゃいますから。」
「確かにそうね、、もらおうかしら、力を使った所為かお腹が減っているの、持ってきてくれる。でもおかしいわね、こんなにたくさん食べるのは久し振りよ。」
病気だから、体が必要としているのかもしれない。私は台所に行って真空パックされている肉の塊を切り分けた。赤身の肉は豚のモモ肉に似ていた、それを軽く焼いて先輩に渡す。先輩は余程お腹が減っていたのか直ぐに食べ終えると横になる。
「夢見、、出来たらでいいのだけど、、手を、、」
「はい。」
手を握る。多分不安なのだろう表面上では普通でも、死ぬかもしれない恐怖と戦うのはどんなに精神力をすり減らすのか。原因を作った私には遥先輩の世話をする義務がある。
暫くすると先輩は眠った。私は立ち上がろうとすると、先輩のきめ細かい綺麗な手が私から離れない。えっ?寝てるよね、ちょっと、なに、外せない。私は先輩の絡めてある指の一本一本を力一杯外してようやく鎖のような先輩の縛りから解放された。
寝室で先輩を見守りながら、作りかけていた千羽鶴作りを再開する。夜には公平が別荘へ戻って来たので二人で鶴を折っていく。公平の鶴はグニャグニャだけど折るスピードが早くて助かった。
翌日になっても公平には症状が現れなかった。早期に治療したからかそれとも感染していなかったのか、それは分からないけどとにかく胸を撫で下ろす。だけど先輩の症状はさらに悪化する、間接部が殆んど動かせなくなり手足が真っ白になり固くなる。それでも治療を続けた。
千羽鶴が完成する。公平が病気にならなかったので1000羽で完成なのだが、公平が〈2000羽なら効果も2倍〉とよく分からない理由で目標が2000羽になった。作った千羽鶴は先輩の寝る寝室に吊り下げる事にした。
先輩はもう動けない、全身が白っぽい石になった。座った姿勢で口が若干開いているのは食べ物を摂取しやすいようにしているためだ。目がキョロキョロと動く、話し掛けるのを忘れない、色々反応してくれるからだ。楽しいときはこちらを見てくれる、嫌な話は窓を見る、上下は肯定、左右は否定。私は先輩と沢山の会話をした。
目すら動かなくなるまで、そう時間は掛からなかった。
遥先輩は石になってしまったのだ。
あれからかなりの時間が経過している、私の怪我は足を捻った事による捻挫で、歩くと痛みがある程度だった。公平は無事なのだろうか、心配だ。そして遥先輩、多分死んでしまうだろう私の病気には治療法なんて無いのだから。
遥先輩が死んだ後、どうするのかが問題。警察に自主して体をくまなく調べられ一生を送る、、立花家に迷惑を掛けたくない。あぁ自殺した方が良いかもしれない。
先輩が部屋に何度か入ってきて、縄をほどいたり食事を持ってきてくれた。でも私はどう言っていいか分からなかった。
駄目駄目、次は絶対に謝らないと!許してはもらえないだろうけど、もし先輩が怒って私が殺されてもそれは私が悪いのだから文句は言えない。
先輩が食事を持って部屋に入ってくる、何故か私を推し測る目付きだった。トレイを受け取ろうとするー?
カチャン。
「あっ有難うございます。」
先輩は私の手が触れる瞬間、手を引いた。先輩の顔を見ると驚いた顔をしていた、無意識に私に触れるのを避けたようだった。
「公平の目が覚めて、私の体質の事を話してくれたんですね。本当の事ですよ、私は謎の病気でキスした人を殺してしまうんです。ごめんなさい、私のせいで先輩は、、」
先輩が私を見る目が変わった、睨むように言う。
「仮にそうだとしても後悔はしてないわ。それにさっきのは食器のバランスが悪くて持ち直しただけよ。」
そう言って部屋を出て行った。さっきまでは〈キスしない?〉とか〈食べさせてあげるわ〉とか言っていたのに、、一緒にいるだけでは感染しませんよ遥先輩。
物凄く暇な時間だ、全く先輩が来なくなってしまった。公平は暇なのだろうか?意外に気にしてないかもしれない、暇なとき寝る癖があるから、少しだけ公平が羨ましくなった。
初め先輩が持ってきてくれたものの中に折り紙が入っていたので鶴を折る。素晴らしい出来だ、これから先輩が来ないため暇になると思うので、病気が治るよう千羽鶴でも折ろう。
紙を千切って折る、完成。この作業をひたすら続ける、公平の為じゃない、先輩、そう先輩、先輩のために、遥先輩の為に、遥先輩の千羽鶴を折る。考えてみると千切って折っているためか、紙がだいぶ余り二千羽は折れそうだ、仕方ないから公平の分も折ることにした。
250枚を折り終えたところで、廊下からコツンコツンと反響音が聞こえてくる遥先輩の足音だ、心なしか歩行速度が遅い。バタンとドアが閉まる音で公平の部屋に入ったことが伺えた。何か公平に用事でもあったのだろうか?
