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「おはようございます」

「おはよ~~」

「今日もお綺麗ですね」

「えへっ ありがと」

「今日は昼間に暑くなるらしいですね」

「あ、あのさ……」

「どうしました?」

「そ、その……」

「慌てなくて大丈夫ですよ」

「うん。ありがと」

「私ね、もう明日からはきみに会えないかもしれないの」

「え?」

「急でごめんね」

「電車を一本遅らしたりってことですか?」

「ううん…… わたし、日本出てくんだ……」

「え?! 海外に行くんですか?!」

「うん……」

「どこの国行くんですか?!」

「る、るくせんぶるく……」

「ルクセンブルク? なんでルクセンブルクなんですか?」

「そ、それはね…… 今なんとなく思いついたから」

「——え??」

「ぷはっっ!!」

 すると彼女は、口を押さえながら大爆笑しだした。

「え、もしかして…… 嘘?」

「ご、ごめん笑。悪気はなかったんだけど」

「そ、そうですか…… 凄く焦りました……」

「もう会えないって言ったらどんな反応するかと思ってさぁ~~」

「ねぇねぇ、会えなくなったら寂しい??」

「そりゃあもちろん。寂しいです」

「そっかぁ~~ なんだか嬉しいな~~」

「じゃ、もし会えなくなったときの為にも連絡先交換しとく?」

「え、いいんですか?!」

 連絡先交換。なかなか自分からは言い出せなかったのだが、内心すごくしたかった——

「うん。しよしよ~~」

 プシュー ガランッ

「あ、電車着いちゃったね。また明日にしよっか」

「ほんとですね…… あ、明日はよろしくお願いします!」
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