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第3部 ギャラリー・ルクス
12.パノラマの境界(前編)
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『佐枝さん、元気ですか?』
チャット画面に直球の文字が並ぶ。三波のアイコンが横でくるくる回っている。
「元気だよ」と俺は打ちこんだ。
『例の画像の件、うちで片付けてますから。早めに終息させるんで安心してください」
「ありがとう。俺は平気だって」
三波のタイピングはいつもの通り速かった。すぐさま返事が表示される。
『何かおかしなことが起きたらすぐ連絡してください。プレスに気をつけたつもりなのに撮られてしまって、ほんと、こっちの落ち度なんで』
「大丈夫だ」
『ほんとですか? ボスが今日やたらピリピリしていましたが』
罪悪感というほどでもないが、いくらか申し訳なさを感じて俺の指は一瞬止まった。
「藤野谷、なにか迷惑かけてる?」
『べつに。いつもの通り嫌になるくらい厳しいだけです。何でそんなこと聞くんです?』
しまった。やぶへびだ。俺はあわてて打ちこむ。
「ちょっと気になって」
三波はあっけらかんと書きこんだ。
『ボスと何かあったんですね。写真のせいですか?』
「いや、写真は関係ないし、何もない」
『それなら喧嘩』
「してない」
『そういえばボスがおかしくなるのは佐枝さんと何かあったときだけでした』
「おい」
『僕はこの点すごく納得してるんですよ』
「勝手に納得するな」
『で、なぜ喧嘩』
何秒か俺の指はキーボードの上をさまよった。
「意見の相違」
『なるほど、喧嘩したと』
たしかに何もなかったとはいえない。
原因はスピフォトに載った写真ではなく、俺のヒートと抑制剤の治験だった。医療や製薬業に関わる実家から手に入る情報があったら知らせるといった藤野谷に俺はうんといったし、最新情報を教えてくれるのは嬉しかったものの、遠回しに治験に反対しているのも感じられて、それが癪にさわるのだった。
藤野谷が俺のことを気づかっているのはもちろんわかっていた。その一方で、俺の体のことだから口出ししないでほしいという気持ちもあった。たとえ藤野谷グループがこの方面のエキスパートだったとしてもだ。
生まれた時からモニターされているせいで俺はクリニックでの検査に慣れている。なのに藤野谷にはこんな話を知られたくなかったし、口出しもしてほしくなかった。多少は自分でもよくわからない意地のせいかだろうか、とは思う。俺のヒートが特に辛かったのは、これまで常に藤野谷に触れた後だった。だからこそ知られたくないのかもしれなかった。
運命のつがい、なんていっても、まったくロマンチックじゃない。
そんなわけでここ何日か、藤野谷とモバイルで話すたび――会わない日は寝る前に通話するのが恒例になっていたのだが――話題がそっちへ流れると、俺はだんだん不機嫌になり、藤野谷も不満そうだった。
「前もいっただろう。自分の体のことだし、おまえにうるさくいわれたくない」
『サエ、抑制剤は――』
「副作用の可能性なら知ってるよ」
『いや、抑制剤だけなら治療のために処方される。ただ――』
「中和剤の長期使用のことだろう。不妊になるかもしれないとか」
『サエ』
このごろ俺は藤野谷に対して言葉を選べないことがよくあった。彼に甘えているのかもしれない、そう後で思い返して自己嫌悪に陥ることもある。このときもそうだった。俺は苛立ちにまかせて思いつくままに口走った。
「おまえの子供なんて俺は産めないだろうさ。そんなオメガなんて意味ないよな。ヒートのたびにアルファに逆らえなくなるとしたって」
機械が沈黙した。ふいに俺は恐怖を感じた。いま俺が口に出した言葉は、もちろんそのまま真実でありうる。藤野谷は――
『サエ。俺を信じてくれ。頼む』
低い声が響き、俺は自己嫌悪と罪悪感にまみれたまま、なんとかあたりさわりのない答えを返して会話を打ち切った。
それが昨夜のことだ。俺はキーボードの上で指をさまよわせ、自分をごまかそうとしているのか、三波をごまかそうとしているのか、一瞬わからなくなる。空白をフォローしようとでもいうかのように三波が文字を表示させた。
『ああ、意見の相違のすり合わせができなくて喧嘩になったんですね』
俺はほっと息をついて返事を打ちこんだ。
「喧嘩ってほどのことはない」
『またボスがクソったれアルファらしく主導権をとろうとしたとか』
「三波って時々ひどいな」
『たしかに僕は自慢できるくらいひどい人間です。ところで明日の土曜、午後ですが、佐枝さん暇ですか?』
「何で?」
『ケーキ食べませんか』
突然変わった話題に俺の指はまた止まる。
「ケーキ?」