暫くすると再度ドアの音がする、こちらに向かって来る。足音が多いので公平も一緒かも知れないと予想、その予想は的中した。
「よう夢見。不景気な面してどうした?」
そこには頭と右手に包帯を巻いた痛々しい姿の公平がいた。見た目とは違い、元気そうなので安心した。遥先輩も部屋に入って来るが目は伏せていた、私の病気の事をどうやら信じたようだ。
「今ハルカ先輩はかなり悪い状態だ。さっき抗生物質を飲んだらしいが手足の感覚が無くなってきている、何か打開策があれば意見を出してほしい。先ずは俺から提案させてもらう。」
公平はどうやら先輩と治療法を探すつもりらしい、だけどそんなものがあればとっくに見つかっていそうだけど。公平は私と先輩を無視して続ける。
「俺は子供のときから夢見の奇病についてずっと考えていた。それでいまからそれをここで言ってみたいと思う。」
私自身あまり考えたくないことを公平がこんなに一生懸命考えてくれていたなんて知らなかった。もう少し前に言ってよ、、、グスン。
「俺が疑問に思っていたことがある。〈夢見の母親〉は奇病を持っていた、そしてその娘の夢見にも〈奇病〉が受け継がれた。ってことだ。」
つまり母子感染するという事だろうか。それがなんだろうか?奇病に対する解決策では無いように思える。
「さて突然だけども、夢見には兄貴がいたらしい。これは子供の時に俺が母さんに聞いた話だから信憑性は低いが、、気になる事を言っていた、、生まれて5~6ヶ月の乳児の時に死んでしまったと、、〈皮膚が非常に固くなる〉皮膚癌でな。」
初耳、自分が生まれる前だから知らなくて当然だけど。
「だから?奇病を持って産まれたなら当然死んじゃ、、あれ?」
公平は気が付いたかと神妙に頷く。
「石にならない耐性がなかった赤ちゃんだった場合に限るが母子感染なら腹の中で死ぬか、、病院で死ぬ。発病から2日~3日で死ぬんだ、そうなるわな。つまりだ、母子感染ではない可能性も有るわけだ。くくくっそうだろ明智くん。いや~はっ。」
パチパチパチ。
凄い凄いよ公平、頭が良い。滅茶苦茶カッコいい!!前髪を無駄に弄る姿も何だかキラキラしてるぅ~。遥先輩も同じように思ってくれると思って、見てみると若干引いていた。
「、、(ああキモいわ)。」
??良く聞き取れなかったけど、多分公平の考えに賛同はしてくれているようだ。そうだよね先輩。
「可能性だな。んで戻ると、何故夢見は〈石にならない〉のか?石にならない耐性を持っているのか?遺伝も体質も有るかもしれないが、、俺はこう思っている、、〈オッパイ〉だ!!」
シーン。
、、コウヘイガコワレタ、タタイテモトニモドソウカナ?
遥先輩は成る程と手を叩く。
「初乳ね!つまり、お兄さんには初乳を飲ませていなかった。」
「ビンゴです!本来なら飲ませる筈だったらしいのですが、母さんの話では母乳を出そうとしても出なかったそうです。調べてみると出ない女性も多少いるようで特に初産だと出るまでに時間が掛かったり、痛さで母乳をあげるのを止めてしまうこともあるそうです。」
初乳には様々な病気に対する抵抗力を高める抗体が含まれている。生まれたばかりの新生児は病気に対する抵抗力が弱いためにコレを飲んむのだ。
「5、6ヶ月といえば離乳食の時期です。母親が子供にそのまま同じスプーンをつかって食べさせる場合がある。当たり前だ、赤ちゃんは自分でスプーンを持てない、母親は面倒だから自分のスプーンを使って食事を与えるわけだ。するとどうなるか?」
唾液で感染して石になる。凄い、繋がった!私の場合は抗体があるから平気だった事にも繋がるけど、、遥先輩の目が光る。
「素晴らしいアイデア。つまり夢見の母乳を飲めば良いわけね公平君、ウフフフフ。さぁ色々試せばもしかしたら出るかも知れないし、別室へ行きましょうか?」
出ません!行きません!!
