お望み通り、別れて差し上げます!

珊瑚

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彼女の横に目を向ければ、赤みがかった暖かみのあるダークブラウンの衣装に身を包んだパートナーが立っている。ふわふわとした、見ただけで細くてやわらかい毛質をした栗色の髪に、同じ色をした柔和な瞳。アクセサリーといて採り入れられている差し色は、カミラの瞳を思わせる真っ赤なガーネット。
二人は大層気合いの入った格好をしているように見える。不審な点は特に見当たらないように思われるが、ファルコが警戒していたのにも向ける。今日が社交の場
に出ることが出来る最後の日になろうことは、本人達のあずかり知らぬ所である筈なのだが…………。パーティーの後に彼らをどん底に落とすため、確実に追い詰める為にファルコ達が最後の大詰めをする時間が必要なのだ。
精々このパーティーは平和に過ごしていってくれよ、とヘリオスは笑顔の裏でただ祈ることしか出来ない。

「……おや?」 

だが、その声でヘリオスの祈りもむなしく砕け散った。リオルがフェリアに気付いたようで、カミラと連れ立って歩いてくる。ただ平和にフェリアをファルコから引き離して自分の父と彼が話す時間を稼ぎたかっただけのヘリオスは、これから起こるであろう破乱の予感に、思わず天をあおいだ。突然歩き出したりオルに、疑問を顔一杯に浮かべていたカミラだったが、リオルの目配せて
遅れてフェリアの存在に気が付いた様子だ。憎々しげな表情を一瞬で引っ込めると余裕の表情をすぐに作り上げ、まるで見せ付けるかのようにリオルの腕にその腕を絡める。ゆったりとした足音で歩いて来る二人に、まだフェリアに向かって来ている訳では無いといちるの望みを掛けてみる。しかし、当然分かっていた事だが、そう上手くいくものでもない。別に、二人から何か仕掛けられて自分達が困ることはそうないのだが、折角ファルコ
と大公が考えていることがあるのだ、それを台無しにすることは出来ればさけて通りたい。だがやはり、リオルとカミラはフェリアとヘリオスの前でその足を止めたのだった。
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