48 / 48
四十八話 後ろ姿のヘラジカ
しおりを挟む
約三時間後──
「全然見つからない・・・・・・魔力阻害やってるのに」
と柊がうつ向きながら話す。
「しかも幻獣の魔力も全く感知しない・・・・・・」
と言いながら、頭を抱え座り込む柊。
「大丈夫?」
「・・・・・・多分」
「それにしても、さっきから見かけるのは後ろ姿のヘラジカだけ・・・・・・幻獣も必死に魔力感知できないほど抑えて隠れてるのかな?」
と椿があたりを見ながら言った。
「・・・そうね。じゃなければ、これだけ探して見つからないなんてありえないもの」
と言って、柊が顎を触りながら考え込む。
「だとすると、かなり警戒してるってことだよね?負担は大きくなるけど透明化と感知阻害使いながら探す?」
「そうね。三十分ごとに休憩しながら探しましょう」
「うん」
そして、さらに数時間後──
「なんで、見つからないの?」
柊がうつ向いて、地面に座り込みながら言う。
そして、その脇で椿が地面に倒れる。
「椿!」
柊が椿に駆け寄る。
「うぅ・・・・・・」
「魔力切れだわ!待ってて!今、魔力を分けるから!」
柊は椿のお腹に手を触れ、魔力を流す。
「あ~柊のがあたしの中に入ってくぅ」
椿が気持ち良さそうな顔をする。
「ちょっとその言い方はやめて!変なことしてるみたいになるから!」
「ごめん・・・・・・けど、ありがとう」
「気にしないで!というよりごめん。私が無理させたから・・・・・・今日はここに魔法簡易小屋を建てて休みましょう」
「うん」
それから数時間後──
「ふぅ~」
椿が魔法簡易小屋の中で椅子に座り、テーブルに肘をつきながら水を飲んでいた。
「身体の方はどう?」
「うん。もう大丈夫!ありがとう!」
「よかった」
柊は安堵の息を吐く。
「でも、柊が国家魔法医療士でよかったよ。じゃなかったら、今だに横たわっていたよ」
「そんな大げさよ」
「でも、これだけ探して見つからないなんて、この森林エリアにいる幻獣ってどんなのなんだろうね?」
と椿は柊に訊ねる。
「魔力を抑えるのはもちろん、魔力阻害や擬態、透明化などの自分の身を隠すことに特化した幻獣がいるのは間違いないわね。あとは魔力感知や嗅覚、聴覚に優れてる幻獣かしら・・・・・・相手がどこにいるか分かれば逃げればいいだけだし」
「たしかに」
「まあ私達がこれだけ探して見つからないんだから、他の受験者だって──!」
突然、どこから音がした。
「まさか!」
と言って柊が急いで外へ出た
柊が空を見上げると、半径約三メートル程の信号魔法の爆散跡が空に残っていた。
「嘘!捕まえた人がいるの!?」
柊が空の爆散跡を見ながら言う。
「全然見つからない・・・・・・魔力阻害やってるのに」
と柊がうつ向きながら話す。
「しかも幻獣の魔力も全く感知しない・・・・・・」
と言いながら、頭を抱え座り込む柊。
「大丈夫?」
「・・・・・・多分」
「それにしても、さっきから見かけるのは後ろ姿のヘラジカだけ・・・・・・幻獣も必死に魔力感知できないほど抑えて隠れてるのかな?」
と椿があたりを見ながら言った。
「・・・そうね。じゃなければ、これだけ探して見つからないなんてありえないもの」
と言って、柊が顎を触りながら考え込む。
「だとすると、かなり警戒してるってことだよね?負担は大きくなるけど透明化と感知阻害使いながら探す?」
「そうね。三十分ごとに休憩しながら探しましょう」
「うん」
そして、さらに数時間後──
「なんで、見つからないの?」
柊がうつ向いて、地面に座り込みながら言う。
そして、その脇で椿が地面に倒れる。
「椿!」
柊が椿に駆け寄る。
「うぅ・・・・・・」
「魔力切れだわ!待ってて!今、魔力を分けるから!」
柊は椿のお腹に手を触れ、魔力を流す。
「あ~柊のがあたしの中に入ってくぅ」
椿が気持ち良さそうな顔をする。
「ちょっとその言い方はやめて!変なことしてるみたいになるから!」
「ごめん・・・・・・けど、ありがとう」
「気にしないで!というよりごめん。私が無理させたから・・・・・・今日はここに魔法簡易小屋を建てて休みましょう」
「うん」
それから数時間後──
「ふぅ~」
椿が魔法簡易小屋の中で椅子に座り、テーブルに肘をつきながら水を飲んでいた。
「身体の方はどう?」
「うん。もう大丈夫!ありがとう!」
「よかった」
柊は安堵の息を吐く。
「でも、柊が国家魔法医療士でよかったよ。じゃなかったら、今だに横たわっていたよ」
「そんな大げさよ」
「でも、これだけ探して見つからないなんて、この森林エリアにいる幻獣ってどんなのなんだろうね?」
と椿は柊に訊ねる。
「魔力を抑えるのはもちろん、魔力阻害や擬態、透明化などの自分の身を隠すことに特化した幻獣がいるのは間違いないわね。あとは魔力感知や嗅覚、聴覚に優れてる幻獣かしら・・・・・・相手がどこにいるか分かれば逃げればいいだけだし」
「たしかに」
「まあ私達がこれだけ探して見つからないんだから、他の受験者だって──!」
突然、どこから音がした。
「まさか!」
と言って柊が急いで外へ出た
柊が空を見上げると、半径約三メートル程の信号魔法の爆散跡が空に残っていた。
「嘘!捕まえた人がいるの!?」
柊が空の爆散跡を見ながら言う。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
9日間
柏木みのり
児童書・童話
サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。
(also @ なろう)
【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。
しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。
そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。
そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
魔法使いアルル
かのん
児童書・童話
今年で10歳になるアルルは、月夜の晩、自分の誕生日に納屋の中でこっそりとパンを食べながら歌を歌っていた。
これまで自分以外に誰にも祝われる事のなかった日。
だが、偉大な大魔法使いに出会うことでアルルの世界は色を変えていく。
孤独な少女アルルが、魔法使いになって奮闘する物語。
ありがたいことに書籍化が進行中です!ありがとうございます。
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
【3章】GREATEST BOONS ~幼なじみのほのぼのバディがクリエイトスキルで異世界に偉大なる恩恵をもたらします!~
丹斗大巴
児童書・童話
幼なじみの2人がグレイテストブーンズ(偉大なる恩恵)を生み出しつつ、異世界の7つの秘密を解き明かしながらほのぼの旅をする物語。
異世界に飛ばされて、小学生の年齢まで退行してしまった幼なじみの銀河と美怜。とつじょ不思議な力に目覚め、Greatest Boons(グレイテストブーンズ:偉大なる恩恵)をもたらす新しい生き物たちBoons(ブーンズ)とアイテムを生みだした! 彼らのおかげでサバイバルもトラブルもなんのその! クリエイト系の2人が旅するほのぼの異世界珍道中。
便利な「しおり」機能を使って読み進めることをお勧めします。さらに「お気に入り登録」して頂くと、最新更新のお知らせが届いて便利です! レーティング指定の描写はありませんが、万が一気になる方は、目次※マークをさけてご覧ください。
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる