インフィニート！！

十話目！

今朝は本当にどうなるかと思ったけれど、結構なんとかなった。
あの後、この花道ってどうやったら抜けられるんだろうとか色々考えてみたけれど、慶が少し道を開けてくれる？と首を傾げながら、ウインクすると一瞬で人垣が割れた。
すごい。アイドルの威力やばい。いいなぁとか思ってると、今度からはリーダーの仕事ねとか言われた。
解せぬ。何故だ。
教室に着くと、慣れなのか、なんなのか思ったよりも干渉されずに済んだ。
クラス中から僕たちについて話す声は聞こえたけど。
基本的に僕は前の高校までの学校生活では、読書をしながら教室の隅に居たタイプの生徒だったので、はっきり言ってこんなに注目の的になったことはない。実は結構怖い。
基本的にこんなに人が苦手な僕がなんでアイドルなんかになったんだっけ。

最初はそんなに芸能人になりたいだとか、ましてやアイドルになりたいだとかそんな願望があったわけではない。
だけど、小さい頃から歌うことだけはものすごく好きだった。
それは確かで、自分で言うのもなんだけれど、まあまあ上手かったと思う。
それで、顔も世間的にはまあまあ良かったらしく近所にいた妹分みたいな子に春兄ならアイドルにもなれるよって言われて、絶対ないって言ったら、なんか勝手にオーディションにエントリーされてたんだよね。
しかも一次選考通ってるし。
あの時ほどびっくりしたことないよね。
仕方ないから、二次に行ってみたら通っちゃて、最終選考までいっちゃうし。
いや待って。みたいな。
流石に本当にアイドルになるなんてことないっしょって思ってたら、なんかリーダーに抜擢されてるし。
なんかほんとによくわかんないんだけど、なんかぼーっとしてたらこんなことになってしまった感あるんだよね。
妹分の子はめちゃくちゃ喜んでくれて、スゴイじゃん春兄！って言ってくれた。
親は、春樹が決めたならそれで的な感じだった。
歌も思う存分歌えるし、思ったよりメンバーいい人ばっかりだし。まあいっかみたいな。
アイドルになれば少しはこの人嫌いな感じも治るかなって思ったんだけど…ちょっと無理っぽいわ。
別に生活に支障があるってほどでもないし、ちょっと緊張しやすかったりするけど、ステージぐらい大人数になると逆に大丈夫だから仕事に支障もないしなんとかなる。多分。メンバーにはなぜか最初から人嫌い発動してないし。
でも、クラスの子とは話せるようになりたいなー。
焦ることはない。この学校は高校三年間同じクラスらしいし。
これに関しては僕も結構びっくりした。でも同時に道理でみんな団結力高いはずだなって思った。
こないだの団結力と身内感はすごかった。

まあ、そんなこんなで色んなこと考えてるうちに、一日が終わってた。
先生、真面目に授業受けてなくてごめんなさい。
今日は、昼までだったし、これからの授業についての解説だけだったから許して欲しい。
次からはちゃんと聞きます。