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幻の村④
無垢な令嬢は月の輝く夜に甘く乱される~駆け落ちから始まった結婚の結末は私にもわかりませんでした。
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サヨンが一抹の期待を込めて言ってみても、トンジュはまともに取り合わない。
ここで、サヨンはトンジュに頼んで、膝から降ろして貰った。自分への恋情をここまで隠さず表している男。その男の胸に抱かれているのは正直、心苦しくもあり抵抗もあった。
トンジュは束の間、さっと端正な顔を翳らせたものの、すんなりと解放してくれた。
「サヨンさまは、そんなに俺が嫌いですか?」
「そういうわけではないの。あ、だからといって、好きというわけでもないのよ」
慌てて言うのに、トンジュが苦笑した。
「声を大にして言わなくて良いですよ」
「ごめんなさい」
サヨンは謝ると、小首を傾げた。
「今までトンジュをそんな風に見たことがなかったし」
「つまり、俺は男の中には入らないと?」
「はっきり言うのね。でも、言いにくいけれど、あなたの言うとおりかもしれないわ。私は子どもの頃から、お父さまの決めた相手と結婚するんだと信じてきたの」
「下男との結婚なんて、選択肢には入らなかったんですね」
「トンジュったら、皮肉な言い方ばかりしないで」
サヨンは恨めしげに言い、うつむいた。
「サヨンさま。それでは、これから始めませんか?」
「これから始める?」
サヨンのつぶらな瞳に、トンジュが優しく微笑みかけた。
「俺という男をもっとよく見て下さい。俺はこう見えても、そう悪い男ではないつもりです。鼻持ちならないように聞こえるでしょうが、あなた以外の女には結構モテたんですから。俺を好きになってみませんか?」
「別に鼻持ちならないなんて思わないわよ。私の屋敷でも、あなたは若い侍女たちに人気があったもの。ミヨンなんて、あなたが風邪を引いただけで、天地が引っ繰り返ったように大騒ぎしていたわ」
クスリと笑みを洩らすサヨンを見るトンジュの顔は複雑そのものといった感じである。
「ねえ、ミヨンのような娘はどう思う? あの娘は働き者だし、良い奥さんや母親になるわ」
「サヨンさま」
トンジュがサヨンを見つめる。ほんの一瞬、あの瞳―思いつめたような烈しいまなざしがサヨンを囚える。
サヨンは俄に欲望を宿し始めた瞳に気圧された。
「言っておきますが、他の女を俺に勧めて、自分が逃げようとするのだけは止めてくれませんか。俺だって男だ、誇りを持っています。あなたに俺を好きになれと無理強いはできないが、惚れた女から、これだけは言って欲しくない言葉はあるんです」
トンジュはサヨンから顔を背け、呟いた。
「さもないと、俺だって、いつまで自分を抑えきれるか自信はない」
そのまなざしのあまりの昏さに、サヨンの中で再び先刻の恐怖が甦った。
怯えた眼で見つめてくるサヨンから、トンジュが辛そうに眼を逸らした。
「済みません。余計なことを言って、また怖がらせてしまったようだ」
トンジュは口早に言い、頭を軽く振った。
「昔、ここに俺の暮らした村がありました」
突然、変わった話にサヨンは眼を丸くしたものの、黙って耳を傾けた。トンジュが話題を変えたがっていることが切実に伝ってきたからだ。
サヨンは眼を閉じてみる。瞼には忽ちにして一つの村の風景が浮かび上がってきた。
小さな小さな村は、全部合わせても十数世帯ほどしかなく、そこに暮らす村人たちは皆、肩を寄せ合うように暮らしている。
そこでは、皆が家族であり、同胞(はらはら)であった。他人の痛みはけして他人事ではなく、我が事であり、他所の子も我が子も皆、自分の子同然だ。
トンジュの話に聞き入りながら、サヨンの空想の中の村は、更に生き生きと再現されてゆく。
村人はそれぞれ生業を持っているが、殆どが山に分け入って薬草を摘んで生計を立てていた。山から麓のいちばん近い町まで行き、薬草を薬屋に売ってくるのだ。
村人たちの薬草における知識は貴重であり、豊富であった。町で名の知れた名医といわれるほどの医者ですら知らない薬草の名を諳んじていたのだ。
この辺りを治める地方役所の長官が烈しい食あたりを患ったことがあった。医者でも手の施しようがなかったその病を見事に治したのは、この村人の一人だった。
