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2月15日 グランドフィナーレ? ってイタリア語?
2月15日 グランドフィナーレ? ってイタリア語?
ご馳走の匂い・・が、私のメインスイッチをオンにして、今日の意識が芽生える。この匂いはとても懐かしい何年ぶりの匂いだろ? お母さんナニ作ってるのかな、今日の朝ごはんはナニ? お弁当のおかずはナニ? 何年ぶりかな、ベーコンの焦げる匂い? 私、どんな夢見てるのかな、見てるのではなくて、夢の中でいい匂いを嗅いでる? リアルな匂い。をクンクンすると、よだれが滲む感触と共に次のスイッチが入って。カシャカシャカシャカシャ、じゅぅぅぅぅ、と聞こえる音もとても懐かしい音。これってお母さんが卵焼きを作ってる音? 私、夢を見てる? 見てないね、夢の中で聞こえてる懐かしい音? リアルな音だね。って思ったら。もう一つスイッチが入って。目がそぉっと開いた。見覚えのない模様。キョロっとして。
「あー・・そうか・・ここって・・」って何かを思い出した気持ちがしたけど。
「なんだっけ・・」ナニを思い出したのか思い出せない。大きく息を吸い込んだら。
「んっ・・んー・・」って背伸びしながらあくびをしたいから、横になったままその通りにして、んっんーっと長―い背伸びして、体中の硬直しただるい気持ちを引き延ばすと、ふぁーあーあ。今度は伸びすぎて、緩み過ぎて、もっとだるい、力がはいらない・・あーよく寝た・・けど、目覚めは何気にスッキリしてる。そう思ってもう一度あくびをして。もう一度、見える景色がいつもと違う違和感。
「って・・ここどこ?」と無意識なままつぶやいて。キョロキョロすると、隅に本が積まれていて、ここってこたつの中? と気付いて起きようと布団をめくったら。おっぱいがぷるん・・と。
「ぎょっ・・」私・・素っ裸じゃないの? と気が付いて跳び起きたら。
「恭子さんおはよ。やっと起きた」と聞こえた声は、あなたは誰・・ってスウェット姿の誠さん・・。の優しすぎる笑顔・・。に朝からキュン・・としたことが恥ずかしかったりしてる。だから。
「おはようございます」と裸の上半身に、こたつの布団を手繰るけど。その、前だけしか隠せなくて。肩とか背中は剥き出し? と布団を掴んで誠さんを見上げると。じぃぃぃっと私を見つめたまま・・。後退りたくなる雰囲気で。
「あの・・お風呂沸かしてるから、入れば?」と言った。
お風呂? 入れば? 朝から・・お風呂。
「今、朝ごはん作ってて、もうすぐできるから」とも言った。
朝ごはん? もうすぐできるから? これって、朝からどこのお姫様の待遇? だから。
「は・・はい」
って・・何も理解できていないのに、返事をして。って・・。
「は・・はい」ともう一度返事して。そうだった・・。
全部、思い出した。そう言えば、昨日は、二回もしちゃったんだったね私、この男の子と、アレを。つまり・・と思ってもっと布団を手繰り寄せて。パンツとかブラジャーが・・。ワンピースと一緒に、向こうにたたまれていて。誠さんがたたんでくれたのかな? それより、裸でここから這い出すのがちょっと、アレだから、と思ったら。誠さんは。
「恭子さん、バスタオルをどうぞ、ここに置くよ。こんなのしかないけど。そんなに恥ずかしがらないで、怖がらないで、絶対に何もしないから」
だなんて言いながら、そばにバスタオルを置いてくれたけど。
「わ・・私・・裸には自信がないから・・」
って言い訳というより、なんでそんなこと言うの私って。それに、そんなにジロジロ見ないで欲しいのですけど。誠さんは優しく笑みを浮かべて、もっとジロジロ見つめてから。
「自信ないって、そんなにきれいなのに?」
って、ワザとらしい言葉と、にやけた顔に。私も歯を浮かせて、にやけながら。
「向こう向いててください」としか言えなくて。でも。まだジロジロ見つめている誠さんは。私を見つめたまま。シリアスな顔で。
「キレイだ。ウツクシイ、本当に綺麗だよ、僕は世界一の果報者だ」ってやっぱり冗談が混じってる。でも・・そのダイス船長の名セリフに、とりあえず、モンスリーさんの名セリフで答えてあげようと思って。
「バカねっ・・」って言ってあげたけど。これって、どうしても笑ってしまうから「やめてよダイス船長は・・もぉ」とぼやいてから、くすくす笑いあうと。
「はいはい・・じゃ、ご飯作ってるから、お風呂、入っておいで」
と背中を向けて、向こうに行く誠さんに・・。こんなやりとりより、お目覚めのキスでもするべきだったかな、とも思ったりしているけど。やっぱり、恥ずかしいよね。朝日が差し込む、こんなに明るい部屋で、素っ裸だなんて。
でも・・お風呂・・入りたい。何気に体中ぬるぬるベトベトしていそうな気持ち悪さも感じ始めて。バスタオルを体に巻いて立ち上がると。コレはコレでまた、恥ずかしい。けど、まぁいっか・・。とジュージュー音のする方向に歩いて。
「お風呂、どっちですか?」
とお料理作ってる誠さんに聞いたら。
「あ・・うん・・」と火を消して、またジロジロ。だから、タオルの縁をぎゅっと握って。
「ジロジロ見ないでよ・・」と言ってしまう。
