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十一話 強くなりたい
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風太は下を向きながら、座り込んでいた。
「・・・・・・」
雨音と共に羽音が後ろから聞こえた。
「!」
風太は後ろを振り向いた。そこには烏と人を混ぜたような姿した妖怪がいた。
「誰だ。あんたは⁉」
風太は日本刀を構えながら問いた。
「落ち着け!風太。そいつは敵じゃない」
その声の主は烏の妖怪の後ろから顔を出す。
「?・・・・・・川次郎さん!」
「久しぶりだな。こちらは烏天狗の空雄だ。宗太と佐吉の知り合いだ」
「驚かせてすまなかった」
「いえ、こちらこそ、すみません」
川次郎は村を見渡す。
「・・・・・・いろいろとあったと思うが、家に入れてくれないか?河童とはいえ、雨の中だと話しづらいし、聞きづらい」
「・・・・・・わかりました」
風太の家の中─
「これはひどい・・・・・・」
陽子の変わり果てた遺体を見て、川次郎は顔に布を乗せる。
「辛いかもしれないが、ここで何が起きたか話してくれないか?」
「・・・・・・はい」
風太はこれまでのことを話した。
「それは辛かったな・・・・・・」
「宗太を殺した玉穂という九尾はかなり強いな」
「でも、こうやって生き残れたんだ。運がよかったよ」
「ああ、ほんとだ。運がよかったと言えるだろ」
それを聞いていた風太が、突然立ち上がり、
「何が運よかっただ!?父ちゃんは精神支配されて、母ちゃんや咲姉、名主さん、みんな殺されて、オイラだけ何もできず惨めに生き残って・・・・・・」
と大声を上げ、涙をこぼし、頭を抱え座り込んだ。
「・・・・・・ごめん。オラ達が無神経だった」
「・・・・・・すまない」
「・・・・・・オイラも取り乱してすみません。こうやって生き残れたのは運がよかったのに、何もできなかったことに腹を立てて思わず・・・・・・・・・・・・父ちゃんの精神支配って玉穂を殺せば解けるんですか?」
「うん、絶対とは言えないが、解けるはず」
「仮に解けなくても、精神支配をかけた妖怪が死んだら、解けやすくなる。うちの大天狗の蔵之助様にかかれば解ける」
「そうですか・・・・・・」
風太は空雄の刀を見る。
「空雄さんは剣術には自信がおありで?」
「ああ、剣術にはかなりの覚えがあるつもりだが、玉穂という九尾に敵うかはなんとも・・・・・・」
「オイラに剣術を教えて下さい」
「!」
「オイラは父ちゃんの精神支配を解いて、奴の野望を阻止したい!」
「本気で言ってるのか?」
「はい!」
「おまえは人だぞ。剣術を覚えたからと言って勝てると思ってるのか?」
「わかりません・・・・・・けど、このまま何もしなくても、旦那様が解放されたら、オイラは殺される。だったら・・・・・・悪あがきだとしても、強くなりたい!」
「わかった。けど・・・・・・」
「?」
「剣術だけでなく、妖術や妖怪に関しての知識も身につけてもらう」
「わかりました。よろしくお願いいたします!」
「とは言っても、俺だけでなく、他の奴からも剣術、妖術、妖怪に関してのことを教わることになるがそれでもいいか?」
「はい!」
「あと、かなり辛いぞ。それでも大丈夫か?」
「はい!」
「わかった。まず最初に教えることがある」
「はい!なんですか?」
「風太。宗太の日本刀には術式がかかってる」
「術式?」
「そうだ。今の様子だとまだきてないみたいだが・・・・・・」
「きてない?・・・・・・!」
突然、風太の身体の奥で、何かを感じた。
「今、身体の奥で何かを感じたか?」
「・・・・・・はい」
「それは宗太の妖気だ」
「・・・・・・」
雨音と共に羽音が後ろから聞こえた。
「!」
風太は後ろを振り向いた。そこには烏と人を混ぜたような姿した妖怪がいた。
「誰だ。あんたは⁉」
風太は日本刀を構えながら問いた。
「落ち着け!風太。そいつは敵じゃない」
その声の主は烏の妖怪の後ろから顔を出す。
「?・・・・・・川次郎さん!」
「久しぶりだな。こちらは烏天狗の空雄だ。宗太と佐吉の知り合いだ」
「驚かせてすまなかった」
「いえ、こちらこそ、すみません」
川次郎は村を見渡す。
「・・・・・・いろいろとあったと思うが、家に入れてくれないか?河童とはいえ、雨の中だと話しづらいし、聞きづらい」
「・・・・・・わかりました」
風太の家の中─
「これはひどい・・・・・・」
陽子の変わり果てた遺体を見て、川次郎は顔に布を乗せる。
「辛いかもしれないが、ここで何が起きたか話してくれないか?」
「・・・・・・はい」
風太はこれまでのことを話した。
「それは辛かったな・・・・・・」
「宗太を殺した玉穂という九尾はかなり強いな」
「でも、こうやって生き残れたんだ。運がよかったよ」
「ああ、ほんとだ。運がよかったと言えるだろ」
それを聞いていた風太が、突然立ち上がり、
「何が運よかっただ!?父ちゃんは精神支配されて、母ちゃんや咲姉、名主さん、みんな殺されて、オイラだけ何もできず惨めに生き残って・・・・・・」
と大声を上げ、涙をこぼし、頭を抱え座り込んだ。
「・・・・・・ごめん。オラ達が無神経だった」
「・・・・・・すまない」
「・・・・・・オイラも取り乱してすみません。こうやって生き残れたのは運がよかったのに、何もできなかったことに腹を立てて思わず・・・・・・・・・・・・父ちゃんの精神支配って玉穂を殺せば解けるんですか?」
「うん、絶対とは言えないが、解けるはず」
「仮に解けなくても、精神支配をかけた妖怪が死んだら、解けやすくなる。うちの大天狗の蔵之助様にかかれば解ける」
「そうですか・・・・・・」
風太は空雄の刀を見る。
「空雄さんは剣術には自信がおありで?」
「ああ、剣術にはかなりの覚えがあるつもりだが、玉穂という九尾に敵うかはなんとも・・・・・・」
「オイラに剣術を教えて下さい」
「!」
「オイラは父ちゃんの精神支配を解いて、奴の野望を阻止したい!」
「本気で言ってるのか?」
「はい!」
「おまえは人だぞ。剣術を覚えたからと言って勝てると思ってるのか?」
「わかりません・・・・・・けど、このまま何もしなくても、旦那様が解放されたら、オイラは殺される。だったら・・・・・・悪あがきだとしても、強くなりたい!」
「わかった。けど・・・・・・」
「?」
「剣術だけでなく、妖術や妖怪に関しての知識も身につけてもらう」
「わかりました。よろしくお願いいたします!」
「とは言っても、俺だけでなく、他の奴からも剣術、妖術、妖怪に関してのことを教わることになるがそれでもいいか?」
「はい!」
「あと、かなり辛いぞ。それでも大丈夫か?」
「はい!」
「わかった。まず最初に教えることがある」
「はい!なんですか?」
「風太。宗太の日本刀には術式がかかってる」
「術式?」
「そうだ。今の様子だとまだきてないみたいだが・・・・・・」
「きてない?・・・・・・!」
突然、風太の身体の奥で、何かを感じた。
「今、身体の奥で何かを感じたか?」
「・・・・・・はい」
「それは宗太の妖気だ」
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