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いじめ

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「何あいつ。ちやほやされて。」
「神狐様よりも注目されてるなんて、許せないわ。」
「あんなガキのどこが良いのかしらw」
「いくら神狐様の義妹とはいえ、バレないようにして、手加減はしないわよw」
「ふふふっ!」

~朝の会~
「えーとクラスは…あ、あった!ここが1年木葉組な!」
「おはよーござーます!」
「あ、おはよう!」
「転校生?こんな田舎に珍し~」
物珍しそうに見てくる子が多く、ちらほら近づいてくる子も居た。
「何処から来たの?」
「お山の方!」
「名前は?」
「えっと…」
『いい?●●。名字を聞かれたときは、稲荷って答えなさい』
『は~い。おかーさん。』
「稲荷だよ!」
「「「「「「えっ!?」」」」」」
クラスが一瞬シン…となったあとに、ざわざわとクラスがざわめき始めた。
「稲荷ってあの…?」
「じゃあ、」
     いじめなきゃじゃん
「えっ?」
みんなは、静かになって、席に着いた。
「…?」
(何…この感覚。)


~放課後~
(なんか今日、ずっとみんなに避けられてた気がする…)
「ふえ~。ま、まずは様子見…!?」
靴箱を開けると、そこに靴は無かった。代わりに、今日のサラダの残りが、ぎっしりと詰まっていた。
「…」
クスクスw ヒソヒソw
「…ぽろっ。」
えっ… うわ。
「ぐすっ。ひっく。ううっ。」
「何?泣いてんのw?」
「…だあれ?なんでこんな事するの?」
「はwオメーが邪魔だからだy」
「おいっ!」
「!?」
「神狐お姉ちゃん…」
そこには、鬼のようなオーラを放つ、口だけ笑っている神狐が居た。
「私の大事な妹になにしてんの?」
「あ、その…」
「はっきり言えよ。」
「そ、その…」
いじめっ子は泣き出した。
「声が小さくて聞こえねーぞ。」
「ご、ごめんなさ…」
ばしっ!
「!?」
「お前が神狐か?」
「な、なんで高校生が?」
ぼかっ
「っ!」
「そ、そんなの…卑怯!」
「(゚A゚;)」
いじめっ子も、あまりの激しい喧嘩に青ざめていた。
『た、助けて…護符』
ぎゅっ
「げほ…はあはあっ。」
くっ。流石につえーな。でも、此処であの時みたいに呪文を唱えれば、絶対勝てる…でも…それだけは絶対に駄目!
「おいおいwもう終わりk」
「調子乗ってんじゃねえぞゴミクソさん。」
「は?」
ゆ、●●っ!
「い、お姉ちゃんにかかれば、お前らなんて秒で殺せるんだよ。」
「は、はぁ!?お前こそ、調子乗りやがって…!」
ばっ!
「やめっ!」
すっ
「!?」
●●は、すれすれの所で手をよけ、フット笑った。
「このおっ💢」
そろそろ堪忍袋の緒が切れそうな顔をした高校生をよそに、●●は驚きの行動を取った。
「きゃあっ!う、うわああん!痛いよおっ!ええーーん!」
「は、何言って…」
「こらあーっ!何やってんの!は、高校生!?えっと…110」
そこに、家庭科の先生の、可夜先生がやってきた。
「くそっ!」
「おい。」
逃げようとする高校生を、私は見逃しなかった。
「逃げるんじゃねえよ。私が本気を出したとでも?ばーか。此処が学校だからだよ。●●のこれからを思ってこうしたが、その必要はなかったみたいだな…」
「な、何が言いてえんだy」
「地獄に堕ちろ。❁❁❁」
なぜかはわからんが、この術なら大丈夫。
「はあっ!?あ、あぁ…は、はは…」
なるほどね~。この術は、人の不安の感情を、最大限に出す術なのね。
「●●、神狐、帰ろ。」
「ま、舞心」
と、とにかく離れよ。
「う、うわああああああ!」
「高校生!?何やって…」
「このっ、このっ!稲荷 神狐!ぜってーぶっ殺してやる!」
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