魔王〜明けの明星〜

黒神譚

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第3章「ゴルゴダの丘」

第67話 敵の思惑

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 わたくしがヴァレリオ様の依頼を受けて王城の防衛強化を初めて5日目の事でした。防衛都市がある方角から大勢の領民が列を長くして王都に入ってきたという知らせを受けました。ヴァレリオ様の命令を受けて領民を王都へ導いた騎士は私に報告しました。

「ヴァレリオ陛下よりラーマ姫様へご伝言。
 我、敵と交戦せり。領民の退却が完了するまで防衛都市にて戦闘を継続し、しかる後、王都へ帰還いたす。
 以上であります。」

 騎士の伝言通り、ヴァレリオ様は領民の撤退が完了するまで数日、都市の防衛に当たられ、その後に王都へ帰還を果たされました。その作戦の見事な事。
 先ずヴァレリオ様は最初にアンナお姉様と共に我が国に強行突破してきた敵を夜襲。このときジェノバ軍は強行軍の影響で体動かずに大損害を出しました。そのため、次からは敵は十分に戦力が整うまで攻撃をしてきませんでした。「戦力が整うまで」というのは全軍が揃うまでと言う意味ですが、その為に7日間の戦争停止期間がありました。ヴァレリオ様はこの期間を利用して領民を逃がすとともに、城内の兵士が逃げられる算段もお立てになられました。それは城内に敵を引き入れては城内を爆破していくという狂気じみた作戦でした。
 
 戦闘開始の宣言を300名からなる親衛隊が叫ぶと同時に6万の兵士はその数にものを言わせて親衛隊を追ってきました。そして、親衛隊を追ってきた敵兵をヴァレリオ様の命令を受けていた家臣たちは敵兵が城内に侵入することを阻止するどころか誘導したそうです。

 これがこの作戦の見事な点でした。敵兵は自分たちが誘い込まれたとは知らず、自らの手柄で城門が締まる前に侵入できたと誤解してしまったのです。
 しかし、アリの子のように城内に入ってきた兵士たちはそこで信じられないものを目撃します。
 
 それはあろうことか、防衛都市の一の門であり城壁の要ともいえる施設そのものをゴルゴダの兵士たちが焼き払う姿でした。
 一度に大勢の敵兵がヴァレリオ様の親衛隊を追って正門入り口に吸い込まれるように侵入してきていたので、場外への非難は難航しました。事情知らぬ後続兵は進もうとし、火事を見た先兵は逃げようとします。この相反する行動は衝突し、もはや進むことも撤退することも大変厳しい状況となったのです。そのため、敵兵は渋滞を起こし撤退に多くの時間を要したのです。

 こうなるように作戦立てておられたヴァレリオ様はさらに先を見越しておられ、兵士の大半をこの火事のあった正面入り口とは反対の逃げ口に集中させていました。それ故、一般兵士たちは敵の注目が正門に集まっているうちに早々と撤退することができたのです。

 全ては敵兵の注目を始めに300の親衛隊に集中させたおかげです。敵の攻撃が一点集中となったために、城壁を取り囲もうとさえ敵兵は思いつかなかったのです。そしてヴァレリオ様の家臣団は敵兵のいない裏口から安全に逃げおおせたのです。
 正面の大火に気を取られていた6万の軍勢は停滞を起こし、追撃の兵を出すことに遅れ、最終部隊である300の騎馬兵が城内全てに火を放ってから逃げていくことを見送ることしかできなかったそうです。

 この作戦が功を制した理由は他にも二つあります。
 一つは地の利。撤退路はどうしたってその土地をよく知る地元兵の方が速く走れます。道のり、また休憩に補給。それらを事前に準備しておけるゴルゴダ軍の方が圧倒的に有利でした。こういった場合、大軍はかえって邪魔になる物。ジェノバ軍はヴァレリオ様の後ろ髪を掴むことも出来ずに撤退を許してしまったわけです。

 撤退が成功したもう一つの理由は神々との対決の際にヴァレリオ様があらかじめ神々に人間の争いに参加しないと言質を取っていたことです。これがなければ兵士はことごとく神々に殺されていたでしょう。

 こうした二つの理由をもって我々はまんまと領民撤退完了までの攻防戦を制することができたのでした。
 アンナお姉様、そして魔神シェーン・シェーン・クー様。そしてヴァレリオ様が無事帰還された時の私の歓びは言葉にしようがありませんでした。

