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「まさかこんなに 簡単に行くとはなぁ…………。」
ファルコのつぶやきが広いバルコニーにぽつんと落とされる。
あの後、二人は人目に付きにくいバルコニーに移動した。本来なら室内に居た方が酔いが回りやすいので夜風に当たりたくはなかったのだが、密室に行ってあらぬ疑いが自身に降りかかることは避けたい。上手行くかは
正直、賭けだったのだが、ファルコがとびきり甘い笑顔を向けて、『沢山お酒を飲む人が好みなんだ』と言えば簡単に飲み始めた。
自分も酔ってしまっては本末転倒なので、『自分は酒に強くないから、美味しそうに飲んでいる顔を見るのが好きで』などと言ってしまえば完璧である。
元々ファルコに絡み始める前からある程度酔っていたのだ。普段なら不審に思うかもしれないが、判断力の弱っている今の状態では、一歩立ち止まって考えてみることが難しかったのだろう。かくしてカミラは、いとも簡単に、ファルコによって酔い潰されてしまったのだった。こうなってしまえばあとは簡単。「彼女が突然倒れてしまった」とでも言って、医者を呼んできてもらえば
良い。密室ではない場所で起こったことだ、不必要な疑いをかけられる心配はしなくて良い。しかし、人気の少ない所で話し込んでいる男女の会話を盗み聞くなんて下世話なこと、大半の人はするべくもないのだから、ファルコが飲ませたことも大っぴらに知られる訳ではない。
何故ファルコがここまでしてカミラを酔いつぶしてしまいたかったのか。
彼の真のねらいは、この『医者にカミラの身体を珍せること』にあった。
医師が到着した時、ふと思い出したようにこう伝えれば良い。『そういえば、彼女は身ごもっていると言っていました。腹の子に何かあってはいけない。どうかそちらも注視してもらえないだろうか。』と。ファルコが想定していた通り、その場に居た医師はそれを聞いた途端、大あわてでそちらを最優先で確認した。
――結論から言うと、彼女は妊娠していなかった。
「まさかこんなに 簡単に行くとはなぁ…………。」
ファルコのつぶやきが広いバルコニーにぽつんと落とされる。
あの後、二人は人目に付きにくいバルコニーに移動した。本来なら室内に居た方が酔いが回りやすいので夜風に当たりたくはなかったのだが、密室に行ってあらぬ疑いが自身に降りかかることは避けたい。上手行くかは
正直、賭けだったのだが、ファルコがとびきり甘い笑顔を向けて、『沢山お酒を飲む人が好みなんだ』と言えば簡単に飲み始めた。
自分も酔ってしまっては本末転倒なので、『自分は酒に強くないから、美味しそうに飲んでいる顔を見るのが好きで』などと言ってしまえば完璧である。
元々ファルコに絡み始める前からある程度酔っていたのだ。普段なら不審に思うかもしれないが、判断力の弱っている今の状態では、一歩立ち止まって考えてみることが難しかったのだろう。かくしてカミラは、いとも簡単に、ファルコによって酔い潰されてしまったのだった。こうなってしまえばあとは簡単。「彼女が突然倒れてしまった」とでも言って、医者を呼んできてもらえば
良い。密室ではない場所で起こったことだ、不必要な疑いをかけられる心配はしなくて良い。しかし、人気の少ない所で話し込んでいる男女の会話を盗み聞くなんて下世話なこと、大半の人はするべくもないのだから、ファルコが飲ませたことも大っぴらに知られる訳ではない。
何故ファルコがここまでしてカミラを酔いつぶしてしまいたかったのか。
彼の真のねらいは、この『医者にカミラの身体を珍せること』にあった。
医師が到着した時、ふと思い出したようにこう伝えれば良い。『そういえば、彼女は身ごもっていると言っていました。腹の子に何かあってはいけない。どうかそちらも注視してもらえないだろうか。』と。ファルコが想定していた通り、その場に居た医師はそれを聞いた途端、大あわてでそちらを最優先で確認した。
――結論から言うと、彼女は妊娠していなかった。
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