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Lesson18 言葉より強い腕
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閉店後、静まり返った店を出る。
隣を歩くみのるは、いつもより口数が少なかった。
沈黙のままタクシーに乗り込み、マンションへ向かう。
玄関を開け、一歩踏み込んだ瞬間――鼻をつく甘ったるい香り。
香水。しかも女物。
「……おまえ、香水くさい。どんだけ抱きつかれたんだよ」
声が低くなったのが自分でもわかった。
「いや、あの……けど、ちゃんと断ったんだよ!」
必死に言い訳するその顔が、逆に胸をざわつかせる。
「おまえは俺のだろ?……迷ってんのか?」
わざと意地悪に問い詰める。
「違う!僕は和希だけだから……迷いはないよ!」
涙目でしがみついてくる。
必死にしがみつく感触に、力が抜ける。
フッと笑って、額にキスを落とした。続けて唇にも軽く触れる。
「……俺だけ見てろ。おまえの居場所は、ここだろ?」
さらに強く抱きついてくる。
胸元に顔を埋めて「和希だけだよ」と繰り返す声。
「まったく……甘えん坊だな」
頭を撫でながら囁く。
「けどな、それを許すのは俺だけだ。おまえが甘えられるのは、この腕の中だけ」
その言葉に、みのるは頷いた。
俺の胸の奥が熱くなる。
「シャワー浴びろ。……」
「……うん」
涙目で見上げてくるみのるの顔に、再び口づけた。
(やっぱり、俺の甘えん坊は最高にかわいい)
シャワーの音が止まり、浴室のドアが開いた。
濡れた髪をそのままに、みのるがバスルームから出てくる。
頬はほんのり赤く、浴びたての湯気がまだ体を包んでいた。
「……髪、拭けよ」
タオルを手に取って近づき、頭を乱暴にならないように拭ってやる。
くしゃっと柔らかな金髪。指先に絡むたび、胸の奥がじんと熱を帯びる。
拭かれながら、みのるはじっと俺を見上げていた。
そして、タオルを掴むみたいに腕を伸ばし、ぎゅっと抱きついてきた。
「おまえ……本当に甘えん坊だな」
苦笑しながらも、その細い体を抱き返す。
「和希だからだよ」
小さな声。けれど確かに心臓を撃ち抜いた。
次の瞬間、潤んだ瞳のまま囁く。
「……好きだよ」
体が一瞬熱を帯び、思わず笑みがこぼれる。
「おまえな。可愛すぎんだろ」
腕に力を込め、みのるを抱きしめる。
濡れた髪が首筋に触れる感触さえ愛おしい。
(まったく……甘えん坊。けど、それを許してやれるのは俺だけだ。俺の腕の中でしか、こいつはこんな顔できねぇんだから)
唇を重ねると、みのるが小さく震えて、さらに強くしがみついてくる。
その必死さが愛しくてたまらない。
「……いいか。おまえの全部は、俺のもんだ。誰にも渡さねーよ。」
耳元で囁くと、みのるは涙ぐんだまま頷いた。
その表情に、俺の独占欲は深く、甘く沈んでいく。
ベッドに倒れ込むようにして、みのるが胸にしがみついてきた。
細い腕が必死に絡みつき、まるで子供のように離さないでと訴えているみたいだ。
「和希……僕、和希だけだから」
潤んだ声が胸の奥に響く。
(まったく……どんだけ甘えん坊なんだ)
笑みがこぼれる。だがその可愛さに、どうしようもなく心を奪われる。
こいつがこんな顔をするのは、俺の前だけ。
他のやつだったら、ここまで甘えさせてなんかやらないだろ。
(……俺だからだ。俺だから、こいつを甘やかせる。こいつの甘えん坊は、俺の独占だ)
顎を掴んで、顔を上げさせる。
潤んだ瞳が、俺だけを映していた。
「……わかってんだろ? おまえは俺のだ」
言葉をかぶせるように、深く口づける。
震えながらも必死に応えるその唇。
重ねるたびに、こいつのすべてを抱き込みたい衝動が強くなる。
「……俺がいなきゃ、おまえは駄目になる」
キスの合間に、独占を滲ませる。
「甘えん坊は、俺がずっと面倒見てやる」
涙を滲ませた瞳で「うん……」と頷く姿が愛しすぎて、胸が焦がれる。
その瞬間、俺はもう完全に――甘えん坊のみのるに溺れていた。
深夜ーーー
カチ、カチ、と時計の音がやけに大きく響いている。
目が覚めて、天井の暗がりを見上げる。
まだ夜中か……。
横に視線を落とすと、みのるが小さく寝息を立てていた。
頬がほんのり赤く、髪は寝癖で少し跳ねている。
俺の腕に頬をすり寄せ、子どものようにぎゅっとしがみついている姿が、胸を締めつけた。
(……本当に、どんだけ甘えん坊なんだろうな)
しびれた腕をそっと抜こうとした瞬間、みのるの手がきゅっと俺の胸元を掴んだ。
まるで離すな、と言っているみたいに。
「……おい、子犬かよ、おまえ」
苦笑しながら、髪を指で梳いた。
寝ている顔は本当に無防備で、可愛すぎる。
こんなに素直に甘えてくるのは、俺にだけなんだろうなと思うと、胸の奥が熱くなる。
(俺が……こいつにどんどん溺れてく)
ため息をひとつ落とし、そのまま腕を戻して抱き寄せた。
子犬のようなぬくもりが胸に収まり、心の奥に甘い痛みが広がっていく。
(……もう、こいつから離れられねぇ)
