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#.7 能力を手にする意味・・・

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能力を手にする意味・・・

次の日、俺はウッチーにある提案をした。それは、実験的な物かも知れないが…
でも、どうしても確かめたかった!現実と、非現実に直面したからこそかも。
これが、ウッチーの言う、葛藤なのか。そうであれば、その葛藤を自ら払拭しないと。

『過去を曲げた現実、そのままの現実に、どれだけ差があるか、確かめてーんだ』

『南朋くんの言いたい事は分かる。僕も、同じ気持ちだった頃はあったから』
『でも、どちらにせよ、最終は自分で判断する事。そして、正解はないって事は事実だから』
『能力を手にした者しか分からない葛藤だよ。どちらにせよ、自分を追い込むのはダメだぞ』

つい、1週間前だと、このウッチーが言った言葉の意味なんか、わかんなかったけど…
今になれば、はっきりと理解できる。それから、これは俺だけの問題でもねーし。
半端な事はできねーー!とんでもなく、重たい荷物を背負わされたって感じだけどw。
やるしかねーか!これも、美香や望結、そして、美香の親父さんの為だな!
いや、俺の為でもあるのか!って、もう十分に成長したって感じだけどなw。

まずは、俺があの日に、ジャングルジムへ行かないと、果たしてどうなるのか…
単純に、あの恐怖感は味わねーで済むけどw。それにより、今の俺に変化があるのか?
そして、それは、ちょっとした歴史を変える事になる!って、大袈裟化もしんねーけどw。
少なからず、多少の影響はあるとは思うが…、まぁ、沙紀はなーんもかわんねーだろなw。

『じゃ、早速、やるっきゃないか、ウッチー、始めるから、危険だと感じたらとめてw』
『分かった。南朋くん、能力を手にしたといっても、あまり調子にのるなよ!』
『わかってるって、俺も、自分の限界を知りてーしな!でも、見守りはおねがーいw』

俺は、いつもの部屋で、瞑想に入る。いつもより、時間は掛からずに、過去の記憶へと
そこには、幼い俺の姿が映る。え、俺って、こんな感じだったけw、少し、懐かしさと
面白さが、入り乱れる。沙紀の姿を探すが、見当たらない。とにかく、家中を探すと同時に
幼し頃の俺が、どんな行動をしていたのかを、観察する事にした。

そこで、俺が目撃したのは、部屋の片隅で、うずくまって泣いている俺の姿だった。
何故、泣いているのか?理由は不明だか、体育座りをし、一人ポツンといる俺。
正直、ショックを受けた!今の、俺とは全く別の俺だったから…
“なにやってんだーーーー、しっかりしろよ!お前、男だろ!”と言いてーが…
それよりも、沙紀の姿が見当たらねー!うん、まてよ、そっか、仕事中かぁ~。
そりゃ、どこ探しても、見当たる訳ねーなw。なるほど、それで、しょぼくれてたんだな。
えーと、時間はと、ちょうど18時になり掛けだった。つーことは、そろそろ、帰ってくる。
といっても、軽く15分以上は掛かるはず、それまで、ずっと、あの状況でまってんのw

確か、この日は、沙紀が帰ってくるなり、一緒に、お菓子を買いに行こうと言われたような。
それで、お菓子を買った帰りに、公園によったような…、お菓子に釣られるオレww。
って、いてる場合じゃねーな。何とか、お菓子を買わねーで済む方法を…
いや、そうじゃねーかも。俺は、沙紀が親父と別れてから、寂しくて、ちょい引きこもりに
なっていたんだ。それを、少しでも紛らわそうと、公園に連れていかれたんだ。
直に、公園へ行こうと誘っても、行かねーのは分かってるし、だから、お菓を餌にしたんだ。
つーことは、お菓子屋に先回りしても、意味がねーってことだ!なら、やれることは一つ
ちょっい、やり過ぎかもしんねーけど、ジャングルジムを、ぶっ壊すかww。

あのジャングルジムは、かなり古かったような…、ギーギー音するし、錆びまくってるしw
そうと決まれば、公園へ急がねーと!ぶっ壊すといっても、そう簡単な訳ねーしなww。
考えるより、行動あるのみ!しょぼくれたオレ、感謝しろよ!恐怖を味わう事なーからな!

