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第四章 ボクたちの町
第三十一話 師弟で親子
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Szene-01 レアルプドルフ、ウンゲホイアー川
ブーズの東側にある森の中を南北に流れるウンゲホイアー川。大人の歩幅なら約二十歩の川幅で水深は膝上ほど。しかし、そそり立つ山脈からの雪解け水は脚に力を入れていないと流されるほどの速さで流れている。
この流れに逆らって、ヘルムート海賊の一味は下流から小型船数隻で川を横切る東西街道の橋の手前にたどり着いていた。
スクリアニア公と共に馬車で待機していたグンナーは、馬車を後にして一味との合流場に出向いた。
一味の一人がグンナーに言う。
「船長! 剣士の町とやらが使っている弓、ありゃあ良品ですぜ。ただ、扱いがなっちゃいねえ。スクリアニアの弓は一目で安物のかき集めだと分かる粗悪品なのに、戦況はスクリアニアが優勢だ。なんともお粗末な戦いなんで、見ていられねえっすよ」
グンナーは訝しげな顔で川岸に揃った一味を見渡してから答えた。
「全員ここまでご苦労さんだったな。それにしても、レアルプドルフは弓しか使っていねえのか?」
「剣士の姿も見えはするんですがね、射手を守るのが精いっぱいって感じっすね」
「ふむ、スクリアニアは兵の数でも上のはずだ。ちまちまと矢を射るよりは数で向かうだけでも勝てそうなもんだがなあ。前回余程痛い目に遭っているということか。どちらにしろ俺らには関係ねえ。優勢ってんなら加勢する必要もねえだろう。まあ、レアルプドルフが押し返さないとも限らねえから、そん時に動けばいい。それまで待機だ」
一味は待機指示を聞いた途端に緊張を解き、漕ぎ疲れた肩をまわしたり座り込んだりした。
Szene-02 レアルプドルフ、ブーズ町壁東門
ダンを筆頭とする防衛部隊は、スクリアニア軍から浴びせられる矢への対応が上手く行かず、負傷者が増え始めていた。
ダンは町壁内への後退を決断し、森に散らばった部隊が町壁内へと戻って東門の前に集まっている。
「治療に心得のある者は負傷者の元へ向かってくれ。残りの者はこの町壁を使ってスクリアニアとの抗戦に臨むぞ」
ダンからの指示に従って剣士たちが動く中、ヘルマがダンに言う。
「後退するのは少し悔しいですね」
「少しどころじゃあないぞ、ヘルマ。前回よりも後退する時期が早い。理由は慣れない武器を使っているからってことがわかっちゃあいるが、スクリアニアも決して弓が上手いわけではなかった。ヘルマも見ていてわかっただろ」
「はい。おそらくスクリアニア公が急かした結果、矢を放てる者をかき集めただけのように感じます。稚拙な攻め方なので、私一人で片付けに行こうかと思いました」
「こらこら、俺より前に出ようとするな。ヘルマには俺の背中を預けているのだからな」
「ダン様――」
スクリアニア軍の動きを思い出して思わず拳を握り締めたヘルマは、少々照れ気味な表情でダンの顔を見た。
何か言葉を発しようとしたところで、ダンの言葉に酔いそうになったヘルマを覚ますように、一人の少女から名前を呼ばれた。
「ヘルマー!」
「エール様!?」
ヘルマは声の主に気付くと両手を広げて受け入れ体勢を取る。集まっている剣士たちの横を風が通り抜けると、一同の眼前にエールタインが現れた。
エールタインは両足を地面に押さえつけ、ダンにのみ土煙を浴びせてヘルマの胸に飛び込んだ。
エールタインの勢いある抱き着きに慣れているヘルマは、難なく受け止めて抱きしめる。
一人だけ土煙を浴びたダンは、片手で顔を払って眉間に皺を寄せていたが、エールタインはダンのことを気にせず、目尻に涙を浮かべてヘルマに言った。
「あーん、ヘルマだあ。ティベルダのおかげで戻って来れたよ! ティベルダを褒めてあげて」
「いつもの元気なエール様ですね――いえ、いつもより元気かも。重症だったと聞いていたので、情報が嘘のように思えるほどですね。久しぶりにエール様を抱きしめることができて嬉しいです」
