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第3章<魔法陣コンテスト>
6、屋台
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セイフィード様と神殿に行ける日は、もうすぐだ。
日が近ずくにつれ、私の心臓はドキドキ高鳴る。
でも、1つ気になる点が⋯⋯。
それは、シャーロットやゾフィー兄様達に、私が神殿に行くことを言っていないということだ。
大丈夫だろうか⋯⋯、いやきっと言わなければ駄目だろう。
今更、行っては駄目だと言われたら、悲しみで倒れてしまいそうだ。
ただ、私に甘いゾフィー兄様は親衛隊の仕事で相変わらず留守がちだ。
しょうがないので、次に私に甘いシャーロットに相談することにした。
「ねえ、シャーロット。相談があるんだけど⋯⋯」
「あら、アンナ。相談なんて珍しい事ですこと」
「あのね⋯⋯実は今度、セイフィード様と神殿に行くんだ。シャーロットのご両親に伝えた方がいいかな?」
「⋯⋯そのことなら知っていますわよ。」
「えぇ! どうして? いつ知ったの?」
「いつかは知らないけれど、セイフィード様のお父様から、わたくしのお父様にお話があったそうよ」
「そうなんだ⋯⋯。良かった」
私は心底、安心した。
それにしてもやっぱり貴族って大変だな。
こっそりデートもできない。
「神殿ですものね⋯⋯神殿じゃなかったら、きっとお許しは出なかったと思うわ」
シャーロットが何かを察して言う。
そうだよね。
神殿イコール神聖って感じで、浮ついた事はタブーだよね。
今まで散々、セイフィード様とイチャつく妄想をしたけど叶わなそう。
「セイフィード様と行く日は、ウー様の誕生日なんだ。当選できて凄いよね」
「あら、アンナ。存じ上げなかったのかしら。セイフィード様の家には特別枠がおありになるのよ」
「特別枠?」
私は神殿に特別枠があるなんて知らなかった。
「えぇ、セイフィード様の家は、神殿に莫大な金額を寄付していらっしゃるの。だから特別枠を頂けているそうよ」
確かに、私も噂で聞いたことがある。
セイフィード様の家は大金持ちだってことを。
なぜなら、セイフィード様の家は魔法道具における特許を数多く保有している。
ここ最近、市場には自分自身の魔力を保持できる腕輪や指輪、ネックレスなどが出回っている。
それら全て、セイフィード様が考えた魔法陣が使われている。
その魔力を保持できる魔法道具は、治癒魔法を施したり、薬草を精製する魔法使いに大人気だ。
その人気の分、特許料の収入は莫大だ。
そしてとうとう、今日は、セイフィード様と神殿に行ける日。
私はその準備で大忙しだ。
気合い入りまくりである。
メイドに入念に髪をといてもらい、ドレスを着ようとした時、シャーロットが私の部屋を訪れた。
「まぁ、アンナ。そのドレスを着るおつもりなの。よろしくなくてよ」
私のドレスを見るなりシャーロットは指摘した。
「でも、一番可愛いと思うんだけど」
「確かに可愛いけれど、少し露出が高めだわ。こちらになさい」
シャーロットが私の衣装タンスから、ライトグリーンのドレスを取り出した。
そのドレスは首元まで布地があり、肌がしかっかりと隠れている。
私が持っているドレスの中で一番露出が少ない。
「それと、コルセットをもっと絞らなくてはダメよ」
シャーロットはメイドに指示を出し、メイドは私のコルセットを思っ切り締め上げた。
「ぐ、ぐるしい⋯⋯」
私は思わず呻き声をあげる。
肺が、骨が、潰れるかと思うぐらい苦しかった。
「淑女に我慢は必要よ。わたくしは⋯⋯、アンナのお気持ち知っていますわ。セイフィード様のことは、はっきり言って嫌いだけど、アンナの応援はさせて頂くわ」
「ありがとう、シャーロット。でも、どうしてセイフィード様のこと嫌いなの?」
「セイフィード様は、アンナを振り回し過ぎだわ。それにアンナを独占してますわ。だから嫌いなの」
シャーロットはホッペを膨らませた。
シャーロットは誤解してる。
私がセイフィード様を振り回してる。
それに、セイフィード様は私を独占なんかしてない。
セイフィード様にとって私は、からかいがある奴隷だ。
そして私がドレスを着た後、シャーロットがお化粧をしてくれた。
準備が整った私は鏡を覗き込む。
鏡の中の私は、どこかのプリンセスのように上品で可愛らしかった。
自分でも照れるぐらい。
「素敵だわ、アンナ」
シャーロットも珍しく褒めてくれる。
準備が全て整った時、セイフィード様が私の家まで迎えに来てくれた。
シャーロットも、侯爵夫人も少し離れた場所で私達を見送ってくれる。
やっぱり闇の精霊に祝福されているセイフィード様は、苦手みたい。
「ご機嫌よう、セイフィード様」
私はいつもより丁寧にお辞儀した。
「⋯⋯⋯⋯」
セイフィード様はなぜか無言だ。
「⋯⋯どうかしましたか?」
「何でもない。馬車に乗るぞ」
セイフィード様は貴族男性らしく私の手を取りエスコートしてくれる。
それにしても、セイフィード様のためにこんなに気合い入れたのに⋯⋯、少しは褒めて欲しかった。
「あの、セイフィード様、今日は誘って頂きありがとうございます」
「あぁ。で、ウー様に会えたら、何をお願いするんだ?」
「それは、内緒です」
そのお願い事はズバリ、私に魔力をつけて貰うことだ!