「うん・・こっち・・一緒に入りたいけど」なんて小さな声でつぶやいた誠さんに。
「ムリ」と即答して、瞬間的に顔色もムリ・・だったけど。
「ムリですか」と、その悲しそうな表情に。ムリ・・だなんて、私たちってもう恋人なんだし。「一緒に」って、私から言ってあげるべき? という気持ちもよぎる。だから、とりあえず、眉間の力こぶをゆるゆるにしながら。
「まだ・・ムリ・・という意味」と言い直してあげる。すると。
「じゃ・・そのうち・・ならOK?」だなんて、誠さんは何気に嬉しそうな顔する。だけど。
「・・うん・・そのうち・・ね」と恥ずかしそうに言うのはわざとだけど、どうしよう・・入っちゃう? このまま一緒に。と微かに思ったりもしてることを顔に出したら。
「あ・・じゃ・・そのうち・・」と逃げ出すような返事。自分で言い出したくせに、いざとなると、オドオドしながら逃げる。昨日もそうだったよねこの人。と思い出したりして。ほら、「一緒に入りましょ」と言う気持ちを、こんな怖い顔で表現すると、後ずさる誠さん。ふふふふっと笑って見せると。
「そのうち・・ね」と少し安心したような表情になって。
「そのうち・・ね」ともう一度繰り返しながら、入る気になり始めていそう。だから。私も。
「そのうち・・ね」と視線を反らせて。
でも、そういう会話が、何気に恋人っぽくなり始めたかなと思ったりもして。じわじわと恋人になってゆく実感が湧いてくるようで、その瞬間に、クスクスと、気を緩めたら。
「もぉ・・怖い顔より、その方がいいよ」と言いながら。
私にそっとしがみついた誠さん。首にチュッとキスをするから。きゃっ・・と慌てて。
「なにするの・・」とマケズギライナ一言を言ってしまう・・と。
「うん・・いいでしょ・・このくらい」と甘えた声で。
ともう一度首にチュッとされて。くすぐったいから。
「・・・あん・・」って声が、むらッとしてることは黙っていよう。だけど・・。唇をムニュムニュさせて・・どうして口じゃないの? と上目使いすると。テレパシーか通じたのかしら。チュッと、お口にキスしてくれて。
「それじゃ、お風呂、ゆっくりどうぞ・・朝ごはん並べて待ってるから、あと、歯ブラシの買い置き、歯磨きはそこにあるから」
「うん」と返事すると、向こうに行く誠さんの振り向く横顔がチラッと、私がバスタオルを脱ぐのを期待していたようで・・ぎゅっとにらみながら、カーテンを閉めた。でも。
うふふふふふっと笑ってしまう理由。私たち、出会ってまだ4日目なのに、もうずっとこうして一緒に暮らしているような錯覚も感じる。今のキスも全く違和感がなくて。生まれる前から毎朝そうしていたような日課のようにも思えるし。だからかな、安心できる人っていいよね、と思って。つまり、こんなに強張る必要もないでしょと、胸元でバスタオルを掴んでいた手を開くと、バスタオルは するん と床に落ちて。裸には自信ないって言ったけど。洗面台の鏡に映る私の裸・・それなりにビューティフルな曲線美だよね・・なんて気持ちで、手をあげて髪をかきあげ、腕を頭の後ろで組んで斜めから眺めると、脇からおっぱいまでの滑らかな曲線美に陶酔してしまいそう。私ってこんなに綺麗だったのね。そんな鏡の中の私に何気に言いたいこと・・。つぶやいてしまう。
「どうですか、男の子を捕まえちゃった今のお気持ちは?」
「うふふふふ。いいに決まってるでしょ」
と一人で、受け答えて。
「あなたにも恋人ができちゃいましたね・・」と鏡の中の私に言ってあげると。
「私にも恋人ができてしまいましたよ」と言い返さずにはいられなくて。でも。
ふと思い出してしまった昨日のコト。
「やめて・・まって・・あぁ~・・って。そんな、恋人ですけどね」
なんてことを思い出すと、くくくくくくって笑ってしまう。鏡の前でポーズを取ったまま、ヘンなこと思い出して笑っている私に向かってもうひと笑いして。さって、お風呂お風呂と思ったら。外から。
「恭子さん、ケンイチから電話だけど」って声。に、ポーズを取ったまま振り向くと。シャーっと、カーテンが開いて。
「あっ・・・」と目が合う誠さん。
「・・・・・」と硬直した私は、そおっと手を降ろして、とりあえずそれほど立派ではないから、そっと押さえて隠してはみたけれど。誠さんは。
「・・・あ・・ごめんなさい」と言いながら、視線は舐めるように上から下へ下から上に。だから。隠すよりも・・しゃーっとカーテンを無理やり閉めて。誠さんを追い出すと。
「あの・・ケンイチから電話・・です」と隙間から手だけだして・・。ケンさんから電話・・とりあえず、私は冷静だ、こんな場面でケンさんに繋がってる電話に向かってヘンな大声出したら、ケンさんに後で何言われるかわからない。よし、ちょっとびっくりしたけど、まぁ・・見られても減るもんじゃないし・・と開き直って。とりあえず、ケンさんに勘ぐられないように。息も整えて・・って、どうして、ケンさんが私を呼び出すために誠さんに電話かけるわけ? なぜに? と言う気持ちが湧きたち始めると、裸でいることも、誠さんにジロジロ見られたことも、そんな意識は遥か彼方。で。
「もしもしケンさん? どうしたの」といつも通りの声色で出てみると。
「もしもしあたしぃ~ もぉぉぉ、昨日からどうして電話に出てくれないのよ」優子?