「本当に素晴らしい村でした。ここからはるばる都に出て、大行首さまのお屋敷でもよくして頂きましたが、やはり、都の人には、この村の人たちの純朴さはなかった」
トンジュの瞳は遠かった。今、彼の記憶ははるかな昔に還っているのに違いなかった。
かつて、この場所に心優しき村人たちがひっそりと暮らしていたという昔、古き良き時代に。
だが、と、サヨンは考えずにはいられない。
それほどの高度な薬草に対する知識を持つ村がどうしてなくなってしまったのか。
その理由を問うてみたい気がしたが、トンジュの様子から察するに、あまり触れられたくない話のようにも窺えた。
村について語るときの口ぶりは、明らかに彼が心から懐かしんでいることが伝わってくる。トンジュの故郷に対する哀惜の念は相当強い根深いものがあるだろう。
そこはサヨンなどが迂闊に入り込んではならない彼の心の聖域のように思えたのである。
サヨンが物想いに耽っている間にも、トンジュの述懐は続いていった。
「あれは、俺が七つの誕生日を迎える直前でした。祖母から都に行けと勧められたんです」
「あなたのお祖母(ばあ)さまは、どうしてそんなことを?」
「この村にいたら、死ななければならなくなるから」
トンジュの口から、村滅亡の核心に触れそうな話が出て、サヨンは息を呑んだ。
「でも、何故、そうなってしまうの?」
トンジュが村の話を語り始めて、初めてサヨンを真正面から見た。
「流行病(はやりやまい)が村を襲ったのです。手の打ちようがなかった。それほどの大被害でした。まず年寄りや幼い子ども、弱い者たちから次々に倒れてゆき、気がついてみたら、元々少なかった村人の数は数えるほどになっていた」
「村の人たちは町の名医でも太刀打ちできないほどの薬草の知識を持っていたのに、その知識をうまく活用できなかったのかしら」
「駄目でしたね。あの流行病は質が悪すぎた。仮にあの病に効く薬草を知っている人がいたとしても、既に薬草を探しにゆくだけの体力がなかったのかもしれない」
「では、結局、村の人たちは流行病で死に絶えてしまったということ?」
〝いいえ〟と、トンジュは首を振った。
「ある日、地方役所の役人たちがどかどかとやって来て、この村を焼き払ったんです」
「―そんな、酷い、酷いことって」
サヨンの薄紅色の唇が戦慄いた。
「放っておいても、村は遠からず自滅したでしょう。何しろ下界とここは見えない帳で分断されているようなものだ。麓の人間は、村人の導きがなければ、けして村までは辿り着けないし、刻が経ってしまえば、ここの人々は一人残らずその流行病で亡くなっていたはずです。それだけ完璧に隔絶され、行き来がないのだから、病が麓の町や村までひろがる可能性は断じてなかった」
「トンジュ、麓の人だけではここまで来られなかったのなら、どのような手を使って、役人は村を焼き払いにきたの?」
トンジュが淋しげな微笑を浮かべた。
「裏切り者がいたんですよ。見返りに役所の長官宅のお抱えの医者に取り立ててやるとか何とか言われて、村を売ったんです。その男が役人たちを手引きしてここまで連れてきました。祖母が俺に村を出ろと言ったのは、役人の来る前日のことでしたよ」
「お祖母さまは一緒ではなかった?」
「祖母は既に病にかかっていましたからね。それに、たとえ病ではなかったとしても、年寄りが住み慣れた山を降りて都で暮らすのは難しかったでしょうね。まあ、都まで無事に辿り着けたかどうかも判りません」
「お気の毒に、最後まで村に残った人たちは、皆、病気にかかっていたのね」
「いいえ、そうではありませんでしたよ」
トンジュの応えに、サヨンは眼を剥いた。
「何ですって? じゃあ、元気な人もいたのね」
当然のように彼は頷いた。
「俺だって、その一人でしたから。都を出る前に俺たちが立ち寄った酒場の女将は、村滅亡のほんの数年前に、村を出ていったんです。まだ幼い一人娘を連れてね」
「そうだったのね」
トンジュと女将は本物の母子そのものに見えた。既に滅びた村の貴重な生き残り同士だというのなら、単なる知り合いという以上に強い絆で結ばれているのにも納得がいった。
「でも、役人が来ることが判っていたのに、誰一人、逃げようとはしなかったの?」
「最後まで病にかからなかった者だって、僅かながらいました。けど、この住みやすい村を出て暮らしてゆくには、ここの村人たちはあまりに善良すぎたんです。ここで生まれた者はここ以外しか生きていく場所はありませんでした。俺の祖母が村を出なかったのと同じ理由です。酒場の女将は人一倍生きる意欲に溢れ、逞しかった。あの人は唯一の例外ですよ」
