【完結】負けヒロインに転生しました

珊瑚

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現実逃避しかかっていると、そこに再びフロリアが割って入ってくる。


「いい加減になさってください、陛下。ミレーヌが嫌がっているでしょう。」
「今わたしはそなたに話していないのだが。不敬ではないのか?どういうつもりだ?」
「不敬?お言葉ですが陛下。あなた、王家から公爵家への慰謝料を誤魔化そうとなさってますよね?結納金と一緒にして、歴代の結納金の相場よりちょっと高くしとけば慰謝料をチャラにできるとか考えてらっしゃいません?それとも、息子と絶縁したから免除されるとか考えてます?そんなことが許されるとでも?子の失態は親の責任ですわ!」
「い、いや、そ、ん…なこと……は…………。」
「では私はなぜ謝罪を未だに受けていないのでしょう?ユーゴもと第一王子殿下から当然謝罪を頂けるものと思っていましたのに、勝手に連れ出したのは陛下ですわ!そちらこそどういうおつもりですの!?」
「いや、だが、あの子は王族から籍を抜かれたんだ。十分すぎるほどの罰ではないかね?」
「十分『すぎる』?どこがです?そもそも、それはそちらが勝手になさったことでしょう?こちらが望んだことでもないのにやりきったふうな雰囲気出されても……。あ、いまは謝罪されなくて結構ですわ。後ほど謝罪と一緒に慰謝料をきちんと耳を揃えて支払ってくださいな。…………わたくし、こう見えて相当頭にきてるんですのよ……?かわいいかわいいミレーヌを巻き込むなんて……!」
「だ、だが、ミレーヌ嬢はまだ誰とも婚約していないだろう?それはこの第二王子妃の座が欲しかったからじゃないのかね!?この歳まで婚約が決まっていないと行き遅れになる可能性だって高い。それに、王妃の座は女としての最高の幸せじゃないのかね!?」
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