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サタン@異世界編PART1
海中巨大モンスターを一撃で葬る男
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本来なら呼吸してエネルギーを整えて大技でもかましたい所だが、深海なのでさっさと勝負を決めることにした。
吸血鬼の血を沸き立たせ、赤黒いエネルギーが左手に集まる。
「ゴォォォォォォ!!」
しかし、その前にイカが吸い込む勢いを強めたことで、口の中へ吸い込まれてしまった。
イカの口の中は暗くてよく見えなかったが、明るくなったら多分気持ち悪いはずだ。
(…………!?)
さらに歯なのかわからないが、鋭利なドリルのような物で俺の乳首をツンツンしてくる。
「いてっ!いって……!!」
体をよじりながら左腕に集中してみると、イカを捌くエネルギーの準備が整ったことを感じた。
……ツン。
相変わらずツンツンしてくる。
「ドリルすな」
ツン、ツン、ツン、ツン。
「すな、すな、すな、すな」
ツン、ツン、ツン、ツン。
「すな、すな、すな、すな」
そして、かなりデカい歯での三連撃がつま先、顎、脇を襲った。
ドカッ!ドカッ!ドカッ!
「つま先、顎、脇やめろ!!」
ーーーピタッ。
偶然なのか、なぜか連撃が止まった。
「ドリル…………」
ーーーそして俺は左腕をイカの中から頭部に向かって振り下ろした。
「せんのかぁぁぁァァーーーーーい!!!」
イカの内部を、巨大な赤黒いエネルギーの刃が頭部めがけて駆け巡る。
「ギョォォォォォォオオオ!!!」
イカは断末魔を響かせ、俺を体の中に入れたまますごい勢いで海面へ上昇する。
そのまま飛び跳ねるように海面からジャンプし、そして空中で爆ぜ、霧散していった。
「またこれかい……。いらなっ……」
俺はイカの中から出てきた"魔王の芽"をキャッチすると、海を見る。
どうやら俺たちが海中で戦闘してる隙に、船は岸の方まで離れていたらしく、先ほどのイカが暴れた影響は無かったようだ。
さらに、イカの勢いで吹っ飛ばされていたメイジーが海面から顔を覗かせている。
どうやら『水の中歩けるヤツ』は解けて、メイジーも海を泳ぐことになりーーー。
「ったく……」
そして溺れているようだった。
俺は海面に近づきメイジーを拾い上げると、船へ向かって飛んでいった。
「さすがサタン!!すごいじゃん!!やったねーー!!」
船に着くと、すっかり船酔いの醒めたカトリーナが抱きついてきて、俺のコートに顔を埋める。
「あーーーっ!?ゲロ付いたんですけど!?」
さっきまで吐きまくっていたカトリーナの口による塗布。
俺はあまりのことに絶叫する。
「そんなことより聞いてよサタン!な・ん・と!仕事熱心なカトリーナ様が可愛く船酔いしてる間すら頑張ってライブ配信してた結果、登録者がまた……」
「………」
「3000人増えましたー!!」
「知らんわ!!コート弁償しろー!!」
「まーまー!あ、それより、サタンがさっき助けたこの人は……」
カトリーナがメイジーを見る。
「ん?ああ。メイジーとか言ったな。さっきギガントプラーケンと戦ってた時、援護してもらった」
「へ、へー。そうなんだ」
カトリーナは少しバツの悪そうな顔をして鼻の頭を掻いた。
「?まぁいいや。メイジー。助かった。結局濡れちまったけど前半の海の中は快適に過ごせたよ」
俺はメイジーに改めてお礼を言った。
「ええ。私も、ギガントモンスターの討伐を間近で見られるなんて、とても貴重な経験でしたわ」
メイジーがタオルで髪を拭きながら言った。
そして改まってスカートの端を持ちながら膝を曲げた。
「私、メイジー・T・アルコットと申します。母のマリアは世界的オペラ歌手、父はピロピロムーン帝国の労働省で事務次官を務めておりますわ。以後、よろしくお願い致します」
「典型的な令嬢かい。よろしく」
金持ち特有の形式ばった挨拶に思わずツッコんだ。
「それで、あなたは……?」
メイジーが首をかしげてきたが、そういえば名乗ってすらいないことに気づいた。
「あ、ああ、俺は……」
俺も自己紹介しようとした所で、横からカトリーナが割り込んできた。
「メイジーさん、こんにちは!こいつはサタン。異世界から来た"謎の生物"で、私はこいつのマネージャー兼、パ、パートナーのカトリーナ。よろしくね!」
「パ、パートナーですの……。ずいぶんとお若いようですが……」
「うん!こいつ、変態なんだ!」
「ちげーわ!!!パートナーとかじゃねーし!!ん?あ、いや、動画のパートナーではあるのか……?」
「変態なんだ!」
「うるせーよ!!!」
カトリーナはまた余計な誤解を生んだ。
吸血鬼の血を沸き立たせ、赤黒いエネルギーが左手に集まる。
「ゴォォォォォォ!!」
しかし、その前にイカが吸い込む勢いを強めたことで、口の中へ吸い込まれてしまった。
イカの口の中は暗くてよく見えなかったが、明るくなったら多分気持ち悪いはずだ。
(…………!?)