俺ん家から、公園までは、歩いても5分も掛からねーけど、壊す時間もあるしな…
それに、流石に、素手ではキツイw。なんか、道具ないんかよ???
あ、チェーンソーがあったような。なんで、そんな物騒な物があるのかww。
そんな事より、早く探して行かねーと、間にあわねーw。えーと、確か?倉庫だったと…

この辺りだと思うんだけどな…、お、あれだ!え、思ってるよりデカw。本式じゃねーかw。
どこぞの、殺人魔かよww。普通に振り回してたら、即逮捕されるレベルww。
ま、誰にも見えねーし、やるしかねーな。使った事ねーが、何とかなるだろ!
つーか、結構おもてーしww。だから、沙紀は、バカ力が半端ねーのか!!!

マジで、おもてーー!久々に、おもてー物持つから、余計なのか、ただの運動不足だなww。
ふぅ~~、何とか、公園まで持ってこれたぜw。ヤバイ、時間ねーww。そうすんだこれw
うーん、確か、エンジン回すみたいに、おもいっきり引き金をっと。

ブぉーーーーん!出来んじゃねーか俺!よーし、ぶっ壊か~~!あの、サビサビ部分から
責めていくか!ヤベ、集中しねーと、身体ごと倒れる!マジでw。
でも、この爆音は、過去では聞こえねーんだなw。ちょうど、今は誰も遊んでねーし。
さぁ、ぶっ壊すぞ!俺の過去と、俺のひ弱な心を!!
なんだ、これ!以外にあっという間に、折れたけどww。どんなけ古いんだってw。
定期的に、管理してるんじゃねーのかよw。下手したら、知らないで遊んでたら…
怪我するレベルじゃねーかw。あ、そうか!だから、それを先に、察して!
沙紀は、俺をジャングルジムの中央に入れたのか!そしたら、辻褄が合うな!

まぁ、なんにせよ、これで俺はジャングルジムに、乗らねーで済むな!そろそろ、来るな!
流石に、沙紀もこの状況で、ジャングルジムに行かせねーだろww。行かせるかもww。
でも、これ以上は、何も出来ねーしな!その時は、その時で、仕方ねーかw。
後は、見守るしかねーし。少なくとも、あのジャングルジムは、問題になるはすだし。

早速、ガキ達が公園に集まってきあがった。さぁ、どうすっかな?流石に、行かねーだろ。
それにしても、ガキ達の体力って、無限かよw。どんなけ走るんだw。
流石に、ジャングルジムは避けてあがるな。お前ら、いい判断してんじゃねーか。
俺が、ぶっ壊さなかったら、怪我するとこだぞ!俺様に感謝しなさーーいww。

そ、そうか!これも、多少なりとも、誰かの歴史を動かしたって事になるんだな。
あ、あのガキ泣いてるじゃねーか、恐らく、ジャングルジムで遊びたかったんだろな。
ちょい、わりー事したかも知れねーけど、怪我するよりはマシだろ!点検してない奴に苦情
殺到だろうなw。

そろそろ、沙紀と、お菓子を持った俺が現れても…、って、向かって来てんじゃねーか。
さっきの表情はなんだったんだよww。完全に、お菓子にやられたなww。
飛び跳ねてんじゃねーかw。まぁ、元気な表情を見れて、ちょっと、一安心したけどw。
それよりも、沙紀が、今よりもパワフルじゃねーか!ま、そんな変わってないかw。

さ、この先どうすっか、これは見物!当然、あの状況を見れば、ジャングルジムには…
その、当然が…、沙紀には通用しねーことがあるからなw。良い方向に行けばいいけどw
たまーに、勢い余って、空回りする事あるしw。そうなると。手がつけれねーし!
ま、どちらにせよ、楽しみな瞬間で、俺には、見守る事しか出来ねーしw。

公園内に入ったぞ、まずは、ブランコからか。相変わらず、声がでけーなw。騒音レベルw
わりと、楽しんでるじゃねーかw。なんだ??この変な気持ちはw、子供を見守る親かよw
つーか、自分でブランコくらい、こげってw。体力ないヤローだなw。オレだけどww。

そろそろ、ブランコも飽きたんかなw、ちょっと、泣き出しそうだぞ!ひ弱なオレww。
さぁ、次は何で遊ぶ??流石に、ジャングルジムには…、って、向かって行ってるしww。
ぶっ壊れてるんが、まだわかんねーのかな!近くに行けば気付くだろww
え、気づかねーのかよww。それ以前に、見てねーしww。これはやべーぞ!!!
おーーい、沙紀!早く気づけって!!このままだと、マジで怪我するって!!

沙紀は?どこだ??って、ベンチに座ってタバコ吸ってる場合じゃねーーー!
早く、気づいてあげてーーーーー!マジで、怪我するって!笑い事じゃ、すまねーーて!
つーか、幾つか想定していたレベルを、はるかに超えて来てるしw。笑いごとじゃねーし!

言ってるまに、ジャングルジムに付いてるって!もう、俺に頼るしかねーなww。頼む!!
気付けーって、俺!ダメだ、全く気づきてねーなw。今も、昔も、そこは変わんねーなww
なんて、のん気に見物してる場合じゃなーな!何とかして、止めねーと!マジで怪我する!

でも、どうやって、知らせりゃいいのか???思いつかねーー!考えろーーー!!!
俺の為に、俺を守る為にも、ない頭をフル回転させて!
仕方ねーか、ちょい過激なやり方だけど・・・。現実ですりゃ、確実に殺されるレベルw

親父から、よく教えて貰った事が、こんな場面で役に立つとはなw。感謝してるぜ、親父w
“パチンコ”っていうんだっけな、なんで、そんなネーミングになったのかはしらねーがw
なんせ、一度食らった事があったけど、クソ痛い!マジ、殺す気?って思ったくらいだし!

この当時の、ガキだったら、誰か必ずも持っているはず!あ、そうだ!さっきのガキなんか
お、ナイス!きっちり持ってあがんな!大事そうに、チャリンコの前かごに入れてる。
今は、遊びに夢中だし、ガキから取り上げんのも、気が引けるんだけど・・・。
ここは、心を鬼にして!ちょっと、借りるしかねーなw。

よし、狙いを定めてと、沙紀にはわりーが、これで、気づいてくれ~~~!

『痛ッ!ちょっと、誰なの~~~!!!ふざけるのにも、限度ってものが!!!』

お、一発で命中した!のは、いいけど・・・。キレ過ぎ~~~!そこじゃねーだろ!!
俺、オレに早く気づけって!!!

『ちょっと、もしかして、南朋~~~!私に、石をぶつけたのは!!』

え、なんでそうなる!!考えても、俺じゃねーて事くらい、わかんだろ!!バカだww
ま、理由はともかく、俺に気を向けてくれたって事は、成功したのかな?w。
『南朋~!!え、このジャングルジム壊れてる!!ゴメンね、早く気づいてあげれなくて』
『でも、南朋が無事で良かった。早く、家に帰って、ご飯いっぱい食べようね』
『それにしても、何よ!この、いい加減な!ちゃんと、点検してんの?苦情言ってやる!』

ハハッww、ま、沙紀らしいけど・・・。興奮し過ぎて、血圧上がるってww。
それより、これで俺は、ジャングルジムで味わった記憶が、無くなった事なのは確かで
それによって、俺以外の人が、どのような影響を受けるのかは、今の段階ではわからねーが
少なからずとも、何らかの変化はあるに違いない!

『な、南朋くん。今日は、ここまでにしとかいかな!恐らく、心身共に限界なのでは?』
『はッ!俺は、どんな感じだった、ウッチー?めちゃ、汗だくじゃねーか!!』
『初めから、ちょっとディープな所まで行くのは、僕の経験上からしても、危険だと思う』

そっか、俺的には、そんな感覚はないんだけど・・・。無意識の内に疲れがあるのか?
今は、特に何とも感じてはないけど、確かに、ウッチーの一言がなければ・・・
もしかすると、現実世界に戻れなくなっていたのかも知れない。
てことは、まだ俺は完璧に、能力を自分で、コントロールする事が出来ていないのかも。
ま、初めての経験だし、仕方ねーといえば、それまでだけどw
次回からは、気を付けねーとな。そして、めちゃ腹減ったしw。

『ウッチー、今日の晩飯は何?めちゃ、腹減って死にそーーーーww』
『クリームシチューにしよう思ってるんだ。だだし、今から一緒に手伝ってもらうけど』
『マジでー!俺も、一緒に作んのw。ウッチー、マジで言ってるなら、鬼なんだけどw』
『マジです。大マジですw。大丈夫だって、シチューなんて、案外簡単だからw』
『早く作って、食べないと、その後はテスト対策するからな。時間を大切にしないと』

言い方は、ソフトなんだけど、沙紀より厳しいじゃねーかw。
でも、今日の体験は無駄ではなかったな。自分の現在地も知れたし、能力はてにしたものの
まだ、コントロール出来てねーのが明らかに分かった。ウッチーの言うように、無意識に
疲れがあるのも確かだしな。さっきまでは、何ともなかったけど、今は頭がやたらと痛い。

この状況で、シチュー作りをさせ、更に、テスト対策までさせられるってのは・・・
言い方を変えれば、拷問なのではww。果たして、テスト勉強が頭にはいるのかww
なんか、晩飯食ったら、そっこーで、爆睡しそうな勢いだけどww。
ま、そん時は仕方ねーかなww。って、果たしてウッチーは許してくれんのかは、疑問w。

『いつも、いつも、ホントありがとうござます。先生のお陰で南朋がメキメキと』
『いえ、これも全て南朋くんの頑張りあってこそですよ!僕は、並走しているだけで』
『その、謙虚な姿勢も南朋が見習ってくれればと。南朋!ちゃんと、挨拶しなさい!』
『わかってるって!言われなくても、いつもしてるつーの!』

あー、かったりーな!この、一連で義務的な儀式みたいなのは、何とかなんねーのかよw
いっそのこと、ずっと泊りでもいいんだけどなw。

でも、多少なりとも、今日の俺が過去でした事によって、誰かしらに、何らかのズレがある
とは思うんだけど。まだ、実感としては感じられないけど・・・。必ずあるはず!
それは、俺の気持ちの面だけなのか?それとも、沙紀や、他の奴らにもなのか?

それにしても、あの状況で、テスト対策ができるのは、今までの俺では、あり得ない!
能力を手にした以前に、今の俺が少しづつでも変化していってる事は、確かだな。
それにしても、この数日で、俺にとったら、一生分の勉強をいているようなww。
いかに、今までぐーたらしていたのかw。自分でも、ちょっと情けねーなww。

『南朋、お疲れさん!どう、テスト対策は?南朋、最近ちょっと変わったよね』
『美香も思わない?なんか、やっと高校生になった感じw』
『もともと、高校生だってーのw。もっと、マシな褒めか方あんだろ!』
『ねー、望結。次は南朋に、何作ってもらう?あのカレー、マジで美味しかったしね』
『フッ、お前ら、ようやく俺様の実力に気付いたようだな!なんでもオッケーだぜ!』
『それじゃ、次はオムライスなんてどう?ふんわり卵のネ。デミグラスソースでw』
『さんせーーーい!オムライス、美香大好きだもんねー。沙紀さんは?オッケー?』
『勿論!!カレーの次は、オムライスねー。いいんじゃない。南朋、よろしくねー』

し、しまった・・・、ついつい、調子に乗るクセがw。しかも、オムライスってww。
ここは、普通シチューだろ!って、言える訳ねーしなw。ふんわり卵ってなんだよw。

『任せとけって!オムライスでも、何でも、作ってやるからよー』
ダメだ・・・w。ドツボだw。一度、振り上げた拳を下す訳にいかねーしなw。
こりゃ、またウッチーに教わるしかねーかなw。でも、まさか、オムライスとはww。
てっきり、シチューだと思っていた俺が、バカだった・・・。

『ま、楽しみにしといて!風呂入って、寝るわ。疲れたし』

『南朋、今日は、一段と学校に行くのはくない?何かあったの?』
『いや、特になんもねーけど、確認しとかねーといけない事があるからな』
『美香と沙紀には、まだ内緒でな。いつも、迷惑かけてすまねーな』
『それは、いいんだけど。南朋、あんまり無理だけはしないでね』
『サンキュー、望結。もう少し待ってくれ!必ず、詳細をはなすからよ』

あの公園が、どうなっているのか知りてーし、必ず、何か変化している事はあるはず!
そこに、気付けねーと、この能力を手にした意味がねーしな!
けど、あの公園に行くんは久々で、どこが変化しているのか・・・
とにかく、行ってみっかw。

うーん、当時とめちゃ変わっているなぁ~。果たして、ジャングルジムは??
あ、あるじゃねーか!しかも、割と新しいし!確か、中1くれーに遊んだ時は、サビついて
たような・・・。あれかあら、この公園に来た覚えないけど、そん時よりは、マシな気が!

少なくとも、色は塗り替えられてる形跡あるし。それに、ブランコや、他の遊具もマシに
なってるような・・・
昨日は、ウッチーに、俺の限界を悟られ、途中で中断したけど・・・
あの、沙紀の勢いだったら、確実に文句言ってるに、違いなしいな!それで、点検回収が
多くなった可能性は、大いにあり得る!
あ、ヤベーぞ!せっかく、早く出たのに、遅刻しそーw。急がねーとww。

遅刻は、免れたものの・・・。流石に、眠すぎるw。全く、入ってこねーww。
それに、なんだ?この微妙に、いつもと違う空気感は!きのせーだったら、いいんだけど。
明らかなのは、祐樹のバカが、何故か起きてる!ま、それが当然なんだろーけど・・・
アイツの当然は、寝てることだからなw。
ま、今日は奇跡的な瞬間にでくわしたって事w。にしても、これは激レアじゃねーのw。

『おう、望結。祐樹のバカ、珍しく起きて勉強に夢中だったぜw。笑えんだろえw』
『え、何言ってんの南朋!祐樹君って、授業中に居眠りした所なかったような?』
『マジ!だって、アイツいっつも寝てんじゃん。望結も知ってるだろ?』
『えーとね、いっつも寝てんのは、南朋!あなたですけどw』
『そ、それはそうだけどよ・・・w、祐樹が寝てる所を一回も見た事ない?マジで言ってる?』
『おーーーい、寝過ぎで、頭が沸いてきちゃたのかなw?もう!しっかりしてよねw』

やはり、何かおかしい・・・。俺が、能力で少しだけ動かした世界が変化してる!が
でも、望結に関しては、何も変わった様子はなかったけど・・・
今後、微々たる変化があるかも知んねーし!ま、祐樹の変化は笑えるレベルだけどww
でも、あれだけで、あのバカが何故・・・ww。そこは、考えても仕方ねーかw

これが、時間を動かす事なのか!たった、数分なのに、これほどまでの影響があるとは!
ウッチーが、以前に言っていたように、これが体感しないと分からない事なのかも!
それを、自身でコントロールできねーと、この能力を使用するのは、ちょい危険かも!
下手したら、誰かの人生さえも、左右することだって可能になってくるな!
奇跡的に、祐樹の場合は良くなったけどww。逆も、あり得るって事は・・・

どちらにせよ、こりゃ、簡単に考えて過ぎてた俺にっとっては、今は結構キツイなw
ま、今更止める訳にもいかねーしw。ちょっと慎重にならないといけねーな!

とりあえず、まずは、ウッチーに卵ふんわりオムレツを伝授してもらわねーとww
自分でも食った事はあるんだけど、到底、作れるレベルじゃなーしなww

『南朋くん、お疲れさん。うん、今日はいつもと違って、なんかシャッきっとしてるな』
『へ、いつもは、だらけて見えんの俺?w』
『いや、そういう意味じゃなくて、なんか変化に気付いた様子だから』
『僕も、能力を使い始めた時は、そんな感じで、上司とかにもいわれたしな』
『自分では、変わってる意識なくても、周りは自分が思ってる以上に、敏感な物なんだよ』
『ウッチーの、言う通り!まだ、自分でも把握しきれてねーけど、変化しまくってるw』
『でも、これを止めようとは思わねーけど、これが、能力を持つ者の試練ってのかな』
『なるほど。それは、能力を手にした人間なら、誰しもが打ち破らないといけない壁だ』

ウッチーの言ってる意味が、分かれば、分かる程、最初に考えてた俺の、甘さが・・・
当初は、美香の為だけを想っていればいいとしか・・・。その想いは変わんねーけど!
それだけじゃ、乗り越えられない壁ってのが、存在する事も事実としてある!
まぁ、これからが、俺の腕の見せ所ってわけだ!燃えてきたぞーw。
とにかく、今日は、また過去に行き、ジャングルジムで体感した、経験をそのままにし
昨日との違いを見極めねーとな!

昨日は、ウッチーに止めに入ってもらったけど、流石に、疲れが残ってた訳だし・・・
やり過ぎには注意しとかねーとなww。
『ウッチー、今日は、止めないで欲しいんだ。自分で意識してやってみてーから』

『分かった!でも、明らかに危険を感じる場面があれば、止めるからな』
『南朋くんの、その向上心は良いことだけど、余り無理は禁物だからな』

そして、昨日同様に、俺は過去へ行き、ただ遠目から様子を伺うだけにした。
昨日より、段違いに早く、過去へ時間を巻き戻す事が可能になった気が・・・

昨日同様に、過去のへなちょこな俺の姿が目に映る。何か手を差し伸べてー気持ちには
なるw。なにしょぼくれてんだーーー!って一喝言ってやりてーが、こらえるしかねーなw
大丈夫だって、もうすぐ、沙紀にお菓子買ってきてもらって、コロッと機嫌直すんだからw

それが分かっているだけに、安心感が持てるってのも不思議な感覚であるんだけどw
案の定、お菓子に釣られ、上機嫌な俺w。そのまま、公園へと向かう姿を見届ける。

そして、例のジャングルジムで、身動きできねー俺と、その姿を見て、笑う沙紀!
理由が分かんねーと、いじめじゃねーかw。しかも、壊れかけのジャングルジムだしなw
ま、当時の俺は怖くてたまらなかったけどw。

お、とうとう泣きがはいるじゃねーかw、お前、男だろ!って、俺だけど・・・w
流石に、笑っていた沙紀も、助けにくるだろ!って、まだ、笑ってタバコ吸ってるしw
もう、沙紀を当てにすんな!自力で頑張れって、でないと一生でれねーぞ!
それにしても、ただ余裕ぶっこいてんのか、沙紀流の教育なんか・・・w

ダメだこりゃw。全く、出れる気配がないw。これが、過去の俺だとは、情けねーけどw
辺りも暗くなってきたし、そろそろ手助けしてやれよ!いくら何でも、こりゃ酷いぞw
お、ようやく沙紀が動き出した!って、多分タバコ吸い終わっただけな気がするけどなw

とうとう、声上げて本格的に、泣き始めてるじゃねーかw、見てる俺も泣けてくるだろ!
もうすぐ、沙紀が助けに来るから、我慢しろよ!沙紀も、早くいってやれよ!

