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第1章 女神の騎士と女神殺し
1-5 時読みの騎士
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異世界『アルトカークス』には実は”混沌の女神”に代々仕えるとある一族がいる。
彼らは、未来を視る力を持つ一族……“時読みの一族”と呼ばれている。それは代々”時読みの巫女”と”騎士”がいることで知られている。
彼ら、”時読みの一族”はこの世界・アルトカークスが生まれ、混沌の女神が誕生した当時から存在していた。異世界・アルトカークスでも歴史は古い種族といえよう。
だが”時読みの巫女”は先の……未来を視る力の代償に非常に短命である宿命を背負わされた一族だった。それは、”女神の瞳”という物を生まれつき持っている為に背負わされた宿命だった。
どのくらい短命かと表現すると、長く生きられても十九歳、非常に短命だと十四歳くらいで生涯を閉じてしまう悲しい運命の持ち主であった。
そして、代々の時読みの巫女の名前は決められている。エリス。それが代々の時読みの巫女の名前である。そしてこの時読みの巫女にも、騎士と呼ばれる男性がいる。
彼女ら、”時読みの巫女”はそうやって非常に短命でありながら強制的に転生する宿命も背負っている。そうして混沌の女神に仕えてきたのだ。
だが、ルーアの世代で、その時読みの一族の運命も変わり始める。それは非常に短命であるから故、転生を強いられる巫女を憐れんで行動を起こした、ある”騎士”の存在であった。
その騎士は、この世代のエリスと非常に仲が良く、そしてお互いを思いやる恋人同士の関係でもあった。
そして、その騎士の目の前には、既に生命の危機に立たされた巫女・エリスの姿もあった。
「はあっ…はあっ……グレイブ……」
「エリス…! 苦しいのか……?」
「そうみたい……私……もうすぐ、生命が尽きてしまうかもしれない……」
「まだ、君は十四歳なのに。どうして、混沌の女神は彼女をこんな短命にしたのだ?」
「私の未来を視る力……”女神の瞳”よ……でも仕方ないもの。私達、時読みの一族は、こういう宿命を背負った一族だから……」
「宿命なんてやめてくれ。何で、混沌の女神の為に君の人生を犠牲にしなければならないだ!? エリス! 君と別れるなんて、私には耐えられない」
「どうするつもり? グレイブ?」
「新しい”混沌の女神”の候補が生まれたと金のルシファー様は仰っていた。ならば、私はその”混沌の女神”を殺す! 世界からそして時を失くす! そうすれば、君は助かる……!!」
「女神殺しをすると言うの? やめて……グレイブ! そんなことをしたらこの世界がめちゃくちゃになってしまうわ!」
「そんなの知ったことか! 君の生命には代えられない!」
「私はまた転生するから……大丈夫よ……」
「転生しても、それは君という存在ではない。私は君が好きなのだ。君を死なせる世界なら、いっそのこと、この世界の時を破壊する……!」
「ビヨンド・グレイブ……!」
「君を守るのが、私の務めだ。なら、新しい”混沌の女神”も、そしてそれを守る”混沌の女神の騎士”も殺して、この歪んだ世界を浄化してやる……私の手で!」
「グレイブ……」
「きっと君を救ってみせる。その為ならば、私は世界を敵に回しても構わない……それだけの覚悟はある……!」
グレイブと呼ばれた”騎士”は、とても綺麗な焦げ茶色の長い髪を持った、たくましい男性であった。瞳は深海を思わせるような深い青い瞳。目鼻立ちも美しく、声も大人の魅力あふれる非常に男らしい声の響きをしている。
彼も武器は剣だ。だが、その剣はまるで混沌そのものを具現化したような禍々しい剣であった。非常に重量がある剣で、グレイブのみしか扱えない。
彼は竜の天使も従えていた。名前はゾフィエル。彼、グレイブが独自に魔法で強化した魔性の竜で、その体躯は通常の竜よりも逞しい。非常に強固な防御力と、そして魔法で強化された炎のブレスは全てを焼き払う業火だった。
彼──ビヨンド・グレイブの戦いもここから始まる。
このアルトカークスの世界の運命を変える為に。
目の前の世界よりも大事な恋人を救う為に。
新たに生まれた”混沌の女神”とその”混沌の女神の騎士”をまとめて殺す為に……。
やがて、二人の騎士は幾度も剣を交えることになる。
一人は混沌の女神を守るために。
そしてもう一人は、混沌の女神を殺す……『女神殺し』をするために。
