Kei

f...

文字の大きさ
2 / 6

1

しおりを挟む
そこはゴミ置き場。決まった職のないものはここで仕事をしている。
仕事の内容は、プラスチック類、金属類の収集。 山と積まれたごみの中から、プラスチックや金属を探して回収するというもの。
回収したものは量によってお金に換えられる。
今日もケイは、仕事をしに集まってきた人たちの列に加わりかごを受け取るとゴミ置き場へ仕事に繰り出す。
汚い仕事も今は慣れた。
目の前のごみをどかしては、プラスチック、金属を探す。
自分のほかには、親がいないであろう自分と同じ孤児や腰の曲がった老人たち、、、
幼い子供や、老人以外 若く体力のある者たちは、何かしらの職を見つけるのは難しくないのだろう。 良い悪い色々あっても、ここよりましな収入になるのだろう。
派閥や闘争の多い若い人たちとは何が起こるかわからないから、仲間に入ろうとは思わないが、
歳を取った老人たちには、腰を曲げて落ちているものの中からものを探すという行為は自分たちに比べて大変な作業だと思う。
彼らがどんな気持ちで仕事をしているか、今の自分には想像できなかった。

その日のあがりを届けると、グラムに応じて報酬が支払われる。多くはないが、自分とビルで待つ猫の餌の分は買えた。
ケイは、どうしても稼ぎが少ない時は食料を盗むようになっていた。 やりたくはなかったが、背に腹は代えられなかった。
最近いつも行く店の店長の自分を見るときの目線がきつくなった気がしている。
もしかしたら疑われているのかもしれない。
遠くなってしまうが、行く店を変えたほうがいいのだろうか?
その日は、十分にお金があったためすべてお金で買うことができた。 
盗むという行為は、罪悪感、気づかれていないかという緊張感、仕事の後の疲れたときにお金があるときはとてもやる気になれなかった。

その日買ったものを手に、住んでいるビルへ帰る。
帰ると同時に、猫が飛びついてきた。 買ってきた餌をやると今度はそれに飛びついた。
雨水をためているバケツの中から水をカップで少しすくうと、バケツの花に与えた。
今日も疲れた。 ビルの中にあった机とかつての実家から持ってきた数枚の毛布で作ったベットに倒れこむと買ってきた食料に手を付けることなく眠りに落ちた。



深夜2時、ケイは目を覚ますとそれに合わせて、猫も目を覚ました。睡眠時間は2~3時間ほど
いつものように本をとり、片手にはバケツの花。今はまだつぼみだ、
それを持つといつものように屋上への階段を上る。そのあとに猫が続く。

屋上へ着くといつものように猫が飛び出していく。
それを気にすることなく、屋上の中央で寝そべり本を開く。 そばにはバケツのつぼみの花。
買ってきた食料を食べながら、本の続きを読む。 本はゴミの中からたまに拝借している。
今日も拝借してきた本を読む。 街は深夜で静かだ。
たまに聞こえる車や電車の音、話し声。 静かで冷たい夜の街の雰囲気。ケイはこの時間が好きだ。
ギラギラと太陽が照り付け、活気にあふれた昼より、静まり返り落ち着いた街のほうが自分も静かで落ち着いていられる。
だから自然と早く起きるようになり、午前1~2時起きの睡眠時間は2~3時間ほど。
夜の街の雰囲気を味わうために早く起き、本を読む時間も増えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

処理中です...