「いや、先輩、、落ち着いて下さい。それ以外にもあるかも知れません。母乳を飲んで発病しなくなるのなら、他の方法でも発病しないで済む方法が!」
私も遥先輩も少し考える。動物には色々な方法で自分の酵素や抗体を子供に与える方法がある。
「なるほど、体の皮膚には色々な細菌がいる、その中に奇病に効く細菌がいるかも知れないわね。殆んど胃液で殺菌されるでしょうけど、、」
「俺は動物とかの吐き戻しを勧めたい、つまり胃液だな口に近いしハイリスクハイリターンだ。口を漱(すす)いだり、うがいをすれば多少リスクは減ると思うが、、」
動物には他にも自分の糞などを子供に食べさせる行為を行う。それが提案されなくて良かったと、胸を撫で下ろす。
「何でも良いのなら夢見のお小水を所望したいのだけど、飲みやすそうだし。」
「お小水?なんスカ、それ??」
「夢見のお「知らなくて良い!!」
遥先輩の口を手で塞ぐ。あーもーこの先輩は実は公平なんかよりよっぽど変態なのではないだろうか。
「ハルカ先輩の病状が気になる、早めに治療を始めよう。」
だが遥先輩は立ち止まり、公平に視線を向ける。
「話は良くわかったわ、公平君はもう帰って良いわよ。私達とは関係無い部外者だから、、」
冷たく聞こえるが先輩の優しさだ、先輩が死んだときに公平は関係無かったという保険。公平は意味が分からないと怒りだす。
「ハルカ先輩、俺達は仲間ッスよ!それを帰れって意味が分からないです、まだ夢見との二人きりの生活を諦めてないんですか。」
遥先輩は溜め息を吐き、公平に言い聞かせる。
「公平君、、あなたは一体何?私達の関係は?只の夢見の同居人でしょ、感染もしていない。夢見の事は只の同居人として気にしているだけ、いえ逆に嫌悪しているかも知れないわね。だってこんなに可愛い女の子と一緒にいるのに、私に告白するぐらいだものね。」
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「そ、、それは、、」
公平はうつ向いて口ごもる、色々な感情が揺れ動いているのかも知れない。
「私は彼女にキスをした、あなたも彼女が奇病だと知らなければ、恋をしてキスをしたんじゃないの?嫌悪しているんでしょ、さぁ帰りなさい別に非難なんてしないわ、あなたのような人間はたくさんいるから。」
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「夢見、、すまない。」
〈すまない〉か、、女として見れないという意味だろうか、あまりそういう話は聞きたくない、、公平のツンっとしたキツイ口臭が鼻に掛かる、囚われた時間が長かったから歯を磨いていなかったのだろう、、私は磨いたばっかりだけど、、、違う。
目の前が真っ暗になる、、最悪だ。
ムチュウ。
唇に何かが触れる、とても柔らかい何かの感触。瞬時に理解する公平にキスされた!!!!
へっ、えっ、なに、なんで、まさか、どうして!
そうこうしているうちに何かが口の中に侵入してきた、舌だ。駄目だ感染しちゃう、離さないと、、でもココまでしてしまったら、今更ではないか?目を瞑り私は〈仕方なく〉受け入れることにした。
何だかポカポカして、フワフワして、頭がボーっとなる。少し苦しくなってきたので、公平の背中に手を回して、鼻で呼吸する(鼻息が荒いと思われると恥ずかしいのでゆっくりしないと、、すうすう)、よし、まだもう少し続けられる。
ーと口が離れてしまった。だけど公平は苦しかったみたい。
はぅっ、、
、、違うの、私はただ、、これで生涯最後かもしれない、、、違くて、、そう、、練習、練習、練習なの、キスの練習、公平のキスの練習を手伝っただけ!、、あれ違う?!ああそう!公平がここにいる理由をつくるためね。だから、キスがしたかったわけではなく、よってだから間違ってもキスがしたいが為に私はキスをし続けたのではなく、公平の行為を無駄にしないためにキスをしたのであって、でもこれは私の行動を肯定するものではなくてー
頭が物凄く混乱している間に、公平は遥先輩に向かって笑う。
「ハルカ先輩、これで俺も部外者じゃないッスよ。」
少し不機嫌になった遥先輩は無言で部屋の外へ出た。意外とこういうことになると予想していたのかもしれない、そして私の頭は先程のキスの余韻から覚めて意識がハッキリと覚醒すると同時に青ざめる。
ヤバイ泣きそう。
「公平のバカ!バカ!!死んだらどうするの!!あんな治療方法なんてデータの裏付けもない辻褄合わせの只の茶番じゃない!!もう少し頭を使ってよ!!」
ニヤリと笑って公平が言う。
「あんなこと言われて引き下がったら〈漢〉じゃないだろ。、、それに夢見は俺の、、、いや止めておこう、今言うことじゃないな治療に専念しよう。」
〈夢見は俺のー〉なに?凄く大切なこと言おうとしなかった?すごく聞きたいけど、、あっ逃げた。でも私は嬉しくなって公平の後を追う。
