キリトリ世界の住人

ひいらぎ ゆい

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#.6 ついにてにする…

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#.6 ついに手にする…

『すごーーーい!今日は台風くるんじゃない!!やれば、出来るじゃないの!ヨシヨシ』
『ガキじゃねーんだから、頭なでんなって!』
『なによ、照れちゃってw』
『ホント!!何年振りなんだろ!ねー望結、覚えてないくらいだよねw』
な、なんだ!この、お祭り騒ぎは!!俺が、まともに起きたくれーでよ。まぁ仕方ないかw
俺ですら、何年振りに遅刻しねーで、学校に行くのか覚えてないもんなw

『南朋、今日は3人で学校行こうよ。ねぇ望結、そう思わない』
『それはマズイ、お前ら先に学校に行ってくれよ。何かとめんどーだから』
『なーんだ、わかった。でも、遅刻はないだからね!じゃ、美香いこーよ』
なんで、女ってのは、こんなにもうるせーんだ。朝くれーは静かにできないのかよw
『じゃー、みんな仕事行ってくるねー。アンタ達も学校頑張って!』

『おっ、南朋!俺はれしいーぞ。お前が遅刻しない日をみれるのが!』
そ、そ、そんなに!喜んでいいのか…、朝から、てれくせーw。気分は悪くねーがw
『なんだよ、ノッチ、俺も、やれば出来るんだって!』
『その、ノッチはやめろ!何度言ったら分かるんだ、お前は!でも、今日は許すぞw』
たまには、遅刻しねーのも悪くねーな。こんな、気分が良いのも久々だし。
でも、ねむーーいw。よりによって、1時間目は英語じゃねーか。早く終わってくれーw

『はい、今日は遅刻しなかった記念!ご褒美のコロッケなのだー!授業中は寝てたけどw』
『お、珍しいじゃーねか、お前がおごってくれるなんて。サンキューな』
美香も、ずいぶんと、らしくなってきたし。まだ時間は掛かるが、なんとかしなきゃな!
はえーとこ、ウッチーに連絡とって、動くか!

“俺だけど、覚悟決めたしよ。俺に時間を操る能力を教えてほしい!あ、そうそう今日は
遅刻しねーで、学校頑張ってるw。連絡まってるから”

それにしても、いったいどんな方法なんだ…、全く見当もつかねーな。ウッチーの話しでも
イマイチ、ピンとこなかったし。何か、与えられる物では無いのは分かるけど…
精神を鍛錬するとかw。それだと俺にとっては、過酷かもw。まぁ、覚悟決めたし!
そろそろ、本気だすかw。俺の潜在能力を開放する時が来たって事だしな!
でも…、厳しいのはなぁ~、出来る限り避けて今まで生きてきたからw。めんどくせーーw
ダメダメ!この思考をまずは、なくさねーといけーね!!
“南朋くん、偉いぞw。学校頑張ってんだ!それも大事な要素の一つなんだ!詳しくは
会って話すけど、今日の学校終わりに、以前の場所で。どうかな?“

“なるほどね、なんとなく分かるような。オッケー、なら17時くらい例の場所で”
やっぱ、精神の鍛練じゃねーかw。今までダルダルの俺が出来んのか…。多少は不安な…
いや、俺は出来る!そう自分を信じる事からかもしれねーし、まぁ、基本ポジティブだし!
そして、楽観的だしw。何とかなるだろー。って、今までも何とかなってきたしなw。
まるで映画【ベスト・キッド】の世界観かも。そうなると、ウッチーがジャッキーw
ちょい、違うようなw。そして俺は、ジェイデン・スミスw。ドレッドではねーがw
そう考えると、楽しそうな予感が!

『南朋くん、お疲れ。どう、遅刻しないで学校にいった感想は?眠かっただろw』
『その通り!めちゃ、眠い!まぁ、でも新鮮な気分になれた。でも、ちょっと寝たけどw』
『その気持ちに気付いてるんだったら、オッケー。その意気だ!南朋くんなら、必ず出来る』
『だろ、俺はやれば出来るんだって!何でも、きやがれーっての!アチョーw』
『そうそう!気合十分なようだね!でも、調子に乗り過ぎないよーにwアチョーって何?』
『あ、ベスト・キッドって映画知ってる?そんな感じかなって思って』
『知ってるよ!南朋くんの世代だと、ジャッキー版かな。じゃ、僕がジャッキーって事だね』
『え、ベスト・キッドって他にもあんの?知らねーな、まぁ、そんな感じかなw』
『そう、あの映画はリメイク版なんだ。内容は一緒だけどね。だね、そんな要素もありかな』
『そんなイメージトレーニングも大切なのは確かだからね』
『とにかく、この能力は自身の精神状態を俯瞰視することから始めないといかねいからね』
『じゃ、早速行こうか、車に乗って。家には遅くなる連絡しといたかな?』
『大丈夫!ちゃんと、連絡しといたから、問題ないと思う』
『じゃ、安心だ!でも、当面は行動を共にするし、怪しまれないよう考えてるから』
『時には、泊まり込みも必要にはなってくるからね。でも、日常は崩さずにだけど』

泊まり込みー!合宿じゃねーか!マジでベスト・キッドかよw。
そこまでしねーと、いけねーって事!燃えてきたーー!でも、調子乗り過ぎるともたねーな。
望結だけには、ホントの事言っとくか。心配したら困るし。でも、沙紀に説明するのは…
そこは、ウッチーが何か理由付けを考えてくれてると思うし、任せよっと。
なんせ、俺が能力を手にするまでは、この情報は絶対に漏らしたらいけねーしな。
つーことは、そんなに時間もかけれねーし、美香の事を想うと…
能力を手にしても、アイツの想いが一番!それは、譲れねーし!能力がムダになろうが!
でも、アイツも親父さんが自殺する訳ねーって事は分かってるし、それは望結も同じく。
とにかく、俺に課せられた使命は大きいって事だな!
ウッチーの家に着き、晩飯を食って、能力を手にする方法、使用する心構えなどを
ウッチーが話しだす。それは、俺が想像してた事とは全く違っていたが、これまでの
俺の思考や、価値観、大げさに言えば人生観さえも変える必要さえあると感じた。
正直、話しだけでは実感が伴わないのは、以前と変わらず…
とにかく、身体で覚えるしかないな!俺は、これまで何事も最後までやり遂げた事がない…
小学校で習った、スイミングもたった3日しかいかねーで辞めたしw
いつも、最初はやる気あるんだけどなーw、忍耐力が足りねーんだ。それは分かってる!
美香の為でもあるけど、俺の為でもあるかな!それ込みで、最後までやり遂げてーー!

『南朋くん、もういい時間だし、家まで送っていくよ。お母さんとも話ししたいしね』
『わかった。沙紀と話すのはいいけどよー、余計な事は言わねーでほしいなw』
『オッケー、大丈夫だって。間違ってもカレーの事は言わないから安心してw』
ウッチーの人間性が、イマイチ分かんねー時があるw。真顔で言われれるとな・・・

『沙紀―、ちょといい。話しあんだけど』
『南朋、おそーい!どこ、ほっつき歩いてたの!言ってた時間かなり過ぎてんだけど』
『えーと、南朋、どちらさん?』
『夜分遅くに申し訳ありません。私、以前に南朋くんに道端で助けて頂いて』
そこから、ウッチーの熱弁が始まりw。に、してもスラスラとドラマみたいなセリフを…
『まぁ、そんな事があったとは一言も知りませんでした。南朋も全く言わないもんですから』
沙紀も、よそ行きの声になりあがってw。な、なんなんだ、この子芝居はw耐えられねーw

ウッチーの説明によると、俺が、道端で気分が悪いウッチーを発見し、病院へ付いて行った
との事で、持病があるウッチーにとって、あの時、俺がいなかったら、どうなっていたか…
要するに、俺はウッチーの命の恩人だといった設定らしい。
そこから、俺にお礼をしたいと思って、夕食を食べた時に意気投合するといった経緯だ。
話しの中で、俺が学校をサボり気味で、勉強が追いついてない事を知り。学習塾の講師だと
いうウッチーは、俺の力になりたいと思ったらしい。
まぁ、そこは残念ながら、真実なんだけど…
そこで、もう直ぐ始まる学期末テストに向けての対策をし、俺の役に立ちたいと考えている
ようで、テスト間地かになれば、泊まり込みも考えていると、沙紀に了解を得たいらしい。
いつの間に作ったのか、実際にある学習塾の名前と、ウッチーの名前が書かれてある名刺
まで用意している、周到な準備の良さw。ス、スパイかよってw。
まぁ、いくら何でも、夜に急に来られ、そんな説明されても、沙紀も納得できねーよな…
『そこまで南朋の事を…、是非、宜しくお願い致します。南朋!アンタも頭下げない』
え、そ、即答かよ!俺っていったい…、しかも頭まで下げるなんてww
『勝手な申し出なのに、快く受けて頂けて有難うございます』
『そんな、頭上げて下さい。費用などは、どうさせてもらえばいいですか?』
『いえ、そんなお金なんて、私の南朋くんへの恩返しですので』
『な、なんてお礼を申せば…、それじゃ、お言葉に甘えて』
契約成立してんじゃねーかw。流石、ウッチーのトーク技術!これも特殊能力なのではw

『南朋!アンタ良かったじゃない!こんな有名な進学塾の講師の人と知り合いになって』
『しかも、タダなんて!ここの塾は高いし、アンタもエリートコースに乗れるね!』
えーと、完全に信じ込んでるしw。しかも、この塾ってハードル高過ぎじゃねーw
つーことは、マジでが学年1番くれーの点数取らないと…
俺だけじゃなくて、ウッチーもヤベーんじゃねーかw。ストイックすぎんじゃねー!
『ねー、美香ちゃん。ビックリだよね。南朋が秀才に…、考えられる!』
『沙紀さん、私もマジに気合い入れないと、南朋に負けるかもーー!』
『ねー、望結!南朋に負けるのだけはねーー!絶対に嫌だーーー!』
『美香、それね!こうなったら、私たちも気合い入れて頑張らないとだね!』
『私も、2人の協力するから!南朋にだけは、負けないでーーー!』
これは、、、どういった状況w。方向性が…w。さっきまでの気合いが薄れていくような…

人間って、そう簡単には変わらないんも現実。翌日はギリで学校に間に合った。
ギリとはいえ、確実に進歩してんじゃねーw。って自分を褒める俺w。2日連続の快挙に
学校中から、お祝いムードw。まぁ、気分悪くねーが、遅刻魔って称号を失うのもなww
でも、相変わらず勉強には付いていけねー、こればっかは、俺だけの力では…
ウッチーーー!何とかしてくれーーーー!授業聞いてんだけど、一切わかんねーーww!
この状況で、学年トップに入れるの…、想像つかねーんだけどw

『南朋、頑張ってんじゃん!えらい・えらい。その調子だぞー!私も負けてられないな』
『な、お前、俺は小学生かってww。睡魔との闘いがどんなけつれーかw』
『それでも、えらい!望結とも言ってんだよ。南朋、変わったってね。テスト楽しみw』
『た、頼む!その言葉は、当面ききたくねー。俺の前ではタブーだから、ヨロシクw』
『はい、はーーい。未来の学年トップさーーーんw。んじゃ、またね』

あ、アイツら!完全にネタにされてる…。このままでは、マジでヤベーなw
睡魔と闘ってるではねーかもw。そもそも、ウッチーは頭いいのかよw。たのむーーw
テストまでは、まだ1か月程あるけど、それまでに勉強できる気がしない…
でも、美香や望結が平常を取り戻してくれりゃー、それでいいんだけど。
どちらかと言えば、今は俺の方がアニクッてるような…、ウッチー様―、おねがーいw
“おはよう、南朋くん。どう調子は?昨日は突然ゴメンな。でも、南朋くんのお母さんと
話してみて良かった。思ってた通りの人だったな。南朋くんのお母さんって感じで。
あ、話し変わるけど、今日も学校終わりに、何時もの場所で待ってるから”

早速、修行開始ってわけね。よーし、気合い入れっか!でも、俺って沙紀似なのか…w

“ウッチー、おはよ。了解!まぁ、一応頑張ってまーす。でも、勉強は全く付いていけねー
とりあえず、遅刻魔という称号は失いつつあるけどw”

『おまたせー、学校お疲れさん。遅刻しないで登校できてるのは偉いぞ!まずは進歩だね』
『ウッチーまで、子供扱いかよw俺は、やれば出来るつーのw』
『そうそう!やれば、何でも出来るから、自分を信じる事が、まずは大事だから!』
『じゃ、早速いこうか!これからが、本番だぞ!僕も、気合い入れなきゃね』

車でウッチーの家に着き、今まで行ったことのない部屋に通される。6畳くらいの部屋で
窓一つない、密閉された空間。テレビは勿論、薄暗い間接照明がポツンと置いてるだけの
言い方を変えると、監獄みたいな部屋だ。ただ、テーブルがあり、その上に円形型の鏡が
置かれてあった。まさしく、絵にかいたような修行部屋って感じ。

『以前、登山の話しをいたよね。あの時点で、僕は無意識の内に時間を操れたんだ』
『その後、意識的に能力を使おうとしても、全く使えなかった。方法が分からなかったんだ』
『そして、人間の脳に関する色んな資料をかき集め、たどり着いたのが、この部屋なんだ』

ウッチーは、この部屋で登山当日の事を、忠実に想い振り返っていたそうだ。目を閉じて
1時間程、毎日繰り返しては、その瞑想のような事をしていく。数日続けていくうちに
な、なんとウッチーは、鏡の中から自分の姿を見ることが出来たのだと。その現象は一瞬
だったが、その後も、同じ行動を決まった時間に行う事で、次は、鏡の中での景色が、登山
当日の景色になり、その数日後には、その空間での行動が自由に出来る程までになったそう。
それを、繰り返し行う事で、最終的には、自分の意志で時間を操れたと。

ただ、疑問に残るのが2分だけといった、時間の区切り。そして、2分といった時間を
結果的に連続して操る事で、数日間といった時間をも操れる事実がある。自分でも考え
ていて、今の説明や、ウッチーが参考にした、人間の脳に関する資料などを見ても
どうしても理解できない。もしかしたら、理解すら必要ないのかもとは思うが…
テレビなどで、化学や医学では説明の付かない事は山ほどあるのは知っている。
この現象も、その一つなのかも知れないけど…
『だよな、南朋くんが言いたいことは良く分かるよ、僕も上手く説明できないけどね』
『ただ、“2分”この区切りは、恐らく、僕が息を止めていた時間の限界なのかも…』
『この区切りは、人によって誤差があるとは思う。南朋くんだったら違うのかも』
『それと、連続性だけど、これも体力、精神力で変わってくるんだと思う』
『て、事は俺が仮に、3分息を止め集中力や、精神力を保てば、可能性は無限大って事!』
『そう!南朋くんは、僕より若いしね。体力は勿論、精神力も未知数って事なんだ』
『なるほどー、それは俺のほうが有利かも!体力には自信はあるから!』
『そうゆーことだ!どう、やる気になってきただろ!僕は、南朋くんに期待してるよ!』
『任しとけって!俺は、誰も想像してない域まで到達してやるぞーーw。ってねw。』

とは、言ったものの果たして…
まぁ、やってみない事には分からねーが。振り上げた拳を下せねーしw。
早くじねーと、事件当日から、どんどんと時間が経過していく一方だし。流石に数か月は…
でも、ウッチーのいう、可能性は無限大って言葉は、俺の心に突き刺さったぜ!
俺に、期待してくれてるウッチーに応える為、美香や望結の為にもな。やるしかねーか!
何よりも、俺自身の可能性を信じて!

『ところで、ウッチーは勉強できる方なんかな?まぁ、俺よりは頭良いのはたしかだけどw』
『大丈夫!僕は〇〇大卒だし。そこは、安心してくれていい。僕のプライドに懸けて誓う!』
『え、〇〇大って!!!マジ!!あの、〇〇大!それは、最強すぎるって!』
マジか!!〇〇大って、日本でも5本の指に入るくれーだぞ!学年トップ決定じゃ!
後は、俺のやる気次第ってことだな!なんか、よけーにプレッシャーが掛かってきたw

『南朋くん、勉強なんてダラダラ何時間もしても意味ないからね。プランは立てといたから』
『え、既に、そこまで計画的に!しかも、めちゃ、細かいしw。流石、○○大卒』
『でも、1日トータルで3時間程度しかねーけど…、それでいけんのかよw』
『大丈夫だって!僕の大学受験も、このプランで一発合格だったからね』

す、スゲーの一言しか…。じゃ、8時間や9時間もしてる奴らの、残り6時間くれーは何w
それでも、そこまでスゲー点数取ってる訳でもねーしw
祐樹のバカなんて、一回、徹夜でテスト勉強したって自慢しても、平均より下だったしw
まぁ、アイツの場合は、恐らくほぼゲームしてたんだろーなw
昔から、よく言う【寝る子は育つ】は、まんざら嘘ではねーかも。俺は寝すぎかもだけどw
しかし、たった3時間ほどの勉強時間で、あの大学に一発合格なんて、ホントなのか!?
桁外れの集中力が必要になってくるのは確かだな!
ますます、気合い入れねーと!マジで、とんでもねー事になるぞ!下手すりゃ、破門だなw。
『早速だけど、南朋くん、何でもいいから、過去の出来事を振り返ってほしいんだ』
『それと、出来る限り、その時に抱いた感情に近づけて欲しいんだ』
『うーーん、難しいけど…、とにかくチャレンジしてみるよ!』

早速、修行開始ってか!しかし、この閉塞感は慣れねーとキツイなw
うーーん、そうだな。俺が一番ピンチだったのは…
あ、確か小学校1年生の時かな…、公園のジャングルジムから、出れなかった時!
今思えば、どーって事ないんだけど…。当時は恐怖で、頭真っ白だったようなw
その姿を見て、沙紀は笑っていやがったしw。俺にしたら、ジャングルジムで
遊ぼうとした事さえも後悔した記憶が、鮮明に残っている。今でも少しトラウマかもw

俺は、目を瞑り当時の状況を克明に蘇らせる事に集中した。薄暗く、雑音すらも遮断され
当時の事に集中すると、不思議と頭の中に映像が蘇ってくる感覚になるのを覚え、同時に
楽しさや孤独感から、恐怖と孤独へ落される感情の変化も、じわじわと感じていく事を覚え
目を開けてしまった。

『どうだ、南朋くん。今で10分くらいかな。瞑想してみての感想は?』

ドアをノックして、ウッチーが入ってきた。俺の限界を見透かしたように。
『え、たった10分なのか!俺の中では、てっきり1時間以上は経っていると思って…』
『まぁ、そんな感じでいいんじゃないかな。僕も、そうだったしね』
『これを毎日、繰り返し行う事が大切なんだ。そうする事で、新たな発見が出来る!』
『ウッチーは、いつも曖昧なんだよなー。自分で考えろってかw』
『そうだ!僕は、やり方だけを教えるけど、答えを出すのは南朋くん自身だから』
『さぁ、少し休憩して、次はテスト対策だぞ!休んでる暇はなーい!』
『スパルタかよw。気合い入れていきまーーす!』

