28 / 56
涙月⑥
無垢な令嬢は月の輝く夜に甘く乱される~駆け落ちから始まった結婚の結末は私にもわかりませんでした。
しおりを挟む
「俺を怒らせない方が良いと言ったはずだ。今ならできるだけ苦痛を与えずに抱いてやるが、言うことをきかなければ、酷い抱き方をするぞ、それでも良いのか?」
「―」
サヨンは両手で顔を覆って烈しく泣きじゃくった。
「さあ、三つ数える間に来るんだ」
氷を思わせる冷たい声が一、二、三と数え上げる。サヨンは泣く泣くトンジュの方に寄っていった。
「よし、それで良い」
すぐにまた男に押し倒され、覆い被さられた。続いてチマをはぎ取られ、下のズボンも引き降ろされた。面倒になったらしく、トンジュは下穿きは引き裂いた。
とうとう何も付けていない裸になったのだ。
あまりの恥ずかしさに、サヨンは身体を折り曲げ、守るように自分の身体を抱きしめた。トンジュが舌打ちを聞かせ、力ずくでサヨンの腕をふりほどく。
涙眼で見上げた先に、怖い顔で睨んでいる男の顔が視界に入った。
―怖い、怖くて堪らない。
トンジュが何を自分に求めているかは判らなかったけれど、ひと月前に襲いかかられたときはチマを捲られ、下半身を弄られたのだ。
また、あのときと同じことをするつもりなのかもしれない。いっそのこと、このまま失神してしまった方が楽なのだろうか。目覚めたときには、嫌なことすべてが終わっているだろうか。
サヨンは再び身を起こし、怯えきった眼でトンジュを見上げる。
「震えているな。怖いのか?」
トンジュは愉しげに言うと、サヨンの身体を床に転がした。まだ二月の終わりである。一糸まとわぬ身体に冷たい木床が触れ、膚が粟立った。
「初めは痛いかもしれないが、次からは良くなるはずだ。今し方、乳房を愛撫されたときにサヨンが感じたような気持ちよさだけを感じられるようになる」
トンジュは横たわったサヨンの足下に座り、またもや意味不明のことを言っている。
「脚を開いて、俺の肩に乗せて」
躊躇う時間など与えれず、有無を言わせず両脚を大きく開かされ、肩に抱え上げられた。
トンジュが身を乗り出し、サヨンの顔を真上から覗き込んだ。いつも端麗なその顔は、欲望でゆがみ、サヨンの瞳には別人のように醜く見える。そこには同情とも冷笑ともつかない表情が浮かんでいた。
「サヨン、俺はお前が思っているほど善人じゃない。俺がお前を連れ出したのは、最初から、これが目的だ。お前を自分のものにするために、俺はすべてを棄て生命さえも賭けた。甘い台詞に惑わされ、住み慣れた家を出て、のこのこと付いてきたことを今こそ後悔するが良い」
トンジュの言葉が終わらない中に、熱くて大きな塊が秘所に押し当てられるのが判った。
「え、なに―」
呟きは、やがて細い悲鳴に代わり、下半身を灼けつくような激痛が襲った。狭い場所を無理矢理押し広げられているような感覚があり、鋭い痛みはのしかかったトンジュが動く度に更に増していく。
胎内に何か大きな異物が侵入し、徐々に自分を浸食していっているのがありありと判った。自分という一人の人間を男が食い尽くそうとしている―、しかも胎内深くを。
まるで我が身の一部がトンジュに支配されてしまいそうで。サヨンは恐怖と苦悶に喘いだ。痛みもさることながら、自分の身体の中に他人が入っていることそのものが、サヨンに圧倒的な恐怖を与えた。
予想以上の衝撃的な体験に硬直している間にも、トンジュは身体を前後に動かしつつ、ゆっくりとサヨンの奥深くへと押し入ってくる。初めて男を受け入れるサヨンを慮ってのことだったが、サヨンが気づくはずもない。
トンジュの動きが止まった。
サヨンは何事かとトンジュを見た。これで、もうこの辛い義務からも解放されるのだ。微かな期待を込めて見上げた彼女に、トンジュが微笑みかけた。
その笑顔は、サヨンがかつて見たことがないほど優しいものだ。
「サヨン、力を抜いて」
サヨンは愛らしく首を傾げた。トンジュが愛しくて堪らないというようにサヨンの髪を撫でる。
「これからもう少し痛くなるかもしれない。初めてのときは、あまり力を入れすぎない方が楽に終わる。できるだけサヨンを苦しませたくないから、俺の言うとおりにして」
何だかよく判らない台詞ではあったが、トンジュが自分のためを思いやってくれているのだとは理解できた。
「―」
サヨンは両手で顔を覆って烈しく泣きじゃくった。
「さあ、三つ数える間に来るんだ」
氷を思わせる冷たい声が一、二、三と数え上げる。サヨンは泣く泣くトンジュの方に寄っていった。
「よし、それで良い」
すぐにまた男に押し倒され、覆い被さられた。続いてチマをはぎ取られ、下のズボンも引き降ろされた。面倒になったらしく、トンジュは下穿きは引き裂いた。
とうとう何も付けていない裸になったのだ。
あまりの恥ずかしさに、サヨンは身体を折り曲げ、守るように自分の身体を抱きしめた。トンジュが舌打ちを聞かせ、力ずくでサヨンの腕をふりほどく。
涙眼で見上げた先に、怖い顔で睨んでいる男の顔が視界に入った。
―怖い、怖くて堪らない。
トンジュが何を自分に求めているかは判らなかったけれど、ひと月前に襲いかかられたときはチマを捲られ、下半身を弄られたのだ。
また、あのときと同じことをするつもりなのかもしれない。いっそのこと、このまま失神してしまった方が楽なのだろうか。目覚めたときには、嫌なことすべてが終わっているだろうか。
サヨンは再び身を起こし、怯えきった眼でトンジュを見上げる。
「震えているな。怖いのか?」
トンジュは愉しげに言うと、サヨンの身体を床に転がした。まだ二月の終わりである。一糸まとわぬ身体に冷たい木床が触れ、膚が粟立った。
「初めは痛いかもしれないが、次からは良くなるはずだ。今し方、乳房を愛撫されたときにサヨンが感じたような気持ちよさだけを感じられるようになる」
トンジュは横たわったサヨンの足下に座り、またもや意味不明のことを言っている。
「脚を開いて、俺の肩に乗せて」
躊躇う時間など与えれず、有無を言わせず両脚を大きく開かされ、肩に抱え上げられた。
トンジュが身を乗り出し、サヨンの顔を真上から覗き込んだ。いつも端麗なその顔は、欲望でゆがみ、サヨンの瞳には別人のように醜く見える。そこには同情とも冷笑ともつかない表情が浮かんでいた。
「サヨン、俺はお前が思っているほど善人じゃない。俺がお前を連れ出したのは、最初から、これが目的だ。お前を自分のものにするために、俺はすべてを棄て生命さえも賭けた。甘い台詞に惑わされ、住み慣れた家を出て、のこのこと付いてきたことを今こそ後悔するが良い」
トンジュの言葉が終わらない中に、熱くて大きな塊が秘所に押し当てられるのが判った。
「え、なに―」
呟きは、やがて細い悲鳴に代わり、下半身を灼けつくような激痛が襲った。狭い場所を無理矢理押し広げられているような感覚があり、鋭い痛みはのしかかったトンジュが動く度に更に増していく。
胎内に何か大きな異物が侵入し、徐々に自分を浸食していっているのがありありと判った。自分という一人の人間を男が食い尽くそうとしている―、しかも胎内深くを。
まるで我が身の一部がトンジュに支配されてしまいそうで。サヨンは恐怖と苦悶に喘いだ。痛みもさることながら、自分の身体の中に他人が入っていることそのものが、サヨンに圧倒的な恐怖を与えた。
予想以上の衝撃的な体験に硬直している間にも、トンジュは身体を前後に動かしつつ、ゆっくりとサヨンの奥深くへと押し入ってくる。初めて男を受け入れるサヨンを慮ってのことだったが、サヨンが気づくはずもない。
トンジュの動きが止まった。
サヨンは何事かとトンジュを見た。これで、もうこの辛い義務からも解放されるのだ。微かな期待を込めて見上げた彼女に、トンジュが微笑みかけた。
その笑顔は、サヨンがかつて見たことがないほど優しいものだ。
「サヨン、力を抜いて」
サヨンは愛らしく首を傾げた。トンジュが愛しくて堪らないというようにサヨンの髪を撫でる。
「これからもう少し痛くなるかもしれない。初めてのときは、あまり力を入れすぎない方が楽に終わる。できるだけサヨンを苦しませたくないから、俺の言うとおりにして」
何だかよく判らない台詞ではあったが、トンジュが自分のためを思いやってくれているのだとは理解できた。
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。
対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。
レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
全31話、約43,000文字、完結済み。
他サイトにもアップしています。
小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位!
pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。
アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。
2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係
紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。
顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。
※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる