56 / 113
新宿襲撃編
52話 終結③
組合本部の半壊騒動から1週間後、俺は國枝さんと会うため渋谷のカフェに来ていた。
「ども」
「……お久しぶりです」
あの騒動の時、國枝さんは呼んでいないため騒動には巻き込まれていない。
「先週は大変でしたね、まさか本部があんな事になるなんて」
「まぁそうですね」
「貴方もだいぶ無茶をしたみたいですね」
「はは……そうですね」
國枝さんは俺の体を上から下まで見てそう言った。
魔族との戦闘で俺も腕と足に縫うくらいの裂傷を2箇所負っている。
東條さんや神宮寺、蘭方くんに比べたらかすり傷みたいなもんだけど、一般的に見たら痛々しいよな。
今も包帯してるし。
「私も参加したかったです」
「いやいや危ないですよ」
「なんですかその言い方は私だって攻略者なんです、いざってときの心構えはできています」
國枝さんは真剣な眼差しでそう答える。
確かに、攻略者にそういう心構えは必要だが……。
「心構えですか、正直なところ俺もそういう心構えはしているつもりですが、そういうのって口で言うのは簡単ですけどいざってときは、本当に難しいですよ」
「……」
「今回、本部を襲った魔族は計7体いました、その7体すべてが上位攻略者と同等かそれ以上の個体でした、俺は運良く生き残ったけど、不動さんは死んでしまったし、東條さんだって瀕死でした」
「……わかってます、そんなのはわかっているんですよ、どうせ私が行っても殺されていたでしょう、でも!それでもこのやるせない気持ちをどう処理して良いかわからないんです!」
そう言って國枝さんは立ち上がってしまった。
ま、まずい周りの視線が集まってきている……。
「落ち着いて、落ち着いてください」
「なんで、何で私はこんなに弱いのでしょう……」
そう言って席に戻った國枝さんはまた泣いてしまった。
うーんこの子は毎回泣いてるな、でもそんなに強くなりたいのか、なんか方法とかあったかな……あ、一つあるな。
「そんなに強くなりたいならいっその事、精霊や英霊と契約とかしてみます?」
「え?」
本部地下に、厳重に保管されているものがある、その名は死神の書と呼ばれるダンジョンアイテム。
レア度はSSSで、その本には死王と呼ばれる英霊が封印されており祭さんはその適合者をずっと探している。
まぁダメ元だけど國枝さんの思いを晴らすにはそれくらいしないとダメそうだしな。
「話は通しておくので、今度やってみましょうか」
「え、何を?」
「英霊適合です、それをすれば國枝さんは速攻でS2攻略者以上になれますよ」
「す、凄いですね」
冒険者にはランクがある。
A~Cの下級ランク。
S1~S3の上位ランク。
この二つがあり、俺はS2で國枝さんはAランクである。
ランクが上がるにはダンジョン踏破はもちろん、強さも必要で指標としてはS1に上がるためならSSレアダンジョンアイテム2つ以上が必要になり、S2ならSSレアダンジョンアイテムが3つ以上必要になる。
しかし特例もある、それはSSSレアダンジョンアイテムだ。
SSSレアダンジョンアイテムの適合者になれれば、問答無用でS2以上になれる。
つまり手っ取り早く強くなるにはSSSレアダンジョンアイテムの適合者になるのが1番早いのだ。
「じゃあ来週にでもやりましょうか」
「お願いします!」
俺がそう言うと國枝さんは嬉しそうに返事をした。
まぁ適合できるかはわからないけどね。
あなたにおすすめの小説
おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略
神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。
そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。
これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。
次回更新予定日 4/12 20時頃
よろしくお願いします。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
ブレイキング・ダンジョン
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
20✖︎✖︎年……世界で初めてのダンジョンが出現した。ダンジョンの中には、人外の魔物が棲息していた。
以降、世界中のあちこちで、ダンジョンが出現する。時を同じくして世界中から石油をはじめとした資源が枯渇していった。
限るある資源を奪い合おうとする国々。資源を奪い合うための世界大戦の危機が広がっていた。それを防いだのは、ダンジョンの資源であった。
ダンジョンの中には、魔物を倒した後に残される魔石や人類の叡智を超えた通称ドロップ品と呼ばれる品々があった。
人々はダンジョンに夢と希望を持ち、ダンジョンを探索する者……探索者時代の幕開けであった。
天才物理学者の異世界実験録 〜神の奇跡が非効率すぎるので、物理学で最適化したら世界最強になってしまった件〜
あとりえむ
ファンタジー
地球の天才物理学者・湯川連は、自身の理論を証明するためブラックホールに飛び込み、魔法が存在する異世界へと転生した。
辺境伯の息子「レイ」として生まれ変わった彼は、この世界の魔法を見て呆れ果てる。
「エネルギー効率が悪すぎる。ただの不完全燃焼じゃないか」
魔法とは神の奇跡などではなく、未解明の物理現象に過ぎない。
レイは地球の圧倒的な物理学の知識を駆使し、異世界の常識を次々と破壊していく。
・太陽光を集めただけの『大気レンズ』で超高火力を叩き出し、試験官を驚愕させる。
・『共振現象』で絶対防御の壁を指一本で粉砕。
・根性論を語る筆頭魔法教官を『熱力学』で完全論破!
圧倒的な知識チートで、エリート魔法使いや教団の奇跡を次々と数式でねじ伏せていくレイ。
彼の目的はただ一つ。異世界に巨大な加速器を建造し、地球に自らの「論文」を送ること!
落ちこぼれの不確定少女、守銭奴の商人、未来予測の秀才を仲間に加え、天才物理学者の常識破壊の実験が今、幕を開ける。
神様、あなたの奇跡は私が物理学で証明してあげましょう。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?