こうして、修行初日は、何とか終わった。正直、ヘトヘト…、特にテスト対策はw。
晩飯も、いつもよりは食欲がなかったような。まぁ、久々に充実した1日を過ごしたけど。
ウッチーの車で帰る途中は、爆睡し、目が覚めると家に着いていた。

『あら、先生。有難うございます。南朋はマジメにやってました?』
『こちらこそ、遅くなりまして。初日なのもあってか、疲れたのかと』
沙紀と、ウッチーのやり取りに笑いを堪えるのが必至だw
絡まらないよう、眠たいフリして逃げるのみw。
ウッチーに、目線で合図だけ送り、とっとと自分の部屋へ避難する。
『な、南朋!珍しく、起きてんのね!今日は雪が降るかもw』
『そうだ!アンタ、先生に挨拶もなしで!話し上手だし、ホントいい人だね』
この感じだと、ウッチーも相当絡まれたんだろーなw。気の毒に…w。

昨日、良く寝たせいか、目覚めバッチリじゃねーか。
『おう、美香!望結!おはよーー。お前らも、テスト勉強頑張ってしろよー!』
『なにーー!1日やっただけで、すぐに調子にのるーーw。いつまで続くのか、ねー望結』
『ほーんと!せ・め・て・3日は続けてねーーww。美香―、早く学校いこー』
『う、うるせーー!早く学校いけよー!』
あー、余計な事話すんじゃなかった…、いらぬストレスを自ら与えるとはww。
俺も、さっさと朝飯くって、学校行くかー!今日も、気合い入れねーとなw。

『南朋!お前、どっかで頭打ったのかw、えらいじゃないか、見直したぞ!』
『な、なにー!あたりめーだろ!俺は、やれば出来んだよ、ノッチさんw』
『あー、そうだったたな、いつまで続くのやら、楽しみが増えて良かったぞw』
どいつもこいつも…、言わしておけばいいかw。俺でさ、未だに自覚ねーしなw。
それより、早く、つまんねー授業おわんねーかな。俺は忙しんだって!
昨日、爆睡したせいか全く眠気がこねーぞ!これは、これで厄介だw。
時間経つのが、めちゃ遅いw。いつも眠ってたから、気空かなかったけど、皆マジメw。
一部を除いてだけどw、祐樹のバカは、相変わらずマンガばっか見てあがるしw。
お、俺はどうすりゃいいんだ!普通に授業うけりゃーいいんだけど…、できねーーってw。

ふぅ~、何とか乗り切った!あと、これが5時限あるのか!耐えられねーかもw。
これだったら、風邪ひいて休んで、朝からウッチーの家に修行に行った方がマシだなw。
それの方が、早く能力も手にれられるし、おまけにテスト対策もバッチリだと…
さっきの数学も、今までなーんも頭に入らなかったけど、すこーし、分かるような気が…
たった1日、しかも数時間で!やっぱ○○大卒は違うな!それとも、俺が賢いのかもねw
とにかく、自分でも意識して、あまり調子にのらすに、このペースを乱す訳には!

『南朋くん、お疲れさん!学校はどうだった?なんか変わった事あったかな?』
『うーん、そうだな。1日だから、何とも…、でも、数学の授業がすこーしわかるような』
『ホントに!!それは良かった!集中力がアップしたのと、睡眠の効果が現れてる証拠だ』

確かに、睡眠ってのは大切なのかも。今日の授業内容も薄っすらと覚えている!

『じゃ、今日も訓練開始と行こうか!』
昨日と同じように、俺は過去の記憶と向き合う。心なしか、昨日よりも早く過去に行ける
様な気がし、ジャングルジムに行くまでの経緯が薄っすらではあるが、ぼやけて見える。
昨日までの、切り取った記憶だけではなく、点が線に結びつくような感覚…

何故、沙紀とあの日、あの時間に公園に行ったのか、そして、何故、ジャングルジムを
選んだのか…。俺の頭にある断片的な記憶に、ストーリー性を持たせるかのように。
このストーリーが完成し、俺がその空間を自由に操る事が出来れば、ジャングルジムに
行く事もなく、恐怖心も味わう事さえもなかったのか!