の、いつもの甘ったるい声か聞こえて。えっ・・ケンさんの電話だよね・・と電話を耳から離すけど、いや、この電話は誠さんの電話・・えっ? 私ナニか混乱してる? 落ち着こう・・今、私は優子と話してる。そうだよね。ともう一度電話を耳に当てて。
「優子なの」と聞くと。
「もぉぉぉ心配したんだから・・昨日からずっと電話していたのに、全然でないから」
とやっぱり、優子の声に。あー私の電話‥そう言えば、ばらばらに解体されていたっけ。と思い出して。
「あ・・あの・・ちょっと電池がね」外れてるから「それより、何の用なの? 優子ってもしかして・・」もしかしなくても「今、ケンさんと一緒なの?」聞くまでもないことかも。と思ったら。すぐに。
「うん、昨日から一緒、お泊りしちゃった・・ケンイチさん今朝ごはん作ってる。私にお風呂入っておいでって」
それって、私と同じか・・つまり、それって、どっちを選択していたとしても同じ運命だったってことかな? って何の話? と思ったら、優子が、重苦しく。
「それでね、私、昨日、しちゃったの・・」と言った。しちゃったの・・。って。
「・・えっ?」ナニを・・しちゃったのかな? あ・・。
「ケンイチのヤツ、今頃、アノ優子ちゃんの立派なおっぱいにのされちまって・・」
と予言者ムハマンダーの声が聞こえて。つまり、あの予言が成就したということ? だから、優子は、ケンさんを、の しちゃった。とか? いやいや、優子の事はこんなに複雑に考えてはいけない。単純に、ただ・・私と同じ・・のはず。と耳を澄ませたら。
「ほら、恭子がいつか言ってたでしょ、チョコレートの魔法の話し。私、女の子が欲しいから、チョコレートをどうすれば女の子ができるのか知りたかったのに、昨日、する前に電話したら全然出てくれなくて」という話が始まって。思った・・。これって、どういうオチ? なの?
それより、する前に電話したって・・優子って、そういう電話をする余裕があったんだ・・。というか、それより、チョコレートの魔法? 女の子が欲しい? この会話に当てはまる方程式が出てこない・・えーっと、だから。話を伸ばしながら考えよう。
「する前って・・優子、ケンさんと、ナニしちゃったの?」って無理やり聞いてる私は・・まだ頑なにアレをしちゃったと空想できないのだけど。
「うん・・二回もしちゃった・・する前ってドキドキしたけど、しちゃったら・・もっとしたくなるものなのね、アレって」
二回も・・私も人のこと言えないけど。しちゃったら、もっとしたくなった。もしかして、私もそうなのかな、と・・確かにそうね・・。でも。とりあえず聞きいたのは。
「二回もって、痛くなかったの?」たぶん・・だけど、優子ってそうでしょ・・。
「うん、初めてで、少し痛かった・・でも、うふふふ、ケンイチさんも優しくしてくれたから。なんだか、ぬるぬるしてて・・痛いのにヘンな感じ」
「あ・・そう・・」って私も、痛かったけど・・誠さんが優しくしてくれたから・・いや、私が優しくさせたんだよね。それに、ぬるぬる・・か。同じね。ってなんの話してるの? えーっと、チョコレートの魔法と、女の子が欲しい話だ。けど。やっぱり、優子と話してると、もとの話しに戻らなくなりそうで。
「それでね、もう一回・・したいなって・・今思ってるの」
あ・・そう・・どんなコメントを添えたらいいのかな、こんな話。
「あ・でもさ、男の子って・・休ませてあげないと、その・・」タマギレに・・口が裂けても言えるわけないセリフがのどまで出かかった。あーだめ、優子とこんな話すると私までおかしくなりそう。
「うん・・休ませてあげてるというか・・その、お風呂小さいから」
って、それは、どういう理由? まぁ、あの二人のサイズだと、ちょっとね。だから、何の話だったの? とパニックになり始めた時。
「で、そんなことじゃなくて、チョコレートをどうすれば女の子ができるの? 今からでも大丈夫かな?」
って、そうだった。えーっと・・とにかく、口から出まかせでもなんでもいいから。えーと、えーっと。
「えーっとね・・それそれ、チョコレートの魔法なんだけど」あーどうしよう、何も思いつかない。
「どうすれば女の子ができるの?」どうすれば、優子をなだめられるの?
