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サタン@異世界編PART1

超金持ち爺さんの家にはメイドがいっぱい

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ガリレオの姿が敷地に入ると、巨大な玄関の扉が自動で開く。

「「「おかえりなさいませ」」」

中に入ると10名のメイドが左右5人ずつズラッと整列していた。

「うわ……」

カトリーナもあまりの金持ちっぷりに驚いているようだ。

メイドの間を抜けて階段を登り、大きな扉を開くと、巨大な居間が広がっていた。

「適当に座れ」

ガリレオは自分の席へ向かいながら言った。

居間に置かれた巨大なテーブルには、清潔なテーブルクロスが掛かり、高級そうな皿などが用意されていた。

俺は適当な席に腰掛けて言った。

「めーし!めーし!じいさんめーし!!」

置かれていたナイフとフォークをカチンカチンと鳴らしながら大声を上げる。

「ちょ、ちょっとサタン!カッコ悪いって……!こういうのはマナーっていうのが……!」

「あ、めーし!めーし!カニパーティー!カニしゃぶ!カニしゃぶ!カニしゃーぶ!!」

「もうよせよ!!!」

カトリーナが大声で制止する。

「ふん。カニか。……おい」

ガリレオは近くのメイドに何やら指示を出すと、メイドは早足で部屋を出て行った。

「カーニ!カーニ!カーニバル!」

「もううるさいよ!!」

一人でどんちゃん騒ぎしていると、ガリレオが咳払いをして言った。

「飯は用意してるからもう少し待て。それからこれが約束の報酬だ」

そう言うと、俺たちの後ろに立つメイドがテーブルに豪華な封筒を置いてくれた。

「うわ……すっげぇ……!!」

あまりの分厚さにカトリーナが目を丸くする。

俺は札を数えて12000ギルあることを確かめると、「確かに」と言ってコートの内ポケットにしまった。

「それより、お前たちにもうひとつ依頼がある」

ガリレオは改まって言った。

「依頼?」

金を持って余裕ができた俺は興味なさげに聞き返した。

(しばらくこれで生活できるし、面倒なことはやりたく……)



「やるよ!ガリレオさん!」



カトリーナが机に手を置いて立ち上がりながら叫んだ。
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