ここで、サヨンはトンジュに頼んで、膝から降ろして貰った。自分への恋情をここまで隠さず表している男。その男の胸に抱かれているのは正直、心苦しくもあり抵抗もあった。
トンジュは束の間、さっと端正な顔を翳らせたものの、すんなりと解放してくれた。
「サヨンさまは、そんなに俺が嫌いですか?」
「そういうわけではないの。あ、だからといって、好きというわけでもないのよ」
慌てて言うのに、トンジュが苦笑した。
「声を大にして言わなくて良いですよ」
「ごめんなさい」
サヨンは謝ると、小首を傾げた。
「今までトンジュをそんな風に見たことがなかったし」
「つまり、俺は男の中には入らないと?」
「はっきり言うのね。でも、言いにくいけれど、あなたの言うとおりかもしれないわ。私は子どもの頃から、お父さまの決めた相手と結婚するんだと信じてきたの」
「下男との結婚なんて、選択肢には入らなかったんですね」
「トンジュったら、皮肉な言い方ばかりしないで」
サヨンは恨めしげに言い、うつむいた。
「サヨンさま。それでは、これから始めませんか?」
「これから始める?」
サヨンのつぶらな瞳に、トンジュが優しく微笑みかけた。
「俺という男をもっとよく見て下さい。俺はこう見えても、そう悪い男ではないつもりです。鼻持ちならないように聞こえるでしょうが、あなた以外の女には結構モテたんですから。俺を好きになってみませんか?」
「別に鼻持ちならないなんて思わないわよ。私の屋敷でも、あなたは若い侍女たちに人気があったもの。ミヨンなんて、あなたが風邪を引いただけで、天地が引っ繰り返ったように大騒ぎしていたわ」
クスリと笑みを洩らすサヨンを見るトンジュの顔は複雑そのものといった感じである。
「ねえ、ミヨンのような娘はどう思う? あの娘は働き者だし、良い奥さんや母親になるわ」
「サヨンさま」
トンジュがサヨンを見つめる。ほんの一瞬、あの瞳―思いつめたような烈しいまなざしがサヨンを囚える。
サヨンは俄に欲望を宿し始めた瞳に気圧された。
「言っておきますが、他の女を俺に勧めて、自分が逃げようとするのだけは止めてくれませんか。俺だって男だ、誇りを持っています。あなたに俺を好きになれと無理強いはできないが、惚れた女から、これだけは言って欲しくない言葉はあるんです」
トンジュはサヨンから顔を背け、呟いた。
「さもないと、俺だって、いつまで自分を抑えきれるか自信はない」
そのまなざしのあまりの昏さに、サヨンの中で再び先刻の恐怖が甦った。
怯えた眼で見つめてくるサヨンから、トンジュが辛そうに眼を逸らした。
「済みません。余計なことを言って、また怖がらせてしまったようだ」
トンジュは口早に言い、頭を軽く振った。
「昔、ここに俺の暮らした村がありました」
突然、変わった話にサヨンは眼を丸くしたものの、黙って耳を傾けた。トンジュが話題を変えたがっていることが切実に伝ってきたからだ。
サヨンは眼を閉じてみる。瞼には忽ちにして一つの村の風景が浮かび上がってきた。
小さな小さな村は、全部合わせても十数世帯ほどしかなく、そこに暮らす村人たちは皆、肩を寄せ合うように暮らしている。
そこでは、皆が家族であり、同胞(はらはら)であった。他人の痛みはけして他人事ではなく、我が事であり、他所の子も我が子も皆、自分の子同然だ。
トンジュの話に聞き入りながら、サヨンの空想の中の村は、更に生き生きと再現されてゆく。
村人はそれぞれ生業を持っているが、殆どが山に分け入って薬草を摘んで生計を立てていた。山から麓のいちばん近い町まで行き、薬草を薬屋に売ってくるのだ。
村人たちの薬草における知識は貴重であり、豊富であった。町で名の知れた名医といわれるほどの医者ですら知らない薬草の名を諳んじていたのだ。
この辺りを治める地方役所の長官が烈しい食あたりを患ったことがあった。医者でも手の施しようがなかったその病を見事に治したのは、この村人の一人だった。
「本当に素晴らしい村でした。ここからはるばる都に出て、大行首さまのお屋敷でもよくして頂きましたが、やはり、都の人には、この村の人たちの純朴さはなかった」
トンジュの瞳は遠かった。今、彼の記憶ははるかな昔に還っているのに違いなかった。