さらに歯なのかわからないが、鋭利なドリルのような物で俺の乳首をツンツンしてくる。
「いてっ!いって……!!」
体をよじりながら左腕に集中してみると、イカを捌くエネルギーの準備が整ったことを感じた。
……ツン。
相変わらずツンツンしてくる。
「ドリルすな」
ツン、ツン、ツン、ツン。
「すな、すな、すな、すな」
ツン、ツン、ツン、ツン。
「すな、すな、すな、すな」
そして、かなりデカい歯での三連撃がつま先、顎、脇を襲った。
ドカッ!ドカッ!ドカッ!
「つま先、顎、脇やめろ!!」
ーーーピタッ。
偶然なのか、なぜか連撃が止まった。
「ドリル…………」
ーーーそして俺は左腕をイカの中から頭部に向かって振り下ろした。
「せんのかぁぁぁァァーーーーーい!!!」
イカの内部を、巨大な赤黒いエネルギーの刃が頭部めがけて駆け巡る。
「ギョォォォォォォオオオ!!!」
イカは断末魔を響かせ、俺を体の中に入れたまますごい勢いで海面へ上昇する。
そのまま飛び跳ねるように海面からジャンプし、そして空中で爆ぜ、霧散していった。
「またこれかい……。いらなっ……」
俺はイカの中から出てきた"魔王の芽"をキャッチすると、海を見る。
どうやら俺たちが海中で戦闘してる隙に、船は岸の方まで離れていたらしく、先ほどのイカが暴れた影響は無かったようだ。
さらに、イカの勢いで吹っ飛ばされていたメイジーが海面から顔を覗かせている。
どうやら『水の中歩けるヤツ』は解けて、メイジーも海を泳ぐことになりーーー。
「ったく……」
そして溺れているようだった。
俺は海面に近づきメイジーを拾い上げると、船へ向かって飛んでいった。
「さすがサタン!!すごいじゃん!!やったねーー!!」
船に着くと、すっかり船酔いの醒めたカトリーナが抱きついてきて、俺のコートに顔を埋める。
「あーーーっ!?ゲロ付いたんですけど!?」
さっきまで吐きまくっていたカトリーナの口による塗布。
俺はあまりのことに絶叫する。
「そんなことより聞いてよサタン!な・ん・と!仕事熱心なカトリーナ様が可愛く船酔いしてる間すら頑張ってライブ配信してた結果、登録者がまた……」
「………」
「3000人増えましたー!!」
「知らんわ!!コート弁償しろー!!」
「まーまー!あ、それより、サタンがさっき助けたこの人は……」
カトリーナがメイジーを見る。
「ん?ああ。メイジーとか言ったな。さっきギガントプラーケンと戦ってた時、援護してもらった」
「へ、へー。そうなんだ」
カトリーナは少しバツの悪そうな顔をして鼻の頭を掻いた。
「?まぁいいや。メイジー。助かった。結局濡れちまったけど前半の海の中は快適に過ごせたよ」
俺はメイジーに改めてお礼を言った。
「ええ。私も、ギガントモンスターの討伐を間近で見られるなんて、とても貴重な経験でしたわ」
メイジーがタオルで髪を拭きながら言った。
そして改まってスカートの端を持ちながら膝を曲げた。
「私、メイジー・T・アルコットと申します。母のマリアは世界的オペラ歌手、父はピロピロムーン帝国の労働省で事務次官を務めておりますわ。以後、よろしくお願い致します」
「典型的な令嬢かい。よろしく」
金持ち特有の形式ばった挨拶に思わずツッコんだ。
「それで、あなたは……?」
メイジーが首をかしげてきたが、そういえば名乗ってすらいないことに気づいた。
「あ、ああ、俺は……」
俺も自己紹介しようとした所で、横からカトリーナが割り込んできた。
「メイジーさん、こんにちは!こいつはサタン。異世界から来た"謎の生物"で、私はこいつのマネージャー兼、パ、パートナーのカトリーナ。よろしくね!」
「パ、パートナーですの……。ずいぶんとお若いようですが……」
「うん!こいつ、変態なんだ!」
「ちげーわ!!!パートナーとかじゃねーし!!ん?あ、いや、動画のパートナーではあるのか……?」
「変態なんだ!」
「うるせーよ!!!」
カトリーナはまた余計な誤解を生んだ。
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