「アンナお姉様っ!!! ヴァレリオ様っ!」

 感極まってお迎えする私は『よくぞ無事のお戻りを』の言葉を発することも出来ずに大喜びでお二人の所まで駆け寄って抱きしめあって喜びました。

「こ、こら。駄目よ、ラーマ。皆が見ているでしょ?」

 なんてアンナお姉様に諭されるまで、私はアンナお姉様に抱き着いてしまうのでした。
 そして、ヴァレリオ様から防衛都市での攻防の詳細を聞くまで、私は興奮が収まりませんでした。ヴァレリオ様はそんな私を笑ってお許しになって私をなだめると、詳細をお話になったのでした。
 
 私は幾柱の神との戦い。そしてお見事な撤退作戦を改めてヴァレリオ様からお聞かせいただくと、「流石です。ヴァレリオ様」と、褒めたたえました。
 しかし、ヴァレリオ様はこの見事な撤退戦の成功もご自分の手柄として誇られることはありませんでした。あくまで謙虚に手柄は魔神シェーン・シェーン・クー様だと仰られたのです。

「正直、神々との戦いから逃げられるかは博打だった部分がある。
 しかし、アンナ様の援護射撃に呼吸を合わせて登場なさった魔神シェーン・シェーン・クー様のおかげで私たちは安全に逃げおおせることができた。正直、あそこでシェーン・シェーン・クー様がご登場なされることは私達も知らなかったこと。敵味方共に完全に意表を突く行動でした。」
「そして、奇襲後の退路もお見事なもの。
 シェーン・シェーン・クー様は風と炎の国の王の御子。我々がかの異界に移層し移動すれば、奴らとて我々を追撃するという異界の王に喧嘩を売るような真似は出来ない。私たちは無事に逃げられたのは、本当に魔神シェーン・シェーン・クー様のおかげです。」

 ヴァレリオ様はそう言ってシェーン・シェーン・クー様に深々と頭をおさげになられました。
 シェーン・シェーン・クー様はヴァレリオ様の感謝の言葉に大喜び。自慢げに胸を張ってお答えになられるのでした。

「そうだぞっ! 全ては俺のおかげだ。
 俺はお前達から姿を消すことで敵味方のどちらからも認識できない存在になりおおせたのだ。
 あの奇襲のタイミングは見事であったろう。それもこれも俺が偉大なおかげだ。」

 幼いお姿でしかも愛らしい茶色の耳をピコピコと揺らしながらシェーン・シェーン・クー様はお答えになられました。アンナお姉様がそんなシェーン・シェーン・クー様の頭を「偉いね、クーちゃん。」といいながら撫でられるので、シェーン・シェーン・クー様は更に上機嫌になるのでした。
 そして、捕獲した龍神ヴォール・ヴォール様についても語りました。

「俺はアンナお姉様が遠距離射撃で敵をけむに巻いたのを見た瞬間にヴァレリオの狙いが実は龍神ヴォール・ヴォールだと気が付いた。明らかに二人の攻撃目標としての集中が薄かったからだ。あれは意図的に敵に警戒させない行動だと感じたんだ。
 それで俺はヴァレリオの作戦に乗ることにした。
 ヴォール・ヴォールは完全にお前たちの戦いに傾注けいちゅうしていたので俺の隠形術に気が付けず、接敵を許して背後からの一撃をまともに食らった。
 そしてヴァレリオと共に攻撃することで簡単に奴を捕縛することができたのだ。全ては最初にヴァレリオの狙いを見抜いた俺の手柄だぞ!」

 シェーン・シェーン・クー様がそう自慢気に話すとアンナお姉様まで嬉しそうに目を細め、ヴァレリオ様は自分の意図を見抜いたシェーン・シェーン・クー様の御慧眼けいがんに敬意を表します。

「いや。正直、驚きました。私は作戦を実行する前にアンナ様には指サインで標的が実はヴォール・ヴォールであることをお伝えして、その後はアンナ様の構成にお任せして戦うことに集中していました。が、シェーン・シェーン・クー様は敵や私すら気が付いていなかったことを察知され、行動してくださっていたのですね。
 私がアンナ様の煙幕を見て『今こそ奇襲の時っ!』と行動を起こした時、まさかシェーン・シェーン・クー様が先回りしておられるとは夢にも思わず。おかげさまで一か八かの作戦が確実になりました。ありがとうございました。」

