金融悪魔を癒やす方法—投資銀行員カウンセリング日記——

銀行員と小さな世界再分配作戦

晴れた朝。
僕はカフェの窓際の席に座り、ノートパソコンを開いていた。

そこへ、昨日の銀行員が、肩にキティちゃんのバッグをかけて登場。

「おはようございます…今日も仕事、やばくて…」
「お、キティちゃんバッグだね。今日も戦闘モード？」

彼は少し照れ笑い。
「うん…でも昨日よりちょっとだけ心が軽いかも」

僕はにっこり笑いながら、テーブルに置かれたコーヒーをすする。
「じゃあ、今日も愚痴聞きながら、再分配プラン作ろうか。
まずは昨日の続きを整理して…」

彼は肩を落として、コーヒーを飲む。
「昨日も思ったんだけど、顧客の利益を守るたびに、
自分が世界にダメージを与えてる気がするんだよね…」

僕はゆっくり頷く。
「うん、でもそれをそのまま闇として抱えるんじゃなくて、
逆手に取って少しでも世界に返す作戦だよ」

テーブルの上で僕らはラップトップを開き、昨日作ったPythonの小さなモデルを確認。

＊Python＝人工知能やデータ分析によく使われるプログラミング言語
＊SQL＝データベースの情報を操作・分析する言語

「例えば、クライアントのボーナスからごく一部を、
途上国の教育支援にマイクロ寄付するっていうプランどうかな？」
「うん…それなら、罪悪感も少し減るかも」

彼はコーヒーを一口飲みながら、ふと窓の外を見る。
「そういえば、昨日の帰り道でハムスターの動画見てたんだ。
ちっちゃいのに一生懸命生きてて、なんか元気出た」
「ほら、世界も同じ。小さな行動でも、生きる力を支えられるんだよ」

その後も、彼の愚痴は延々と続く。
「昨日もクライアントのクレーム対応で、夜中まで電話…
ああ、もう自分が悪魔になった気分」
「うん、わかるよ。でも悪魔も、たまに善行できるんだ」

僕らは笑いながら、SQLで資金流れを整理したり、Pythonで再分配のシミュレーションをしたり。
「なるほど…こうやって数字で見えると、少し安心する」
「そう。数字は冷たいけど、世界を癒す武器にもなる」

最後に彼は立ち上がり、笑顔で言った。
「今日も少しだけ世界を救えた気がする…ありがとう」
「こちらこそ。愚痴を聞くだけじゃなくて、一緒に考えるって大事だよね」

僕らはコーヒーを飲み干し、晴れた空を見上げた。
投資銀行の闇も、愚痴も、丸ごと抱えて、少しずつ世界を癒す――そんな朝だった。