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第一章
納得できない
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「ふざけるなっ!こんなのは無効だ!!!」
そう言ってエイダンがテーブルを蹴った。壁にテーブルが激突する前にルシルの護衛3人が一斉に姿を現すとエイダンの喉元へ銃口を突き付ける。ぐっと苦しそうな顔をして、護衛を睨みつけた。
「ふぅ……いいわ、やめなさい」
「しかしっ!」
「今は、一応友好国の王子なのよ」
三人の銃口が下ろされると阻害魔法が発動し、また護衛が消えた。
「申し訳ありません!」
勢いよくノアが頭を下げる。兄に頭を下げられて立場がないのか、目を伏せて再びソファにドカッとわざとらしく音を立てて座った。
「エイダン!お前も謝罪を!」
「……ちっ、…申し訳ありません」
本当この黒王子は何がしたんだろうか。自分が選ばれないからと暴れるなんて、三歳児と行動が一緒ではないか。またため息が漏れて、この部屋に微妙な空気が流れる。
「まぁまぁ、これでノア様が婚約者ということで、ね?友好国には変わりがないですし、獣人の行き来も可能になりますし、良いこと尽くめではないですか!」
たどたどしく話すラシードが痛々しい。しかし、この黒王子がここまで子供だとは自分も思っていなかったのだ。申し訳ないとは思うが、そもそもこの子供男のせいだ。
それにいまだに納得できないとルシルの事を睨んでいる。
「…俺は諦めないからな」
捨て台詞を吐いてエイダンが部屋を乱暴に出ていく。ノアは作り笑いしてたけれど、何か感じ取っているようだった。
「本当に申し訳ございません…」
「いえ、慣れてますから」
誰かに否定されるのは確かに慣れている。
父には、女など嫁ぐのとお茶を飲むことしかできないとよく言われたし、母には女らしく、妖艶に笑えとそれを嫌がると叩かれたりした。10歳になるまでは地獄だったのだ。
これくらいなんともない…だけれど、ノアはそうではないらしく拳を自身の太ももできつく握る。
「そんな事に慣れなくてもよいのです…陛下である前に1人の人間の意思ではないのですか…」
「それを言うなら、人間である前に陛下なのです。私はこの国そのものであり、一人の意思ではないのだから」
「…そう、ですか…」
ノアの言うことも分かる。自分だって人間だし、意志もある。けれど、この10年戦ってきたこの肉体と精神はもう一人のものではないのだ。戦士した仲間、家族、そのすべてに顔向け出来ないようなことは出来ない。
まぁ、一人の時やラシードと共に居る時は別だが…。
「じゃ、これから宜しくお願い致します。ノア様」
「えぇ、こちらこそ」
その時は国同士の交渉と変わらない。このわざとらしい王子様とやっていけると思っていた。
そう言ってエイダンがテーブルを蹴った。壁にテーブルが激突する前にルシルの護衛3人が一斉に姿を現すとエイダンの喉元へ銃口を突き付ける。ぐっと苦しそうな顔をして、護衛を睨みつけた。
「ふぅ……いいわ、やめなさい」
「しかしっ!」
「今は、一応友好国の王子なのよ」
三人の銃口が下ろされると阻害魔法が発動し、また護衛が消えた。
「申し訳ありません!」
勢いよくノアが頭を下げる。兄に頭を下げられて立場がないのか、目を伏せて再びソファにドカッとわざとらしく音を立てて座った。
「エイダン!お前も謝罪を!」
「……ちっ、…申し訳ありません」
本当この黒王子は何がしたんだろうか。自分が選ばれないからと暴れるなんて、三歳児と行動が一緒ではないか。またため息が漏れて、この部屋に微妙な空気が流れる。
「まぁまぁ、これでノア様が婚約者ということで、ね?友好国には変わりがないですし、獣人の行き来も可能になりますし、良いこと尽くめではないですか!」
たどたどしく話すラシードが痛々しい。しかし、この黒王子がここまで子供だとは自分も思っていなかったのだ。申し訳ないとは思うが、そもそもこの子供男のせいだ。
それにいまだに納得できないとルシルの事を睨んでいる。
「…俺は諦めないからな」
捨て台詞を吐いてエイダンが部屋を乱暴に出ていく。ノアは作り笑いしてたけれど、何か感じ取っているようだった。
「本当に申し訳ございません…」
「いえ、慣れてますから」
誰かに否定されるのは確かに慣れている。
父には、女など嫁ぐのとお茶を飲むことしかできないとよく言われたし、母には女らしく、妖艶に笑えとそれを嫌がると叩かれたりした。10歳になるまでは地獄だったのだ。
これくらいなんともない…だけれど、ノアはそうではないらしく拳を自身の太ももできつく握る。
「そんな事に慣れなくてもよいのです…陛下である前に1人の人間の意思ではないのですか…」
「それを言うなら、人間である前に陛下なのです。私はこの国そのものであり、一人の意思ではないのだから」
「…そう、ですか…」
ノアの言うことも分かる。自分だって人間だし、意志もある。けれど、この10年戦ってきたこの肉体と精神はもう一人のものではないのだ。戦士した仲間、家族、そのすべてに顔向け出来ないようなことは出来ない。
まぁ、一人の時やラシードと共に居る時は別だが…。
「じゃ、これから宜しくお願い致します。ノア様」
「えぇ、こちらこそ」
その時は国同士の交渉と変わらない。このわざとらしい王子様とやっていけると思っていた。
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