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第5章 七夕
4.木の下の闇
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公演がおわり、地下のホールを出るとすぐ、伊吹は七星の姿をみつける。
甘い匂いがしていたから、実際に目にしなくてもそこにいるのはわかっている。それでも七星をみたとたん、空間すべてにその存在が大きく広がるような気がして、伊吹は無意識に笑みを浮かべてしまう。
挨拶――会釈くらいはかまわないだろう。そう思いながら一歩進んだとき、七星の声が聞こえてくる。
「どうでした? 面白かったらいいんですけど……」
あたかも自分が質問されたように伊吹はびくりとする。しかし七星に答えたのは見知らぬベータの男だった。
「正直いってびっくりしたよ。予想外だった」
「はじめてだと、ちょっと常識を超えてくるでしょう?」
「正直いって、いったい何がはじまるかと思ったよ。お客さんもすごく入るんだね」
「実験的な作品はやってるところが少ないですから。海外ではこのジャンルで音楽祭もありますけど、日本ではマイナーだから、逆に人が集まるんです」
男の長身に隠れて七星の顔はよくみえない。出口に向かう観客に押されて先へ進むと、声も、甘い蜜の香りもすぐにわからなくなってしまう。
せっかくの――機会が。
ひたいの奥がチリッと灼けるような感じがする。伊吹は未練たらしくふりかえる。七星が笑いかけるのがみえる。あのベータの男は友人だろうか? それとも――
目の奥が熱くなったのは嫉妬と独占欲のせいか。さっと七星から視線をはずし、伊吹はいそいで階段を上る。外に出たとき、自分がこぶしをぐっと握りしめているのに気づく。
*
七夕フェスタがはじまって、〈ユーヤ〉では八月二十二日まで毎日何かしらのイベントが行われている。地下ホールでの公演のほか、一階のギャラリーでの展示やワークショップ、地元の作家や大学講師を招いたトークや対談など、内容も豊富だ。
本社勤務だった今年の三月までとちがい、今は自分である程度コントロールできる役職でもあり、伊吹はできるだけ都合をつけて〈ユーヤ〉に通った。
七月の中旬には、ユーヤが二十年前に創設された時から現在までをふりかえる小冊子が発行され、メンバーズ会員にもれなく配られた。伊吹は冊子をぱらぱらめくり、編集後記のスタッフコメントに「Nanase.T」をみつけ、ほほ笑みをもらした。
イベントを口実に週に何度か通ったところで、何ひとつ変わるわけではない。でも催し物がある日、七星は受付や案内でたいてい表に出ている。
伊吹としては、ちらりとでいいから彼の顔を見て、ひとこと他愛のない言葉をかわせればそれでよかった。常連相手に七星がいつもやっていることだ。このくらい自分に許してもいいだろう、とも思った。いつもの伊吹の思考にはおよそ似合わない、あまい目論見である。
もっともその目論見は七月のあいだほとんど実現しなかった。伊吹が〈ユーヤ〉を訪れた日は、なぜかいつも、背の高いベータの男が七星の近くにいるようになったからだ。
どうみても男はスタッフではなく、ここの客だった。伊吹が来たときはいつも、七星と親しそうに話している。それも七星のすぐ横、肩に腕を回せる距離だ。
伊吹は彼らから数歩離れたところを通りながら、つのる苛立ちをおさえようとする。七星は伊吹に気づくとちらりと視線を向け、小さく会釈をする。伊吹も目だけで挨拶をかえすが、七星の隣にいるベータの男を睨まずにいるには努力が必要だった。
相手はベータであって、アルファではない。その男をみるたびにそういいきかせた。自分と同じ意味で七星を気にしているとはかぎらない。それにベータは男女とも、異性を恋愛対象にするほうが一般的だ。オメガ特有の生理現象もベータには感じとれないし、伊吹が無視できない七星の香りも、あの男は知らない。
いや、そんなことを考えてしまうのがそもそもどうかしている。七星は伊吹のものではない。彼が誰とどんな関係になろうが、伊吹に口出しする権利はない。蜜の香り、声の響き、通りすがりにほんの一瞬向けられる視線、これらに伊吹の胸の奥がどれほど揺さぶられたところで、どうにもならない。
香りといえば、そのころから蜜の香りがすこしずつ濃く、強くなっているように思えた。だがこれも、伊吹が七星を気にするあまり、ささいな変化に敏感になりすぎているだけかもしれなかった。七星や彼の近くにいる連中を不自然に凝視しないよう気をつけていると、今度は匂いがきわだってくるのだ。
〈ユーヤ〉に行くのは甘い地獄に浸るようなもの――そう覚悟をきめた七月下旬、七星はまる一週間ユーヤを休んだ。
「なんだ、伊吹か。七星君の顔をみるつもりだったのに、おまえに会うなんてさ」
