破滅エンドの悪役令嬢は、隣国皇帝に溺愛される

珊瑚

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「はぁ!?何を言っている!?」
「あら何を驚いておられるのですか?だって、婚約者がいながらあなたが不倫したのは事実でしょう?」
「不倫だと!?私とユーリの間にあるのはそんなものではなく真実の愛だ!バカにするのも大概にしろ!」
「真実の愛?そんなことを聞いているのではありません。事実、あなたには私という婚約者がいた。それでいながら私を蔑ろにして他の女に入れあげた。そしてこの場で私の面子を丸潰しにしている。あなた達の心情などどうでもいい。興味もありません。私は事実のみを言っているのです。何か事実と違うことでも?」

冷ややかなスカーレットの態度は、エドワードの気に触ったようだった。彼としてはスカーレットが自分に縋り付く様子が見れると思っていたのだろう。可愛げのない、とでも思っているのかもしれない。あいにく、彼に見せる可愛げなど存在しないのだけど。


「馬鹿にしやがって……。王太子である俺がたかが公爵令嬢の貴様に頭を下げるだと!?そんなことある訳がないだろう!身の程を弁えろ!」
「あら、あなたがそれを仰るのですか?……まぁ、可哀想なユーリさん。心優しいとあなたが仰った彼女の主張は愛する人に何一つ届いていなかったのですね。」
「あ……え……私……?」

突然自分の元に話が舞い戻ってきたユーリは戸惑いの声をあげる。


「ええ、そうよ。『身分に関係なく、間違った事をしたなら謝らないといけない』という貴女が先程勇気を振り絞ってしたであろう主張……。貴女の愛する人には何一つ理解されていなかったみたい。」

心からの哀れみをあなたに、とでも言うように頬に手を当てて息をつくスカーレットに、ただ困惑した表情を浮かべるユーリと対照的に、その場で激昂したのはエドワードだった。


「ふ……巫山戯るのも大概にしろ!訳の分からない屁理屈を並べ立てて!!追放だ、追放!貴様など婚約破棄の上国外追放にしてやるわ!」
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