それ以上を探るように、頑張りはしたけど、頭が限界に達する感覚を覚え、身体が熱くなり
目を開ける。息がれているのに気づく。無意識の内に相当な精神力を使ったんだろう…
100mダッシュをした後と同じ感覚だ。まぁ、最近100mダッシュなんていてないけどw
これは、体力強化も必須だな!今まで、相当ぐーたらしてたって事が分かるw

『南朋くん、今日は相当疲れたみたいだね!あまり無理せずに、頑張って!』
『確実に、進歩はしている感じだから、その調子だ!ファイトー!』
『まぁ、自分なりのペースとか、課題など、すこーしは見えてきたんかなって感じ』
『だな!昨日よりも、集中している時間も伸びてはいるし、ほんの少しだけどw』

俺の中では、昨日の倍は集中したと感じていたけど…、実際は、たった5分なのか…
でも、時間ってよりも、質は確実に上がっているとは思うんだけど…。
まぁ、まだ2日目だし、焦る事もなーかなw。

『少し休憩したら、昨日の続きだからね!今日は、パスタの作り方も教えるから』
な、なんかスパルタ度が、日に日に増して行くような…、料理教室も追加かよww。

2日目とはいえ、何という充実感!正直、2日目にしてリタイアしてーがw。
大口叩いたのもあるし…、このままリタイアすると、悲惨な現実は避けれねーw。
何より、俺自身が、そんな嫌じゃねーし、俺も変わるキッカケになるっては思う。

美香の件が発端で始まったけど、俺自身の問題でもあるしな。結果がどうであれ。
おまけに、頭まで良くなるってのは、一石二鳥だしw。大学も夢じゃねーかもw。

『南朋くん、そろそろテスト対策するぞー!こっちも、頑張ってもらわないとな!』
『オッケーでーす、ウッチー先生!』
『お!!その勢だー!僕も、ギア上げて行くかーw』
その後も、ウッチーと共に、連日のように同じ生活習慣を送る事になる。
学校では、俺の遅刻魔ってレッテルなど、忘れ去られ。ちょっと寂しいけどw
沙紀も、俺に対して、あまり口うるさく無くなってきたような。これはラッキーw。
休みの会う日は、美香や望結とショッピングにいくなどしてあがるしw。
まぁ、楽しんでそうだから、いいんだけど…、たまには、俺にも何かご褒美がほしいw。

あの事件がなかったかの様な日常になりつつある。

家でも、学校でも、その件には触れない。敢えてなのか…
クラスの奴らはともかく、美香含め、俺らは忘れる訳がねーのは当然だ!
そのため、連日のようにウッチーと修行をしてんだから!最近は、鬼のウッチーだけどw
そのお陰もあってか、俺の潜在的な能力も開花している実感を持てるようになった。

今日も、相変わらずのルーティーン!
でも、今日は何かが違った!いつものように、瞑想しているが、俺は明らか意識的に
鏡に映る、幼い俺の時代に入り込んでいる事が分かった!
そして、その空間を自由に動けるまでに!そして、それまでの経緯までも明確に!

『南朋くん、能力を手にしたね!こんな短期間で、ここまでとは。やっぱ君は素質がいいよ』
『後は、南朋くん次第だ!その記憶を曲げるのも、そのままにしておくのも』

この、ウッチーの意味深な言葉に隠された事に、俺は気付かされる…

そして、この能力を手にしたことにより、俺の人生観までもが左右される事に。

映画や、マンガなどで知ってはいるけど、実際に自分が能力を操る事に対して
背負う責任や、重圧に、俺は立ち向かって行かなければならない!

ともかく、今は能力を手にした事に、ワクワクしかねーけどw。
誰かに言いてーーーーーー!!!

言える訳がねーけどww。
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本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

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