かつて、この場所に心優しき村人たちがひっそりと暮らしていたという昔、古き良き時代に。
だが、と、サヨンは考えずにはいられない。
それほどの高度な薬草に対する知識を持つ村がどうしてなくなってしまったのか。
その理由を問うてみたい気がしたが、トンジュの様子から察するに、あまり触れられたくない話のようにも窺えた。
村について語るときの口ぶりは、明らかに彼が心から懐かしんでいることが伝わってくる。トンジュの故郷に対する哀惜の念は相当強い根深いものがあるだろう。
そこはサヨンなどが迂闊に入り込んではならない彼の心の聖域のように思えたのである。
サヨンが物想いに耽っている間にも、トンジュの述懐は続いていった。
「あれは、俺が七つの誕生日を迎える直前でした。祖母から都に行けと勧められたんです」
「あなたのお祖母(ばあ)さまは、どうしてそんなことを?」
「この村にいたら、死ななければならなくなるから」
トンジュの口から、村滅亡の核心に触れそうな話が出て、サヨンは息を呑んだ。
「でも、何故、そうなってしまうの?」
トンジュが村の話を語り始めて、初めてサヨンを真正面から見た。
「流行病(はやりやまい)が村を襲ったのです。手の打ちようがなかった。それほどの大被害でした。まず年寄りや幼い子ども、弱い者たちから次々に倒れてゆき、気がついてみたら、元々少なかった村人の数は数えるほどになっていた」
「村の人たちは町の名医でも太刀打ちできないほどの薬草の知識を持っていたのに、その知識をうまく活用できなかったのかしら」
「駄目でしたね。あの流行病は質が悪すぎた。仮にあの病に効く薬草を知っている人がいたとしても、既に薬草を探しにゆくだけの体力がなかったのかもしれない」
「では、結局、村の人たちは流行病で死に絶えてしまったということ?」
〝いいえ〟と、トンジュは首を振った。
「ある日、地方役所の役人たちがどかどかとやって来て、この村を焼き払ったんです」
「―そんな、酷い、酷いことって」
サヨンの薄紅色の唇が戦慄いた。
「放っておいても、村は遠からず自滅したでしょう。何しろ下界とここは見えない帳で分断されているようなものだ。麓の人間は、村人の導きがなければ、けして村までは辿り着けないし、刻が経ってしまえば、ここの人々は一人残らずその流行病で亡くなっていたはずです。それだけ完璧に隔絶され、行き来がないのだから、病が麓の町や村までひろがる可能性は断じてなかった」
「トンジュ、麓の人だけではここまで来られなかったのなら、どのような手を使って、役人は村を焼き払いにきたの?」
トンジュが淋しげな微笑を浮かべた。
「裏切り者がいたんですよ。見返りに役所の長官宅のお抱えの医者に取り立ててやるとか何とか言われて、村を売ったんです。その男が役人たちを手引きしてここまで連れてきました。祖母が俺に村を出ろと言ったのは、役人の来る前日のことでしたよ」
「お祖母さまは一緒ではなかった?」
「祖母は既に病にかかっていましたからね。それに、たとえ病ではなかったとしても、年寄りが住み慣れた山を降りて都で暮らすのは難しかったでしょうね。まあ、都まで無事に辿り着けたかどうかも判りません」
「お気の毒に、最後まで村に残った人たちは、皆、病気にかかっていたのね」
「いいえ、そうではありませんでしたよ」
トンジュの応えに、サヨンは眼を剥いた。
「何ですって? じゃあ、元気な人もいたのね」
当然のように彼は頷いた。
「俺だって、その一人でしたから。都を出る前に俺たちが立ち寄った酒場の女将は、村滅亡のほんの数年前に、村を出ていったんです。まだ幼い一人娘を連れてね」
「そうだったのね」
トンジュと女将は本物の母子そのものに見えた。既に滅びた村の貴重な生き残り同士だというのなら、単なる知り合いという以上に強い絆で結ばれているのにも納得がいった。
「でも、役人が来ることが判っていたのに、誰一人、逃げようとはしなかったの?」
「最後まで病にかからなかった者だって、僅かながらいました。けど、この住みやすい村を出て暮らしてゆくには、ここの村人たちはあまりに善良すぎたんです。ここで生まれた者はここ以外しか生きていく場所はありませんでした。俺の祖母が村を出なかったのと同じ理由です。酒場の女将は人一倍生きる意欲に溢れ、逞しかった。あの人は唯一の例外ですよ」
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