罪の劇場 〜SMクラブWhich Trials〜

翔田美琴

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第3クール ユウキに見る愚かさの系譜

地獄のタンゴ編

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きらびやかなクラブ、甘いアルコールの香りと重低音がユウキを包み込む。彼女の目は、一際輝く男たち、Phantom Rouge隊のレンブラントとエリオットを捉えた。

ユウキ: ねぇ、アンタたち、すごい綺麗。モデルさん?っていうか、お金持ちでしょ?

レンブラント: モデル、ですか。面白いことを仰る。私はレンブラント。こちらはエリオットだ。貴女は?

エリオット: お初にお目にかかります、お嬢さん。エリオットと申します。しかし、綺麗な方ですね。そのアッシュブロンドもよくお似合いですよ。

ユウキ: あたし?ユウキだよ!ねぇ、よかったら一杯奢ってよ!シャンパンとかさ!

レンブラント: (エリオットに目配せ)…シャンパンですか。構いませんが、少しお話を伺っても?

エリオット: ええ、ユウキさん。私たち、貴女のような美しい女性とお近づきになりたいと思っているんです。…少し、深い話をしても構いませんか?

ユウキ: 深い話?なにそれ美味しいの?あたし、そういうのよくわかんないんだよねー。でも、シャンパンのためなら、なんでも聞くよ!

ユウキの言葉に、レンブラントの瞳がわずかに冷たく光る。エリオットは、微笑みを深めた。

レンブラント: (低い声で)…なるほど。貴女のような方が、このセレスティアには多いのかもしれませんね。

エリオット: ユウキさん。私たちはPhantom Rouge隊という部隊に所属しています。簡単に言えば、秩序を守るための…仕事人、といったところでしょうか。

ユウキ: ふーん?秩序?仕事人?なんか難しそう…。あたし、そういうの苦手。ねぇ、シャンパンはまだー?

レンブラント: 焦らないでください。これから、最高のシャンパンをご用意しますよ。その前に、貴女にお願いしたいことがあるのです。

レンブラントは、ユウキの耳元に顔を寄せ、甘く危険な香りのする言葉を囁いた。

レンブラント: 私たちと共に、少しだけ、踊ってくれませんか?地獄へのタンゴを。

ユウキ: 地獄…?わー、なんか中二病っぽくて面白い!いーよー!踊ってあげる!あたし、踊るの大好きだし!

ユウキは屈託のない笑顔を浮かべた。彼女はまだ知らない。この誘いが、彼女の人生を狂わせるほどに重いものだということを。

エリオット: 素晴らしい。レンブラント、彼女をエスコートしてくれ。私は先に準備を整えておこう。

エリオットは静かにその場を離れた。レンブラントはユウキの手を取り、ダンスフロアへと誘う。

レンブラント: さあ、ユウキさん。私と踊りましょう。この一瞬が、永遠に忘れられない夜になることをお約束します。

ユウキ: わーい!楽しみ!レンブラントさん、ダンス上手そうだね!期待しちゃうぞー!

踊り出す二人。ユウキは無邪気に笑っている。レンブラントの瞳には、憐憫と打算が入り混じった複雑な光が宿っていた。やがて彼女は、Phantom Rougeの「緋色の処理部隊」の一員として、その命を消費されることになるだろう。シャンパンと引き換えに。

レンブラント: (踊りながら) ユウキさん、貴女は美しい。しかし、それだけでは生きていけない世界もある。Phantom Rougeは、美しさだけでなく、使える才能を求めている。貴女には、それがあるのでしょうか。

ユウキ: 才能?うーん、あたし、特に何もないかなー。あ、でも、男の人を虜にするのは得意かも!

レンブラント: (冷笑)なるほど。それも才能の一つかもしれませんね。ですが、Phantom Rougeで必要なのは、もっと別の種類の…狡猾さ、ですかね。

ダンスフロアの片隅で、エリオットは静かにグラスを傾けていた。彼の視線の先には、踊るユウキとレンブラントの姿。その表情は、どこまでも冷酷だった。

エリオット: (独り言)人材の再生…ですか。セレスティア中央政府も、甘い理想を抱くものですね。結局、必要なのは効率。彼女のような人間を効率的に利用する。それが、Phantom Rougeの役割です。

ユウキ: (レンブラントに寄り添いながら)ねえねえ、Phantom Rougeって、すごいの?あたし、ちょっと興味出てきたかも!

レンブラント: 強い興味は、時に命取りになることもありますよ、ユウキさん。ですが、覚悟があるなら、私たちも歓迎します。

エリオット: (近づいて)さあ、お二人とも。踊りはそこまでにして、シャンパンを開けましょうか。今宵は、長い夜になりそうですね。

3人はシャンパンを開け、グラスを掲げた。ユウキは満面の笑みを浮かべている。彼女は、自分が奈落の底へと堕ちていくことなど、知る由もなかった。

ユウキ: かんぱーい!今日からあたしも仲間入り!よろしくね!

レンブラント: ええ、こちらこそ。期待していますよ。ユウキさん。

エリオット: さあ、ユウキさん。セレスティアの未来のために、共に尽力しましょう。

グラスが重なり、シャンパンの泡がはじける。その音は、ユウキの希望の灯が消える音だった。

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