 そう言って深々と頭を下げるヴァレリオ様をシェーン・シェーン・クー様は嬉しそうに眺めていました。
 しばらくの間はそうやって私達はお互いの無事を喜び合い、健闘を讃えていましたが、やがてアンナお姉様は、いつまでもそんな戦勝ムードに浸るのは危険だと警告なさいました。

「さて、折角の楽しい時間ですが、そろそろ気を引き締めなければなりません。
 敵は6万の兵士と2柱の神を引き連れて我々を狙っています。
 不気味なのは彼らは龍神ヴォール・ヴォールを奪われてもまだ攻勢をやめる気配がないという事です。恐らくは彼らの背後には、例の二柱以外の神が控えていると考えて間違いないでしょう。それが私は恐ろしい。」

 アンナお姉様の口から「恐ろしい」と言う言葉がこぼれたのを聞いて私は改めて現状が危険なことを知ります。
なにしろ敵にはアンナお姉様が5度敗れている魔神スーリ・スーラ・リーン様がおられるのです。そこに更に他にも姿を見せていない神がおられることは本当に脅威なのでした。

「お姉様。捕縛なさいました龍神ヴォール・ヴォール様はお仲間の他の神について何か自白なさいませんでしたか?
 そしてなによりも神々の目的は何なのか? どうして神々は人間と契約して戦争を起こそうとしているのでしょうか?」

 アンナお姉様は私の質問にお答えくださいました。

「龍神ヴォール・ヴォールは神ゆえにあなた方、下々の者達の前で捕虜の辱めを見せるわけには参りません。とある場所で厳重な警備態勢で監禁しています。そこは幾重にも結界が張られていてヴォール・ヴォール程度の神では脱出不可能な場所です。
 そこで彼に尋問したのですが、彼は何も知らされていないそうです。
 ジェノバがどれほどの数の神と契約しているのか。そして、目的も・・・。」

 その御答を私は不自然に感じました。

「目的もご存じない? それはおかしくはありませんか?
 龍神ヴォール・ヴォール様が人間の国と契約なさった際に何の話あいもなしに戦争参加をお約束なさったと言う事ですか?
 それとも・・・。」

 私は会話の最中に恐ろしいことを思いつき、言葉に詰まってしまいました。そして、私が言葉に詰まってしまった恐ろしい考えは他の方々も既にお気づきのご様子で、言葉に詰まった私が続きを話す前にヴァレリオ様がお答えくださいました。

「ラーマ。君の予想は恐らくは正しい。
 きっと彼らの背後には彼ら神々を従えるより上位の神が控えていると見ていいだろう。
 その神が人間の国を操り、今回の戦争を引き起こしている。そして、神々もその神に使役されているのだろう。
 故に仲間の数も知らず、目的も知らぬ。
 そもそも魔神スーリ・スーラ・リーン様や龍神ヴォール・ヴォール、下郎神には接点がないし、共闘するような関係とは思えない。彼らは何者かによって集められ、使役されていると考えるべきだ。」

 ・・・アンナお姉様が5度も敗れた神。自由奔放な神を使役する神が背後にいる。
 得体のしれない事態に私たちは恐怖するのです。

 しかし、そうは言っても敵は待ってはくれません。私たちが会議をしている間も追撃を続けてゴルゴダの王都へと迫っているのでした。 
 敵の動向を探る歩哨から伝え聞いた情報によりますと明晩には王都から敵兵の姿が見える距離に来るだろうという事でした。そこで私は考えます。

「皆様、お聞きくださりませ。
 私は思います。やはり人間と戦うべきではないと。それは単純に戦争を避けたいという意味だけではありません。
 彼らが高位の神に操られているのだとすれば、彼らの罪を問うのはあまりにも酷だという事です。
 なれば、私は人間たちとの和平を考えます。しかし、そのために人間との戦争に打ち勝つ必要があることを自覚していますし、敵が戦争を続けにくい事態に追い込む作戦をすでに用意しています。
 ただ、そのためには・・・。」

 私がそこまで話した時でした。突然、私たちが会議を行っていた部屋に大雷鳴が鳴り響き、明けの明星様がタヴァエル様を従えてご登場なさったのです。

「よぉおっ!! せんどながらく待たせたなっ!! 俺の御帰還やっ!!」
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