魔力をつけて貰ったら、私はセイフィード様に告白して⋯⋯、両思いになり⋯⋯婚約して結婚。
もう何度も妄想⋯⋯じゃなくシミュレートした。
ムフフフ⋯⋯。
「ふん⋯⋯どうせ、くだらないことだな」
他愛のない話をしていたら、私達が乗った馬車はすぐに城についた。
私達は前に来た時と同じように、城の天空園から天界の神殿広場へワープした。
「うわ。凄い人混み」
思わず私の口から漏れる
それほど神殿の広場は凄い人でごった返していた。
「⋯⋯これは確かに凄いな。アンナ、迷子になるなよ」
「はい」
私は、これはチャンスと思い、セイフィード様のマントを掴んだ。
本当は手を握りたいけど⋯⋯。
神殿広場は、ウー様の誕生日だからか、以前にも増して屋台の数が多い。
屋台からはとても、いい匂いがする。
私は、出掛ける前にミルクティーしか飲んでいなかったので腹ペコだった。
お腹が鳴りそう⋯⋯と思った瞬間、「グーギュルギュル」と全くもって可愛くない音が私のお腹から響いた。
「ククッ、アンナのお腹も分かりやすいな」
「⋯⋯自分でもそう思います」
私は恥ずかしくて、俯いた。
顔が急上昇に火照る。
「まだ時間あるし、何か食べるか」
「はい! 食べたいです。いい匂いがして、とろけちゃいそうです。セイフィード様、早く行きましょう」
私は本当に腹ペコだったので、セイフィード様のマントを引っ張り、一番いい匂いがする屋台に駆け寄った。
その屋台が売っている食べ物は、パンにとても大きな肉の塊が挟んであるサンドイッチ。
物凄く、ボリューミー。
とてもじゃないが上品には食べられそうにない。
いくら何でも私でも躊躇する。
しかし私が躊躇している間に、セイフィード様はそれを1つ購入してしまった。
「どうぞ」
セイフィード様は、その巨大肉サンドイッチを私にくれる。
そして、セイフィード様はとても面白そうに私を見つめた。
いくらなんでも、困る。
流石に困る。
私はその大きな肉の塊を見つめながら、体が固まってしまった。
「アンナ、早く食べろよ。冷めるぞ」
セイフィード様は、私がこの巨大肉サンドイッチをどうかぶりつくかを、ワクワクしながらじっと見る。
「セイフィード様は食べないんですか?」
「そうだな、じゃあ一口貰うか」
とセイフィード様は言うと、私が持っている巨大肉サンドイッチを一口食べた。
それも、口元を汚す事なく上手に一口食べた。
「いい味だ。アンナも早く食べろ」
もう私は食べるしかない。
意を決して私は食べた。
おっ、美味しい~。
だけど、かぶりつく度に、肉汁が溢れて、口の周りにその汁がくっ付く。
大きな口を開けなきゃいけないし、恥ずかしい。
セイフィード様は気を遣って見ないどころか、じっと愉快そうに見ている。
私が、口の周りに付いた汚れを取るためにハンカチを探していたら、セイフィード様が私の口元に指で触り、汚れを拭う。
口元だけじゃなく、唇もセイフィード様の指先が撫でていく。
その瞬間、私の思考はストップし、セイフィード様の指の感触だけが胸に轟いた。
日が近ずくにつれ、私の心臓はドキドキ高鳴る。
でも、1つ気になる点が⋯⋯。
それは、シャーロットやゾフィー兄様達に、私が神殿に行くことを言っていないということだ。
大丈夫だろうか⋯⋯、いやきっと言わなければ駄目だろう。
今更、行っては駄目だと言われたら、悲しみで倒れてしまいそうだ。
ただ、私に甘いゾフィー兄様は親衛隊の仕事で相変わらず留守がちだ。
しょうがないので、次に私に甘いシャーロットに相談することにした。
「ねえ、シャーロット。相談があるんだけど⋯⋯」
「あら、アンナ。相談なんて珍しい事ですこと」
「あのね⋯⋯実は今度、セイフィード様と神殿に行くんだ。シャーロットのご両親に伝えた方がいいかな?」
「⋯⋯そのことなら知っていますわよ。」
「えぇ! どうして? いつ知ったの?」
「いつかは知らないけれど、セイフィード様のお父様から、わたくしのお父様にお話があったそうよ」
「そうなんだ⋯⋯。良かった」
私は心底、安心した。
それにしてもやっぱり貴族って大変だな。
こっそりデートもできない。
「神殿ですものね⋯⋯神殿じゃなかったら、きっとお許しは出なかったと思うわ」
シャーロットが何かを察して言う。
そうだよね。
神殿イコール神聖って感じで、浮ついた事はタブーだよね。
今まで散々、セイフィード様とイチャつく妄想をしたけど叶わなそう。
「セイフィード様と行く日は、ウー様の誕生日なんだ。当選できて凄いよね」
「あら、アンナ。存じ上げなかったのかしら。セイフィード様の家には特別枠がおありになるのよ」
「特別枠?」
私は神殿に特別枠があるなんて知らなかった。
「えぇ、セイフィード様の家は、神殿に莫大な金額を寄付していらっしゃるの。だから特別枠を頂けているそうよ」
確かに、私も噂で聞いたことがある。
セイフィード様の家は大金持ちだってことを。
なぜなら、セイフィード様の家は魔法道具における特許を数多く保有している。
ここ最近、市場には自分自身の魔力を保持できる腕輪や指輪、ネックレスなどが出回っている。
それら全て、セイフィード様が考えた魔法陣が使われている。
その魔力を保持できる魔法道具は、治癒魔法を施したり、薬草を精製する魔法使いに大人気だ。
その人気の分、特許料の収入は莫大だ。
そしてとうとう、今日は、セイフィード様と神殿に行ける日。
私はその準備で大忙しだ。
気合い入りまくりである。
メイドに入念に髪をといてもらい、ドレスを着ようとした時、シャーロットが私の部屋を訪れた。
「まぁ、アンナ。そのドレスを着るおつもりなの。よろしくなくてよ」
私のドレスを見るなりシャーロットは指摘した。
「でも、一番可愛いと思うんだけど」
「確かに可愛いけれど、少し露出が高めだわ。こちらになさい」
シャーロットが私の衣装タンスから、ライトグリーンのドレスを取り出した。
そのドレスは首元まで布地があり、肌がしかっかりと隠れている。
私が持っているドレスの中で一番露出が少ない。
「それと、コルセットをもっと絞らなくてはダメよ」
シャーロットはメイドに指示を出し、メイドは私のコルセットを思っ切り締め上げた。
「ぐ、ぐるしい⋯⋯」
私は思わず呻き声をあげる。
肺が、骨が、潰れるかと思うぐらい苦しかった。
「淑女に我慢は必要よ。わたくしは⋯⋯、アンナのお気持ち知っていますわ。セイフィード様のことは、はっきり言って嫌いだけど、アンナの応援はさせて頂くわ」
「ありがとう、シャーロット。でも、どうしてセイフィード様のこと嫌いなの?」
「セイフィード様は、アンナを振り回し過ぎだわ。それにアンナを独占してますわ。だから嫌いなの」
シャーロットはホッペを膨らませた。
シャーロットは誤解してる。
私がセイフィード様を振り回してる。
それに、セイフィード様は私を独占なんかしてない。
セイフィード様にとって私は、からかいがある奴隷だ。
そして私がドレスを着た後、シャーロットがお化粧をしてくれた。
準備が整った私は鏡を覗き込む。
鏡の中の私は、どこかのプリンセスのように上品で可愛らしかった。
自分でも照れるぐらい。
「素敵だわ、アンナ」
シャーロットも珍しく褒めてくれる。
準備が全て整った時、セイフィード様が私の家まで迎えに来てくれた。
シャーロットも、侯爵夫人も少し離れた場所で私達を見送ってくれる。
やっぱり闇の精霊に祝福されているセイフィード様は、苦手みたい。
「ご機嫌よう、セイフィード様」
私はいつもより丁寧にお辞儀した。
「⋯⋯⋯⋯」
セイフィード様はなぜか無言だ。
「⋯⋯どうかしましたか?」
「何でもない。馬車に乗るぞ」
セイフィード様は貴族男性らしく私の手を取りエスコートしてくれる。
それにしても、セイフィード様のためにこんなに気合い入れたのに⋯⋯、少しは褒めて欲しかった。
「あの、セイフィード様、今日は誘って頂きありがとうございます」
「あぁ。で、ウー様に会えたら、何をお願いするんだ?」
「それは、内緒です」
そのお願い事はズバリ、私に魔力をつけて貰うことだ!
