14 / 21
第14話 神威
「この捕まえた虫はどうすればいいでしょうか」
「その虫ならもう離して大丈夫ですよ、スキルの継承を終わったので」
ユイカさんが離すと、神速虫はどこへ飛んでいった。
「さて、これでスキルが継承されたと思うので早速、神威を使ってみましょうか」
「はい、でもどうやって」
「最初は言葉で唱える必要がありますが、慣れれば頭で神威と唱えるだけで使えるようになります」
「なるほど」
肉体強化スキルの便利なところは、使用したい時に頭で唱えるだけで使えるため、使用中かどうかが相手にわからない点にある。
ただスキルは使用時間が長くなるほど、体力の消耗が激しくなる。
魔法は魔力を使うが、スキルは体力を使う。
そこら辺のコントロールが始めは難しく、スキルを使い始めた時はすぐバテてしまのだが、神威にはそのデメリットがあまりない。
「ではユイカさん、剣をまずは振ってみてください」
「わ、わかりました」
そう言ってユイカさんはシュッと短剣を振った。
太刀筋が悪くない。
やっぱりユイカさんはしっかり剣術を習っている人だ。
これなら霧の剣も短期間である程度習得できるかもな。
「良い太刀筋ですね」
「ありがとうございます!」
「それでは次は、剣を振る瞬間に神威と言ってみてください」
「わかりました、か、神威」
『バシュ』
神威と唱え振るった剣は先ほどとは比べ物にならないほどの速さで空を切った。
よし成功だ、後はこれを繰り返し行い。
神威に体を慣れさせれば霧の剣の本格的な習得に移れるぞ。
「すごい、すごいですタツベイさん、私使えました」
「お見事ですユイカさん、その調子であと30分ほどやってみましょう」
「はい!!」
それから30分、ユイカさんには同じモーションで神威を使ってもらった。
そうする事で身体がその動きをする時は神威を発動することを感覚で覚え始め、言葉で言わなくとも発動できるようになる。
まぁでもそろそろかな。
「ハァハァ、なんかうまく力が入らなくなってきました」
ユイカさんは苦しそうに肩で息をし始めた。
いくらコスパのいいスキルでも、使いすぎれば流石に疲れてしまう。
その限界を知るために30分間振り続けてもらったが、ちゃんと30分持ったな。
ユイカさんは意外と胆力が強いのかも。
「よし、今日はこの辺にしておきましょう」
「は、はい」
スキルの修行で肝心なのは、日々の鍛錬だ。
一朝一夕で身につくものではない。
ここから長い道のりになるが、ユイカさん心なしか楽しんでいるように見えた。
「なんだか楽しそうですね」
「あ、そうですか、でも正直楽しいです、今までスキルなんて使ったことなかったからかな」
そう言ってユイカさんニコッと笑った。
なんて良い子なんだろう。
俺は歳のせいか、目に涙を浮かべそうになったが、必死に堪えた。
歳はとりたくないもんだ。
あなたにおすすめの小説
木を叩いただけでレベルアップ⁉︎生まれついての豪運さんの豪快無敵な冒険譚!
神崎あら
ファンタジー
運動も勉強も特に秀でていないがめっちゃ運が良い、ただそれだけのオルクスは15歳になり冒険者としてクエストに挑む。
そこで彼は予想だにしない出来事に遭遇する。
これは初期ステータスを運だけに全振りしたオルクスの豪運冒険譚である。
※71話を少し修正しました。3/16
30代からはじめるダンジョン攻略!脱サラ男によるダンジョン攻略術。
神崎あら
ファンタジー
31歳、独身、職業攻略者。
世界にはダンジョンと呼ばれる不思議な建造物が出現して早20年、現在世界はまさにダンジョン時代と呼ばれるほどにダンジョンビジネスが盛んになった。
これはそんなダンジョン攻略者になったアラサー男性の冒険譚である。
※話数の表記の修正と同じ話の整理を行いました。
17時更新です。
俺のレベルが常人では到達不可の領域にある件について ~全ユーザーレベル上限999の中俺だけレベル100億いった~
仮実谷 望
ファンタジー
ダンジョンが当たり前のようにある世界になって3年の月日が流れてずっとダンジョンに入りたいと願っていた青年が自宅にダンジョンが出現する。自宅の押し入れにダンジョンが出現する中、冷静に青年はダンジョンを攻略する。そして自分だけがレベル上限を突破してレベルが無尽蔵に上がり続けてしまう。そうしていづれは最強への探索者として覚醒する青年なのであった。
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
ダンジョンで迷惑配信者をやっていた俺。うっかりアイドル配信者を襲ってたドラゴンをぶっ飛ばした結果、良い人バレして鬼バズる
果 一@【弓使い】2巻刊行決定!!
ファンタジー
矢上一樹は、ダンジョンでマナー違反行為を繰り返す迷惑系配信者だ。
他人の獲物を奪う、弱いモンスターをいたぶる、下品な言葉遣い。やりたい放題やって人気を得ていた彼だったが――ある日、うっかり配信を切り忘れて律儀な一面がバレてしまう。
焦った一樹はキャラを取り繕うも、時すでに遅し。一樹の素は大々的に拡散され話題沸騰していて――さらには、助けた美少女が人気アイドル配信者だったことで、全国レベルでバズってしまい!?
これは、炎上系配信者が最強でただのいいヤツだった的な、わりとよくある物語。
※本作はカクヨムでも連載しています。そちらでのタイトルは「ダンジョンで迷惑配信者をやっていた俺。うっかりアイドル配信者を助けた結果、良い人バレして鬼バズってしまう~もう元のキャラには戻れないかもしれない〜」となります。
現代ダンジョン奮闘記
だっち
ファンタジー
15年前に突如としてダンジョンが登場した現代の地球。
誰が何のために。
未だに解明されていないが、モンスターが落とす魔石はすべてのエネルギー源を代替できる物質だった。
しかも、ダンジョンでは痛みがあるが死なない。
金も稼げる危険な遊び場。それが一般市民が持っているダンジョンの認識だ。
そんな世界でバイトの代わりに何となくダンジョンに潜る一人の少年。
探索者人口4億人と言われているこの時代で、何を成していくのか。
少年の物語が始まる。