『鷹尾が佐枝さんと食べたいと。僕だけがカフェごはんを一緒しているのはずるいと』
「そうなの?」
『メガ会をしたいそうです』
「メガ会?」
『オメガだけで会うっ機会てあまりないじゃないですか。ハウスじゃアルファが声かけてくるし。で、僕は単に飲みたいんですが鷹尾はケーキが食べたいんだと』
なるほど「オメガ会」か。そんな言葉があるとは知らなかったし、生まれてはじめての誘いに俺は画面の前で固まった。
『都合悪いですか?』
あわててキーボードを打つ。
「ありがたいけど、俺はいま、あまり出歩くなっていわれててさ」
『知ってます。だから行きますよ、僕ら』
「どこに」
『佐枝さんの家』
「俺の家?」
『だめでしょうか。押しかけ飲み会、じゃなくて押しかけお茶会ってやつです。で、問題なければ佐枝さんのケーキの好み、正確には苦手を聞きだすようにと鷹尾が僕に命令するんですよ』
「メガ会」実施はすでに決定事項らしい。俺はあっけにとられたが、三波の段取りは不愉快ではなかった。長年ベータに偽装していたことを三波や鷹尾が受け入れてくれたのは純粋にありがたかったし、俺が今まで知らなかった仲間意識のようなものを感じて、嬉しかった。
たぶん俺は「オメガ同士」の気楽さを求めていたのだろう。
というのも、ここしばらく、スーパーで買い物をしているだけでも知らないアルファに「見られて」いたり、ベータに避けられるのを意識することがあり、俺は自分の外見、あるいは雰囲気が変わってしまったのを自覚せざるを得なかったからだ。渡来の忠告をいれて遠出をやめ、近場に自転車で出かけてヘルメットを脱ぐだけでもそれを感じた。
アルファに「見られる」のはきつかった。以前は俺など風景の一部としか思っていなかったはずの人々が俺に視線を向けてくるのは。中和剤を抜いて何度か通ったハウス・デュマーでもこんなことはなかったと思う。
他人に見られていることを意識すると、これまで自分が見ていたはずの風景もちがって感じられるときがあった。よく知っていたはずの眺望が本当は舞台の背景にかけられた幕で、切れ目をめくると違うものがあらわれるような、そんな感じだ。
加えて俺はこれまでただ一度も、ほかのオメガとオメガとして友人になったことはなかった。
「マンゴーとパインは苦手だからなしで。それから、車がないと俺の家に来るのは不便だぞ」
『了解しました。十五時でどうでしょう』
「いいよ」
『ところで佐枝さんの家、お酒ありますか』
「お茶会なんだろ」
『鷹尾には内緒です。少なくとも今の時点では』
チャット画面に直球の文字が並ぶ。三波のアイコンが横でくるくる回っている。
「元気だよ」と俺は打ちこんだ。
『例の画像の件、うちで片付けてますから。早めに終息させるんで安心してください」
「ありがとう。俺は平気だって」
三波のタイピングはいつもの通り速かった。すぐさま返事が表示される。
『何かおかしなことが起きたらすぐ連絡してください。プレスに気をつけたつもりなのに撮られてしまって、ほんと、こっちの落ち度なんで』
「大丈夫だ」
『ほんとですか? ボスが今日やたらピリピリしていましたが』
罪悪感というほどでもないが、いくらか申し訳なさを感じて俺の指は一瞬止まった。
「藤野谷、なにか迷惑かけてる?」
『べつに。いつもの通り嫌になるくらい厳しいだけです。何でそんなこと聞くんです?』
しまった。やぶへびだ。俺はあわてて打ちこむ。
「ちょっと気になって」
三波はあっけらかんと書きこんだ。
『ボスと何かあったんですね。写真のせいですか?』
「いや、写真は関係ないし、何もない」
『それなら喧嘩』
「してない」
『そういえばボスがおかしくなるのは佐枝さんと何かあったときだけでした』
「おい」
『僕はこの点すごく納得してるんですよ』
「勝手に納得するな」
『で、なぜ喧嘩』
何秒か俺の指はキーボードの上をさまよった。
「意見の相違」
『なるほど、喧嘩したと』
たしかに何もなかったとはいえない。
原因はスピフォトに載った写真ではなく、俺のヒートと抑制剤の治験だった。医療や製薬業に関わる実家から手に入る情報があったら知らせるといった藤野谷に俺はうんといったし、最新情報を教えてくれるのは嬉しかったものの、遠回しに治験に反対しているのも感じられて、それが癪にさわるのだった。
藤野谷が俺のことを気づかっているのはもちろんわかっていた。その一方で、俺の体のことだから口出ししないでほしいという気持ちもあった。たとえ藤野谷グループがこの方面のエキスパートだったとしてもだ。
生まれた時からモニターされているせいで俺はクリニックでの検査に慣れている。なのに藤野谷にはこんな話を知られたくなかったし、口出しもしてほしくなかった。多少は自分でもよくわからない意地のせいかだろうか、とは思う。俺のヒートが特に辛かったのは、これまで常に藤野谷に触れた後だった。だからこそ知られたくないのかもしれなかった。
