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第10話【目的と生命】(2)

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【応接室内部】
目の前には、いかにも偉そうな老年の男が椅子に腰かけている。
両隣には、いかにもな護衛の男2人が立っている。
森で研ぎ澄まされた感覚のせいで殺気が伝わってくる。

ガラス張りのテーブル越しに話しかける

「よく、きた。ニッシャよ、そこへ座れ」

声色は低く、それでいて聴き取り辛かったが何となく対面の椅子へ座った。
お上品とかそこら辺は、わからないけどとりあえず足を組む。

(私の美貌をもってしても鼻を伸ばさないどころか、視線すら送らない。
全く、お堅い職業は嫌だねぇ)

このドレス「スースー」して気持ち悪いけどまぁいいだろう。
協会の人間だけあって、どこか威厳を感じられる。
着席を見かねて、腰を曲げ前屈みになり両の手を目の前で組みテーブルに肘をつきあわせる。

「それでは、本題へ入ろう。協会は世界の永久の安定を構築するため、総力を上げ大精霊の一部をその身に宿している6人を探している」

ニッシャは興味なさそうに、煙草に火をつけ煙を上に吐きつける。
元々、話何て興味もなく気だるそうな態度をとる。
護衛は、私が相応の態度をとらなかったせいで2人同時に臨戦態勢に入るが
それを止めたのは、他でもない老年の男だ
。右手で護衛達に合図を送る。
「まぁ、待て...お主達2人はおろか、協会の戦力でもこやつは倒せんよ...フォッフォッフォッ」
冗談なのか誠なのか、読めぬ爺さんの戯言は置いといて。


「んで?何で私を呼んだんだ?精霊探しならお宅らの優秀な部隊とセリエ、ノーメンがいるんじゃないのか?」
右手の煙草で目の前や扉の方を指す。

切れ長の鋭い目で睨み付けると、そいつは深いため息をした。

「緊急事態なのだ。今までは不恰好ながらバランスを保っていたが、あることがきっかけでお前を頼らざるをえなかった」

そう言って珈琲を口に含ませる。
カップを置き「カタッ」という音と共に続ける。

「我が協会には、精霊を現在確認しており、使役者が三人おる。」

消】滅する記憶【シュハメナス】

荒】天を司る【カウラスとチイノス】

そして、ニッシャ、お主の

炎】燃で灰に帰す【レプラギウス】

「この3体は、比較的容易に見つけ保護することができた。」

ニッシャを見つめるがその目には光はなかった。

「私は別に、あんたらに世話になった覚えはないけどな」

足に仕込んだ煙草のストックがなくなったが、
胸を「トントン」と指で触れると、胸元から煙草が飛び出し挟まった状態で吸いだす。

(通常の人間ならこう、思うだろう。煙草になりたい、と)

そんなニッシャを他所に続け様に話す

残る精霊は、3体であり、その姿や
名前は伝記でしか記されておらず存在は確かだがもはや伝説とされている。

時】を司る【セントキクルス】

水】の守護神【イメサリス】

そして...と話をさえぎるように扉が開く。

「ガタン」という音と共に余程重大な事柄なのか顔面蒼白の男が息を切らせながら喋りだす。
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