【総集編】未来予測短編集

【第2章】身の回りの未来予測

ヒューマレッド計画

21✖︎✖︎年、
人類は、止まらない人口増加に
悩まされていた。

食糧はなくなり、飢餓が増え、
衛生状態の悪さから、
伝染病も流行っていた。

もう明らかに限界だった。
科学者達が集まり、
ある会議が開かれた。

一部優秀な人類だけを残し、
ほとんどの人類は、去勢して
クローンとして一定数を保ち、
人口増加を、
無理にでも抑え込もうとする計画。



どんな人類だけを残すのか、
１ヶ月の議論の末、
足の速い人類だけを残す事にした。

足が速ければ、
健康である可能性が高く、
健康であれば、
さまざまな知恵も浮かぶと言うもの。

世界から、足の速い男女、
10組程が選ばれ、
それ以外は全て去勢された。



足の速い新たな種族、
彼らはサラブレッドにちなみ、
ヒューマレッド族と名付けられた。

足が速く、知恵に満ちた、
彼らだけが増えていくのだ。

地球では、
これまでとは比べ物にならない
活気に満ちた、豊かな生活が営まれた。



しかし、最初のうちはうまくいっていた
このヒューマレッド計画も、
ある時、破滅を迎える。

足の速いもの同士を
掛け合わせ続けた結果、
遺伝子の劣化が起こってしまう。

ヒューマレッド族の足は、
遅くなる一方だったのだ。

足の遅い人類と、
掛け合わせようと思ってももう遅い。
彼らは、去勢されたクローンなのだ。



やがて、足が速いけれども繁殖力の無い
人類と、
足が遅くて、繁殖力のある
ヒューマレッド族が残り…