「だからね・・」えーっと、もういいや「する前にどっちが先にチョコレート食べたの」
「え・・どっちが先って・・」
よし・・優子が先に食べたに決まってるでしょ。アノ娘いやしいし。
「だから、エッチしたんでしょ」
それとこれをどうつなげる、どうつなげる。えーっと。
「うん・・二回もしちゃった」
「だから、二回もする前に、優子とケンさんどっちがチョコレートを先に食べた?」
来た、こうして話始めると、口からデマカセ、来た、ここからは、すらすら出てきそう。
「食べたって・・チョコレートケーキ作りながら、チョコクリームいっぱい舐めたとかでもいいの?」
いや・・また、話が変わっちゃうかな? チョコクリーム? 舐めた?
「チョコレートケーキ作りながらチョコクリームいっぱい舐めたって?」ナニの話?
それより、舐めた、というフレーズに何かがピンっと来たような、何だっけこれ・・。
「昨日、ケンイチさんとチョコレートケーキ作ったの、チョコクリーム作ったら美味しくできて、私、いっぱい舐めちゃった」
「へぇぇ、美味しくできたんだ」
「うん・でも、スポンジがね、硬くなっちゃって、ケーキなのにクッキーみたいになっちゃって。小麦粉入れてからかき混ぜ過ぎたのかなって」
舐めて、硬くなって、入れてから、かき混ぜる。このフレーズ、何だったのか全然思い出せない・・。このフレーズが、私にとって、なにかものすごく重要なきっかけだったような気がするけど・・。
「でも、そんなことより、チョコレートを先に食べたらどうなるの?」
たしかに、そんなことより・・その話だった。えーっと。
「あのね・・」いいデマカセがまた、話が折れて、思いつかない。えーと。
「あのね・・」
だから・・おっ、キター・・思いついた。この話はウケル~。
「チョコレートの魔法ってね、エッチする前に先に食べた方の赤ちゃんができちゃうって、そんな魔法があるのよ」
どこに? どこでもいいでしょ。それよりこの話って、もしかして、ものすごいアドリブじゃないの。
「それって、する前に私が先に食べたら女の子ができるってこと?」
「まぁ・・確率が高くなる程度の話しだけどね」できると言いきったら何が起きるかわからないし。
「じゃぁ・・私、先に舐めたのでもいいのかな」
「いいと思うよ。たくさん舐めたんでしょ。それから、しちゃったのでしょ」
「うん・・私が先にチョコ舐めてからだったから、魔法がかかったってことだよね。それを聞けて安心」
安心・・ってつまり。あなたって、そういう前提でケンさんとしちゃったの?
「あの・・優子」
「ナニ?」
「赤ちゃん欲しいって、ケンさんも欲しいって言ってるの?」
「うん」
うん? って。なにこのチュウチョのかけらもない返事。そして。
「ケンイチさんも私がそんなに欲しがるならって。頑張ってくれるって」だなんて、幸せそうな弾んだ声。
あ・・そう・・。なぜかこの瞬間、優子のおっぱいがあんなに立派な理由がわかった気がして。つまり、そういう願望のせいであんなに準備万端・・ということか。それに、そういう願望のせいで、これからチョコレートを舐めて、もう一回、頑張ろうということかな・・。だなんて、私、なんでこんなこと空想しなければならないの? と考えながら。
まさか・・これから、本当に15人も? というあの予言が鮮明な映像となって脳裏をよぎったりして。
いやそれより、予言者ムハマンダーが気安く口にした言葉は全て実現する。今の所、全て成就してる? どうなんだろう・・。ケンさんが優子にのされちまったのは間違いない。ケンさんが頑張るって話も実現した?
他にも。
優子とケンさんよりも私たちの方が先に・・っていう予言もあったよね。
できちゃった結婚式・・の相談でもしに来い・・とか。
15人・・ラグビーチーム・・世界制覇・・決勝戦・・いやいや・・それはありえない。
それよりもっと大事な予言があったような。とピンっと思い出したのは。あの時、マスターに。「誠をよろしくな」と言われて「はい」と返事・・いや、約束してしまった私。に芽生えた責任感? 「誠をよろしくな」もしかしてコレが一番重要な予言だったのかもしれない。「よろしくな」「はい」つまり、私はあの時、未来の運命と約束をした。何かを実現させるために? ナニを?
あの後、お風呂上りに朝ごはんを食べて、ついつい、イチャラケテしまって、もう一回しちゃったとか・・「認めたくないものだな若さゆえの・・」なんて言う気はないけど、それは、若さゆえのアヤマチというものなのか、いや、アヤマチではないと思うから。若気の至りが過ぎたというべきか。本能の暴走に逆らえなかったというべきか。熱い恋をしちゃっただけでしょ、と、のろけるべきなのか。会うたびに・・ついつい・・。
そして。
あの日から数えて、10か月と10日が過ぎた思い出深いクリスマスの夜。私と優子は揃いも揃って同じ病院で、同じ時間に、かわいいかわいい赤ちゃんを授かってしまった・・。「赤ちゃんってコウノトリさんが連れてくるものだとずっと思っていたのに・・」と優子は言ったけど。私たちの所には、アノ、若くてハンサムなサンタクロースがトナカイさんと一緒に連れてきてくれたようで。
私が口からデマカセた、チョコレートの魔法が、本当は、実話だったのかどうか。とか、予言者ムハマンダーが気安く口にしたコトが実現してしまう話は、どこまで記録を伸ばすのか。とか、そういう話は、また、そのうちに・・ね。
ご馳走の匂い・・が、私のメインスイッチをオンにして、今日の意識が芽生える。この匂いはとても懐かしい何年ぶりの匂いだろ? お母さんナニ作ってるのかな、今日の朝ごはんはナニ? お弁当のおかずはナニ? 何年ぶりかな、ベーコンの焦げる匂い? 私、どんな夢見てるのかな、見てるのではなくて、夢の中でいい匂いを嗅いでる? リアルな匂い。をクンクンすると、よだれが滲む感触と共に次のスイッチが入って。カシャカシャカシャカシャ、じゅぅぅぅぅ、と聞こえる音もとても懐かしい音。これってお母さんが卵焼きを作ってる音? 私、夢を見てる? 見てないね、夢の中で聞こえてる懐かしい音? リアルな音だね。って思ったら。もう一つスイッチが入って。目がそぉっと開いた。見覚えのない模様。キョロっとして。
「あー・・そうか・・ここって・・」って何かを思い出した気持ちがしたけど。
「なんだっけ・・」ナニを思い出したのか思い出せない。大きく息を吸い込んだら。
「んっ・・んー・・」って背伸びしながらあくびをしたいから、横になったままその通りにして、んっんーっと長―い背伸びして、体中の硬直しただるい気持ちを引き延ばすと、ふぁーあーあ。今度は伸びすぎて、緩み過ぎて、もっとだるい、力がはいらない・・あーよく寝た・・けど、目覚めは何気にスッキリしてる。そう思ってもう一度あくびをして。もう一度、見える景色がいつもと違う違和感。
「って・・ここどこ?」と無意識なままつぶやいて。キョロキョロすると、隅に本が積まれていて、ここってこたつの中? と気付いて起きようと布団をめくったら。おっぱいがぷるん・・と。
「ぎょっ・・」私・・素っ裸じゃないの? と気が付いて跳び起きたら。
「恭子さんおはよ。やっと起きた」と聞こえた声は、あなたは誰・・ってスウェット姿の誠さん・・。の優しすぎる笑顔・・。に朝からキュン・・としたことが恥ずかしかったりしてる。だから。
「おはようございます」と裸の上半身に、こたつの布団を手繰るけど。その、前だけしか隠せなくて。肩とか背中は剥き出し? と布団を掴んで誠さんを見上げると。じぃぃぃっと私を見つめたまま・・。後退りたくなる雰囲気で。
「あの・・お風呂沸かしてるから、入れば?」と言った。
お風呂? 入れば? 朝から・・お風呂。
「今、朝ごはん作ってて、もうすぐできるから」とも言った。
朝ごはん? もうすぐできるから? これって、朝からどこのお姫様の待遇? だから。
「は・・はい」
って・・何も理解できていないのに、返事をして。って・・。
「は・・はい」ともう一度返事して。そうだった・・。
全部、思い出した。そう言えば、昨日は、二回もしちゃったんだったね私、この男の子と、アレを。つまり・・と思ってもっと布団を手繰り寄せて。パンツとかブラジャーが・・。ワンピースと一緒に、向こうにたたまれていて。誠さんがたたんでくれたのかな? それより、裸でここから這い出すのがちょっと、アレだから、と思ったら。誠さんは。
「恭子さん、バスタオルをどうぞ、ここに置くよ。こんなのしかないけど。そんなに恥ずかしがらないで、怖がらないで、絶対に何もしないから」
だなんて言いながら、そばにバスタオルを置いてくれたけど。
「わ・・私・・裸には自信がないから・・」
って言い訳というより、なんでそんなこと言うの私って。それに、そんなにジロジロ見ないで欲しいのですけど。誠さんは優しく笑みを浮かべて、もっとジロジロ見つめてから。
「自信ないって、そんなにきれいなのに?」
って、ワザとらしい言葉と、にやけた顔に。私も歯を浮かせて、にやけながら。
「向こう向いててください」としか言えなくて。でも。まだジロジロ見つめている誠さんは。私を見つめたまま。シリアスな顔で。
「キレイだ。ウツクシイ、本当に綺麗だよ、僕は世界一の果報者だ」ってやっぱり冗談が混じってる。でも・・そのダイス船長の名セリフに、とりあえず、モンスリーさんの名セリフで答えてあげようと思って。
「バカねっ・・」って言ってあげたけど。これって、どうしても笑ってしまうから「やめてよダイス船長は・・もぉ」とぼやいてから、くすくす笑いあうと。
「はいはい・・じゃ、ご飯作ってるから、お風呂、入っておいで」
と背中を向けて、向こうに行く誠さんに・・。こんなやりとりより、お目覚めのキスでもするべきだったかな、とも思ったりしているけど。やっぱり、恥ずかしいよね。朝日が差し込む、こんなに明るい部屋で、素っ裸だなんて。