その戦いは、混沌の女神の騎士が元居た世界、地球にまで拡大することになることは誰も知らなかった。
全能の神である、アルトカークスを創造した神、金のルシファーでさえも。
彼らは、未来を視る力を持つ一族……“時読みの一族”と呼ばれている。それは代々”時読みの巫女”と”騎士”がいることで知られている。
彼ら、”時読みの一族”はこの世界・アルトカークスが生まれ、混沌の女神が誕生した当時から存在していた。異世界・アルトカークスでも歴史は古い種族といえよう。
だが”時読みの巫女”は先の……未来を視る力の代償に非常に短命である宿命を背負わされた一族だった。それは、”女神の瞳”という物を生まれつき持っている為に背負わされた宿命だった。
どのくらい短命かと表現すると、長く生きられても十九歳、非常に短命だと十四歳くらいで生涯を閉じてしまう悲しい運命の持ち主であった。
そして、代々の時読みの巫女の名前は決められている。エリス。それが代々の時読みの巫女の名前である。そしてこの時読みの巫女にも、騎士と呼ばれる男性がいる。
彼女ら、”時読みの巫女”はそうやって非常に短命でありながら強制的に転生する宿命も背負っている。そうして混沌の女神に仕えてきたのだ。
だが、ルーアの世代で、その時読みの一族の運命も変わり始める。それは非常に短命であるから故、転生を強いられる巫女を憐れんで行動を起こした、ある”騎士”の存在であった。
その騎士は、この世代のエリスと非常に仲が良く、そしてお互いを思いやる恋人同士の関係でもあった。
そして、その騎士の目の前には、既に生命の危機に立たされた巫女・エリスの姿もあった。
「はあっ…はあっ……グレイブ……」
「エリス…! 苦しいのか……?」
「そうみたい……私……もうすぐ、生命が尽きてしまうかもしれない……」
「まだ、君は十四歳なのに。どうして、混沌の女神は彼女をこんな短命にしたのだ?」
「私の未来を視る力……”女神の瞳”よ……でも仕方ないもの。私達、時読みの一族は、こういう宿命を背負った一族だから……」
「宿命なんてやめてくれ。何で、混沌の女神の為に君の人生を犠牲にしなければならないだ!? エリス! 君と別れるなんて、私には耐えられない」
「どうするつもり? グレイブ?」
「新しい”混沌の女神”の候補が生まれたと金のルシファー様は仰っていた。ならば、私はその”混沌の女神”を殺す! 世界からそして時を失くす! そうすれば、君は助かる……!!」
「女神殺しをすると言うの? やめて……グレイブ! そんなことをしたらこの世界がめちゃくちゃになってしまうわ!」
「そんなの知ったことか! 君の生命には代えられない!」
「私はまた転生するから……大丈夫よ……」
「転生しても、それは君という存在ではない。私は君が好きなのだ。君を死なせる世界なら、いっそのこと、この世界の時を破壊する……!」
「ビヨンド・グレイブ……!」
「君を守るのが、私の務めだ。なら、新しい”混沌の女神”も、そしてそれを守る”混沌の女神の騎士”も殺して、この歪んだ世界を浄化してやる……私の手で!」
「グレイブ……」
「きっと君を救ってみせる。その為ならば、私は世界を敵に回しても構わない……それだけの覚悟はある……!」
グレイブと呼ばれた”騎士”は、とても綺麗な焦げ茶色の長い髪を持った、たくましい男性であった。瞳は深海を思わせるような深い青い瞳。目鼻立ちも美しく、声も大人の魅力あふれる非常に男らしい声の響きをしている。
彼も武器は剣だ。だが、その剣はまるで混沌そのものを具現化したような禍々しい剣であった。非常に重量がある剣で、グレイブのみしか扱えない。
彼は竜の天使も従えていた。名前はゾフィエル。彼、グレイブが独自に魔法で強化した魔性の竜で、その体躯は通常の竜よりも逞しい。非常に強固な防御力と、そして魔法で強化された炎のブレスは全てを焼き払う業火だった。
彼──ビヨンド・グレイブの戦いもここから始まる。
このアルトカークスの世界の運命を変える為に。
目の前の世界よりも大事な恋人を救う為に。
新たに生まれた”混沌の女神”とその”混沌の女神の騎士”をまとめて殺す為に……。
やがて、二人の騎士は幾度も剣を交えることになる。
一人は混沌の女神を守るために。
そしてもう一人は、混沌の女神を殺す……『女神殺し』をするために。
その戦いは、混沌の女神の騎士が元居た世界、地球にまで拡大することになることは誰も知らなかった。
全能の神である、アルトカークスを創造した神、金のルシファーでさえも。
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