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第2話
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彼女は小宮絢芽と名乗った。
年齢は僕と同じ20歳、近くの大学に通う女子大生だった。
僕も遅れて自己紹介をした。僕のどうでもいい話も彼女は笑って聞いてくれた。
「そろそろ、本読まない?」僕の話が数分続いたとき、彼女が言った。
「あ、そうだね。じゃあ…」僕たちは本を読み始めた。
…が、僕は彼女と話す理由として読んだこともない作家の本を好きだといい、買ってしまった。僕は恋愛小説や推理小説が好きなのに、彼女が買った本はホラー小説だった。ホラーが苦手な僕にとって、地獄だった。読書に集中することもできず、僕は彼女に目をうつ…
「?!」
「あっ、ごめんなさい。」
僕は今、彼女と目があった…?何故、もしかして今彼女は僕を…。
自意識過剰な妄想をしながら恥ずかしい気持ちで本を見た。
数分後、もう一度彼女に目を移す。彼女は真剣に本を読んでいた。よほどこの作家の作品が好きなのか僕の視線にも気付かない程の集中力だった。
僕は溜息をつきながら読書を再開しようとした。
「あの…」彼女が本を閉じて僕に話しかけてきた。
「ん?」
「この作家さん、あんまり小動くんの好みじゃなかった?」
「えっ」
僕は彼女にこの作家が好きだと言って誘ったはずだった。なのに…。彼女には集中力のなさが伝わっていたのだろう。
「ごめん、実は僕、この作家さんの作品読んだことないんだ…。」
僕はすべて彼女に話した。
「最初から分かってたの、小動くんホラー苦手そうだなって。」
「え?」
「小動くんが本取ってくれた時、持っていた小説は恋愛系だったし、その作家さんよく恋愛小説書いてる作家さんだし。ホラーなんて読む人はきっと恋愛系は好まないだろうって。」
「この作家知ってるの?」
「ええ、少し読んだことあるの。だけどやっぱり私ホラーが好きでその作家さんは合わなかった。」
「じゃあどうして…僕の嘘が分かっててカフェに?」
「興味本位、かな。この人が私に対して何故こんな嘘をつくのか知りたくなって。
ただの好奇心。」
「そっか、ははは…」僕は苦笑いしながら黙り込んだ。
「…好きなんだ、小宮さんのこと。」数分沈黙が続いた後、僕は少し緊張した表情で想いを伝えた。
「あ、ありがとう…ふふっ、なんか照れるね、だけど私まだ小動くんの事全然知らないから、お友達から始めましょう。」
見事なまでに告白をかわされた。
「ははっ…そうだよね、うん。友達としてよろしく。」お互い照れくさそうに頭を下げた。
その後二人で数時間本について語り合い、大学のことや趣味についても語った。
友達として、僕たちは少しずつ歩き始めた。
互いに不安を抱きながら。
年齢は僕と同じ20歳、近くの大学に通う女子大生だった。
僕も遅れて自己紹介をした。僕のどうでもいい話も彼女は笑って聞いてくれた。
「そろそろ、本読まない?」僕の話が数分続いたとき、彼女が言った。
「あ、そうだね。じゃあ…」僕たちは本を読み始めた。
…が、僕は彼女と話す理由として読んだこともない作家の本を好きだといい、買ってしまった。僕は恋愛小説や推理小説が好きなのに、彼女が買った本はホラー小説だった。ホラーが苦手な僕にとって、地獄だった。読書に集中することもできず、僕は彼女に目をうつ…
「?!」
「あっ、ごめんなさい。」
僕は今、彼女と目があった…?何故、もしかして今彼女は僕を…。
自意識過剰な妄想をしながら恥ずかしい気持ちで本を見た。
数分後、もう一度彼女に目を移す。彼女は真剣に本を読んでいた。よほどこの作家の作品が好きなのか僕の視線にも気付かない程の集中力だった。
僕は溜息をつきながら読書を再開しようとした。
「あの…」彼女が本を閉じて僕に話しかけてきた。
「ん?」
「この作家さん、あんまり小動くんの好みじゃなかった?」
「えっ」
僕は彼女にこの作家が好きだと言って誘ったはずだった。なのに…。彼女には集中力のなさが伝わっていたのだろう。
「ごめん、実は僕、この作家さんの作品読んだことないんだ…。」
僕はすべて彼女に話した。
「最初から分かってたの、小動くんホラー苦手そうだなって。」
「え?」
「小動くんが本取ってくれた時、持っていた小説は恋愛系だったし、その作家さんよく恋愛小説書いてる作家さんだし。ホラーなんて読む人はきっと恋愛系は好まないだろうって。」
「この作家知ってるの?」
「ええ、少し読んだことあるの。だけどやっぱり私ホラーが好きでその作家さんは合わなかった。」
「じゃあどうして…僕の嘘が分かっててカフェに?」
「興味本位、かな。この人が私に対して何故こんな嘘をつくのか知りたくなって。
ただの好奇心。」
「そっか、ははは…」僕は苦笑いしながら黙り込んだ。
「…好きなんだ、小宮さんのこと。」数分沈黙が続いた後、僕は少し緊張した表情で想いを伝えた。
「あ、ありがとう…ふふっ、なんか照れるね、だけど私まだ小動くんの事全然知らないから、お友達から始めましょう。」
見事なまでに告白をかわされた。
「ははっ…そうだよね、うん。友達としてよろしく。」お互い照れくさそうに頭を下げた。
その後二人で数時間本について語り合い、大学のことや趣味についても語った。
友達として、僕たちは少しずつ歩き始めた。
互いに不安を抱きながら。
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