暗い部屋の中で、時計の音だけが二人の世界を刻んでいた。
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隣を歩くみのるは、いつもより口数が少なかった。
沈黙のままタクシーに乗り込み、マンションへ向かう。
玄関を開け、一歩踏み込んだ瞬間――鼻をつく甘ったるい香り。
香水。しかも女物。
「……おまえ、香水くさい。どんだけ抱きつかれたんだよ」
声が低くなったのが自分でもわかった。
「いや、あの……けど、ちゃんと断ったんだよ!」
必死に言い訳するその顔が、逆に胸をざわつかせる。
「おまえは俺のだろ?……迷ってんのか?」
わざと意地悪に問い詰める。
「違う!僕は和希だけだから……迷いはないよ!」
涙目でしがみついてくる。
必死にしがみつく感触に、力が抜ける。
フッと笑って、額にキスを落とした。続けて唇にも軽く触れる。
「……俺だけ見てろ。おまえの居場所は、ここだろ?」
さらに強く抱きついてくる。
胸元に顔を埋めて「和希だけだよ」と繰り返す声。
「まったく……甘えん坊だな」
頭を撫でながら囁く。
「けどな、それを許すのは俺だけだ。おまえが甘えられるのは、この腕の中だけ」
その言葉に、みのるは頷いた。
俺の胸の奥が熱くなる。
「シャワー浴びろ。……」
「……うん」
涙目で見上げてくるみのるの顔に、再び口づけた。
(やっぱり、俺の甘えん坊は最高にかわいい)
シャワーの音が止まり、浴室のドアが開いた。
濡れた髪をそのままに、みのるがバスルームから出てくる。
頬はほんのり赤く、浴びたての湯気がまだ体を包んでいた。
「……髪、拭けよ」
タオルを手に取って近づき、頭を乱暴にならないように拭ってやる。
くしゃっと柔らかな金髪。指先に絡むたび、胸の奥がじんと熱を帯びる。
拭かれながら、みのるはじっと俺を見上げていた。
そして、タオルを掴むみたいに腕を伸ばし、ぎゅっと抱きついてきた。
「おまえ……本当に甘えん坊だな」
苦笑しながらも、その細い体を抱き返す。
「和希だからだよ」
小さな声。けれど確かに心臓を撃ち抜いた。
次の瞬間、潤んだ瞳のまま囁く。
「……好きだよ」
体が一瞬熱を帯び、思わず笑みがこぼれる。
「おまえな。可愛すぎんだろ」
腕に力を込め、みのるを抱きしめる。
濡れた髪が首筋に触れる感触さえ愛おしい。
(まったく……甘えん坊。けど、それを許してやれるのは俺だけだ。俺の腕の中でしか、こいつはこんな顔できねぇんだから)
唇を重ねると、みのるが小さく震えて、さらに強くしがみついてくる。
その必死さが愛しくてたまらない。
「……いいか。おまえの全部は、俺のもんだ。誰にも渡さねーよ。」
耳元で囁くと、みのるは涙ぐんだまま頷いた。
その表情に、俺の独占欲は深く、甘く沈んでいく。
ベッドに倒れ込むようにして、みのるが胸にしがみついてきた。
細い腕が必死に絡みつき、まるで子供のように離さないでと訴えているみたいだ。
「和希……僕、和希だけだから」
潤んだ声が胸の奥に響く。
(まったく……どんだけ甘えん坊なんだ)
笑みがこぼれる。だがその可愛さに、どうしようもなく心を奪われる。
こいつがこんな顔をするのは、俺の前だけ。
他のやつだったら、ここまで甘えさせてなんかやらないだろ。
(……俺だからだ。俺だから、こいつを甘やかせる。こいつの甘えん坊は、俺の独占だ)
顎を掴んで、顔を上げさせる。
潤んだ瞳が、俺だけを映していた。
「……わかってんだろ? おまえは俺のだ」
言葉をかぶせるように、深く口づける。
震えながらも必死に応えるその唇。
重ねるたびに、こいつのすべてを抱き込みたい衝動が強くなる。
「……俺がいなきゃ、おまえは駄目になる」
キスの合間に、独占を滲ませる。
「甘えん坊は、俺がずっと面倒見てやる」
涙を滲ませた瞳で「うん……」と頷く姿が愛しすぎて、胸が焦がれる。
その瞬間、俺はもう完全に――甘えん坊のみのるに溺れていた。
深夜ーーー
カチ、カチ、と時計の音がやけに大きく響いている。
目が覚めて、天井の暗がりを見上げる。
まだ夜中か……。
横に視線を落とすと、みのるが小さく寝息を立てていた。
頬がほんのり赤く、髪は寝癖で少し跳ねている。
俺の腕に頬をすり寄せ、子どものようにぎゅっとしがみついている姿が、胸を締めつけた。
(……本当に、どんだけ甘えん坊なんだろうな)
しびれた腕をそっと抜こうとした瞬間、みのるの手がきゅっと俺の胸元を掴んだ。
まるで離すな、と言っているみたいに。
「……おい、子犬かよ、おまえ」
苦笑しながら、髪を指で梳いた。
寝ている顔は本当に無防備で、可愛すぎる。
こんなに素直に甘えてくるのは、俺にだけなんだろうなと思うと、胸の奥が熱くなる。
(俺が……こいつにどんどん溺れてく)
ため息をひとつ落とし、そのまま腕を戻して抱き寄せた。
子犬のようなぬくもりが胸に収まり、心の奥に甘い痛みが広がっていく。
(……もう、こいつから離れられねぇ)
暗い部屋の中で、時計の音だけが二人の世界を刻んでいた。
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