借り暮らししてたらいつの間にかイケメンに捕まってました

わさび

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人間×小人

楽しい散歩

人間と友達になった、なんて家族に言ったら大騒ぎになることは間違いないし最悪の場合引っ越さなければならないので“散歩”と偽って毎日優榴に会いに行った。

もちろん僕だって人間が全く怖いわけじゃない。けれど恐怖より人間への好奇心が勝っているし、優榴は優しそうだから大丈夫だって思ってる。

いつの間にか“散歩”は平穏でつまらない日々の中で僕の唯一の楽しみとなった。

優榴がくれる見たこともない美味しい食べ物に釣られ食い意地を張って毎日来てる訳じゃないからねッッ!決して!!

今日優榴が用意してくれていたのはお金持ちの小人の家がオブジェにしてそうな星形の金平糖というお菓子だった。
とても綺麗だから食べるのが勿体無いな~と思いつつちびちびと齧る。

甘~い!

優榴に色んなものを食べさせてもらって分かったことだけれど、どうやら僕は甘いものが好きみたいだ。
小人の世界では砂糖は人間の世界から持ってこなきゃいけないんだけど、バレない為に拝借する個数を制限しているから貴重なんだよね。
しかも人間のお菓子には僕の知ってる砂糖の味以外にも色んな甘さがあってとても美味しいし飽きない。

やっぱり人間って良いな。

そうして金平糖のおいしさをじっくりと噛み締めながらふと今日はずっと疑問に思っていたことを尋ねることにした。

「人間って小人の存在を知らないんでしょ?最初に僕を見た時どうして優榴は全然驚かなかったの?」

『人間と小人の歴史』という本にそうやって書いてあったのだ。
優榴はその質問を聞いて一瞬だけ悩んだように見えた。

「...それはなぎさに一目惚れしたからだよ。小人とかそんなこと頭から吹っ飛んじゃった」

「ひ、一目惚れ...!?優榴は僕の顔好きなの?」

「うん、顔も中身も全部好きだよ」

「へへっそっか~...嬉しいなぁ」

お母さんに似て垂れ目で色白の僕は『女顔だ。カッコよくない』といつも揶揄われていたのであまり自分の顔が好きじゃない。
だけどイケメンの優榴に褒められたからこの顔で良かったなって嬉しく思ってしまった。
僕ってちょっと単純?

「なぎさは僕のこと好き?」

「好き!!初めて見た時カッコ良すぎて同性だけどちょっとときめいちゃったもん!」

大ピンチにも関わらず一瞬釘付けになってしまった時のことを思い出してうんうんと頷く。
顔良し性格良しの優榴は僕の憧れだ。

「そっか、顔以外も全部好きになってもらえるよう頑張んなきゃね。『優榴がいなきゃ生きていけない』って縋り付いてくれるくらいには......」

呑気に回想に耽っていたなぎさは、2人の将来に思いを馳せながらぶつぶつ不穏なことを呟いている優榴に気付かず、自分の人生に関わる重大な言葉を聞き逃してしまったのであった。





___________________


次からR指定の話になります。
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