でも・・お風呂・・入りたい。何気に体中ぬるぬるベトベトしていそうな気持ち悪さも感じ始めて。バスタオルを体に巻いて立ち上がると。コレはコレでまた、恥ずかしい。けど、まぁいっか・・。とジュージュー音のする方向に歩いて。
「お風呂、どっちですか?」
とお料理作ってる誠さんに聞いたら。
「あ・・うん・・」と火を消して、またジロジロ。だから、タオルの縁をぎゅっと握って。
「ジロジロ見ないでよ・・」と言ってしまう。
「うん・・こっち・・一緒に入りたいけど」なんて小さな声でつぶやいた誠さんに。
「ムリ」と即答して、瞬間的に顔色もムリ・・だったけど。
「ムリですか」と、その悲しそうな表情に。ムリ・・だなんて、私たちってもう恋人なんだし。「一緒に」って、私から言ってあげるべき? という気持ちもよぎる。だから、とりあえず、眉間の力こぶをゆるゆるにしながら。
「まだ・・ムリ・・という意味」と言い直してあげる。すると。
「じゃ・・そのうち・・ならOK?」だなんて、誠さんは何気に嬉しそうな顔する。だけど。
「・・うん・・そのうち・・ね」と恥ずかしそうに言うのはわざとだけど、どうしよう・・入っちゃう? このまま一緒に。と微かに思ったりもしてることを顔に出したら。
「あ・・じゃ・・そのうち・・」と逃げ出すような返事。自分で言い出したくせに、いざとなると、オドオドしながら逃げる。昨日もそうだったよねこの人。と思い出したりして。ほら、「一緒に入りましょ」と言う気持ちを、こんな怖い顔で表現すると、後ずさる誠さん。ふふふふっと笑って見せると。
「そのうち・・ね」と少し安心したような表情になって。
「そのうち・・ね」ともう一度繰り返しながら、入る気になり始めていそう。だから。私も。
「そのうち・・ね」と視線を反らせて。
でも、そういう会話が、何気に恋人っぽくなり始めたかなと思ったりもして。じわじわと恋人になってゆく実感が湧いてくるようで、その瞬間に、クスクスと、気を緩めたら。
「もぉ・・怖い顔より、その方がいいよ」と言いながら。
私にそっとしがみついた誠さん。首にチュッとキスをするから。きゃっ・・と慌てて。
「なにするの・・」とマケズギライナ一言を言ってしまう・・と。
「うん・・いいでしょ・・このくらい」と甘えた声で。
ともう一度首にチュッとされて。くすぐったいから。
「・・・あん・・」って声が、むらッとしてることは黙っていよう。だけど・・。唇をムニュムニュさせて・・どうして口じゃないの? と上目使いすると。テレパシーか通じたのかしら。チュッと、お口にキスしてくれて。
「それじゃ、お風呂、ゆっくりどうぞ・・朝ごはん並べて待ってるから、あと、歯ブラシの買い置き、歯磨きはそこにあるから」
「うん」と返事すると、向こうに行く誠さんの振り向く横顔がチラッと、私がバスタオルを脱ぐのを期待していたようで・・ぎゅっとにらみながら、カーテンを閉めた。でも。
うふふふふふっと笑ってしまう理由。私たち、出会ってまだ4日目なのに、もうずっとこうして一緒に暮らしているような錯覚も感じる。今のキスも全く違和感がなくて。生まれる前から毎朝そうしていたような日課のようにも思えるし。だからかな、安心できる人っていいよね、と思って。つまり、こんなに強張る必要もないでしょと、胸元でバスタオルを掴んでいた手を開くと、バスタオルは するん と床に落ちて。裸には自信ないって言ったけど。洗面台の鏡に映る私の裸・・それなりにビューティフルな曲線美だよね・・なんて気持ちで、手をあげて髪をかきあげ、腕を頭の後ろで組んで斜めから眺めると、脇からおっぱいまでの滑らかな曲線美に陶酔してしまいそう。私ってこんなに綺麗だったのね。そんな鏡の中の私に何気に言いたいこと・・。つぶやいてしまう。
「どうですか、男の子を捕まえちゃった今のお気持ちは?」
「うふふふふ。いいに決まってるでしょ」
と一人で、受け答えて。
「あなたにも恋人ができちゃいましたね・・」と鏡の中の私に言ってあげると。
「私にも恋人ができてしまいましたよ」と言い返さずにはいられなくて。でも。
ふと思い出してしまった昨日のコト。
「やめて・・まって・・あぁ~・・って。そんな、恋人ですけどね」
なんてことを思い出すと、くくくくくくって笑ってしまう。鏡の前でポーズを取ったまま、ヘンなこと思い出して笑っている私に向かってもうひと笑いして。さって、お風呂お風呂と思ったら。外から。
「恭子さん、ケンイチから電話だけど」って声。に、ポーズを取ったまま振り向くと。シャーっと、カーテンが開いて。
「あっ・・・」と目が合う誠さん。
「・・・・・」と硬直した私は、そおっと手を降ろして、とりあえずそれほど立派ではないから、そっと押さえて隠してはみたけれど。誠さんは。
「・・・あ・・ごめんなさい」と言いながら、視線は舐めるように上から下へ下から上に。だから。隠すよりも・・しゃーっとカーテンを無理やり閉めて。誠さんを追い出すと。
「あの・・ケンイチから電話・・です」と隙間から手だけだして・・。ケンさんから電話・・とりあえず、私は冷静だ、こんな場面でケンさんに繋がってる電話に向かってヘンな大声出したら、ケンさんに後で何言われるかわからない。よし、ちょっとびっくりしたけど、まぁ・・見られても減るもんじゃないし・・と開き直って。とりあえず、ケンさんに勘ぐられないように。息も整えて・・って、どうして、ケンさんが私を呼び出すために誠さんに電話かけるわけ? なぜに? と言う気持ちが湧きたち始めると、裸でいることも、誠さんにジロジロ見られたことも、そんな意識は遥か彼方。で。
「もしもしケンさん? どうしたの」といつも通りの声色で出てみると。
「もしもしあたしぃ~ もぉぉぉ、昨日からどうして電話に出てくれないのよ」優子?