突然飛び出した主人にようやく追いついたティベルダが、ダンの元で足を止めて挨拶をする。
「ダン様、エール様の治療が終わりました」
「ティベルダ、よくやった。お前が家族でなければエールの復帰は厳しかったに違いない。ありがとうな」
ダンが分厚い手をティベルダの頭に乗せて撫でると、ティベルダは満面の笑みを見せる。
温かい雰囲気に包まれた師弟デュオが喜びを分かち合っている後ろから、息を切らした少女からの声が届いた。
「ちょっとエールタイン、足が速過ぎよ。付いて行く方のことも考えてちょうだい。おまけに報告をするのは師匠が先でしょ。もう、やっていることが無茶苦茶なんだから」
ティベルダよりも遅れて到着したルイーサ組は二人揃ってダンに礼をしたが、息が整わないルイーサは礼から直った上半身をすぐに下ろし、両手を膝において肩を揺らす。
ヒルデガルドに背中を軽く摩ってもらいながらエールタインに不平を漏らした。
「ああっと――ダン、ただいま」
「なーにがただいま、だ! 土までかけられてこっちは散々だ」
剣士たちから笑いが漏れる中、ダンは続けた。
「ティベルダはきちんと報告に来ているというのに、主人のお前が何をしている」
「ごめんなさい、先にヘルマと目が合ったからつい嬉しくなって……ごめんなさい」
ダンはわざとらしく体に付いた土を払う仕草をしつつ、しゅんとして謝ったエールタインに言った。
「ふむ。気持ちはまあ、わからんでもないから仕方なくは無いが仕方ないだろう。男の俺よりはヘルマの方が安心もするだろうし……まあ、その、なんだ……とりあえず来い」
ダンはエールタインを見ずに片腕を上げ、エールタインの来る場所を作った。
エールタインがゆっくりとダンに向かう背中をヘルマが軽く触って見送る。
エールタインがダンの用意した場所にすっぽりと収まると、ダンはティベルダの頭撫でを止めて両脇で二人を抱きしめて言った。
「無事では無かったが、こうして元気な姿で俺の前に戻って来てくれてホッとした。剣士である以上、今回のようなことになりやすい。だが、お前たちには出来るだけ無事でいて欲しい。矛盾しているが俺の本音であり願いだ」
骨太な腕はさらに強く二人を抱きしめるが、エールタインとティベルダは一切苦しそうにはせず、むしろ笑みを浮かべてダンに寄り掛かった。
「ダン様! 全員町壁の中へ後退が完了しました……あ、失礼しました」
報告をした剣士は、報告し終わるとダンの様子を見て静かに下がった。
「大事な報告なのだから何も失礼な事は無いのだが」
「両脇に女の子を抱えている様を見れば、誰でもそれなりに気を使うのではないですか?」
「女の子と言っても弟子、それも娘な上にもう一人は娘の従者だぞ。町でもよく知られている二人なのだから、いまさら気を使うこともないだろうに」
「誰でも親子の時間に水を差したくは無いですよ――エール様、娘ですって」
ヘルマにダンが口走った言葉を改めて伝えられたエールタインは、ほんのりと頬を赤らめて上目遣いでダンの顔を見た。
「何だよ、お前は娘だろ? それこそ今さら違うとは言わせんぞ」
「違ったら嫌だよ。ダンがちゃんと娘って言ってくれると嬉しいんだ」
「そうか……いつも言っているつもりだったがな」
怪我から復帰した英雄の娘と、傷を治した従者を抱きかかえる剣聖が作り出している世界を誰も崩す気にはなれなかった。
ブーズの東側にある森の中を南北に流れるウンゲホイアー川。大人の歩幅なら約二十歩の川幅で水深は膝上ほど。しかし、そそり立つ山脈からの雪解け水は脚に力を入れていないと流されるほどの速さで流れている。
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グンナーは訝しげな顔で川岸に揃った一味を見渡してから答えた。
「全員ここまでご苦労さんだったな。それにしても、レアルプドルフは弓しか使っていねえのか?」
「剣士の姿も見えはするんですがね、射手を守るのが精いっぱいって感じっすね」