ふぅ~、何とか助けてもらったじゃねーか!一件落着だな!ほんと、世話が焼けるヤツw
ま、俺だけどww。

『南朋――!アンタ、男でしょ!こんな事で、泣きべそかいてどーすんの!!』

え、まさかのお叱りw。いくらなんでも、それは酷なのでは・・・w。トドメ刺すのw

な、余計に泣きわめくに決まってるだろ!そして、公園中に響き渡ってんじゃねーか!
ヤバいって、早く帰らねーと、警察呼ばれてもおかしくない状況w

『南朋。アンタは男の子。男の子っていうのはね、心を強く持たなきゃいけないの』
『私の前では泣いていいけど、よっぽどの事がない限り、涙みせるもんじゃないよ』
『でも、よくがんばったね。えらいよ!南朋は、私の宝物だからね。じゃ、帰ろうか』

なに、この急なお涙頂戴的な展開w。マジで涙でそーになったじゃねーかw
そして、俺は、この記憶を忘れていた!ただ、ジャングルジムでの恐怖心しかなかった!
沙紀が、このジャングルジムが壊れかけてるのを、知っていたかは不明だけど・・・
俺が成長するための手段として、敢えて、ジャングルジムを選んだ事には違いない!

昨日は、少し記憶を変化させ、恐怖心はとれたものの、沙紀の想いは伝わってなかった!
今日は、ありのままの記憶。恐怖心は消えないけど、それ以上の物を得られた気がする!
記憶の断片だけでなく、その前後の背景も含め考えると・・・

どちらか正しい選択だったのか・・・
勿論、それはひとにより違うけど・・・
少なからず、俺にとっては、後者が最適な選択だと思った!

キリトリだけの物語では、分からねー事だらけで、その前後に隠された真実こそが重要って
事なんだな!
そこに、正しい判断を出すには、それ相応の材料も必要になってくるし、その場での感情
などにも左右されるって事なのか・・・

それを踏まえ、美香の親父さんが亡くなった前後の、背景や親父さんの感情などを含めて
判断する必要性があるって事が、今日の俺が体感した事で明らかになった!
勿論、最終的な判断は美香がすりゃいいけど・・・

ただ、乱暴に感情に任せて、過去を変えるのは、危険だって事がようやく、理解できた!

『ウッチー、この能力を扱う者としての、責任ってのが、ようやく分かったぜ!』

『南朋くん、やっぱり君は素質があったな。この短期間でそこまで理解できるとは』
『後は、精度を高めていくだけだ!そして、自身でもコントロールが出来てるしな』
『さ、今から、卵ふんわりオムライス作りを伝授するかw』
『相変わらず、スパルタだなーw。もう、腹減って死にそーなんだけどw』
『ハハハ、そんな事で死なない事など、百も承知だよw。さ、早くするぞ!』

いや、そーだけどw。ちょい休憩くらは、いいんじゃねーのかなw
どーせ、食った後は、間髪入れずにテスト対策だろーしww。
ある意味。沙紀よりこえーってw。

『なに、グズグズ言ってんの!早くしなきゃ!時間は待ってくれないよ!』
『食べた後は、テスト対策だから!ここからが、正念場だぞ、南朋くん!』

やっぱしねw。一切、手を抜かないウッチーは、すごーーいですww。

それと、それに応えてる俺も、スゲーだろww。
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