罪の劇場 〜SMクラブWhich Trials〜

翔田美琴

文字の大きさ
60 / 60
第3クール ユウキに見る愚かさの系譜

地獄巡り 続編3

しおりを挟む
広間の奥に位置する一室。そこは、鏡張りの空間だった。無数の鏡が、ユウキの姿を様々な角度から映し出す。しかし、どの鏡に映るユウキも、表情が乏しく、生気が感じられない。

ユウキ: これ…全部あたし…?なんか…気持ち悪い…。

レム: 鏡は真実を映し出す。今の君は、ただの器に過ぎないということだ。

レンブラント: ですが、まだ希望はあります。この場所で、美しさを手に入れることで、あなたは中身のある、魅力的な女性へと生まれ変わるのです。

レンブラントはそう言いながら、ユウキに近づき、その首筋にそっと触れる。ゾクッとするような感覚が、ユウキの全身を駆け巡る。

ユウキ: 何するの…?やめてよ…。

レンブラント: 少しだけ、眠っていただきます。そして目覚めたとき、あなたは新しい自分に出会うでしょう。

レンブラントは、ユウキの首筋に小さな針を刺す。瞬間、ユウキの意識は闇へと落ちていった。

どれくらいの時間が経ったのだろうか。ユウキは、冷たい感触に意識を取り戻す。見ると、自分は見慣れないベッドの上に横たわっていた。

ユウキ: ここは…どこ…?あたし…何してたんだっけ…?

部屋の隅に目をやると、レムが静かに佇んでいた。その表情は冷たく、感情を読み取ることができない。

レム: ようやくお目覚めか。どうだ、気分は?

ユウキ: 気分って…別に…。なんか、頭がぼーっとするけど…。

レム: それは、新たな自分を受け入れるための準備期間だ。さあ、鏡を見てみろ。

ユウキは、レムに促され、部屋に備え付けられた鏡の前に立つ。そして、そこに映る自分の姿を見て、息をのむ。

ユウキ: え…?これ…あたし…?

鏡に映っていたのは、以前のユウキとは全く違う女性だった。黒髪は美しいブロンドに変わり、瞳は吸い込まれるようなエメラルドグリーンに輝いている。顔立ちも整い、完璧な美しさを手に入れている。

レム: どうだ?これが、君が手に入れた美だ。

ユウキ: 嘘みたい…本当に…あたし…?

レンブラント: (部屋の外から) 素晴らしい変貌ですね。ユウキさん、あなたは今、誰もが羨む存在になったのです。

ドアが開き、レンブラントが部屋に入ってくる。その瞳には、狂気にも似た喜びが宿っている。

ユウキ: レンブラントさん…あたし…綺麗になった…?

レンブラント: ええ、あなたは完璧です。さあ、新しい世界へ行きましょう。あなたの美しさが、どれほどの価値を生み出すのか、その目で確かめてください。

レンブラントに手を引かれ、ユウキは部屋を出る。廊下には、同じように美しい女性たちが、まるで操り人形のように歩いている。彼女たちは皆、無表情で、ただ言われるがままに動き続けている。

ユウキ: ねぇ、あの人たち…一体…?

レンブラント: 彼女たちは、あなたと同じように、美しさを手に入れた人たちです。そして今、その美しさをセレスティアのために役立てているのです。

レンブラントは、そう言うと、ユウキを大広間へと連れて行く。そこでは、富豪たちが、美しい女性たちを品定めするように見つめていた。

ユウキ: こ…ここは…?

レンブラント: ここは、あなたの美しさを必要とする人たちが集まる場所です。さあ、あなたの価値を証明してください。

レンブラントはそう言うと、ユウキを富豪たちの前に突き出す。彼らは、ユウキの美しさに目を奪われ、たちまち彼女を取り囲む。

ユウキは、富豪たちの欲望の目に晒されながら、自分がまるで商品のように扱われていることに気づく。しかし、彼女には、それを拒否する力は残っていなかった。彼女は今や、美しさと引き換えに、魂を売り渡してしまったのだ。

レム: (冷たい笑みを浮かべ) ようこそ、地獄へ。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...