一階のギャラリーで、冗談とも本気ともつかない口調で武流がぼやいた。八月を目前にした金曜の夜である。日中は雲一つない青空から太陽が容赦なく照りつけ、アスファルトやビルを熱していた。夕風も吹かないまま日が暮れて、空気はまだふんだんに熱を含んでいる。
「体調不良だそうだ。夏風邪でもひいたのかね? 七星君は看板少年だからな、いないとがっかりするよ。徹はもっとがっかりしてる」
武流がふりむいた先にあのベータがいた。
つまり武流の紹介か。そう思ったとたん、伊吹のなかで敵意のゲージが上がる。
「おいおい、なんて顔するんだ」武流が笑った。
「ベータの男もオメガの男に恋心を持つことはある。アルファの専売特許じゃない――といっても、まだ連絡先ももらえないらしいが」
伊吹は肩をすくめる。顔に出すつもりはなかったのに、うかつだった。それに他人を感情で評価するのは危険なことだ。
「べつに、そんなことは思っていないさ」
「蓮がいるおまえにはぴんとこないかもしれないが、ベータもそれなりに大変なんだぜ? 恋愛は自由っていっても、アルファはオメガを独占しようとするだろ? あ、ついでだから徹に紹介――」
タイミングよくスマホが鳴った。社用の電話だ。伊吹は手をあげて武流をさえぎり、友人のベータに会釈してギャラリーの外へ出た。しかしかかってきたのはただの営業電話で、不動産投資をしつこく勧めるセールスマンを断ったあとは、ギャラリーに戻る気分ではなくなっていた。
あのベータが七星をどう思っていようが、それは七星の問題であって、伊吹には関係がない。アルファだからといって、つがいではない――その可能性のない――オメガを独占することはできない。
そうは思っても、去りぎわにみたベータの男の目つきはどうも気に入らなかった。その理由をいちいち考えるのも腹立たしい。
〈ユーヤ〉の横手の路地は不健康に点滅する蛍光灯に照らされている。コインパーキングは反対方向だが、伊吹は路地を通り抜け、樹木に囲まれた神社の方へ歩いた。境内を横切るあいだ、首筋やこめかみに不快な汗がにじみはじめる。晴れた夜空に星はみえない。
神社の裏は小さな公園に通じている。境内の隅には楠の巨木が立ち、街灯がオレンジ色の光を投げていた。伊吹の苛立ちはいっこうに薄れなかった。犬のように吠えたてることができたらいい、と思った。きっと、暑さのせいだ。
暗がりの中、もりあがった木の根に靴先がひっかかった。伊吹は舌打ちし、反射的に足をふりあげ、巨木の幹を蹴りつけた。ひたいから滴った汗が目にしみる。
もしその時ふりむいていれば、そんな自分をみつめる視線に気づいたかもしれない。
伊吹は肘で汗をぬぐうと、木の下を通って公園へ抜けた。自分のあとをつける視線には最後まで気づかなかった。
甘い匂いがしていたから、実際に目にしなくてもそこにいるのはわかっている。それでも七星をみたとたん、空間すべてにその存在が大きく広がるような気がして、伊吹は無意識に笑みを浮かべてしまう。
挨拶――会釈くらいはかまわないだろう。そう思いながら一歩進んだとき、七星の声が聞こえてくる。
「どうでした? 面白かったらいいんですけど……」
あたかも自分が質問されたように伊吹はびくりとする。しかし七星に答えたのは見知らぬベータの男だった。
「正直いってびっくりしたよ。予想外だった」
「はじめてだと、ちょっと常識を超えてくるでしょう?」
「正直いって、いったい何がはじまるかと思ったよ。お客さんもすごく入るんだね」
「実験的な作品はやってるところが少ないですから。海外ではこのジャンルで音楽祭もありますけど、日本ではマイナーだから、逆に人が集まるんです」
男の長身に隠れて七星の顔はよくみえない。出口に向かう観客に押されて先へ進むと、声も、甘い蜜の香りもすぐにわからなくなってしまう。
せっかくの――機会が。
ひたいの奥がチリッと灼けるような感じがする。伊吹は未練たらしくふりかえる。七星が笑いかけるのがみえる。あのベータの男は友人だろうか? それとも――
目の奥が熱くなったのは嫉妬と独占欲のせいか。さっと七星から視線をはずし、伊吹はいそいで階段を上る。外に出たとき、自分がこぶしをぐっと握りしめているのに気づく。
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七夕フェスタがはじまって、〈ユーヤ〉では八月二十二日まで毎日何かしらのイベントが行われている。地下ホールでの公演のほか、一階のギャラリーでの展示やワークショップ、地元の作家や大学講師を招いたトークや対談など、内容も豊富だ。
本社勤務だった今年の三月までとちがい、今は自分である程度コントロールできる役職でもあり、伊吹はできるだけ都合をつけて〈ユーヤ〉に通った。
七月の中旬には、ユーヤが二十年前に創設された時から現在までをふりかえる小冊子が発行され、メンバーズ会員にもれなく配られた。伊吹は冊子をぱらぱらめくり、編集後記のスタッフコメントに「Nanase.T」をみつけ、ほほ笑みをもらした。