の、いつもの甘ったるい声か聞こえて。えっ・・ケンさんの電話だよね・・と電話を耳から離すけど、いや、この電話は誠さんの電話・・えっ? 私ナニか混乱してる? 落ち着こう・・今、私は優子と話してる。そうだよね。ともう一度電話を耳に当てて。
「優子なの」と聞くと。
「もぉぉぉ心配したんだから・・昨日からずっと電話していたのに、全然でないから」
とやっぱり、優子の声に。あー私の電話‥そう言えば、ばらばらに解体されていたっけ。と思い出して。
「あ・・あの・・ちょっと電池がね」外れてるから「それより、何の用なの? 優子ってもしかして・・」もしかしなくても「今、ケンさんと一緒なの?」聞くまでもないことかも。と思ったら。すぐに。
「うん、昨日から一緒、お泊りしちゃった・・ケンイチさん今朝ごはん作ってる。私にお風呂入っておいでって」
それって、私と同じか・・つまり、それって、どっちを選択していたとしても同じ運命だったってことかな? って何の話? と思ったら、優子が、重苦しく。
「それでね、私、昨日、しちゃったの・・」と言った。しちゃったの・・。って。
「・・えっ?」ナニを・・しちゃったのかな? あ・・。
「ケンイチのヤツ、今頃、アノ優子ちゃんの立派なおっぱいにのされちまって・・」
と予言者ムハマンダーの声が聞こえて。つまり、あの予言が成就したということ? だから、優子は、ケンさんを、の しちゃった。とか? いやいや、優子の事はこんなに複雑に考えてはいけない。単純に、ただ・・私と同じ・・のはず。と耳を澄ませたら。
「ほら、恭子がいつか言ってたでしょ、チョコレートの魔法の話し。私、女の子が欲しいから、チョコレートをどうすれば女の子ができるのか知りたかったのに、昨日、する前に電話したら全然出てくれなくて」という話が始まって。思った・・。これって、どういうオチ? なの?
それより、する前に電話したって・・優子って、そういう電話をする余裕があったんだ・・。というか、それより、チョコレートの魔法? 女の子が欲しい? この会話に当てはまる方程式が出てこない・・えーっと、だから。話を伸ばしながら考えよう。
「する前って・・優子、ケンさんと、ナニしちゃったの?」って無理やり聞いてる私は・・まだ頑なにアレをしちゃったと空想できないのだけど。
「うん・・二回もしちゃった・・する前ってドキドキしたけど、しちゃったら・・もっとしたくなるものなのね、アレって」
二回も・・私も人のこと言えないけど。しちゃったら、もっとしたくなった。もしかして、私もそうなのかな、と・・確かにそうね・・。でも。とりあえず聞きいたのは。
「二回もって、痛くなかったの?」たぶん・・だけど、優子ってそうでしょ・・。
「うん、初めてで、少し痛かった・・でも、うふふふ、ケンイチさんも優しくしてくれたから。なんだか、ぬるぬるしてて・・痛いのにヘンな感じ」
「あ・・そう・・」って私も、痛かったけど・・誠さんが優しくしてくれたから・・いや、私が優しくさせたんだよね。それに、ぬるぬる・・か。同じね。ってなんの話してるの? えーっと、チョコレートの魔法と、女の子が欲しい話だ。けど。やっぱり、優子と話してると、もとの話しに戻らなくなりそうで。
「それでね、もう一回・・したいなって・・今思ってるの」
あ・・そう・・どんなコメントを添えたらいいのかな、こんな話。
「あ・でもさ、男の子って・・休ませてあげないと、その・・」タマギレに・・口が裂けても言えるわけないセリフがのどまで出かかった。あーだめ、優子とこんな話すると私までおかしくなりそう。
「うん・・休ませてあげてるというか・・その、お風呂小さいから」
って、それは、どういう理由? まぁ、あの二人のサイズだと、ちょっとね。だから、何の話だったの? とパニックになり始めた時。
「で、そんなことじゃなくて、チョコレートをどうすれば女の子ができるの? 今からでも大丈夫かな?」
って、そうだった。えーっと・・とにかく、口から出まかせでもなんでもいいから。えーと、えーっと。
「えーっとね・・それそれ、チョコレートの魔法なんだけど」あーどうしよう、何も思いつかない。
「どうすれば女の子ができるの?」どうすれば、優子をなだめられるの?
