妹は双子、カノジョである。~双子がダブるってマ!?~

沢鴨ゆうま

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Folge 76 チェックポイント通過

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 これは欲しい!
 という物を買ってあげる。
 よ~く選ばせて。
 妹たちのテンションはヤバかった。
 見るもの全てを欲しがるから大変。
 気持ちが分からなくはない。

「カルラ、付けてあげる」

「ありがと」

 だけどな。
 それは慣れていない外出による刺激耐性の無さ。
 初めてのお店や品物による目の強制補正。
 悲しいかな、飛んで火に入るなんとやらだ。

「胡椒入れ可愛かったんだけどなあ」

「胡椒そんなに使うか?」

「料理していると可愛いらしい道具が欲しくなるわ」

 ……料理していると。
 料理ができない身としては、パワーワード。
 しかし、この場は必死に凌いだ。

「可愛いアイテムが並んでいると、美味しいカルラ料理が――」

 はい、負けました。
 カルラは料理が上手。
 上手と言うことは飯が美味しいということ。
 毎日ほぼメインで担当してくれている。
 感謝の意味で買わせていただきます。

「無理しなくていいのよサダメ。ただあると気分が――――」

「感謝を込めてだよ。駄目押ししなくても買うから」

 胡椒入れだけでは寂しい。
 感謝の気持ちも込めようというのだ。
 アイテムのランクを上げさせてもらった。

「うふふ。キッチンがお洒落になりそうよ」

「財布が泣いているから、カルラを構いまくるぞ」

「今更何言っているの。サダメならいつでも好きなようにどうぞ」

 う。
 確かにいつでも構いたい放題。
 寧ろ構いなさいと怒られることがある程だ。
 それでも改めてどうぞと言われると、嬉しい。
 もっと愛情表現をしよっと。

「この四人って、やっぱり目立つね」

「最近意識しなくなっていたけれど、ハーフなのよね」

「髪の毛、眼や肌の色、スタイル。目を引く部分の塊だよ」

 そう。
 家の近所ですら未だに注目されているんだ。
 見知らぬ土地では浮きまくりなのでは。

「一緒にいると恥ずかしいか?」

「そんなことない! 後ろから眺めていたら思っただけだよ」

「目線が気になるなら離れていてもいいよ?」

「もう! 混ぜてもらったばかりなのに、意地悪!」

 ツィスカのようなプンプンモードの咲乃。
 引き籠りだったことを忘れるほどになった。
 喜怒哀楽をはっきりと見せてくれる。

「そういう咲乃、好きだよ。色んな表情見せて欲しいなあ」

「ええ!? き、急に言わないでよ~。ドキドキするからさ」

「言わない方がいいのか。思ったように言ったんだが」

「サダメから積極的だと照れちゃうんだよ~」

「なら、やめようか」

「……言ってよ」

「どっちだよ。咲乃はオレのことが?」

「好きだよ!」

「ほら、言うじゃん。オレも、咲乃が好き。それでいいよね?」

「……うん」

 ほう。
 ほうほう。
 モーションを掛けられると弱いのか。
 これは楽しいな。
 これからはこっちから寄って行こう。

「咲乃ばっかり、ずるいですよ」

「美咲だってもちろん好きだよ」

「……あ、その、はい」

「告白されたのに、最近そっちから何もないから寂しいなあ」

「それはその、何と言うか、私もどう接っするのが良いのかわから――」

「ぐちゃぐちゃ言わないで構ってよ」

 ツィスカが振り向いて二人に一言。

「サービスね。兄ちゃんは、甘えん坊だから構うと好かれるよ」

「何よ、ツィスカが教えるなんて珍しい」

「もう気付いているだろうからいいんじゃない?」

「ああそういうことね。鍵開けてあげるの?」

「う~ん、この二人ならどうかなって。チェックポイント通過ってとこね」

 そういうの、あるんだ。
 ツィスカが面接官みたいな事になっている。
 カルラが補佐的な?
 相変わらずオレに決定権は無いのね。
 いや、今回は自分で扉を開けたのか。
 それを見てツィスカも通したって感じ?
 妹は彼女だもんね。
 大事にされていると考えればいいのかな。
 そう思うと、温かいね。
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