運命のつがい、なんていっても、まったくロマンチックじゃない。
そんなわけでここ何日か、藤野谷とモバイルで話すたび――会わない日は寝る前に通話するのが恒例になっていたのだが――話題がそっちへ流れると、俺はだんだん不機嫌になり、藤野谷も不満そうだった。
「前もいっただろう。自分の体のことだし、おまえにうるさくいわれたくない」
『サエ、抑制剤は――』
「副作用の可能性なら知ってるよ」
『いや、抑制剤だけなら治療のために処方される。ただ――』
「中和剤の長期使用のことだろう。不妊になるかもしれないとか」
『サエ』
このごろ俺は藤野谷に対して言葉を選べないことがよくあった。彼に甘えているのかもしれない、そう後で思い返して自己嫌悪に陥ることもある。このときもそうだった。俺は苛立ちにまかせて思いつくままに口走った。
「おまえの子供なんて俺は産めないだろうさ。そんなオメガなんて意味ないよな。ヒートのたびにアルファに逆らえなくなるとしたって」
機械が沈黙した。ふいに俺は恐怖を感じた。いま俺が口に出した言葉は、もちろんそのまま真実でありうる。藤野谷は――
『サエ。俺を信じてくれ。頼む』
低い声が響き、俺は自己嫌悪と罪悪感にまみれたまま、なんとかあたりさわりのない答えを返して会話を打ち切った。
それが昨夜のことだ。俺はキーボードの上で指をさまよわせ、自分をごまかそうとしているのか、三波をごまかそうとしているのか、一瞬わからなくなる。空白をフォローしようとでもいうかのように三波が文字を表示させた。
『ああ、意見の相違のすり合わせができなくて喧嘩になったんですね』
俺はほっと息をついて返事を打ちこんだ。
「喧嘩ってほどのことはない」
『またボスがクソったれアルファらしく主導権をとろうとしたとか』
「三波って時々ひどいな」
『たしかに僕は自慢できるくらいひどい人間です。ところで明日の土曜、午後ですが、佐枝さん暇ですか?』
「何で?」
『ケーキ食べませんか』
突然変わった話題に俺の指はまた止まる。
「ケーキ?」
『鷹尾が佐枝さんと食べたいと。僕だけがカフェごはんを一緒しているのはずるいと』
「そうなの?」
『メガ会をしたいそうです』
「メガ会?」
『オメガだけで会うっ機会てあまりないじゃないですか。ハウスじゃアルファが声かけてくるし。で、僕は単に飲みたいんですが鷹尾はケーキが食べたいんだと』
なるほど「オメガ会」か。そんな言葉があるとは知らなかったし、生まれてはじめての誘いに俺は画面の前で固まった。
『都合悪いですか?』
あわててキーボードを打つ。
「ありがたいけど、俺はいま、あまり出歩くなっていわれててさ」
『知ってます。だから行きますよ、僕ら』
「どこに」
『佐枝さんの家』
「俺の家?」
『だめでしょうか。押しかけ飲み会、じゃなくて押しかけお茶会ってやつです。で、問題なければ佐枝さんのケーキの好み、正確には苦手を聞きだすようにと鷹尾が僕に命令するんですよ』
「メガ会」実施はすでに決定事項らしい。俺はあっけにとられたが、三波の段取りは不愉快ではなかった。長年ベータに偽装していたことを三波や鷹尾が受け入れてくれたのは純粋にありがたかったし、俺が今まで知らなかった仲間意識のようなものを感じて、嬉しかった。
たぶん俺は「オメガ同士」の気楽さを求めていたのだろう。
というのも、ここしばらく、スーパーで買い物をしているだけでも知らないアルファに「見られて」いたり、ベータに避けられるのを意識することがあり、俺は自分の外見、あるいは雰囲気が変わってしまったのを自覚せざるを得なかったからだ。渡来の忠告をいれて遠出をやめ、近場に自転車で出かけてヘルメットを脱ぐだけでもそれを感じた。
アルファに「見られる」のはきつかった。以前は俺など風景の一部としか思っていなかったはずの人々が俺に視線を向けてくるのは。中和剤を抜いて何度か通ったハウス・デュマーでもこんなことはなかったと思う。
他人に見られていることを意識すると、これまで自分が見ていたはずの風景もちがって感じられるときがあった。よく知っていたはずの眺望が本当は舞台の背景にかけられた幕で、切れ目をめくると違うものがあらわれるような、そんな感じだ。
加えて俺はこれまでただ一度も、ほかのオメガとオメガとして友人になったことはなかった。
「マンゴーとパインは苦手だからなしで。それから、車がないと俺の家に来るのは不便だぞ」
『了解しました。十五時でどうでしょう』
「いいよ」
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『鷹尾には内緒です。少なくとも今の時点では』
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