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第13話 霧の剣
霧の剣とは昔、とある王国の王女が作った型と言われている。
それまであった、大地、海、空の剣はその威力を発揮するにはある程度筋力が必要だった。
しかし、それでは男の人ばかりが剣を極めてしまうため、女はずっと剣士になれない。
そう考えた王女は、力による威力ではなく、手数と素早さから生まれる威力を追求した。
「まず、霧の剣とは一撃の威力ではなく手数が多いのが強みです」
「手数の多さですか」
「はい、まず私が手本を見せますね」
「はい!」
そう言うと俺は近くにある丸岩の方へと向かった。
「それではいきますね、霧の剣、四の型10本突き!!」
『ズドン』
「す、凄い丸岩が真っ二つになった」
霧の剣、四の型10本突き、目にも止まらぬ速さで一点を10回突く剣技である。
「今の見えました?」
「え、見えたとは?一回突いただけに見てましたが……」
「いいえ、私は今10回突いたのです」
「10、10回!?」
「先程、戦士の使う肉体強化のスキルの話をしましたが、実はこの霧の剣もその肉体強化のスキルの一つを使って使用する剣技となっています」
「に、肉体強化」
そう霧の剣は、肉体強化スキルの一つ神威と呼ばれる、一瞬の間のみ神の如く速く動けるスキルを応用する。
当時の王妃は、戦士の専売特許だった肉体強化スキルを剣士に転用し、非力な女性でも扱える剣技を開発したのだ。
「ではユイカさん、まずは肉体強化スキル、神威を覚えるところから始めましょうか」
「え、いやいやできないですよ、肉体強化スキルなんてどうやって覚えるんですか?」
「意外と簡単ですよ、特に神威はそれほど難しいものではないですし」
「そそ、そうは言ってもですね」
そう神威自体の会得難易度は、それほど高くない。
何故なら弱いからだ、戦士の使うグレートアップやスキルアップなどの長時間使えるスキルとは違い、神威は一瞬だけ。
つまり戦士からすればザコスキルなのだ。
「それでは会得方法ですが、こいつを捕まえてください」
「こいつ?」
そう言って俺は、ポケットから神速虫を取り出した。
神速虫とは、簡単に言うとめちゃくちゃ早い虫である。
この虫を捕らえると、スキル神威が手に入のだ。
「この虫は神速虫と言って、捕まる瞬間に一度だけ物凄く早く動く虫です、ただ次の動作までは0.1秒ほどかかります、つまりその0.1秒は止まってます、その瞬間に捕まえるのです」
「わ、わかりました」
そうしてユイカさんは俺の手から放たれた、神速虫を捕まえるべく、走り出した。
俺は捕まえるまでに丸3日かかった。
さてユイカさんはどうだ。
「つ、捕まえました!」
「え?」
そう言うとユイカさんは捕まえた神速虫を俺に返しにきた。
「す、凄いですね」
「えへへ」
俺が褒めるとユイカさんは照れくさそうに笑った。
伝承では霧の剣の開祖である王女も、一度で捕まえたと言われてるけど、まさかユイカさんも同じくらい才能があるんじゃないか。
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