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最終章
六
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YとJは手を繋ぎカラオケ館を出た。
電話のとおり奴は、電信柱に隠れて待っていた。奴は、驚いているに違いない。なぜなら自分が依頼した探偵が、元カノと手を繋いで、浮気しているなんて夢にも思わないだろう。
わたしは、奴の驚いているアホ面を見てやりたいと思ったが、尾行されていると思うので、安易に振り向いてはいけない。気づいていないふりをしなくては…。
YはJの少し速い歩行ペースになんとか頑張ってついていく。
周りから見たら、本当のカップルに見えるのかもしれない。けれど、今わたしにとってそんなことはどうでもいい。作戦がうまくいくよう、集中しなくては。
少し歩いたら歩行ペースが落ちた。
そして、Jが繋いでいる手をギュッと強く握る。
これは、俺のほうを見て、楽しそうに笑えという合図。
わたしは、Jに笑いかける。楽しそうに。そこには、何も会話など存在していないのに。
しかしこれで、奴は完全に勘違いをするだろう。疑いの余地なく。あいつらは付き合っている。くそ。あの探偵!俺を嵌めやがったな?ふざけんな!と怒っていることだろう。簡単に想像することが出来た。
Jはその後も、何度も合図を送ってきた。わたしは、その度悲しくなっていた。上手く笑顔を作れているか不安であった。その不安に気付いたのか、わたしの笑顔が引き攣っていたのかわからないが、Jがわたしの頭に手を乗せた。ぽんぽん。と頭を軽く叩いた。声は聞こえなかったが、わたしには
「大丈夫、心配すんな。」という声が聞こえた気がした。わたしは頷き、自然と笑うことができた。
そして、目的地に到着した。わたしの家である。この場所で全ての物語を終わらせてやる!
電話のとおり奴は、電信柱に隠れて待っていた。奴は、驚いているに違いない。なぜなら自分が依頼した探偵が、元カノと手を繋いで、浮気しているなんて夢にも思わないだろう。
わたしは、奴の驚いているアホ面を見てやりたいと思ったが、尾行されていると思うので、安易に振り向いてはいけない。気づいていないふりをしなくては…。
YはJの少し速い歩行ペースになんとか頑張ってついていく。
周りから見たら、本当のカップルに見えるのかもしれない。けれど、今わたしにとってそんなことはどうでもいい。作戦がうまくいくよう、集中しなくては。
少し歩いたら歩行ペースが落ちた。
そして、Jが繋いでいる手をギュッと強く握る。
これは、俺のほうを見て、楽しそうに笑えという合図。
わたしは、Jに笑いかける。楽しそうに。そこには、何も会話など存在していないのに。
しかしこれで、奴は完全に勘違いをするだろう。疑いの余地なく。あいつらは付き合っている。くそ。あの探偵!俺を嵌めやがったな?ふざけんな!と怒っていることだろう。簡単に想像することが出来た。
Jはその後も、何度も合図を送ってきた。わたしは、その度悲しくなっていた。上手く笑顔を作れているか不安であった。その不安に気付いたのか、わたしの笑顔が引き攣っていたのかわからないが、Jがわたしの頭に手を乗せた。ぽんぽん。と頭を軽く叩いた。声は聞こえなかったが、わたしには
「大丈夫、心配すんな。」という声が聞こえた気がした。わたしは頷き、自然と笑うことができた。
そして、目的地に到着した。わたしの家である。この場所で全ての物語を終わらせてやる!
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