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サタン@異世界編PART1
婚約破棄された悪役令嬢
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ひとしきり俺とカトリーナのやり取りを見ると、メイジーは横をチラッと見た。
「メイジー。本当に良かった……。もう、心配させるんだから……」
隣にいたメイジーの知人らしき女性が微笑みながらため息をつく。
「ごめんなさい。……あ、こちらは私の親友兼、侍女兼、護衛を務めるクロエです」
そう言うと、メイジーは一歩下がった。
クロエと呼ばれたメイド服の女性は、左腕を曲げて拳を胸に置くと、敬礼した。
「クロエ・ボールドウィンと申します。先ほどはメイジーを救って頂き、ありがとうございました。情けないことに、海中の戦闘訓練は受けておらず、任せきりになってしまいました」
そう言って頭を下げた。
しかし、船上から吹っ飛ばされた危機はあったが、それ以外の海中戦はメイジーが勝手に首を突っ込んできただけだ。
その一件だけ見ても、クロエがおてんば娘に日々翻弄されている感じが見てとれた。
「いや、海中にはこいつが勝手についてき……」
「ちょ、ちょっと!サタン様!何をおっしゃいますの!そ、それより、お二人はお仕事でこちらの船へ?」
メイジーは強引に話を変えた。
「うん!金持ちのおじいさんから仕事を受けてね。ピッピンプンスカ教会本部にいる娘さんを連れ戻しに行くところなんだ」
「ピッピンプンスカ教会ですか……。それでしたら私の住むペペロニアに教会本部がありますわ。最近はよく信者の方々が集まっているのをお見かけします」
「そりゃいい。街で情報を集めてから乗り込むとしよう。賑わった街なら久しぶりに酒も飲みたいな」
「でしたら私のお屋敷へご招待致しますわ。ある理由でご馳走様の食材がたくさんあるのですが、使わなくなってしまったので……」
メイジーは少し寂しそうな顔で俯いた。
「メイジー。あれは勝手に約束を反故にしたあの男が悪い。そんなに気にしなくても……」
クロエが気にかける。
「いえ、両家の顔合わせを間近に控えていたのに……。私のせいで……」
「顔合わせ?」
俺は首をかしげた。
クロエが言いづらそうにしているとメイジーが語り出した。
「実は、私、1ヶ月後に結婚をする予定だったのです。すでにお相手の方とも婚約の儀を済ませておりました」
「ふんふん」
俺は興味なさそうに聞く。
「しかし、先週、お相手の方が結婚できない……と。理由はかねてより好きな方がいて、その方と添い遂げたいと……」
「婚約破棄されとるんかい」
「ちょ、あなた!デリカシーってものが……!」
クロエが慌てふためく。
「ですが、私も女の意地があります。お相手の想いを寄せる方とその家族、大切なもの全てを謀略にて葬り去る計画も考えておりました」
「悪役令嬢かい」
「しかし、考えたのです。この苛立ちの原因は、本当に彼を好きだったからなのか……と。ただ単に、私を選ばなかったという事実が自尊心を傷つけただけなのではないか、と」
「うん」
「ですから、私は1週間ほど自分に向き合う時間を作りたいと考えました」
「うん」
「船を乗り継ぎ、いくつかの街を巡る旅に出ていたのです。クロエと共に」
「うん」
「え、ええ。そういう経緯ですわ。サタン様、どう思われます?私は間違っているでしょうか?」
「え、なにが?」
「いや、ですから、私のこの気持ちは本当に愛なのか、と……」
「え、ごめん、全然聞いてなかった」
「貴様!!!」
クロエがメイド服に付けた日本刀を抜刀しようとする。
「ち、ちょっとクロエ!こんな方でも恩人なのですから!」
「確かに……。これは失礼」
"こんな方"は物騒なメイドを引き気味に見た。
「メイジー。本当に良かった……。もう、心配させるんだから……」
隣にいたメイジーの知人らしき女性が微笑みながらため息をつく。
「ごめんなさい。……あ、こちらは私の親友兼、侍女兼、護衛を務めるクロエです」
そう言うと、メイジーは一歩下がった。
クロエと呼ばれたメイド服の女性は、左腕を曲げて拳を胸に置くと、敬礼した。
「クロエ・ボールドウィンと申します。先ほどはメイジーを救って頂き、ありがとうございました。情けないことに、海中の戦闘訓練は受けておらず、任せきりになってしまいました」
そう言って頭を下げた。
しかし、船上から吹っ飛ばされた危機はあったが、それ以外の海中戦はメイジーが勝手に首を突っ込んできただけだ。
その一件だけ見ても、クロエがおてんば娘に日々翻弄されている感じが見てとれた。
「いや、海中にはこいつが勝手についてき……」
「ちょ、ちょっと!サタン様!何をおっしゃいますの!そ、それより、お二人はお仕事でこちらの船へ?」
メイジーは強引に話を変えた。
「うん!金持ちのおじいさんから仕事を受けてね。ピッピンプンスカ教会本部にいる娘さんを連れ戻しに行くところなんだ」
「ピッピンプンスカ教会ですか……。それでしたら私の住むペペロニアに教会本部がありますわ。最近はよく信者の方々が集まっているのをお見かけします」
「そりゃいい。街で情報を集めてから乗り込むとしよう。賑わった街なら久しぶりに酒も飲みたいな」
「でしたら私のお屋敷へご招待致しますわ。ある理由でご馳走様の食材がたくさんあるのですが、使わなくなってしまったので……」
メイジーは少し寂しそうな顔で俯いた。
「メイジー。あれは勝手に約束を反故にしたあの男が悪い。そんなに気にしなくても……」
クロエが気にかける。
「いえ、両家の顔合わせを間近に控えていたのに……。私のせいで……」
「顔合わせ?」
俺は首をかしげた。
クロエが言いづらそうにしているとメイジーが語り出した。
「実は、私、1ヶ月後に結婚をする予定だったのです。すでにお相手の方とも婚約の儀を済ませておりました」
「ふんふん」
俺は興味なさそうに聞く。
「しかし、先週、お相手の方が結婚できない……と。理由はかねてより好きな方がいて、その方と添い遂げたいと……」
「婚約破棄されとるんかい」
「ちょ、あなた!デリカシーってものが……!」
クロエが慌てふためく。
「ですが、私も女の意地があります。お相手の想いを寄せる方とその家族、大切なもの全てを謀略にて葬り去る計画も考えておりました」
「悪役令嬢かい」
「しかし、考えたのです。この苛立ちの原因は、本当に彼を好きだったからなのか……と。ただ単に、私を選ばなかったという事実が自尊心を傷つけただけなのではないか、と」
「うん」
「ですから、私は1週間ほど自分に向き合う時間を作りたいと考えました」
「うん」
「船を乗り継ぎ、いくつかの街を巡る旅に出ていたのです。クロエと共に」
「うん」
「え、ええ。そういう経緯ですわ。サタン様、どう思われます?私は間違っているでしょうか?」
「え、なにが?」
「いや、ですから、私のこの気持ちは本当に愛なのか、と……」
「え、ごめん、全然聞いてなかった」
「貴様!!!」
クロエがメイド服に付けた日本刀を抜刀しようとする。
「ち、ちょっとクロエ!こんな方でも恩人なのですから!」
「確かに……。これは失礼」
"こんな方"は物騒なメイドを引き気味に見た。
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