種馬稼業

あかべこ

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自分の部屋に戻ると宝珠が「お疲れさまですだ」と水桶で濡らした手ぬぐいを差し出してくれる。
「ありがとう、あのクソ皇帝殿下は?」
「お二人がまぐわったのを確認したらお帰りになっただよ、手ぬぐいと上着は下賜扱いにするらしいだ」
それは都合がいい。
どちらも凛風の部屋に置きっぱなしになってるし、何よりいろいろついてそうで返しづらい。
「はー……じゃあ次も匂いのついたものを下賜してもらうか」
羽織っていた服を脱いで手ぬぐいでぐりぐりと身体を拭うと少しは体がさっぱりする。
じっと宝珠が私の身体を見つめてくるので「興味あるのか?」と冗談交じりに聞いてくる。
「う、いや……」
宝珠はふたなりに会ったことがない、と言っていた。
まあ基本的にふたなりは魔を引き寄せるものとして社会から隔絶されるので仕方ないところはある。
「せっかくだし拭いてもらおうかな」
からかい交じりにそう告げて手ぬぐいを渡すと、手ぬぐいを水桶ですすいでから「失礼します」と私の身体を拭う。
まるで宝石のように丁重に拭ってくれるので自分の身体が良いもののように思えてくる。
(昔は好きじゃなかったんだよなあ)
普通の女にも男にもなれない身体を憎んでいたが、そういう商売の男女と交わることで多少は折り合いをつけられるようになったつもりだ。
やがて宝珠の手ぬぐいはわたしのモノに伸びる。
手ぬぐいでそっと拭われるのがこそばゆく、同時に自分のものが固くなるのを感じた。
「……なんか、汁が出てきただね」
「宝珠、もういいよ」
「これを入れたらおらも桃柊さまの子が産めるだか?」
その一言に思わず「えっ」と聞き返す。
宝珠も皇帝の母になってみたくなったんだろうか?
「おら、桃柊さまのものになりたいだ」
「それ本気ー……だよな。そんな冗談言える子じゃないもんな」
宝珠は私に怯えないし嘘もつかない。だから私の側に置いたのだ。
ここで宝珠を抱いて子供を作ったらどうなるんだろう?
「宝珠と私の子どもか、いたら楽しいだろうね」
この後宮にはずっと私ひとりだった。
私がいて宝珠がいてまだ見ぬ私の子がいる生活は、思ったよりも明るそうだ。
「いいよ、私の女にしてあげる」
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