魔力をつけて貰ったら、私はセイフィード様に告白して⋯⋯、両思いになり⋯⋯婚約して結婚。
もう何度も妄想⋯⋯じゃなくシミュレートした。
ムフフフ⋯⋯。
「ふん⋯⋯どうせ、くだらないことだな」
他愛のない話をしていたら、私達が乗った馬車はすぐに城についた。
私達は前に来た時と同じように、城の天空園から天界の神殿広場へワープした。
「うわ。凄い人混み」
思わず私の口から漏れる
それほど神殿の広場は凄い人でごった返していた。
「⋯⋯これは確かに凄いな。アンナ、迷子になるなよ」
「はい」
私は、これはチャンスと思い、セイフィード様のマントを掴んだ。
本当は手を握りたいけど⋯⋯。
神殿広場は、ウー様の誕生日だからか、以前にも増して屋台の数が多い。
屋台からはとても、いい匂いがする。
私は、出掛ける前にミルクティーしか飲んでいなかったので腹ペコだった。
お腹が鳴りそう⋯⋯と思った瞬間、「グーギュルギュル」と全くもって可愛くない音が私のお腹から響いた。
「ククッ、アンナのお腹も分かりやすいな」
「⋯⋯自分でもそう思います」
私は恥ずかしくて、俯いた。
顔が急上昇に火照る。
「まだ時間あるし、何か食べるか」
「はい! 食べたいです。いい匂いがして、とろけちゃいそうです。セイフィード様、早く行きましょう」
私は本当に腹ペコだったので、セイフィード様のマントを引っ張り、一番いい匂いがする屋台に駆け寄った。
その屋台が売っている食べ物は、パンにとても大きな肉の塊が挟んであるサンドイッチ。
物凄く、ボリューミー。
とてもじゃないが上品には食べられそうにない。
いくら何でも私でも躊躇する。
しかし私が躊躇している間に、セイフィード様はそれを1つ購入してしまった。
「どうぞ」
セイフィード様は、その巨大肉サンドイッチを私にくれる。
そして、セイフィード様はとても面白そうに私を見つめた。
いくらなんでも、困る。
流石に困る。
私はその大きな肉の塊を見つめながら、体が固まってしまった。
「アンナ、早く食べろよ。冷めるぞ」
セイフィード様は、私がこの巨大肉サンドイッチをどうかぶりつくかを、ワクワクしながらじっと見る。
「セイフィード様は食べないんですか?」
「そうだな、じゃあ一口貰うか」
とセイフィード様は言うと、私が持っている巨大肉サンドイッチを一口食べた。
それも、口元を汚す事なく上手に一口食べた。
「いい味だ。アンナも早く食べろ」
もう私は食べるしかない。
意を決して私は食べた。
おっ、美味しい~。
だけど、かぶりつく度に、肉汁が溢れて、口の周りにその汁がくっ付く。
大きな口を開けなきゃいけないし、恥ずかしい。
セイフィード様は気を遣って見ないどころか、じっと愉快そうに見ている。
私が、口の周りに付いた汚れを取るためにハンカチを探していたら、セイフィード様が私の口元に指で触り、汚れを拭う。
口元だけじゃなく、唇もセイフィード様の指先が撫でていく。
その瞬間、私の思考はストップし、セイフィード様の指の感触だけが胸に轟いた。
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