「だからね・・」えーっと、もういいや「する前にどっちが先にチョコレート食べたの」
「え・・どっちが先って・・」
よし・・優子が先に食べたに決まってるでしょ。アノ娘いやしいし。
「だから、エッチしたんでしょ」
それとこれをどうつなげる、どうつなげる。えーっと。
「うん・・二回もしちゃった」
「だから、二回もする前に、優子とケンさんどっちがチョコレートを先に食べた?」
来た、こうして話始めると、口からデマカセ、来た、ここからは、すらすら出てきそう。
「食べたって・・チョコレートケーキ作りながら、チョコクリームいっぱい舐めたとかでもいいの?」
いや・・また、話が変わっちゃうかな? チョコクリーム? 舐めた?
「チョコレートケーキ作りながらチョコクリームいっぱい舐めたって?」ナニの話?
それより、舐めた、というフレーズに何かがピンっと来たような、何だっけこれ・・。
「昨日、ケンイチさんとチョコレートケーキ作ったの、チョコクリーム作ったら美味しくできて、私、いっぱい舐めちゃった」
「へぇぇ、美味しくできたんだ」
「うん・でも、スポンジがね、硬くなっちゃって、ケーキなのにクッキーみたいになっちゃって。小麦粉入れてからかき混ぜ過ぎたのかなって」
舐めて、硬くなって、入れてから、かき混ぜる。このフレーズ、何だったのか全然思い出せない・・。このフレーズが、私にとって、なにかものすごく重要なきっかけだったような気がするけど・・。
「でも、そんなことより、チョコレートを先に食べたらどうなるの?」
たしかに、そんなことより・・その話だった。えーっと。
「あのね・・」いいデマカセがまた、話が折れて、思いつかない。えーと。
「あのね・・」
だから・・おっ、キター・・思いついた。この話はウケル~。
「チョコレートの魔法ってね、エッチする前に先に食べた方の赤ちゃんができちゃうって、そんな魔法があるのよ」
どこに? どこでもいいでしょ。それよりこの話って、もしかして、ものすごいアドリブじゃないの。
「それって、する前に私が先に食べたら女の子ができるってこと?」
「まぁ・・確率が高くなる程度の話しだけどね」できると言いきったら何が起きるかわからないし。
「じゃぁ・・私、先に舐めたのでもいいのかな」
「いいと思うよ。たくさん舐めたんでしょ。それから、しちゃったのでしょ」
「うん・・私が先にチョコ舐めてからだったから、魔法がかかったってことだよね。それを聞けて安心」
安心・・ってつまり。あなたって、そういう前提でケンさんとしちゃったの?
「あの・・優子」
「ナニ?」
「赤ちゃん欲しいって、ケンさんも欲しいって言ってるの?」
「うん」
うん? って。なにこのチュウチョのかけらもない返事。そして。
「ケンイチさんも私がそんなに欲しがるならって。頑張ってくれるって」だなんて、幸せそうな弾んだ声。
あ・・そう・・。なぜかこの瞬間、優子のおっぱいがあんなに立派な理由がわかった気がして。つまり、そういう願望のせいであんなに準備万端・・ということか。それに、そういう願望のせいで、これからチョコレートを舐めて、もう一回、頑張ろうということかな・・。だなんて、私、なんでこんなこと空想しなければならないの? と考えながら。
まさか・・これから、本当に15人も? というあの予言が鮮明な映像となって脳裏をよぎったりして。
いやそれより、予言者ムハマンダーが気安く口にした言葉は全て実現する。今の所、全て成就してる? どうなんだろう・・。ケンさんが優子にのされちまったのは間違いない。ケンさんが頑張るって話も実現した?
他にも。
優子とケンさんよりも私たちの方が先に・・っていう予言もあったよね。
できちゃった結婚式・・の相談でもしに来い・・とか。
15人・・ラグビーチーム・・世界制覇・・決勝戦・・いやいや・・それはありえない。
それよりもっと大事な予言があったような。とピンっと思い出したのは。あの時、マスターに。「誠をよろしくな」と言われて「はい」と返事・・いや、約束してしまった私。に芽生えた責任感? 「誠をよろしくな」もしかしてコレが一番重要な予言だったのかもしれない。「よろしくな」「はい」つまり、私はあの時、未来の運命と約束をした。何かを実現させるために? ナニを?
あの後、お風呂上りに朝ごはんを食べて、ついつい、イチャラケテしまって、もう一回しちゃったとか・・「認めたくないものだな若さゆえの・・」なんて言う気はないけど、それは、若さゆえのアヤマチというものなのか、いや、アヤマチではないと思うから。若気の至りが過ぎたというべきか。本能の暴走に逆らえなかったというべきか。熱い恋をしちゃっただけでしょ、と、のろけるべきなのか。会うたびに・・ついつい・・。
そして。
あの日から数えて、10か月と10日が過ぎた思い出深いクリスマスの夜。私と優子は揃いも揃って同じ病院で、同じ時間に、かわいいかわいい赤ちゃんを授かってしまった・・。「赤ちゃんってコウノトリさんが連れてくるものだとずっと思っていたのに・・」と優子は言ったけど。私たちの所には、アノ、若くてハンサムなサンタクロースがトナカイさんと一緒に連れてきてくれたようで。
私が口からデマカセた、チョコレートの魔法が、本当は、実話だったのかどうか。とか、予言者ムハマンダーが気安く口にしたコトが実現してしまう話は、どこまで記録を伸ばすのか。とか、そういう話は、また、そのうちに・・ね。
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