「こ~へ~!待って、とにかく口は漱いでね、まだ感染してないかもしれないから。早く早く!!」
「おい押すな、分かった。でもキスしてすぐに口漱げって、自分で言ってて傷つかないか?」
「なんで?」
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神様お願いです、公平に移ってませんようにーと思いながら。
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〈ソレ〉は少し臭いが独特なので、冷たい水で薄めて公平が買っていた別荘で読むための100%オレンジジュースを入れる。匂いはなくなった、恐る恐る飲むと味は物凄く薄いオレンジジュースだったので、砂糖を追加でいれる。私自身あまり飲みたくないものが出来上がった。早めに飲まないと雑菌が繁殖するので先輩の眠る二階の寝室へ向かう。
先輩は寝室のベッドの上にいた。歩くのは少し大変なようで、足先が若干石化している状況になっている。私の渡した〈ソレ〉を躊躇いもなく口にする。
「結構いけるわよ。味なんて要らないのに、原液でも大丈夫よ。」
何だか誉められているのか微妙です。そして先輩は私の方を見て、ごめんなさいと謝罪した。そして話を続ける。
「私は、、自分の愛は絶対だと思った。私こそが夢見を、貴方を一番愛していると、、だけど違うみたい。只の憧れだったのかもね、、だから貴方の事を知ったときに恐れたのよ、、今も夢見を愛している、だけど前よりも色褪せて見える、、この気持ちはあの時揺れた、絶対ではなかった!!」
後悔からか苦しそうに言って俯く、声を掛けようかと迷ったとき すり鉢を持った公平が扉から現れる。すり鉢で擂り潰しているのは爪と髪の毛、この二つは体に吸収されないので基本的には体外へ異物として排出される。そのままのものだと呑み込みづらいし、どこかを傷付けるという事で今回擂り潰すということになっていた。
「先輩、粉薬出来たッスよ。あと薬箱に入っていたオブラートです、イチゴ味らしいですよコリャ飲みやすそうだ。」
あまり粉々になっていない微妙な大きさのそれをオブラートに包んで、呑み込む遥先輩。公平はまだ半日体の自由が効くらしいので今のうちに買い出しをすると、別荘を出て山を降りた。
「人肉はどうしますか?そんな顔しなくても良いですよ、確かに抵抗はあります、、でも殺して食べる訳ではないですし、私が食べる訳じゃありませんから、、どんなに繕った所で私達も生き物を食べています、人なんて時には他の生き物の皮を剥いで絨毯にもしちゃいますから。」
「確かにそうね、、もらおうかしら、力を使った所為かお腹が減っているの、持ってきてくれる。でもおかしいわね、こんなにたくさん食べるのは久し振りよ。」
病気だから、体が必要としているのかもしれない。私は台所に行って真空パックされている肉の塊を切り分けた。赤身の肉は豚のモモ肉に似ていた、それを軽く焼いて先輩に渡す。先輩は余程お腹が減っていたのか直ぐに食べ終えると横になる。
「夢見、、出来たらでいいのだけど、、手を、、」
「はい。」
手を握る。多分不安なのだろう表面上では普通でも、死ぬかもしれない恐怖と戦うのはどんなに精神力をすり減らすのか。原因を作った私には遥先輩の世話をする義務がある。
暫くすると先輩は眠った。私は立ち上がろうとすると、先輩のきめ細かい綺麗な手が私から離れない。えっ?寝てるよね、ちょっと、なに、外せない。私は先輩の絡めてある指の一本一本を力一杯外してようやく鎖のような先輩の縛りから解放された。
寝室で先輩を見守りながら、作りかけていた千羽鶴作りを再開する。夜には公平が別荘へ戻って来たので二人で鶴を折っていく。公平の鶴はグニャグニャだけど折るスピードが早くて助かった。
翌日になっても公平には症状が現れなかった。早期に治療したからかそれとも感染していなかったのか、それは分からないけどとにかく胸を撫で下ろす。だけど先輩の症状はさらに悪化する、間接部が殆んど動かせなくなり手足が真っ白になり固くなる。それでも治療を続けた。
千羽鶴が完成する。公平が病気にならなかったので1000羽で完成なのだが、公平が〈2000羽なら効果も2倍〉とよく分からない理由で目標が2000羽になった。作った千羽鶴は先輩の寝る寝室に吊り下げる事にした。
先輩はもう動けない、全身が白っぽい石になった。座った姿勢で口が若干開いているのは食べ物を摂取しやすいようにしているためだ。目がキョロキョロと動く、話し掛けるのを忘れない、色々反応してくれるからだ。楽しいときはこちらを見てくれる、嫌な話は窓を見る、上下は肯定、左右は否定。私は先輩と沢山の会話をした。
目すら動かなくなるまで、そう時間は掛からなかった。
遥先輩は石になってしまったのだ。
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