無垢な令嬢は月の輝く夜に甘く乱される~駆け落ちから始まった結婚の結末は私にもわかりませんでした。

めぐみ

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涙月⑥

無垢な令嬢は月の輝く夜に甘く乱される~駆け落ちから始まった結婚の結末は私にもわかりませんでした。

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「俺を怒らせない方が良いと言ったはずだ。今ならできるだけ苦痛を与えずに抱いてやるが、言うことをきかなければ、酷い抱き方をするぞ、それでも良いのか?」
「―」
 サヨンは両手で顔を覆って烈しく泣きじゃくった。
「さあ、三つ数える間に来るんだ」 
 氷を思わせる冷たい声が一、二、三と数え上げる。サヨンは泣く泣くトンジュの方に寄っていった。
「よし、それで良い」
 すぐにまた男に押し倒され、覆い被さられた。続いてチマをはぎ取られ、下のズボンも引き降ろされた。面倒になったらしく、トンジュは下穿きは引き裂いた。
 とうとう何も付けていない裸になったのだ。
 あまりの恥ずかしさに、サヨンは身体を折り曲げ、守るように自分の身体を抱きしめた。トンジュが舌打ちを聞かせ、力ずくでサヨンの腕をふりほどく。
 涙眼で見上げた先に、怖い顔で睨んでいる男の顔が視界に入った。
―怖い、怖くて堪らない。
 トンジュが何を自分に求めているかは判らなかったけれど、ひと月前に襲いかかられたときはチマを捲られ、下半身を弄られたのだ。
 また、あのときと同じことをするつもりなのかもしれない。いっそのこと、このまま失神してしまった方が楽なのだろうか。目覚めたときには、嫌なことすべてが終わっているだろうか。
 サヨンは再び身を起こし、怯えきった眼でトンジュを見上げる。
「震えているな。怖いのか?」
 トンジュは愉しげに言うと、サヨンの身体を床に転がした。まだ二月の終わりである。一糸まとわぬ身体に冷たい木床が触れ、膚が粟立った。
「初めは痛いかもしれないが、次からは良くなるはずだ。今し方、乳房を愛撫されたときにサヨンが感じたような気持ちよさだけを感じられるようになる」
 トンジュは横たわったサヨンの足下に座り、またもや意味不明のことを言っている。
「脚を開いて、俺の肩に乗せて」
 躊躇う時間など与えれず、有無を言わせず両脚を大きく開かされ、肩に抱え上げられた。
 トンジュが身を乗り出し、サヨンの顔を真上から覗き込んだ。いつも端麗なその顔は、欲望でゆがみ、サヨンの瞳には別人のように醜く見える。そこには同情とも冷笑ともつかない表情が浮かんでいた。
「サヨン、俺はお前が思っているほど善人じゃない。俺がお前を連れ出したのは、最初から、これが目的だ。お前を自分のものにするために、俺はすべてを棄て生命さえも賭けた。甘い台詞に惑わされ、住み慣れた家を出て、のこのこと付いてきたことを今こそ後悔するが良い」
 トンジュの言葉が終わらない中に、熱くて大きな塊が秘所に押し当てられるのが判った。
「え、なに―」
 呟きは、やがて細い悲鳴に代わり、下半身を灼けつくような激痛が襲った。狭い場所を無理矢理押し広げられているような感覚があり、鋭い痛みはのしかかったトンジュが動く度に更に増していく。
 胎内に何か大きな異物が侵入し、徐々に自分を浸食していっているのがありありと判った。自分という一人の人間を男が食い尽くそうとしている―、しかも胎内深くを。
 まるで我が身の一部がトンジュに支配されてしまいそうで。サヨンは恐怖と苦悶に喘いだ。痛みもさることながら、自分の身体の中に他人が入っていることそのものが、サヨンに圧倒的な恐怖を与えた。
 予想以上の衝撃的な体験に硬直している間にも、トンジュは身体を前後に動かしつつ、ゆっくりとサヨンの奥深くへと押し入ってくる。初めて男を受け入れるサヨンを慮ってのことだったが、サヨンが気づくはずもない。
 トンジュの動きが止まった。
 サヨンは何事かとトンジュを見た。これで、もうこの辛い義務からも解放されるのだ。微かな期待を込めて見上げた彼女に、トンジュが微笑みかけた。
 その笑顔は、サヨンがかつて見たことがないほど優しいものだ。
「サヨン、力を抜いて」
 サヨンは愛らしく首を傾げた。トンジュが愛しくて堪らないというようにサヨンの髪を撫でる。
「これからもう少し痛くなるかもしれない。初めてのときは、あまり力を入れすぎない方が楽に終わる。できるだけサヨンを苦しませたくないから、俺の言うとおりにして」
 何だかよく判らない台詞ではあったが、トンジュが自分のためを思いやってくれているのだとは理解できた。
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