イベントを口実に週に何度か通ったところで、何ひとつ変わるわけではない。でも催し物がある日、七星は受付や案内でたいてい表に出ている。
伊吹としては、ちらりとでいいから彼の顔を見て、ひとこと他愛のない言葉をかわせればそれでよかった。常連相手に七星がいつもやっていることだ。このくらい自分に許してもいいだろう、とも思った。いつもの伊吹の思考にはおよそ似合わない、あまい目論見である。
もっともその目論見は七月のあいだほとんど実現しなかった。伊吹が〈ユーヤ〉を訪れた日は、なぜかいつも、背の高いベータの男が七星の近くにいるようになったからだ。
どうみても男はスタッフではなく、ここの客だった。伊吹が来たときはいつも、七星と親しそうに話している。それも七星のすぐ横、肩に腕を回せる距離だ。
伊吹は彼らから数歩離れたところを通りながら、つのる苛立ちをおさえようとする。七星は伊吹に気づくとちらりと視線を向け、小さく会釈をする。伊吹も目だけで挨拶をかえすが、七星の隣にいるベータの男を睨まずにいるには努力が必要だった。
相手はベータであって、アルファではない。その男をみるたびにそういいきかせた。自分と同じ意味で七星を気にしているとはかぎらない。それにベータは男女とも、異性を恋愛対象にするほうが一般的だ。オメガ特有の生理現象もベータには感じとれないし、伊吹が無視できない七星の香りも、あの男は知らない。
いや、そんなことを考えてしまうのがそもそもどうかしている。七星は伊吹のものではない。彼が誰とどんな関係になろうが、伊吹に口出しする権利はない。蜜の香り、声の響き、通りすがりにほんの一瞬向けられる視線、これらに伊吹の胸の奥がどれほど揺さぶられたところで、どうにもならない。
香りといえば、そのころから蜜の香りがすこしずつ濃く、強くなっているように思えた。だがこれも、伊吹が七星を気にするあまり、ささいな変化に敏感になりすぎているだけかもしれなかった。七星や彼の近くにいる連中を不自然に凝視しないよう気をつけていると、今度は匂いがきわだってくるのだ。
〈ユーヤ〉に行くのは甘い地獄に浸るようなもの――そう覚悟をきめた七月下旬、七星はまる一週間ユーヤを休んだ。
「なんだ、伊吹か。七星君の顔をみるつもりだったのに、おまえに会うなんてさ」
一階のギャラリーで、冗談とも本気ともつかない口調で武流がぼやいた。八月を目前にした金曜の夜である。日中は雲一つない青空から太陽が容赦なく照りつけ、アスファルトやビルを熱していた。夕風も吹かないまま日が暮れて、空気はまだふんだんに熱を含んでいる。
「体調不良だそうだ。夏風邪でもひいたのかね? 七星君は看板少年だからな、いないとがっかりするよ。徹はもっとがっかりしてる」
武流がふりむいた先にあのベータがいた。
つまり武流の紹介か。そう思ったとたん、伊吹のなかで敵意のゲージが上がる。
「おいおい、なんて顔するんだ」武流が笑った。
「ベータの男もオメガの男に恋心を持つことはある。アルファの専売特許じゃない――といっても、まだ連絡先ももらえないらしいが」
伊吹は肩をすくめる。顔に出すつもりはなかったのに、うかつだった。それに他人を感情で評価するのは危険なことだ。
「べつに、そんなことは思っていないさ」
「蓮がいるおまえにはぴんとこないかもしれないが、ベータもそれなりに大変なんだぜ? 恋愛は自由っていっても、アルファはオメガを独占しようとするだろ? あ、ついでだから徹に紹介――」
タイミングよくスマホが鳴った。社用の電話だ。伊吹は手をあげて武流をさえぎり、友人のベータに会釈してギャラリーの外へ出た。しかしかかってきたのはただの営業電話で、不動産投資をしつこく勧めるセールスマンを断ったあとは、ギャラリーに戻る気分ではなくなっていた。
あのベータが七星をどう思っていようが、それは七星の問題であって、伊吹には関係がない。アルファだからといって、つがいではない――その可能性のない――オメガを独占することはできない。
そうは思っても、去りぎわにみたベータの男の目つきはどうも気に入らなかった。その理由をいちいち考えるのも腹立たしい。
〈ユーヤ〉の横手の路地は不健康に点滅する蛍光灯に照らされている。コインパーキングは反対方向だが、伊吹は路地を通り抜け、樹木に囲まれた神社の方へ歩いた。境内を横切るあいだ、首筋やこめかみに不快な汗がにじみはじめる。晴れた夜空に星はみえない。
神社の裏は小さな公園に通じている。境内の隅には楠の巨木が立ち、街灯がオレンジ色の光を投げていた。伊吹の苛立ちはいっこうに薄れなかった。犬のように吠えたてることができたらいい、と思った。きっと、暑さのせいだ。
暗がりの中、もりあがった木の根に靴先がひっかかった。伊吹は舌打ちし、反射的に足をふりあげ、巨木の幹を蹴りつけた。ひたいから滴った汗が目にしみる。
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