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車椅子の少女
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不安げにこちらを見つめる少女に対し、俺は猫の背を撫でながらいつもよりも少し低めの温かみのある声色で、こんにちは。と、声をかけた。
少女は口を開き、なにか音を出そうと、口を2,3度パクパクさせた後、結局何も言わずに回れ右をしてその場を去る。
ちょいちょいちょーい!ちょい待てーい!!
こりゃどう考えても俺が不審者扱いされてるやつでしょ!
伝書少女からのポリコスハロウィンおじさん登場で追放系なろう小説のパターンですよねコレ!?
どうすんの!俺がその後に人間不信になって籠城戦(ひきこもり)はじめたらさぁ!そんで不満が積もりに積もって大事件とか起こしちゃうんだぜ!無敵よ無敵!守る者も職場もないんだから俺みたいのは!世の中揺るがすのは俺みたいな人なのよ!もっと大事に扱ってよ!!赤子を抱くときみたく、優しく抱擁してくれよ!!我々メンタルが豆腐なんですぅーー!!日ハム時代の大谷さんのマメぐらい潰れやすいんですぅーーー!!!
と、このようにその辺の二流無職なら焦って墓穴を掘ってしまう所だろうが、一流無職の俺はそんな愚は侵さない。彼女を正面から視界にいれたわずか数秒の間に、彼女の全身をくまなく観察分析し、この場を乗り切る重大なヒントを手に入れていた。
「キミもこの子に、ごはんあげに来たんだよね?」
背後から俺の声が届いたのか、少女の車椅子がピタリと止まる。
「この子、すごくお腹が空いてるみたいだから、君も手伝ってくれないかな」
**************************************
「コタロウは私が入院した時からいるんです!」
「へぇー、俺が初めて見たのは3年前とかだったなぁ」
「私はここに5年はいますから、私の方が先輩ですね!」
「そうかぁ、先輩かぁ、ははは、、、、。」
小さな胸を張りながらドヤる少女に愛想笑いを返す。
先ほどまでの緊迫感は一切なく、少女は満開の笑顔を開花させ、響きの良い声がおじさんの劣化した鼓膜を刺激する。
「キミ、名前は?」
「・・・ミクルです!」
「おじさんのことはコスモファイターって呼んでくれ」
「なるほど、厨二さんですね!」
「そういう反応には慣れてるけど、普通に傷つくからな」
「あと、普通に本名だから!親がつけた名前だから!」
口元に手を添えながら、笑う少女見ているうちに、二回り以上も年下の女子に弄られたことへのイラ立ちは綺麗さっぱり消えていた。
「それじゃ、おじさんはそろそろ帰るよ」
「そう・・・ですか・・・。」
「明日もここに来るよ」
「はいっ!待ってます!イタ男さん!」
帰りの時には、少女の無加減な弄りが心地よくさえ思えていた。
こうして俺は、無職ライフを満喫中に一人の少女と出会ったのである。
無職サイコォーーーー!!
少女は口を開き、なにか音を出そうと、口を2,3度パクパクさせた後、結局何も言わずに回れ右をしてその場を去る。
ちょいちょいちょーい!ちょい待てーい!!
こりゃどう考えても俺が不審者扱いされてるやつでしょ!
伝書少女からのポリコスハロウィンおじさん登場で追放系なろう小説のパターンですよねコレ!?
どうすんの!俺がその後に人間不信になって籠城戦(ひきこもり)はじめたらさぁ!そんで不満が積もりに積もって大事件とか起こしちゃうんだぜ!無敵よ無敵!守る者も職場もないんだから俺みたいのは!世の中揺るがすのは俺みたいな人なのよ!もっと大事に扱ってよ!!赤子を抱くときみたく、優しく抱擁してくれよ!!我々メンタルが豆腐なんですぅーー!!日ハム時代の大谷さんのマメぐらい潰れやすいんですぅーーー!!!
と、このようにその辺の二流無職なら焦って墓穴を掘ってしまう所だろうが、一流無職の俺はそんな愚は侵さない。彼女を正面から視界にいれたわずか数秒の間に、彼女の全身をくまなく観察分析し、この場を乗り切る重大なヒントを手に入れていた。
「キミもこの子に、ごはんあげに来たんだよね?」
背後から俺の声が届いたのか、少女の車椅子がピタリと止まる。
「この子、すごくお腹が空いてるみたいだから、君も手伝ってくれないかな」
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「コタロウは私が入院した時からいるんです!」
「へぇー、俺が初めて見たのは3年前とかだったなぁ」
「私はここに5年はいますから、私の方が先輩ですね!」
「そうかぁ、先輩かぁ、ははは、、、、。」
小さな胸を張りながらドヤる少女に愛想笑いを返す。
先ほどまでの緊迫感は一切なく、少女は満開の笑顔を開花させ、響きの良い声がおじさんの劣化した鼓膜を刺激する。
「キミ、名前は?」
「・・・ミクルです!」
「おじさんのことはコスモファイターって呼んでくれ」
「なるほど、厨二さんですね!」
「そういう反応には慣れてるけど、普通に傷つくからな」
「あと、普通に本名だから!親がつけた名前だから!」
口元に手を添えながら、笑う少女見ているうちに、二回り以上も年下の女子に弄られたことへのイラ立ちは綺麗さっぱり消えていた。
「それじゃ、おじさんはそろそろ帰るよ」
「そう・・・ですか・・・。」
「明日もここに来るよ」
「はいっ!待ってます!イタ男さん!」
帰りの時には、少女の無加減な弄りが心地よくさえ思えていた。
こうして俺は、無職ライフを満喫中に一人の少女と出会ったのである。
無職サイコォーーーー!!
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