「ふむ、スクリアニアは兵の数でも上のはずだ。ちまちまと矢を射るよりは数で向かうだけでも勝てそうなもんだがなあ。前回余程痛い目に遭っているということか。どちらにしろ俺らには関係ねえ。優勢ってんなら加勢する必要もねえだろう。まあ、レアルプドルフが押し返さないとも限らねえから、そん時に動けばいい。それまで待機だ」
一味は待機指示を聞いた途端に緊張を解き、漕ぎ疲れた肩をまわしたり座り込んだりした。
Szene-02 レアルプドルフ、ブーズ町壁東門
ダンを筆頭とする防衛部隊は、スクリアニア軍から浴びせられる矢への対応が上手く行かず、負傷者が増え始めていた。
ダンは町壁内への後退を決断し、森に散らばった部隊が町壁内へと戻って東門の前に集まっている。
「治療に心得のある者は負傷者の元へ向かってくれ。残りの者はこの町壁を使ってスクリアニアとの抗戦に臨むぞ」
ダンからの指示に従って剣士たちが動く中、ヘルマがダンに言う。
「後退するのは少し悔しいですね」
「少しどころじゃあないぞ、ヘルマ。前回よりも後退する時期が早い。理由は慣れない武器を使っているからってことがわかっちゃあいるが、スクリアニアも決して弓が上手いわけではなかった。ヘルマも見ていてわかっただろ」
「はい。おそらくスクリアニア公が急かした結果、矢を放てる者をかき集めただけのように感じます。稚拙な攻め方なので、私一人で片付けに行こうかと思いました」
「こらこら、俺より前に出ようとするな。ヘルマには俺の背中を預けているのだからな」
「ダン様――」
スクリアニア軍の動きを思い出して思わず拳を握り締めたヘルマは、少々照れ気味な表情でダンの顔を見た。
何か言葉を発しようとしたところで、ダンの言葉に酔いそうになったヘルマを覚ますように、一人の少女から名前を呼ばれた。
「ヘルマー!」
「エール様!?」
ヘルマは声の主に気付くと両手を広げて受け入れ体勢を取る。集まっている剣士たちの横を風が通り抜けると、一同の眼前にエールタインが現れた。
エールタインは両足を地面に押さえつけ、ダンにのみ土煙を浴びせてヘルマの胸に飛び込んだ。
エールタインの勢いある抱き着きに慣れているヘルマは、難なく受け止めて抱きしめる。
一人だけ土煙を浴びたダンは、片手で顔を払って眉間に皺を寄せていたが、エールタインはダンのことを気にせず、目尻に涙を浮かべてヘルマに言った。
「あーん、ヘルマだあ。ティベルダのおかげで戻って来れたよ! ティベルダを褒めてあげて」
「いつもの元気なエール様ですね――いえ、いつもより元気かも。重症だったと聞いていたので、情報が嘘のように思えるほどですね。久しぶりにエール様を抱きしめることができて嬉しいです」
突然飛び出した主人にようやく追いついたティベルダが、ダンの元で足を止めて挨拶をする。
「ダン様、エール様の治療が終わりました」
「ティベルダ、よくやった。お前が家族でなければエールの復帰は厳しかったに違いない。ありがとうな」
ダンが分厚い手をティベルダの頭に乗せて撫でると、ティベルダは満面の笑みを見せる。
温かい雰囲気に包まれた師弟デュオが喜びを分かち合っている後ろから、息を切らした少女からの声が届いた。
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ティベルダよりも遅れて到着したルイーサ組は二人揃ってダンに礼をしたが、息が整わないルイーサは礼から直った上半身をすぐに下ろし、両手を膝において肩を揺らす。
ヒルデガルドに背中を軽く摩ってもらいながらエールタインに不平を漏らした。
「ああっと――ダン、ただいま」
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「ふむ。気持ちはまあ、わからんでもないから仕方なくは無いが仕方ないだろう。男の俺よりはヘルマの方が安心もするだろうし……まあ、その、なんだ……とりあえず来い」
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